東方殺女王   作:ダイナマイト

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・・・いつのまにか通算UAが10000
お気に入り数が100を突破していますね・・・
こいつはめちゃ嬉しいよなああああ
君たちの行動ッ!ぼくは、敬意を表するッ!


いともたやすく行われるえげつない行為

今日の服、DIOの服

 

「本当に・・・行くんですか?」

 

あれからしばらくたって・・・妖夢もようやく落ち着いたようで、彼女はわたしにそう問いかけてきた。

 

「・・・『守る』・・・と言った以上、いかない訳にはいかないだろう。

と言っても・・・もう遅いかもしれないがね・・・」

 

わたしの言うとおり、あれからかなりに時間がたってしまっている。

 

「ということで・・・わたしはそろそろ行かせてもらうよ。」

 

「・・・ええ、それでは・・・」

 

どうやら彼女にはすでに戦意はないようで(と言ってもあれほどの醜態をさらしたのだから当然と言えば当然だが・・・)

わたしを止めはしなかった。

 

「お嬢様に殺されても知らないんだから─────ッ!

 

彼女の言葉を背に、わたしは咲夜たちが向かったであろう方向へ飛んで行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて・・・このまま向かったとして・・・何か面白味はあるだろうか?」

 

わたしは階段をのぼりながらそう呟く。

はっきり言ってあの三人がいる時点で、わたしの出番はあるのだろうか?

わたしが言うのもなんだが、彼女たちも大概チートだろう。

だからわたしが本当に必要なのか迷いを感じていた。

 

そこでわたしは気づいた。せっかく持ってきたディスクを使ってないことを・・・・

わたしはそれを頭にはめ、先を急いだ。

彼女たちが驚いた顔を眼に浮かべると、わたしの頬は自然に吊り上っていた。

 

 

 

 

 

 

ひらひらひら・・・と一枚の布が宙を舞っている。

それは霊夢たちが弾幕ごっこを繰り広げている庭で舞っている。

普段ならなんとも思わないだろうその光景・・・しかし霊夢には心当たりがあった。

 

(あれは・・・影斗のマント・・・ッ!)

 

そう、影斗のモノだ・・・

影斗がいつからか着るようになった奇抜な服、黒のぴっちりしたタートルネックに黄色の服、ところどころにハートがデザインされたその服はあまりにも奇抜だった。

それが似合ってしまう影斗にも困ったものだと、影斗を知るものの共通意見だ。

その一部であるマントが、宙を舞っているのだ。

 

(まさか・・・やられたッ!?)

 

「あらあら・・・戦闘中によそ見なんて・・・ずいぶん余裕ね?」

 

その様子に、目の前にいる人物、たった今霊夢が弾幕ごっこを繰り広げている冥界の姫、西行寺 幽々子(さいぎょうじ ゆゆこ)が言った。

 

「うっさいわね!あんたなんか、それぐらいハンデを与えてやったくらいがちょうどいいのよッ!」

 

霊夢はそういうが気になるものは気になるし、心配なものは心配だ。

生憎、魔理沙と咲夜は別のモノ(・・・)を対応しているし・・・一体どうしたものか・・・と霊夢は思う。

 

その時、そのマントが不意に落ちた。まるでその場所まで来ることが目的であったように・・・不意に落ちたのだ。

そしてそのマントは、何ものかに持ち上げられた。

・・・先ほどまで何も存在しなかったマントの下から・・・

 

「どジャアァぁぁぁ~~~~~ン。」

 

そう言いながらマントの下から現れたのは、そのマントの持ち主、蒼々影斗だった。

他のモノには見えないが、影斗の隣にはキラークイーンとそのキラークイーンとは別の何かが存在していた。

 

D4C・・・影斗が持ってきていたディスクはそれだったのだ。

キラークイーンの猫耳とは対照的で、細長いうさ耳が特徴的なスタンドだ。その口を覆うマスク、体の側面やうさ耳の正面には鎖のような模様がある。

その能力は基本世界と隣の世界を自由に行き来できると言ったもので、その能力は何かに挟まれることで発動する。

1つの世界に同一のものは存在できず、出会った瞬間消滅してしまう。D4Cの能力だけが、その例外となる。

 

その光景・・・知らぬものが見れば理解が出来ないだろう。

 

「「へ・・・」」

 

この二人もその例外ではない。

いきなり現れた影斗に、2人は目を見開いた。

しかし今は戦闘中だったことを思い出す。そして二人は再び弾幕ごっこを再開した。

 

その一方、影斗は内心ほくそ笑んでいた。

自分の予想した通りの反応が見れたのだ、満足だろう。

しかし欲を言えばもう少し驚いてほしかったと思うのも嘘ではない。

 

「さて・・・加勢した方がいいのだろうか?」

 

と呟く。

そこで、戦っているのは霊夢だけだというのに気づき、影斗はあたりを見回した。

その庭の奥のほう・・・一際大きな桜の樹の下、三分咲きと言ったところだろうか?その樹の下に咲夜と魔理沙はいた。

 

ゾクッ

 

それを認識した瞬間、影斗の背筋に寒気が走ったッ!

 

(な・・・何なんだッ!・・・あれはッ!)

 

何がどー不味いかは分からない・・・だがあれは危険すぎるッ!この世に存在していていいような類のものじゃあないッ!

 

そう思った影斗は、その樹にあっという間に近づき、キラークイーンで触れようとした・・・。

 

(あらあら、そんな危険なことはしないでくれないかしら?)

 

そんな声が聞こえてきた瞬間、影斗の体が後ろにすっ飛んだ。

 

「ぐはっ!」

 

「んな!」

 

「影斗さんッ!」

 

その様子を見た咲夜と魔理沙が声を上げる。

しかし、影斗はピクリとも動かない・・・先ほどの不意の一撃で意識を失った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それからはわたしが、この幽々子を倒して異変解決。桜もあれ以上開かなかったわ。」

 

博麗神社の境内で、霊夢はわたしにそう言った。

異変が解決したということで、現在 博麗神社では宴会が開かれている。

 

「そうか・・・あれからわたしは意識を失っていたからなァ~。

フ~、ところで、いったいあの一撃はどこから来たんだろうか?まったく気が付かなかったぞ。」

 

「・・・・・」

 

ン?わたしがそういうと、幽々子が不自然に黙った。まるで心当たりがあるかのように・・・

まあいい、言う気がないのならそれでいい、もちろん借りは変えさせてもらうが。

 

「ところで・・・あの時影斗ってどうやって現れたの?急に現れたって感じだけど・・・?」

 

「ン?あれか?その認識で間違っちゃあいないよ。何かの『スキマ』に入ることで、この世から姿を現したり消えたりできるんだ。」

 

「・・・!」

 

おや・・・今度は分かりやすく反応したな・・・言いたいことがあるならはっきり言えばいいだろうに・・・

 

「・・・そういえば、まだ結界が修繕されてないのよね・・・」

 

と幽々子が言った。

 

「わたしの友人なら治せると思うんだけど・・・あの子わたしが言っても動いてくれないのよね・・・」

 

幽々子は続けてそういう。なんだか嫌な予感がしてきた。

 

「そういえば・・・あの子もあなた・・・影斗に会いたいって言っていたし・・・

ねえ影斗・・・あなた行ってきてくれないかしら?」

 

ほら来た、わたしの嫌な予感は当たるんだ・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どうしてこうなった・・・

 

「フミャ~ン・・・」

 

ゴロゴロと音をたてながら、わたしの膝の上で寝ている少女が1人・・・

この前の猫耳少女だ、名前は橙(チェン)というらしい。

彼女はいいようにわたしに撫でられている。撫でるたびに身を震わせる様子は・・・なんというか大変可愛らしい。

ほんとになんでこんなことになったのだ・・・

 

 

 

わたしが幽々子の頼みを(いやいや)聞き入れ、彼女の友人とやらに会いに行く最中、彼女は現れた。

どうやら彼女は前より強くなったから・・・という理由でわたしにリベンジマッチを挑みたいらしい。

フ~、これだから闘いというのは嫌いなんだ。勝っても次の闘いのためにストレスがたまる。

どうやら避けられそうもないようなので、わたしはそんな事を思いながらも相手をしてやった。

 

で・・・結果なのだが・・・はっきり言ってそんな変わりがあるようにも見えなかった。

当然、わたしの勝ちだ。今後、ちょっぴりでも勝てると思わないよう、完膚なきまでに叩きのめしたのが原因か・・・彼女は悔しそうに涙目を浮かべた。

幼い少女を泣かせてしまった罪悪感もあるし、猫だし、猫だし、猫だし、何より彼女が猫だったのでとりあえず頭を撫でた。

 

 

 

うん、まあ最初からわかっていたが、あれが原因だろう。

わたしの足元からは寝息が聞こえてくる。どうやらわたしが考えている間に彼女は寝てしまったらしい。

 

「おっと・・・こんなことをしている場合ではなかったな・・・」

 

そう言ってわたしは立ち上がる。

 

「ひぎゃッ!」

 

何やら悲鳴が聞こえた気もするが・・・そんなことは気にしてられない。

わたしはとりあえず先を急いだ。

 

 

 

 

 




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