東方殺女王   作:ダイナマイト

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投稿が遅れて申し訳ございません。

今後、秋ごろまでこんな状態がが続くと思います。

スイませェん・・・


幕間その2
鬼の宴


 

今日の服、ハイDIOの服

 

あのクソッたれの死津藻が起こした異変が解決してから数日がたった。

あの異変は、霧のような花粉が充満していたということで『華霧異変』と呼ばれている。

まあ、あのハエも集らぬほど腐ったあいつにはもったいない名だ。(きっと花言葉は『悪寒』とかだろう)

その異変も、無事とは言えないが、まあ解決し、宴会が開かれた。

 

・・・・・開かれたはずなのだ。

 

 

 

 

 

「なあ、魔理沙?これはどういうことなんだ?」

 

博麗神社の境内、あれから連日のように行われる宴会で、わたしは魔理沙にそう話しかけた。

 

「んあ?らにって宴会らよ、宴会ィ~。」

 

・・・どうやら、すでに出来上がってるらしい。

酔っぱらいの相手は苦手だ・・・、と言うよりめんどくさい。

そしてまた日本酒を飲みだす魔理沙。

 

『飲んどる場合か―ッ!』

 

と正直言いたいところなのだが、よくよく考えればここは酒を飲む場であるので、その言葉をグッと飲み込んだ。

 

「・・・まあいい、少し考えたいことがあるから・・・今日は帰らせてもらうよ。」

 

「おおう、それじゃあな~。」

 

まったく、『酒は飲んでも呑まれるな』と言う言葉を知らないのか。

そう思ったまま、わたしは階段を下りて行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、帰り道、わたしはあること(・・・・・)を考える。

 

(この宴会の頻度・・・さすがに異常ではないか?)

 

わたしがここに来てそれほど長いわけではないので、一概にはそう言えないが、それでもレミリアたちと出会ってから今まで、これほどまでの頻度で宴会が行われたことはなかった。

今は春で、なおかつ桜も咲いてる。花見気分なのかもしれないが、花見と言ってもここまでやるか?と言うのがわたしの思いだ。

ずっとここで生活している魔理沙があんな風なのだ。わたしが考えすぎなのかもしれない。

 

考えすぎなのかもしれないが・・・

わたしが一番疑問に思うのは、この『妖気の霧』だ・・・。

わたしのカンもなかなかさえていると思う。もっとも、文や幽香と親しくしていなかったら気づかなかったところだろうが。

 

それで・・・だ。

この『妖気の霧』が現れてから、明らかに宴会の頻度が増した。これは確かだ。

だったらこれは『異変』と捉えるのが妥当だろう。

さっきの様子では、まだ誰も気づいていないだろうし・・・。

 

「フ~、やはりわたしが動かねばならんのか・・・・・。」

 

まったく、やれやれだ・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日

 

今日の服、ディアボロの服

 

「・・・というわけなんだが・・・レミリア、君はどう思う?」

 

「・・・言われてみれば、確かにおかしいわよね?それにこの妖霧・・・」

 

そーいう訳で、わたしは今日、紅魔館へ来ている。

紅魔館に来たのは簡単だ、犯人がレミリアの可能性があったからな。

 

吸血鬼は霧になれるというからなァ、それに前科もある。

 

それでも可能性は低いと思っていたが・・・

レミリアの妖気なら、わたしは気づくだろうし。

 

「・・・紅茶をお持ちしました。」

 

「ああ、ありがとう咲夜。」

 

こちらに顔を見せず、紅茶を持ってきた咲夜。

 

・・・まったく、そんなに恥ずかしいのならばやらなければよかっただろうに。

まあ、なんというか、初心な彼女を見ると、こう・・・微笑ましいものを感じさせるが・・・。

 

「・・・失礼します。」

 

バタンッ!

 

落ち着いた声とは全く別な音と共に、咲夜は足早に部屋を出て行った。

 

 

 

「そうか・・・心当たりはないということだね?」

 

紅茶を飲みながら、わたしはレミリアにそう訪ねる。

 

「ええ。」

 

「そうか・・・、ならいいんだ。」

 

そのまま紅茶を飲みほし、立ち上がる。

 

「ねえ、貴方、これからひまだったりする?」

 

そんなわたしに、レミリアが話しかけてきた。

 

「ン?・・・いや、これから特に予定はないが・・・」

 

「だったら、フランの相手をしてくれない?」

 

「ああ、別にいいぞ。」

 

というわけで、フランの相手をしてやった。

もちろん弾幕ごっこではなく、もっと健全な遊びだ。

・・・ただ一つ言えるのは、吸血鬼の体力をなめちゃあいけないということだ。

 

前で懲りるべきだった、鬼ごっこはもうやめておこう・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2日後、博麗神社

 

今日の服、ハイDIOの服

 

「またか・・・」

 

日が沈み、夜が深けてきた今夜、また宴会が開かれた。

毎回毎回、律儀に参加するわたしは、きっと性格がいいのだろう。いや、日本人特有の断れない性格とやらか。

 

あれから『異変』の調査に進展はなく、原因は分かっていない。

まあ犯人が、『宴会を開くこと』が目的ならば、きっといつか姿を現すだろう。

それまで待つとするか・・・。

 

「・・・少し一服してくるよ。」

 

「あ、分かりましたぁー」

 

わたしは文にそう告げ、席を立った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それで・・・だ、ここはいったいどこなんだ?」

 

ゆっくりできる場所を探しているうちに、どうやら妙な所へ来てしまったらしい。

そしてここは『霧』の『妖気』が濃い。

 

と言うことはだ・・・

 

「誰かいるなッ!」

 

「せーかーぁい♪」

 

不意に・・・その霧が一ヶ所に集まり、人の形に固まり始め、1人の幼女が姿を現した。

 

「君が・・・この『異変』の犯人と言うことだね?」

 

「ええ、合ってるわよ。

まさかこんなに早く気づかれるなんて思わなかったけど・・・」

 

その幼女は、手に持ったひょうたんを呷りながら、そう言う。

すでに千鳥足で、どうやら出来上がっているらしい。」

 

「わたしは伊吹萃香(いぶきすいか)

あんたはわたしのことを知らないけど、わたしはあんたのことをよく知っているよ。

宴会ではいつも一歩引いたような態度をとっていたね?内心めんどくさいと思いつつ、いつも酔っぱらいの面倒を見ていた。」

 

「そうだ、酔っぱらいの相手は本当に面倒くさい、だからやめてはくれないかね?」

 

「いやだね、今年は春が来るのが遅かったり、変な妖怪が攻め込んできたりで花見の時間が短いんだ。

どーしてもって言うなら、わたしを倒してからにしなさい!」

 

そう言って萃香は拳を構えた。

 

本当に・・・・・やれやれだ・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「人間にしてはッなかなかッ、強いじゃないかッ?」

 

「そんなこと言われてもッ全然ッ嬉しくはないがねッ!」

 

乱暴に振り回す小さな腕を、キラークイーンに受け止めさせながら、そう言う。

しかし・・・こいつ、こんな格好している割には力が強い、幽香並みか?気を抜けばこちらがやられてしまうだろう。

 

「まさか人間ごときが、我ら鬼と力で張り合えるなんて思わなかったよ。」

 

「鬼?伊吹・・・萃香、鬼・・・

ああ、なるほど伊吹童子、いや酒呑童子と言った方が分かりやすいか・・・。

だが可笑しいなァ?鬼はもういないんじゃあなかったのか?本当に鬼なのか?」

 

「嘘なんかつくかッ!我ら鬼が人間にッ!」

 

萃香がジロリとこちらを睨みながら、怒鳴った。

 

「おいおい、何をそんなに怒っているんだ?落ち着けよ。

まあ、伝承の通りなら分からなくもないが・・・」

 

「もういいや・・・、ちょっとイライラしてきたし、もう終わらせよう・・・。」

 

そう言い放つと同時に、萃香が飛び上がり腕をグルグルと回し始めた。

するとそこには、周りの岩が萃まる。

 

「ほう・・・すさまじいな、あんな岩の塊を喰らえば、きっとわたしの体など簡単にひしゃげてしまうだろう。

・・・もうこの戦いは終わりだなァ。」

 

「降参するの?だったら終わらせてあげるけど?」

 

「いや、終わりと言ったのは、君の勝利で・・・と言う意味ではない。

逆だ、わたしの勝利で・・・と言う意味だ。

キラークイーンは・・・すでに君の腕に触っている・・・。」

 

「はっ!」

 

カチリ

 

ドグオォォォォン

 

スイッチを押し、彼女の腕をこっぱ微塵に消し飛ばす。

 

「うぐっ」

 

その衝撃で、萃香は倒れる。

 

「さて・・・このハンデでまだ続けるか?

続けると言うなら・・・再起不能になってもらうが・・・。」

 

「ハハハハハッ!」

 

不意に、彼女が笑い始めた。

この状況で・・・何を笑っているんだ!?

衝撃で頭がおかしくなったのか?わたしはそう思った。

 

しかし、次の瞬間ッ!何かがわたしの首をつかんだッ!

 

「な・・・グハッ」

 

それは先ほどわたしが吹き飛ばした彼女の腕だった。

 

「随分やるじゃないか?わたしもちょっと驚いたよ。でもね、勝ち誇るにはずいぶん早いんじゃないの?

わたしの『密と疎を操る程度の能力』、あれくらいはなんとかなるよ。」

 

(ぐ・・・忘れていた・・・、彼女は霧になっていたんだッ!

あれくらいは何ともないということか・・・)

 

それでは、わたしのキラークイーンの能力は、とことん相性が悪いということじゃあないかッ!?

 

だったら・・・

 

わたしは懐から2つ、モノを取り出す。ディスクと・・・鉄球を・・・

鉄球を黄金回転させ、わたしの首を万力のように締め上げる手に当てる。

 

「なっ!」

 

すると腕ははじかれ、わたしから離れる。

その隙に、わたしはディスクを頭に差し込んだ。

 

その間に、彼女は腕を元の場所に戻した。

 

「ふんっ」

 

萃香が不意に、大きくジャンプした。

 

「何のつもりだ・・・?」

 

しかし、次の瞬間その目的に気づく。

大きくなった萃香がわたしを踏みつけようとしているのだ。

 

「グッ、牙(タスク)act3ッ!」

 

それを見たわたしは、先ほど差し込んだディスクのスタンド、タスクを呼び出し、爪を黄金回転させる。

そしてそれを自らに打ち込んだ。

 

ズシィィィィィン

 

「あれ?感覚が?」

 

「こっちだよ。」

 

「はっ!」

 

踏みつぶした感覚がなかったのか、そんなことを言う萃香。

わたしは爪を彼女に向けながら話しかける。

 

「まだ続けるか?

このまま続ければ、2人とも無事ではすまないと思うが・・・

もともと、異変解決はわたしの仕事ではないからなァ。

これくらいで終わらせるのが妥当だと思うがね。」

 

「ああ、うん。

それじゃあ、あんたなかなか強かったよ。」

 

「ああ。」

 

そう言って、わたしはそこから立ち去った。

 

 

 

 

それから一週間後、霊夢が異変を解決したというのを聞いた。

 

 

 

 

 

 

 




尻すぼみ感が否めない今回、はやくオリジナル話をやりたいなァ。

ちょっとキラークイーン・レクイエムの能力が分かりにくかったかもしれないので解説を

能力『記憶と認識を吹き飛ばす』

この能力を発動している間は何も考えることが出来ず、行動も出来ない。
すなわち発動後はなすすべがないということ。

この能力の応用で、世界の記憶されないというのがあるが、分かりやすく言うと、
何かが起こったら、それは世界に書き込まれる。それを消しゴムで消すようなイメージ。

死津藻が世界から忘れられ、何もないところへ送られたが、
あれは世界がこの世界の『異物』と認識したため、この世界のどこでもない場所に送られたということ。

このSSでは、レクイエムは矢を差している間だけという設定。

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