まだまだこういうことには慣れていないと断言できますが気が済むまで書いていきます。
この辺りが読みにくい、ここの表現がわかりにくいなど多々あるとは思いますがご容赦願います。
2014/03/29 修正
2014/07/3追記
戦闘ばかりではなく、高校生としてのほのぼのとした日常も描きたいという自己都合から、恭也や忍は高校一年生というふうに原作設定を改変しました。それにともない各所で原作設定を変えております。
ご注意ください。
2014/09/29追記
聖祥大付属の学校はとらは、なのは共通して小学校のみが共学でそれ以降は女子校らしいのですが、僕の情報不足が原因でそのことを知らず、中学高校と共学になっております。不快に感じられる方もいるかと思いますが、ご了承願います。
放課後、私立聖祥大学付属高等学校の一年生にあてられた幾つかの教室の一つで、俺は小学校からの親友で同級生の高町恭也に声を掛けられた。
「徹、今日暇か?」
「いいや超忙しい。これから分刻みのスケジュールに追われる所だ」
嫌な予感がする。
本当はこれから家に直帰して積み上げられたゲームを消化するだけだが。
「そうか、よかった。店が忙しいらしいんだ。バイト入ってくれ」
おかしいな、同じ日本語のはずなのに話が噛み合っていない。
恭也の家は、翠屋という軽食喫茶店を経営している。
恭也自身も手伝っており、俺もそこでバイトさせてもらっている、いるのだが。
「ほんと勘弁してくれよ。すごい久しぶりのオフだぞ。何日ぶりだと思ってんだよ。前の休みから20日以上開いてるんだぜ?」
「正確には23日だな」
分かってんなら休ませろや。
「俺個人としては休ませてやりたい所だが、残念なことに、徹を目当てで来てる常連さんの予約が入ったと連絡がきた」
さっき携帯いじってたのはそれか。
くそう、脇目も振らず早く帰ればよかった。
帰ってればこんな話も聞かずに済んだのに。
「はぁ、わかったよ。大きな借りもあるわけだからな」
このままでは気が済まないので、小さく皮肉を添えておく。
恭也は整った顔に苦笑いを浮かべた。
「借りがどうっていうのは、無しでいいと言ってるだろう」
もう何回も繰り返されたやり取りで、恭也も慣れたもので軽く返す。
「さて、それじゃ今日も勤労に励みますかぁ」
と、モチベーションを無理矢理上げながらぐっと背伸びをする。
なんてことはない、ただの切り替えみたいなものだ。
「あら、本当にあっさり話が終わったのね」
恭也との話が終わるのを見計らうように、月村忍が近寄ってきた。
忍も小学校からの親友である。
ある意味、こいつのおかげで恭也と親しくなれたといえる。
当時はそれを感謝できる状況でもなかったが。
閑話休題。
言葉から察するに、実際見計らっていたのだろう。
恭也が忍の方へ体を向ける。
「だから言っただろう。こういう言い方をすれば徹なら休みでも入ってくれるって」
なんだよ、2人してなにか賭けでもしてたみたいな言い方。
言葉に悪意は感じないが悪戯されたみたいな気持ちである。
「忍は俺が恭也の頼み事を断ると思っていたのか?それは大間違いだぜ。友達思いである俺は頼まれたら断れない、一部地域では仏の生まれ変わりとまで言われているほどだ」
「よくもまあ流れるように嘘をつけるもんだ。呆れを通り越して感心する」
頭から嘘だと断言されている。
これが俺たちの友情の形。
「あんた最初断ろうとしてたわよね?くだらない理由つけて」
「わかりましたーごめんなさいー」
面倒な手間が増えそうなこういう時は、さっさと謝っておくに限る。
「全く誠意を感じないけどまあいい。時間もそんなに余裕があるわけじゃないんだ」
時計を一瞥する。
雑談したせいで時間を食ってしまった。
もう16時10分前になっちまって…
「メールには16時までに来て欲しいとある」
それ言うの遅ぇよ!
勢いよく鞄を取り2人を急かす。
「早く行くぞ!どうせ今日は忍も手伝いに来るんだろ?」
2人の返事も待たずに教室を出る。
ぱたぱたと後ろから2人分の足音と会話が聞こえる。
「私はもっとてこずると思ったけどすんなりお願い聞いてくれたわね」
「それはそうだろう。あいつは客の笑顔を見るのが好きだからな」
恭也の言葉に忍は、信じられないことを聞いたみたいな、驚きの声をあげた。
……そういう話は俺の耳に入らないとこでやってくれないかな。
すごく恥ずかしい……
少し赤くなった顔を見られないよう、俺は翠屋まで全力疾走した。
翠屋。
美味しいスイーツと、美人で可愛い看板娘が複数人いることで有名な軽食喫茶店である。
更に最近では以前よりも料理のクオリティが上がったとの噂が流れている。
一時期ちょっとした問題があったが今は順風満帆だ。
従業員用、というかお店で出す料理やケーキなどの材料を運搬する為の出入り口が裏手にあるのでそこから店に入れる。
恭也と忍は俺の後ろで息を整えている。
「日頃、鍛えている、俺よりっ、早いとは」
「わ、わた、私よりっ、体力がっ、あるなんてっ」
2人してなにやら、ぼそぼそと呟いている。
俺だって昔ほどではないが、今だって鍛えてはいるのだ。
「おはようござッ!」
元気良く挨拶しながら扉を開けようと思ったら、途中で茶色いロケット砲が腹部に直撃した。
いつの間に翠屋にはこんな物騒な防犯設備が設置されたのだろうか。
「徹お兄ちゃんこんにちはっ!」
ロケット砲かと思ったら高町さん家の末妹だった。
どちらにしたって物騒なのは変わりなかった。
恭也は呑気にあれを耐えれるのは徹と父さんだけだなぁ、なんてのたまっている。
全然耐えれていません、顔に出さないようにするのが精一杯です。
今現在も俺の腹部に顔を当てて、内臓に深刻なダメージを与えてくれているロケット砲もとい、高町なのはの頭に手を置く。
「おぉ、おはようなのは。今日も(無駄に)元気だな。扉を開けたのが俺じゃなくて、恭也だったらどうするつもりだったんだ?」
声が震えなかった自分を褒めてあげたい。
「恭也お兄ちゃんだったら貫通して、結局徹お兄ちゃんに突撃してたよ!」
自分の兄の腹に、風穴開ける気だったのか。
この子ならあまり、冗談に聞こえないから恐ろしい。
ていうか、
「突撃しているという自覚はあんのかよ」
問いただすとなのはは、にゃはは、と笑って店の中に戻って行った。
あれでも一応、この店の看板娘(可愛い担当)だから、ホールに戻ったのだろう。
「なのはちゃんってあそこまで、元気有り余ってる子だったっけ……?」
「徹と仲良くなってからだな、あそこまで明朗快活になったのは。あと兄に対しての扱いが、雑になったのも…」
嵐が去った後の静けさの中、忍が聞いて恭也が悲しげに答える。
「俺のせいみたいに言わないでくれ、元気があるのはいい事じゃないか。限度を超えている気が、まぁしないでもないが」
文句をつけてくる恭也をあしらいながら、仕事の準備をする。
2人とはここで分かれる。
忍はホールでウェイトレス、こいつ性格はともかく顔とスタイルはいいので、男性客からの支持と人気が厚い。
いつも手伝いに来ている訳ではないが。
恭也はキッチンとホールの橋渡しやら、ケーキの品出しや、レジ打ちやら色々、こいつ性格はともかく顔はいいので、これがまた女性客からの以下略。
俺の担当はキッチンだ。
服を着替えて清潔にして厨房に入ると、この厨房の長であり、恭也やなのは、あともう一人中学生の娘の三人の子を持つ 、高町桃子さんがいた。
「おはようございます、桃子さん」
どれだけ気心が知れていて、仲の良い相手でも、挨拶はきっちりするというのが家訓である。
挨拶の時だけ、敬語を使うことにしているのだ。
「徹くんおはよう、今日はごめんなさいね、折角の休みなのに」
「いいって、文句は恭也に言ったし、本当はそんなに休みたかったわけじゃないし。なにより」
今日は家に帰っても独りだし。
「桃子さんの、料理の
これは本心からである。
最初の頃は、姉が仕事で帰宅するのが遅かったので、姉の負担を減らそう、という義務感からだったが今では楽しいからやっている、という状態になっている。
実際ここのバイトをし始めてから、料理の腕は上がったしレパートリーも増えたし、いい事尽くしだ。
「ふふ、それなら今日も私の料理で良ければ、見て盗んで頂戴ね」
言われずともそうさせてもらう。
料理の技術とは教えられるものではなく、見て盗むものだと俺は考えている。
「あと予約が入ってる常連さんが来たら、顔出してあげてね。徹くんを見にきているようなものだから」
自分を贔屓にしてくれているお客さんがいる。
それは作る側の人間として、とても光栄な事である。
桃子さんに了解の旨を伝えると、すぐさま仕事に取り掛かる。
16時を少し回った位のこの時間は、学校帰りの学生がよく立ち寄るため忙しくなる。
「さぁ、今日も頑張るか!」
一言自分に気合を入れて、頭を仕事モードに切り替えた。
続きは書け次第投稿する予定です。
そんなに間を置くことはないと思います。
こんな駄文に付き合ってくれる方がいるかどうかはわかりませんが今後ともどうぞよろしくお願いします。