東方殺女王   作:ダイナマイト

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やっとPCが復活しました、約一か月ぶりですね!





裏設定その1
影斗は元々ある能力を持っていた、それは『運命をぶち壊す程度の能力』
キンクリが出来たのもこの理由
当初、最終章でこの設定を明らかにする予定だったが、それ以上のラストを思いついた気がするので没になった、テヘっ


吉良吉影は静かに暮らしたいその3

 

 

あれから、幽々子はどんなに経っても目を覚まさなかった。

妖夢とわたしで額に置いたタオルを変えてやったり、交代で世話をしてやってる。

 

翌日

 

夜が明けても、幽々子は目を覚まさない。

庭の桜はもう半分ほど開いている。

 

妖夢は八雲紫を探してくると言って出ていった。

居場所は分からないらしいが、それでも探さないよりはマシだろう。

 

昼ごろ、妖夢が八雲紫と・・・何故か蒼々影斗を連れて帰ってきた。

どうやら、影斗が八雲紫を連れてきてくれたらしい。なんでも以前一度行ってきたことがあるそうだ。

だったらなんで居場所が分からないなどと言ったんだ・・・と思ったが、おそらく、自分には(・・・・・)分からない・・・と言う意味だったのだろう。

実際、幽々子も知っているは知っているらしい。まあ、その本人が倒れてしまっては世話ないが。

 

八雲紫が来てからは早かった、すぐさま桜に封印とやらを施し、幽々子の顔色は見る見るうちによくなっていった。

 

八雲紫が言うには時期に目は覚ますそうだ。

彼女は今、奥で影斗と話している。

 

そして数時間後、八雲も影斗も帰ってしばらくたった。

 

「う・・・」

 

ままで目を覚まさなかった幽々子が、声を発した。

 

「幽々子ッ!」

 

(なんだ・・・?この吉良吉影・・・ひょっとして 今 この女のことを心配したのか・・・?

彼女が目を覚ましたことに・・・今心からホッとしたのか?なんだこの気持ちは・・・

しのぶの時とは違う・・・いまわたしには夜も眠れないと言った『トラブル』もないと言うのに・・・

いや違うッ!この女が死んだら・・・仕事がなくなってしまう・・・雇い主である彼女が死んでしまったら、わたしは路頭に迷うことになるじゃあないかッ!

この女が無事でホッとしたのはそれだけのせいだ・・・ただそれだけ・・・)

 

「あれ・・・わたし・・・」

 

「・・・・・君はあれから目を覚まさなかったんだ。

八雲紫が言うにはもう大丈夫だそうだが、しばらく横になっておくといい、わたしは水でも持ってくるよ。」

 

わたしはモヤモヤする気持ちをおさえながら、返事もろくに聞かず部屋をでた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1週間後

 

今まで通りの生活へと戻った、幽々子を起こし、飯を作ってやる。

あれから幽々子は体調を崩すことはなく、1週間前の出来事がまるで嘘のように、体調はすごぶる良好だった。

 

「それにしても・・・この女も ちょっと臭ってきたか・・・そろそろ別れ時か・・・手を切る時期か・・・『手を切る』

クククク、また新しい女を見つけてくるか・・・」

 

昼の仕事も終わり、わたしは庭先で休んでいた。

彼女の名前は忘れたが、忘れると言うことはどーでもいいようなものだったのだろう

 

「そーいえば・・・幽々子に呼ばれていたな・・・何の用だ?」

 

昼食の時、彼女を呼びに行った際、後で部屋に来るようにと言われていたのを思い出した。

なんの用かは知らないが、とりあえず言ってみるか。

 

 

 

 

 

「それで何の用だ?」

 

部屋につき、幽々子と向かい合った後、わたしは開口一番にそう言った。

 

「あのね・・・気を悪くするかもしれないけど・・・」

 

幽々子がもったいぶったように言う、わたしは黙って聞くことにした。

 

「わたし・・・死を操る能力を持っているせいか・・・人間の死臭には敏感なのよね・・・」

 

「・・・・ッ!」

 

まさか・・・ばれているのかッ!

やはり・・・ここに連れてきたのは間違いだったか・・・・

 

わたしは無意識のうちのに、懐へと手をやってしまった。

 

グワシっ

 

「何を隠しているのッ!」

 

その手を掴まれてしまった。

 

ボト

 

わたしの手から『彼女』が落ちる。

 

「やっぱり・・・なんで?」

 

「なんで・・・か・・・」

 

「爪・・・のびているだろう・・・?こんなにのびてる・・・」

 

わたしは幽々子にのびた爪をを見せながら答える。

 

「???」

 

わたしの言葉の意味が理解できないようで、幽々子は頭にハテナを浮かべている。

 

「自分の『爪』がのびるのを止められる人間がいるだろうか?

いない・・・誰も『爪』をのびるのを止めることが出来ないように・・・

もって生まれた『性』というものは 誰もおさえる事は出来ない・・・・・・・

どうしようもない・・・・・困ったものだ・・・」

 

「わたしは生まれつき・・・『人を殺さずにはいられない』という性を背負っているんだ。

もって生まれてしまったものは仕方がないからね・・・前向きに行動しているだけなんだよ。」

 

「・・・なんでそんなことが言えるのよ。」

 

「言っただろう?これは止められるような類のモノなんかじゃあないんだ。

息を吐くように嘘を吐く・・・というが、さしずめわたしは『爪がのびるように人を殺す』・・・と言ったところか?」

 

「でも・・・」

 

「おいおい、そもそも君に言われる筋合いはないなァ、君・・・人を殺す能力を持ってるんだろう?

君だってその能力を使ったことがないわけじゃあないんだろう?それに妖怪が人間を襲うという話も聞く、案外この幻想郷では普通のことじゃあないのか?」

 

わたしがそう言うと幽々子は少し考えるそぶりをした後で、口を開いた。

 

「・・・それもそうね、ごめんなさい、つまらないことを聞いたわ。」

 

「いや、大丈夫だよ、君にはよくしてもらったからね。」

 

「・・・でも気をつけなさいよ。博麗の巫女に見つかったら退治されるわよ。」

 

「そんなヘマはしないさ。」

 

正直こんな簡単に言いくるめられるとは思ってなかったから、少し驚いたよ。

彼女を爆破する羽目にならなくて本当に良かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2週間後

 

今日の服、承太郎のコート

 

「犯人を捜す?」

 

「ええ、行方不明者はもう2人になります。犯人を見つけることが出来たら新聞を買ってくれる方が増えそうですし・・・」

 

「それは・・・現金な奴だな・・・」

 

文がわたしの家に来るなりそう言った。

最近このパターンが多い気がする、文がせっかちなのか、それともわたしにこらえ性がないのか、正直悩むところだ。

そんなことを言うから・・・てっきり正義感が働いたのかと思ったが、どうやらそんなつもりはないらしい。

まあ、勘違いした正義を振るうやつなんかよりはずっと好感が持てるからいいがね。

 

「それで・・・何故そんなことをわたしに話す?」

 

「いや・・・その・・・一緒に来ていただけないかな?・・・って思って・・・」

 

「フム・・・」

 

その言葉を聞きわたしは考える。

この申し出に対するメリットは全くない。当然だろう、わたしは犯人を知っているし、知らない女が死んだところでわたしの心は全く傷つかないのだから・・・

 

しかし、逆に考えよう、もし文が吉良の殺人現場を目撃してしまったら・・・

吉良は文をキラークイーンで始末しようとするだろう。

ではキラークイーンを見た文はどう思う?わたしのキラークイーンを知ってる文だ、驚いている間に始末されてしまう可能性もある。

だったらついて行った方がいいか・・・

 

 

「分かった、わたしも行こう。

少し身支度を整えるから、先に行ってくれ。」

 

「はい、分かりました。」

 

そう言って文は部屋を出て行った。

それを確認したわたしは、机の上に置いてあった数枚の紙を手に持ち、それを見ながら考える。

 

「やはり・・・ここはジョジョの世界ではないのか・・・?」

 

その紙は3週間前に八雲紫に依頼した調査をまとめたものだ。

わたしが依頼したこと・・・それは、ジョースター不動産、空条承太郎の存在、SPW財団、杜王町、これらが外の世界に存在するのか?と言うことだ。

 

はっきり言おう、確かに存在した。

SPW財団は世界屈指の大財閥だし、空条承太郎も有名な海洋冒険家だった。

 

「・・・となると、ここはあのジョジョ好きのクソ神が、自分の欲求を満たすために作った世界と言うことか・・・」

 

現状、それが一番考えられる。

それとも、ジョジョの世界に極めて似ている世界だろうか?いや、八雲紫が報告していないだけかもしれんが。

 

まあ、どちらにせよ、吉良がいるのはあの神のせいなのだろうな。

 

「ハァ・・・」

 

これから起こるであろうことに、若干イヤになりながらも、わたしは文の後を追った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それで・・・どーやって探すんだ?」

 

その後、文に追いつき、ともに人里へと着いたとき、影斗は文にそう問った。

 

「えっとですね、とりあえずわたしなりに犯人像を推理してみたんですけど・・・」

 

すでに犯人を知っている影斗にそれを話すのはいささか滑稽に思えるが、文はそんなことは知らないのだから仕方がない。

 

「まず・・・この2週間で2人の被害者がでていますが・・・2人が行方不明になったのは今からちょうど2週間前と1週間前、そしてどちらも女性です。」

 

「目撃者がいないことも含め、犯人はとても冷静沈着、そして神経質な男だと思われます。」

 

「ほう・・・」

 

しかしその推理は案外的を射ていた。

 

「犯人は男と断定、1週間ごとに犯行が行われていることから、今日再び行方不明者が出る可能性が高いです。

なので人気のなさそうな場所を中心に、女性を連れた男を探そうと思います。

もちろん歩いていたんじゃ間に合わない可能性もありますから二手に分かれて空を飛んで・・・ですけどね。」

 

(考えなしにそんなこと言ったのかと思っていたが・・・案外考えているんだな、それにかなりいい線をいっている・・・)

 

「それじゃあ、日が傾き始めたら一度ここに集合です。」

 

そう言って文は空へと飛んで行った。

 

(まさか・・・本当に今日、吉良が犯行を行うとは思えないが・・・万が一がある、ついていくか・・・)

 

影斗は文から少し距離をとりながら、後を追った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「妖夢、それじゃあわたしは少しふらついてくるよ。」

 

「ええ、わかりました。」

 

そう言って妖夢は吉良から離れていく。

 

「フ~、さてどうするか、この彼女もそろそろ別れ時だ、臭いがきつくなると妖夢にもばれる可能性があるからなァ。」

 

妖夢が完全に見えなくなったことを確認した吉良は、その整った顔に浮かべていた笑みをスッと消し、無表情で呟いた。

 

「そう・・・手を切るときだ・・・」

 

シュ――

 

そう呟きながら、吉良は胸ポケットにある彼女に触れ、消滅させる。

 

「・・・この小さい人里でこれ以上彼女を見つけるのはいささか無理があるな・・・

そう言えば・・・ここにいる妖怪は人型で・・・女が多いらしい・・・次からはそいつらを狙おうか?」

 

そんな吉良の目に1人の女性が映る。

 

「・・・・・」

 

吉良はその女の後を追った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ククク・・・しゃべらない君は 実に カワイイよ・・・」」

 

そう言って吉良は、先ほど見つけた女を消滅させた、その手には彼女のモノであった美しい手がある。

 

「待ちなさいッ!見つけましたよッ!あなたが今回の事件の犯人ですねッ!」

 

「なッ・・・」

 

その言葉に、吉良は思わず振り向いた。

・・・がそこには誰もいない、そう地上には誰もいなかった。

1人の女が、空から降りてきていた。

 

(クソッ!見られていたのかッ!?

人里にはほとんど妖怪は来ないんじゃあなかったのかッ!?)

 

「見てしまったか・・・」

 

「あなたの犯行は遠くからだったのでいまいち見えませんでしたけど・・・あなたが彼女に何かしたのは分かりました!

そしてその手・・・言い逃れはできませんよッ!」

 

「君・・・ひとりかね・・・・・?

ほかに誰かと来ている・・・と言ったことはないのかね?」

 

女の剣幕に、少しも臆することなく、吉良は周りをキョロキョロと見渡しながらそう問った。

 

「そんなことを聞いてどーするんですか?あなたも特殊な能力を持っているようですが・・・動かないで・・・両手を上にあげなさいッ!」

 

その女・・・つまりは文だが、彼女は警戒を怠ってはいなかった。

もちろん人間に負けるとは思ってはいないが、それでも影斗や霊夢と言う前例がある。

そして何よりも・・・

 

(この人・・・異常に不気味です・・・近寄らない方がいい・・・ッ!)

 

不気味なのだ、この世の何よりもおぞましいような感じさえする。

そんな文の前で、吉良は不敵に口を開いた。

 

「・・・・・・わたしの名は『吉良吉影』年齢は33歳、今、冥界の白玉楼で住み込みで働きながら厄介になっている・・・

もちろん結婚はしていない・・・」

 

「???」

 

「仕事は雇い主である西行寺幽々子を起こしたり、料理を作ってやることだ。

タバコは吸わない、酒は たしなむ程度、夜11時には床につき必ず8時間は睡眠をとるようにしている・・・・・

寝る前にあたたかいミルクを飲み 20分ほどのストレッチで体をほぐしてから床につくとほとんど朝まで熟睡さ・・・

赤ん坊のように疲労やストレスを残さずに 朝、目をさませるんだ・・・

健康診断でも異常なしと言われたよ。」

 

「な・・・何を言ってるんですか!?あなたッ?」

 

「わたしは常に『心の平穏』を願って生きている人間と言うことを説明しているのだよ・・・・・

『勝ち負け』にこだわったり、頭をかかえるような『トラブル』とか 夜も眠れないと言った『敵』もつくらない・・・・・と言うのが、わたしの社会に対する姿勢であり

それが自分の幸福だと言うことを知っている・・・・・・

もっとも、闘ったとしてもわたしは誰にも負けんがね。」

 

「それについては同感だな・・・」

 

ドドドドドドドドドドドドドドドドドド

 

「何ィッ!」

 

後ろから聞こえてきた声に、吉良は思わず振り向いた。

 

「お・・・お前は・・・ッ!」

 

「影斗さんッ!」

 

「やれやれ、心配になって見に来たら・・・まさか本当にこんなことになってるとは・・・流石に予想外だよ。」

 

フ~、と溜め息を吐きながら、影斗はそこに現れた。

 

「さて吉良さん、いや吉良吉影・・・1つ相談なのだがね・・・」

 

吉良の横を通り、影斗は文の隣りに立ちながら言葉を紡ぐ。

 

「さっきも『同感』・・・と言った通り、わたしも争いと言うものは嫌いなんだ。

だから1つ相談だ、わたしたちはもう2度と君のすることの邪魔はしないし、このことは誰にも言わない。

・・・だから見逃してはくれないかい?」

 

口を挟もうとする文の口を押えながら、影斗は言った。

 

「だめだね、もし誰かに話されたら・・・と考えると夜もおちおち眠れない。」

 

「・・・・・・」

 

しかし吉良は、影斗の提案を断った。

 

「つまり・・・」

 

「つまり・・・」

 

「君たちはわたしの睡眠を妨げる『トラブル』であり『敵』というわけだ・・・」

 

「あなたはわたしの『平穏なる人生』を脅かす『敵』というわけだ・・・」

 

「誰かにしゃべられる前に・・・」

 

「それが起こる前に・・・」

 

「「君を始末させてもらう。」」

 

そう言いあう2人の隣には・・・2体のキラークイーンがいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




途中、ジョジョの世界だとかどーとか言ってますが、深く考えなくて大丈夫です。

今後もジョジョキャラが登場するかも、ってことを言ってるだけです。

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