Angel Beats! 「死後の世界のあり方」   作:Chelia

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校長室再奪取

☆校長室☆

 

 

「たのも~う!」

 

日向がドアを蹴破ると戦線メンバーが次々と入っていく

 

 

「ま…また君たちか!? ここは君たちの遊び場じゃないんだぞ!」

 

 

ゆりの予想とは反して、中はいつも通り校長先生が一人椅子に座っていた。

内心ほっとするも、今はオペレーション中。

まずは作戦を成功させてからね!

 

 

「そうなの、またなの、ごめんなさいね♪みなさいよ今では私たちも人数増えたのよ?先生… 生徒同士の絆って素晴らしいわね!」

 

 

わけの分からないことをゆりが言ってる間に野田が校長の首にハルバートを突きつける

 

 

「ふん… 貴様…動けば串刺しだぞ?」

 

 

「何が絆だ!…狂っとる! こんなことしてどうするつもりなんじゃ」

 

 

「さぁ? 今あなたに言う必要はないわ?…それじゃ、連行よろしく!」

 

 

野田と椎名に刃物をつきつけられたまま、校長はあっけなく校長室を追い出されてしまった。再び戦線の基地がここ、校長室となる。

 

 

 

「案外簡単に決まっちまった~…ホントにみんなで強襲する必要あったのか?」

 

 

奪い取った校長室は再び戦線の色に染められ、いつもの席に座ってるゆりに日向が聞く。

他のメンバーは安楽の場所でのんびりしたいのか好き勝手していて雰囲気的には、いつもの状態に戻せたようだ

 

 

「念には念をって言ったでしょ?…第一、一人で言って中にちょー強い奴が10人も20人もいたらどうすんのよ…みんな戻って来たばかりで多少鈍ってるだろうし今までのペースを取り戻すにも丁度いいオペレーションだったと思うわ…」

 

 

さすがだ。もちろん日向にはそんな考えが浮かんでるわけがない

卒業式に見せた雰囲気はすっかり消え、今のゆりはSSSリーダーの顔に戻っていた。寂しいと言えば寂しい

 

 

「残りのメンバーも早く見つかるといいな」

 

 

「そうね…」

 

 

「俺たちは飯行くぜ?…まだ食ってねぇからよ」

 

 

「うん…」

 

 

「…どうかしたか?」

 

 

「何でもないわ… さっさと食べてきなさいよ?」

 

 

「お…おう…行こうぜ?」

 

 

多少疑問を感じながらも日向は大山たちを連れて校長室を後にした。

 

 

無事に校長室を奪取したと同時に、ゆりには新たな悩みが生まれていた。

それは、残りの戦線メンバーの安否。

先程遊佐からの方向にあったように、音無、直井、ユイの存在はまだ確認できていない。

特に前者二人は最後の卒業式の日まで一緒だった今では戦線の要となる存在だ。

無事なのだろうか?

そしてもう一人…ずっと敵対してきたけど最後の最後で本当の親友になれた、私、仲村ゆりにとって大切な人がいる。

 

そう「立華かなで」の安否。

これも気になっていた。

かなでとわかり会えたのはあとの話になるため、味方だ…という事情を知っているのは現時点で日向しかいない…

それどころか、私の親友をまだみんなは敵だと思っているのだ。

 

 

「ちょっと物思いにふけり過ぎたわね…」

 

 

……………

気づけばまた遊佐から通信が入っていた。

 

 

「聞こえてるわよ…」

 

 

「どうしました?ご機嫌がよくない様子ですが…」

 

 

「別に機嫌悪くなんてないわよ?少し考え事…」

 

 

「考え事…ですか…」

 

 

「そっちの様子は?」

 

 

「私たちのお手伝いはだいたい終わりました。その様子だとそちらも大丈夫そうですね… なぜ高松さんと松下さんか少々気になりましたが単に肉体派というところでしょうか? 力仕事をしてもらえて助かりました」

 

 

「ご明察~…その通りよ こんなこと遊佐さんに話してもしょうがないんだけど…少し相談してもいいかしら?」

 

 

「珍しいですね…どうぞ」

 

 

「う…うん… かなでちゃんのことなんだけど」

 

 

「かなで…まさか天使ですか!?」

 

 

さすがの遊佐も驚いたのかいつもの冷静口調よりも乱れている。

 

 

「言いづらいのですが、なぜ天使なんですか?」

 

 

「その言い方はやめて… もうかなでちゃんは私たちの敵じゃなくなったのよ?…だから…」

 

 

「ストップです。」

 

 

ゆりの話の途中で遊佐は会話を切った。

通信したまましばらく沈黙が続く。

 

 

(さすがにまずかったかしら…)

 

 

話した後でゆりは後悔してしまった。

さっきも言ったとおり音無、日向、直井以外はかなでと和解したいきさつを知らない。

つまりまだ戦線の敵は天使(かなで)だと思っている… みんなの納得得ずに一人で考えが先走ってしまっていた

 

 

~五分後~

ようやく遊佐が口を開く

 

 

「ゆりっぺさん」

 

 

「………」

 

 

「私はゆりっぺさんを心の底から信頼しています。なので天使…いえ、かなでさんと上手く和解できたのも疑うつもりはありません」

 

 

「ホント!?…ありがとう…私も唐突すぎたわ。今までの最大の敵が仲間になったなんて目で見なきゃ簡単には信用できないものね…」

 

 

「ですが、私以外のメンバーは大変ではないのでしょうか?簡単に納得しない人が大多数のはずです。幸いまだかなでさんは発見されていないので戦闘は起こっていませんが、いつ私たちとかなでさんが戦闘するかなんて分かりません。『その前にみんなの理解を得るために手を打つ』きっと私に相談したいことはそんなとこでは?」

 

…見事!お見通しだ。表向きのゆりの相談とはまさにそれだった

本当はかなでの無事についての心配のほうが上だったが、出会ったとしてまた敵同士 になるのは絶対に嫌。 それがゆりの心だった…

 

 

「そう…ね…90点よ…」

 

 

「かつて戦線メンバーを大いに、その圧倒的な力で苦しめた天使。それが味方に加われば確実に戦力があがる。…そう考えたら怒りますか?」

 

 

「口に出さないで。」

 

 

「分かっていますよ?…すみません。ところで当の本人は戦線に入隊するつもりでいるんですか?」

 

 

「そ…それはこれから…そう!これからよ!」

 

 

ギクリ… あー、そんなこと全然考えてなかったわ!まあいっか!!何とかなるわよ………多分

何て適当にしていたところを容赦なくダメ出しされるゆり。

 

 

「確定していないことばかりですね… そんなことではゆりっぺさんの考える理想には程遠いと予想できます。」

 

 

「そんな… 遊佐さんは…賛成してくれないの?…かなでちゃんのこと」

 

 

「私はゆりっぺさんについて行きます。なのでゆりっぺさんの考えは全て否定しないつもりです…かなでさんの件でも私は味方につくつもりなのでご安心を」

 

 

「うん…ありがとう また相談してもいいかしら?」

 

 

「私でよければ…いつでも」

 

 

そう言って通信は終わった

…遊佐ってこんなに頼りになるやつだったのか

今まで遊佐はオペレーターとしてゆりたちとは直接会わない…一人離れた場所で行動していたためか、まだ不明な点が多い。

てっきり、あっさり否定されるかと思ったが遊佐は協力してくれるらしい…

頼もしい仲間が…近くにいた

 

この日の放課後、生徒会室で会議が行われていた。

 

 

☆生徒会室☆

 

 

「さて…泳がせるのはこれくらいにして… そろそろ行くわよ?みんな…」

 

 

「ああ…」

 

 

「僕たちはいかなる悪も全て排除する最強の新制生徒会。古い違反者どもを叩き潰して、それを見せつけてやらないとな」

 

さて…補足をしましょうか

かなでの卒業後、誰もいなくなった生徒会を再び立ち上げ今はこの世界の最大戦力を集めた生徒がいた。

その生徒が新たな生徒会長を務め、現在この世界に戻ってきた戦線メンバーたちに現在の生徒会の恐ろしさを見せつける。

という内容の会話のようだ

ゆりたちの前に姿を表す生徒会メンバーの実力とは!?

てなわけで、いよいよ最初の敵キャラの登場です!

 

こうして、この日の夜は終わる

 

 

 




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