性格は好奇心旺盛、めんどくさがり、若干フェミ、冷静
後々追加していきます。
いつもよりグッと近くなった太陽の元、わたしは17才ごろの少女・・・射命丸 文に抱えられながら空を飛んでいた。
脇の下に手を差し込まれる形だ。少々不格好だが、まあ仕方のないことだろう。
「・・・ねぇ影斗さん、あなたはこれからどうするんですか?」
とおくのほうにやっと地面が見え始めたころ、文は私にそう訪ねてきた。
「・・・これから?それはどうゆうことなんだ?」
どこで暮らすのか・・・と言っているのだろうか?いまいち彼女の意図をつかめない。それに彼女はわたしは外から来た人間だと断言していたじゃあないか・・・
わたしが文の言葉の意図を測りかねていると、彼女は言った。
「このまま幻想郷で暮らすのか、それとも外に帰るのか(・・・)と聞いているんです。
「外に帰る・・・?」
そう問われ、わたしは再び思考をめぐらす。
・・・わたしは神からここに送られた人間だ、いやあいつはここには神もいると言っていた、ならばそれよりもずっと上の存在(・・・)だろう。
そんなやつがそんなミスをするだろうか・・・いやしないだろう。もし帰れない場合わたしは、これはおかしいと疑いをかけられてしまうだろう。それは非常にめんどくさい・・・
しかしうそをついて誤魔化した場合、バレたときがこれまためんどくさいことになる・・・ならば事実を交えながら誤魔化した方がいいだろう。
「・・・わたしは外の世界とやらの記憶があまり・・・いや、ほとんどないんだ、だから今すぐ帰ろうとは思わない。」
わたしがそういうと文は呆けたような顔をした。
「はあ?ならさっきの≪家の近くを歩いてた≫っていうのは嘘だったんですかぁ?」
あんまりふざけたことぬかしやがるとおもいっきり投げ飛ばしますよ、と彼女は続けて言った。お淑やかだと思っていた彼女へのイメージがガラリと変わったのは言うまでもない。
「い、いや嘘ではない、正確にはそれ以前の記憶がないのだ。」
これは嘘ではない・・・簡単に言うと神に会う以前の記憶がないのだ。
「家族や友人関係・・・そういったもの(・・・)がいっさい記憶にないんだよ。」
そういわれて文は影斗の目を見る。
まっすぐな目をしている、これはホントのことだろう、文にはさとりのような心を読む能力はないが1000年を生きたことで培われた洞察力がある。
様々な人間と接してきたことにより培われたそれは、さそりほどではないにしろ、かなりのレベルであることにはかわりない。
それが影斗の言葉が真のことだと告げている。
(ふしぎなひとですね)
いきなり未知の場所にきたのにも関わらず、こんなにも落ち着いている、人間としては・・・いや、どんな存在よりもすごいことだろう。
文はそう感じた。
それに人間が持つこと事態が珍しい≪能力≫を彼は人間よりもずっと強い存在である妖怪を退けるまでに使いこなしているのだ。
それはやはり人間として凄いことなのだろう。
そこで文に一つの疑問がしょうじた。
「・・・影斗さんはどのような能力をもっているのですか?」
「・・・影斗さんはどのような能力をもっているのですか?」
わたしはそう問われ、これは言ってしまってもいいものなのだろうかと思った。
わたしを運びながら飛んでいる彼女のほうを再び見る・・・
(文はいま確実にわたしを森の外まで運んでくれようとしている、ならば言ってしまっても大丈夫だろう。)
(彼女の佇まいから考えて、彼女がこの幻想郷でも強者の部類に入るのは確実だ、もちろん戦ったとしてもわたしは負けんがね・・・)
視線を戻し、考える。
(ならば彼女がほかの妖怪の所にわたしを運んでいるということは考えにくいだろう・・・)
そう考えわたしは再び口を開く。
「わたしには3つの能力があるんだ、さて何から話したものか。」
彼女の爆弾化を解きながらわたしは答えた。
「3つ・・・ですか。」
文は彼の言葉に驚いた。先ほどと同じように彼の言葉は本当だろうとかんじているからこそおどろいているのだ。
しかし、同時に疑問もしょうじる
(・・・本当に3つも持っているのでしょうか、たしかに複数の能力を持つ者は確かに存在します、白玉楼の西行寺幽々子などが最たる例でしょう。)
しかし(・・・)だ・・・、ただの人間、それも外の世界の人間がそれを持っているのだ、幻想郷とはちがう常識を持つ外の人間、だからこそ影斗の能力ははっきりと異常だとわかる能力なのだ。
「・・・どんな能力なのですか?」
もし彼が危険な能力を悪用しようとする人間なら、幻想郷の住民としてわたしはそれを止めなければならない。
(監視のひつようがありますね・・・)
文がそう考えていると影斗はその整ったくちびるを開く。
「1つはあらゆるスピードを操る能力だ、わたしはこれに≪ドン・ストッピーナ≫と名付けた・・・こいつを使って妖怪を退けた・・・」
「・・・どうやったんですか?」
「彼女の周りの空気一帯の分子のスピードを操って、気温を下げたんだ。低すぎる気温は体にダメージを与えるからな。」
「・・・分子?」
「ん?・・・そうかここでは解かってないのか・・・ならそういうものだと思っていてくれ。」
「はぁ・・・」
あやは内心納得はいかなかったが、これ以上話を遅らせる意味もないのでその言葉に従った。
「2つ目は、あらゆる傷を完治させる力だ・・・女の子を傷つける趣味はないものでね、治してやったよ、そうしたら180度 態度を変えてね、素直でかわいらしい子だったよ。フフフ。」
影斗は、はみかみながらそう言った。
ドキッ!
その整った顔から放つ妙な色気を持った笑顔は文の心を揺さぶった。
(真面目な顔ばかりだったのにそんな顔が出来るなんて・・・反則すぎます。)
文は頬を赤らめながら黙っていた。
「3つ目は・・・」
「?・・・どうしました?」
「いや、これはかなり危険な能力でね、言ってしまってもいいものかと思ったんだよ・・・」
「大丈夫ですよ?ここにもかなり危険な能力をもつ人がいますから。」
文は顔が赤くなっているのがばれないようあくまで平淡にそういった。
彼女はすこし安心していた。今まで聞いたものが危惧していたものよりずっとふつうなものだったからだ。
なにより先ほどの笑顔がとっても優しいものだった、・・・それに
(悪魔の妹のものよりはずっとましでしょう。)
悪魔の妹・・・紅魔館の主の妹である≪フランドール・スカーレット≫の能力、ありとあらゆるものを破壊する程度の能力・・・それよりはましだろう・・・と。
そうか、ならいってもいいか・・・
と影斗は言った。
「わたしの3つ目の能力、わたしはこれを≪キラークイーン≫と呼んでいる・・・その能力は≪触れたものなんでも爆弾にし吹き飛ばす≫というものだ。」
「・・・ッ!」
わたしはそれを聞いて絶句した。赤く染まった顔が急速に冷える。
(あの能力とほとんど変わらないじゃないですか!)
わたしの顔に緊張が走るッ!
しかし彼はそんな私の心情を察したのかわたしに語りかけた。
「そんなに怖がらなくてもいいじゃあないか、文ぁ~、安心しろ、安心しろよ
そもそも何かするつもりなら君に能力を教えるわけがないじゃないかぁ~、ン?違うか?」
「・・・でも、いま私が爆弾にされてるかもしれないじゃない・・・」
おもわず素の口調が出てしまうのも仕方ないでしょう、それほどのことなのですから。
「ン~、それに関しては信じてくれとしか言いようがないな・・・敵でもない、ましてやわたしを助けてくれた君になにかするわけがない信じてくれ」
そう言った彼の顔を三度みる、やはり彼の顔に嘘の色はない。ならば・・・
「・・・わかりました、信じますよ、影斗さん。」
信じるしかないでしょう。わたしはわたしを信じるんです。彼の言葉を信じた自分を・・・
「ありがとう!文!」
わたしがそう言うと彼の顔は信じてくれと言った時の真摯な顔から、パァ~という音でも聞こえてきそうな笑顔を私だけに向けてきた。
ホントにズルいとわたしは改めて思った。
博麗神社はすぐそこだ。
二日間投稿できなくなるかもしれません。
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