東方殺女王   作:ダイナマイト

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今回はギャグパートです笑


幽霊少女に会いに逝こう

 

今日の服、DIOの服

 

「やあ、咲夜、霊夢、それに魔理沙・・・君たちはいったいこんなところで何をしているんだ?」

 

空に見えた霊夢たちに追いついたわたしは、彼女たちに話しかける。まあ、異変を解決しようと動いているのだろうと言うのは分かってはいるのだがね。

 

「あら・・・影斗じゃない・・・あなたこそこんなところで何をしているの?」

 

質問を質問で返すなァーッ!・・・と言いたいところだが・・・別に気が立っているわけではないので、素直に答えておくことにしようか。

 

「ほら・・・最近、春だというのに冬のように寒いだろう?このままでは食べ物がなくなってしまう・・・

その前に何とかしようと思ったものでね。」

 

「おお、奇遇だな!わたしたちもだぜ!」

 

「はい、この花びらのようなものが春が訪れない理由だと聞いたものですから、これが集まっている雲の上を目指していたんです。」

 

やはり彼女たちと合流したのは正解だったらしい。これから目指すべき場所が見つかった。

 

「そうか・・・空の上ね・・・、わたしも・・・ついて行ってもいいかな?」

 

「別にいいけど遅れたらおいていくわよ?」

 

「ああ、それで構わないよ。」

 

そしてわたし達は雲の上を目指した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ほう・・・ここらは温かいんだな。」

 

「そうですね・・・普通なら逆なのに・・・元凶は近い・・・と言ったところでしょうか?」

 

「それにしても・・・雲の上まで桜が待ってるのは何故?」

 

「そんなことより手伝ってくれよ、霊夢。この結界・・・素人にはちとキツイぜ。」

 

影斗たちが思い思いにそんなことをを話していると、遠くから音楽が聞こえてきた。

 

(なんだ・・・この音は・・・だんだん近づいてきている・・・ッ!

それにこの音・・・ッ!聞いていると・・・なんだか気分が・・・!)

 

「なんでしょう・・・この音楽・・・聞いていると気分が高まってくるッ!」

 

「だな・・・全然そんな気がないというのに・・・なんだか不気味だぜ・・・!」

 

「そうかしら?わたしは別に感じないけど・・・?」

 

「そりゃお前が特別なだけだぜ、霊夢。」

 

「フ・・・フフフ・・・」

 

「え、影斗さん!?どうしたんですか?」

 

「フフフフハハハハ、最高に「ハイ!」ってやつだアアアアアハハハハハハハハ―ッ!」

 

ドズンッ!と影斗が自らの頭に指を突き刺した。そのまま脳をかき回すッ!

 

「影斗ッ!何をしてるんだッ!・・・いや、もう治ってる(・・・・・)だと・・・ッ!」

 

咲夜と魔理沙が驚愕の声を上げる、霊夢は違う方向をじっと睨んでいた。

 

「この雲の下は猛吹雪だっていうのに・・・暢気なモノね・・・って何してるのよッ!そいつッ!」

 

霊夢の睨んでいた方向から、一人の少女がトランペットを吹きながら現れた。

それに続いて二人の少女が楽器をもって現れた。

 

「そんな曲をフーフーと吹くくらいなら・・・この影斗のためにファンファーレでも吹いてる方が似合っているぞッ!」

 

「当身!」

 

そんなハイになってる影斗の首筋に、魔理沙が手刀を繰り出す。

影斗はそのままばたりと倒れた。

 

「・・・影斗もこんな感じだし・・・これ・・・あなたのせいよね?」

 

「だな・・・こいつらが現れてから、影斗はなんだかおかしい・・・。」

 

「・・・それにわたしも、なんだかおかしいわ。一つ歌でも歌いたくなるような・・・変な気分よ。」

 

「ちょっと、待ちなさいよッ!?」

 

「わかった!止めるからッ!・・・といってももう遅いけど・・・。」

 

「そうよ!・・・だからそんな怖い顔で、こっちに近づいてこないで!」

 

「「「問答無用ッ!」」」

 

「「「ギャアァァァァ───ッ!」」」

 

ピチューン

 

プリズムリバー三姉妹、無慈悲な弾幕と光線とナイフを受け全治二週間の重症。

【再起可能】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハッ!わたしは一体・・・」

 

「あら、正気に戻ったのね・・・もう少しで置いてくところだったわよ?」

 

なんだか少しの間、気を失っていた気がするが・・・戸惑っているわたしを気にせず、霊夢はそう言った。

どうやら霊夢は先ほど魔理沙が言っていた結界をこじ開けていたらしい。流石は巫女と言ったところか・・・。

 

「けっこー大変だったんだぜ?いきなり自傷行為を始めるし・・・」

 

「そうですよ・・・見ていてあまり気持ちのいいものではありませんでしたよ?

あんまり心配をかけさせないでください・・・。」

 

「・・・!すまないな、反省する。」

 

「まあ、元凶も倒したし・・・さっさと進みましょう。」

 

そう言ってわたしたちはその結界の中へ進んでいった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて・・・あれからけっこー進んだが・・・まだそれらしき人物にあってないな・・・」

 

結界を越えて数十分、わたし達はいまださまよっていた。しかし、猫草を手に入れたはいいが・・・この天気だと使えるに使えないな・・・。

 

「今まではあの巫女に付いて行ってましたが、本当に・・・こちらでいいんでしょうか?」

 

「あってると思うぜ?こういう時の霊夢のカンは当てになるもんだ。」

 

霊夢と付き合いの長い魔理沙の言うことだ、信用してもいいだろう。

わたしがそう思った時、奥から一人の少女が現れた。

 

「生きた人間が・・・ここに来るなんて・・・人間がここ白玉楼にくることは・・・それ自体が死のはずなのに・・・」

 

その少女・・・色素の薄い髪色にリボン・・・そして何より腰につけた刀と小太刀が特徴的だ。

 

「まあいいわ、あなたたちが持ってるなけなしの春ッ!すべて頂くわッ!」

 

そう言って少女は腰の刀を抜き、こちらへ構えた。

・・・不味いな、こいつには、やると言ったらやる・・・・・『スゴ味』があるッ!

こんな危ない奴を・・・彼女たちに相手をさせられないな・・・

 

「霊夢、魔理沙、咲夜・・・ここはわたしに任せて、先に行ってくれ。」

 

「・・・いいのかしら?」

 

わたしは霊夢のその問いかけにこくりとうなずいた。

 

「・・・それじゃあ任せるぜ!影斗!」

 

「・・・本当に大丈夫ですか・・・?」

 

「心配してくれるのは嬉しいが・・・何度も言っているだろう?

わたしは強いんだ、あんな青臭いガキに負けるほど・・・わたしは弱くないよ。」

 

「・・・任せていいんですね」

 

「ああ。」

 

そういって、三人はさらにその先に飛んでった。

 

「待てッ!」

 

「おおっと、残念だがここは通すわけにはいかないんだ。

ここを通りたければ、わたしを倒してから・・・ってやつだな。」

 

そう言って、わたしは三人を追いかけようとする少女の前に立ちふさがった。

 

「・・・!まあいい、すぐにおまえを倒して追いつけばいいのだからな・・・」

 

「ふぅ~、やれやれだ。

『君を倒す』『彼女たちも守る』

両方やらなくっちゃあならないってのが『男』のつらいところだな。

覚悟はいいか?わたしはできてる。」

 

「・・・妖怪が鍛えたこの楼観剣に・・・

斬れぬものなど、あんまり無いッ!」

 

「無駄 無駄 無駄ァ・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて・・・最近、人の名前を聞き忘れるのが多くてね。

まず戦う前に・・・君の名前を聞いておこうと思うんだが・・・」

 

ドドドドドドドドドドドドドドド

 

「・・・魂魄 妖夢。」

 

わたしがスゴ味を効かせながら言うと、彼女は短く、そう答えた。

 

「フム・・・妖夢、妖夢ね~。

ところで、ここではそう珍しいことではないのだが・・・さっき、君は人間がどーのこーの言っていたが・・・・・君は人間ではないのかね?」

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

 

「・・・ええ、わたしは半人半霊・・・貴方よりも長く生きている・・・。」

 

「ほう・・・そうだったのか。

では・・・わたしのほうも名乗らせていただこう。

わたしの名は『蒼々影斗』年齢は23歳・・・自宅は迷いの竹林近くにあり・・・・・結婚はしていない・・・・・

仕事は自身の能力を生かして・・・モノの修理やケガの治療をし、遅くとも夜8時までには営業を終了する。

タバコは吸う、酒はたしなむ程度・・・

夜11時には床につき、必ず8時間は睡眠をとるようにしている・・・・・

寝る前にあたたかい紅茶を飲み、20分ほどのストレッチで体をほぐしてから床につくと・・・ほとんど朝まで熟睡さ・・・

赤ん坊のように、疲労やストレスを残さずに・・・朝、目を覚ませるんだ・・・」

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

 

「じ、自己紹介ならもう十分でしょ!?貴様・・・何が言いたいッ!」

 

わたしの言葉に、妖夢はひどく混乱したようで、慌てたように・・・彼女はそう言った。その姿には先ほどのスゴ味はない。

 

「わたしは常に・・・『心の平穏』を願って生きてる人間ということを説明しているのだよ・・・・。

『勝ち負け』にこだわったり、頭をかかえるような『トラブル』とか・・・夜も眠れないといった『敵』をつくらない

・・・・・と言うのが

わたしの世界に対する姿勢であり、それが自分の幸福だということを知っている。

もっとも・・・闘ったとしても、わたしは誰にも負けんがね・・・」

 

「この異変は・・・君と・・・その仲間が起こしたものと考えてよさそうだ・・・

つまり妖夢・・・君はわたしの睡眠を妨げる『トラブル』であり『敵』というわけさ・・・

わたしの『心の平穏』のために・・・

君を始末させてもらう。」

 

ドドドドドドドド

 

そういって、わたしはキラークイーンを出現させる。

 

「『キラークイーン』!・・・とわたしはこいつに名付けて呼んでいる。

もっとも・・・君には見えはしないだろーがね・・・。」

 

「斬るッ!」

 

わたしのひょうひょうとした態度に痺れを切らしたのか、妖夢はその刀をわたしに向かって斬りつけてきた。

 

「フン、それがどうした・・・」

 

わたしはそれを避けようとはしなかった。

その一撃がわたしに当たる直前、わたしはキラークイーンのスイッチを押した。

 

その瞬間ッ!この世の時間が消し飛ぶッ!

消し飛んだ時間の中で、妖夢の一撃はわたしの体を通過した・・・。

 

「時間を0.5秒だけ吹っ飛ばした・・・

その時間内のこの世のモノは全て消し飛び・・・残るのは0.5秒後の結果だけだ・・・

刀がわたしを通過したという結果だけが残る・・・途中は全て消し飛んだのだ・・・ッ!」

 

「なっ!!!」

 

少女の顔が驚愕に染まる・・・

まあ、当たりまえだろう・・・当たると確信した攻撃が躱されていたのだから・・・

 

「斬れぬもの・・・あんまりない・・・のではなかったのかね?」

 

そう言って、いまだ呆然としている彼女が持つ刀に触れた。

しかし、戦いの途中でそのようなスキを見せるのは感心できないな。

 

そしてそのままその刀を木端微塵に吹き飛ばすッ!

 

「えっ・・・えっ・・・!」

 

呆然としていた彼女も、その手から失われた重みに気づいたようで、わたしと刃を失った刀を交互に見た。

 

「う・・・う、うわーーーん!」

 

そしてそのまま泣き出してしまった・・・

流石にその姿にわたしは驚いた。

 

「う~~~ううう、あんまりだ・・・HEEEEYYYY!あァァァんまりだアアアア!」

 

ボロボロと涙を流す彼女・・・ここまで来ると流石に罪悪感を感じる。

き、気持ち悪いぜ!血管ぴくぴくで怒ってくると思いきや・・・とか言ってやりたいが・・・言える雰囲気じゃあないッ!

 

「うう・・・師匠から譲ってもらった刀を・・・おじいちゃんから引き継いだわたしの刀がァァッ!」

 

その言葉を聞いてなおさら罪悪感が増した。

 

「わ、わかった・・・直そうッ!元通りに直す!だから泣き止んでくれ!」

 

「へ・・・」

 

わたしは彼女の答えも聞かず、再び刀に触れた。するとビデオの逆再生のように刀が復元していく。

 

「グスッ・・・あ、ありがとうございます!」

 

刀が元通り戻ったことで、彼女は泣きやんだ。

妖夢は涙をぬぐいながら、お礼を言ってくる。

まったく・・・壊した張本人にお礼を言うとは・・・

わたしの彼女に対する評価が変わったのは言うまでもない。

 

まったく・・・

 

「やれやれだぜ・・・」

 

わたしの呟きは虚空へと吸い込まれていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ふふふふふ

やっちまった・・・
なんだか自分の中で、妖夢はギャグキャラだと思ってるんですよね・・・
みょんとか仙人とかそもそも、この先に行かないとこの春を渡せないんだがとか・・・
3部でいうポルナレフポジションというか・・・なんというか・・・

そういうわけで批判でもなんでも受け付けますッ!

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