東方殺女王   作:ダイナマイト

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影斗は神に出会う前のこととこの世界が元いた世界と違うということを忘れています。


影斗のちから

目が覚めると、そこは怪しい木々がしげる森の中だった。

 

ん・・・神の奴め・・・わざわざこんな辛気臭い場所に転移させなくてもいいのに・・・

 

「まあ、とりあえずは・・・」

 

ぐうぅ~~~

 

「腹が減ったな・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「スタンド・・・・か・・・」

 

俺は森の中を歩きながら自身の能力について考えていた。

 

「キ、キラークイーン・・・」

 

は、恥ずかしいッ!これで何も出なかったら恨むぜぇ~ッ。

 

しかしそんな心配は杞憂に終わったようだ。

そこには確かに存在した(・・・・)ところどころにドクロを取り入れた短パンとグローブを身に着けた

ショッキングピンクの体が(・・・・・)

 

「キラー・・・クイーン・・・・・」

 

俺がそう呟くとキラークイーンはコクリとうなずいた。

 

「フ、フハ、フハハハハハハッハハハハハッ!やった、やったぞ俺はついに手に入れた」

 

最高にハイってやつだーーーーッ!苦節二十二年、やっとスタンドを手に入れた!

んっん~~、スガスガしい気分だ!一つ,歌でも歌ってやりたい様な(・・・)いい気分だぁ~。

 

「んっんっ・・・失礼、ところでキラークイーン、君はどんなことが出来るんだい?」

 

俺がそういうと、突然頭の中に映像が流れた。

 

第一の爆弾、シアハートアタックそしてバイツァ・ダスト(・・・)

 

(バイツァ・ダストまで使えるのか・・・これは好都合だ、もしかしたら俺が小さいころから考えていたアレ(・・・)が出来るかもしれない)

 

そして俺はこう考える。

 

(バイツァ・ダストは接着弾だ・・・吉良吉影の正体に触れたものを爆破し、時間を吹き飛ばす・・・

だったら触れなくても時間を爆破出来るのではないかと(・・・・・))

 

スタンドに必要なものは強靭な精神力と認識だ・・・

HBの鉛筆をべキッとへし折るように!油がまかれた床を走れば必ず転ぶように!出来て当然、なって当然だとおもうことが大切なのだァッ!

 

「アナザーワン(もう一つの)バイツァ・ダスト・・・」

 

俺はそう呟いてキラークイーンのスイッチを押した

 

カチッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・気が付くと、俺は先ほど目が覚めた場所にいた。

 

(やった、やったぞ!発現したぞッ!)

 

ふと、キラークイーンのほうを見るとキラークイーンは驚愕した表情を浮かべている。

お前も出来ると思わなかったのかよ。

 

・・・てゆーか

 

「せっかく歩いたのに・・・」

 

振り出しに戻ってしまった・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

再び歩き始めて小一時間、俺は川を見つけ少し休んでいた。

 

川の水はかなり澄んでいたのでその水を飲みながらキラークイーンに取らせた魚を焼く。

 

「これからどーしようか・・・」

 

焼きあがった魚を食べながら俺はそんなことを考えていた。

 

「とりあえず・・・今日は野宿かなァ」

 

そんなことを考えているときに俺は出会った、一つの闇に・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

闇・・・俺はそれ(・・)をそうとしか表現できなかった。

もう少し俺に語彙力があれば表現できるのかもしれないが、少なくとも俺にはそうとしか言えなかった。

 

俺がそれに戸惑っているとその闇はだんだんと収縮していき一人の少女(・・・)が姿を現した。

 

…少女は言った。

 

「あなたは食べてもいい人間?」

 

俺はそれを聞いて神が言っていたことを思い出す。

 

(妖怪・・・か)

 

確かにあのジョジョ好きの神は言っていた。ここはいわゆる伝説となったものがいるところだと・・・

 

「きみは・・・妖怪か?」

 

「うん、そうよ・・・だから・・・」

 

いただきます・・・とそいつは言った。

そいつは闇を身にまといこちらに向かってくる。

 

「チィッ!」

 

向かってくるそいつをかわし、俺は考える。

 

(やれやれだ・・・わたしは平和主義者だというのに・・・しかしッ!)

 

「わたしの平和を乱すものとだけは・・・戦わざるをえないッ!」

 

女の子に手を出す趣味はないのだがね・・・とわたしは呟く。

 

「キラークイーンッ!」

 

わたしはスタンドを出し、そいつと対峙する。

 

「へえぇ~、ただの人間が今のをかわすんだ・・・面白い」

 

そう言うと少女の姿は完全に闇へと閉ざされてしまった。

 

「少しお仕置きが必要のようだな・・・」

 

そうはいったが厄介なのは事実だ。触って爆弾にしようにも見えなければ躱されてしまうだろう。

小石を爆弾にして投げたとしても一緒だ。かといってシアハートアタックではオーバーキルだ。あくまでお仕置きだからな・・・

 

「だとしたらもうひとつの能力だな・・・キラークイーン<Don`t stop me now [わたしを止めないで]>」

 

「きゃあっ!さ、さむ・・・いたいっ!」

 

少女はたまらず闇から飛び出してきた。その体はところどころ裂け、血が滲んでいる。

 

「キラークイーン・・・もうひとつの能力、<Don`t stop me now>はありとあらゆるスピードを操るッ!」

 

わたしは続けて言った。

 

「君のまわりの空気一帯に存在する分子のスピードを限りなく遅くした・・・今君の周りの気温は

-100度以下だ・・・」

 

そういってわたしは彼女に近づいた。

 

「い、いや・・・こないで・・・殺さないで」

 

少女はぼろぼろと涙をながしながらつぶやく

どうやら彼女の戦意は未知の力に出会ったせいか完璧に削がれてしまったらしい・・・

 

「泣くほど怖がらなくてもいいじゃあないかぁ・・・安心しろ殺す気はない」

 

そういってわたしは少女に触れる(・・・)。

 

「ひぃっ!」

 

怖がる少女をよそにわたしが触れた途端、彼女の傷は完治(・・)した。

 

「え・・あれ?傷が・・・お兄さんが治してくれたの?」

 

「ああ、もう大丈夫だろう?」

 

「う・・・うん」

 

「・・・それにきみがわたしに勝てないことは分かっただろう?」

 

「そーなのかー?」

 

「ああ、だからさっさと他の所にお行き。」

 

「うん!」

 

そういって彼女は再び闇を身にまといわたしから離れていった。

 

「お兄さんありがとう~」

 

そういって森に消えていく彼女をみて現金なやつだな・・・と思った。

 

 

 

 

「しまった~ッ!あいつに森の出方を聞きゃあ良かった~ッ!」

 

夜はもう明けていた。

 




影斗の一人称は
慌てているとき・・・俺
普段・・・・・・・・わたしです。



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