ぱっちぇさん、逆行!   作:鬼灯@東方愛!

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 |電柱|・ω・`)ノ ヤァ

 おひさしぶりです!
 お待たせして――……すみませんでしたあっ!
 ┏( ;〃>ω<〃 )┓
 

 ※Caution!!

1. 旧作である東方怪綺談の要素を含みますが、物語上都合良く改変しております。
  例として、旧作とWin版で異なる口調や容姿等の設定に関しては、Win版で統一しております。
  また、フレーバー程度ですが、一般的な二次設定も盛り込んでます(アリスと神綺様の親子ネタ等)。

2. 時系列についても原作準拠ではありません!


 以上、よろしくお願いしまーす(*´ω`*)




24話

「――と、いうわけで」

「ちょっくら魔界まで行ってくるぜっ!」

 

 博麗神社の母屋、縁側にて。

 友人達の発言に目を丸くしている愛しい人(さくや)

 その様子を眺めながら、私――パチュリー・ノーレッジはここしばらくの出来事に思いを馳せた。

 

 初の顔合わせから、早半年。

 順調に友好を深めていった幼子達。

 咲夜の付き添いとして毎回同行している私も、それなりに親しい間柄にはなれた、と思う。

 

 ――……いまだにペドフィリア扱いされるのは解せないが。

 

 それはともかく、平和で穏やかな日々が続いていた。

 しかし、遡ること三日前より。

 神社の裏山に存在する洞窟の奥から、少量ずつではあるが魔物が湧き出すという異変が発生した。

 

 霊夢が言うには、その洞窟の奥には『魔界へ通じる扉』があると文献に記載されていたらしい。

 

「雑魚をいくら倒してもしょうがないわ。ここはひとつ魔界に乗り込んで、親玉をこらしめるしかないでしょ」

 

 事も無げにそう言い放つ霊夢。

 その霊夢の隣で、楽し気に笑いながら相槌を打った魔理沙は、

 

「一度、魔界ってやつにも行ってみたかったしな! めぼしい物があったら、根こそぎかっぱらっ……借りてきてやるぜ!」

 

 ――と、軽口を叩いた。

 

 未知の場所へ旅立つというのに、あまりにも軽い空気。

 それについていけないと感じたのか――二人から視線を逸らし、微かに震える声で私の名を呼ぶ咲夜。

 

「……パチュリー様」

 

 私は数瞬の黙考の後、問い掛ける。

 

「保護者は必要かしら?」

 

 それを聞いた霊夢と魔理沙は、お互いの顔を見合わせた後――二人揃って、鼻で嗤った。

 

「はっ……あんた、そんな暇あんの?」

「そうそう! おまえにそんな余裕、ないだろ?」

 

 姉妹みたいにそっくりな、厭味ったらしい笑みを浮かべた二人は……私と咲夜を交互に見比べ、言葉を続ける。

 

「私達にかまってる暇があったら」

「気の利いた口説き文句でも考えてろよ!」

 

 ――……なんて可愛げのない早熟餓鬼(マセガキ)、いや、糞餓鬼(クソガキ)共だろうか。

 

 私は、憮然とした態度をとりながら「大きなお世話よ」と返し、投げ遣りに手を振った。

 

 

 さっさと行け。

 ……そんで、さっさと帰って来い。

 

 

 

 

 糞餓鬼共が意気揚々と旅立った後。

 咲夜は、ずっと心ここに在らずといった有り様だった。

 

 無理もない。

 初めての友人が、見知らぬ敵地へと向かったのだ。

 

 しかし、私としてはあまり心配はしていない。

 それというのも――私は『前の世界』で、実際に関わりはなかったものの。

 同業者(・・・)から酒の席で聞いた『思い出話』のひとつとして、今回の異変についての知識があるのだ。

 魔界から魔物が溢れ出す、という一見恐ろしい異変だが――……実際には、何の事は無い。

 

 

 彼等は、『ただの旅行客』なのだ。

 魔界の民間旅行会社が勝手にツアーを組んで、幻想郷に旅行客が押し寄せた、という。

 真相を知れば、異変とも言い難い、何とも気の抜ける出来事なのである。

 

 

 しかし、そういった本来であれば現段階で知り得ない知識を安易に口にするのも憚られるので、語ることはせず。

 

「大丈夫よ、咲夜」

 

 その代わりに、至って当然の事実のみを告げた。

 

「霊夢が本当に危機に曝されるようなことがあれば、八雲紫(ホントのほごしゃ)が黙っていないから」

 

 そんな私の言葉に。

 咲夜は、少し目を丸くした後。

 

「……それもそう、ですね」

 

 そう言って、小さく笑った。

 

 

 

 

 ――……次々と現れる魔界の住人(しょうがいぶつ)を蹴散らしながら。

 新しい友人の心配そうに細められた瞳を思い返して、幼い博麗の巫女――霊夢は、小さく鼻を鳴らした。

 

「魔理沙」

 

 傍らの悪友に声を掛ける。

 

「ああ?」

 

 前を見詰めたまま、言葉を続けた。

 

「怪しい奴は片っ端から薙ぎ倒して――……さっさと帰るわよ」

 

 途端に上がる、笑い声。

 

「ははは! ああ、そうだな! 咲夜が待ってるしな!」

 

 そのまま、続けられる軽口。

 

「私達が戻る頃には、少しは進展してるのかな? あの二人!」

 

 新しく出来た友人である咲夜に、ほぼセットでくっついてくる、紫色の魔女。

 いつも隣の悪友と口を揃えて、ロリコンだ、ペドフィリアだと罵倒を飛ばす相手だ。

 しかし――……そんな彼女とも、この半年程、共に過ごしてきたわけで。

 

 一心に咲夜に向けられた重たすぎるくらいの『愛情』が、紛れもなく本物だということくらい――子供でも理解出来た。

 

 ただ、からかった際のリアクションが面白いので、ついつい悪乗りが過ぎてしまう。

 それを特段いけないことだとも感じていない。

 

 ――アイツは大人なのだし、いたいけな子供の悪ふざけくらい、大目に見てしかるべきなのだ。

 

 霊夢はそこまで考えて、また厭味ったらしい笑みを浮かべながら、言い放つ。

 

 

「無理でしょ――……五、六年はかかるわね」

 

 

 それに、その頃には。

 見た目の釣り合いも取れて、あの魔女も晴れてロリコン卒業である。

 

 まあ、その暁には――……素直に『おめでとう』と、言ってやらなくもない。

 

 そんなふうに考えて、小さな笑みを浮かべた――その時。

 

 

「そこまでよ! 貴女達は少しやりすぎたわ!」

 

 

 幼さの多分に残る怒声が、鼓膜を揺らした。

 視線を向けた先には、整った顔立ちの同年代の少女の姿があった。

 透き通るような金髪と、怒りに煌めく青い瞳。

 

 

 ――……霊夢は、小さく鼻を鳴らした。

 

「魔理沙」

 

 傍らの悪友に声を掛ける。

 

「ああ?」

 

 前を見詰めたまま、言葉を続けた。

 

「怪しい奴は片っ端から薙ぎ倒して――……さっさと帰るわよ」

 

 

 弾けるような笑い声が、辺りに響き渡った。




 活動報告にも記載したのですが、勤め先で部署の異動をすることになりました。
 残念ながら給料は下がりますが、自由な時間は増えます(*´ω`*)
 その為、小説の投稿を再開することにしました。
 ぜひぜひ、よろしくお願いします!

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