ぱっちぇさん、逆行!   作:鬼灯@東方愛!

20 / 30
 引越し蕎麦異変、決着(*´ω`*)


19話

 冷たいお蕎麦より、温かいお蕎麦が好き。

 冷え性な私、パチュリー・ノーレッジ。

 ――……残念ながら、今の私には、お蕎麦を食べてる暇なんてない。

 

「第二部隊は敵の後方に回り込みつつ、第三部隊と合流……慌てずに急いで」

 

 ホームグラウンドである図書館にて。

 魔法で空中に展開した、無数のディスプレイ。

 そこに投影した戦場の映像に、忙しなく目を走らせながら。

 

「第四部隊は前に出すぎ! 深追いする必要はないわ」

 

 ルーマニアを出立する前にネット通販で購入したインカム越しに、指示を飛ばす。

 

 

「いい? 今回の戦いで、いちばん重要なのは『誰も死なない、殺さない』よ。――……分かったら、お蕎麦を投げ渡して撤退!」

 

 

 今回の私の仕事は、司令官。

 直接戦場には赴かず、映像越しに戦況を確認し、無線を使って全体の指揮を執る。

 

 その合間に。

 ちらっ、と己の隣を盗み見る。

 

「……」

 

 いつも通り可愛い、私の愛しい人(さくや)

 彼女は、コーラを飲みながら、ディスプレイの向こうの戦いを、静かに観戦している。

 

「……あっ」

 

 そんな彼女が、小さく声を上げた。

 彼女の視線の先を追う。

 そこに映っていたのは、レミィ率いる第一部隊。

 

 ――……文字通り先頭に立つレミィと相対する、その人物は。

 

 

「レミィ! 気を付けて! 親玉よ!」

 

 

 

 

 ---------------------------------------

 

 

 紅魔館当主、レミリア・スカーレット。

 彼女の率いる第一部隊は、目の前に立ち塞がるすべてを薙ぎ倒しながら、前へ前へと進んでいった。

 その後には、気絶して倒れ伏す妖怪達と、ビニールパックに包まれた蕎麦と……たまに、うどんが残されていた。

 

「ちょっとー、誰よ? うどん撒いたのー」

 

 うどん派が紛れていたのだろう。

 みんな、「自分ではない」と視線を逸らした。

 その様子に、レミリアは笑う。

 

「うどんも美味しいけど、今日は蕎麦じゃなきゃダメなのよー?」

 

 戦場に似つかわしくない、和やかな空気。

 

 

「――……随分と、楽しそうですわね」

 

 

 そんな、台詞と共に。

 空中に走る『亀裂』。

 その『スキマ』が、ゆっくりと広がり――……。

 

「はじめまして」

 

 姿を現した、金髪の美しくも怪しい『妖怪』。

 

 

「私は、この郷の管理者の一人……『八雲紫』といいます」

 

 

 扇子で口元を隠しつつ、紫はレミリアに問いかけた。

 

「単刀直入に聞かせて貰うわね――……いったい、どういうつもりなの?」

 

 レミリアは、不敵に口角を吊り上げて、目を細める。

 

「なぁに、見たままさ」

 

 そして。

 背筋は伸ばしたまま。

 片足を斜め後ろの内側に引き、もう片方の足の膝を軽く曲げ。

 見事なカーテシーを披露しつつ、答えた。

 

Îmi pare bine de cunoștinţă(ウミ パレ ビネ デ クノシティンツァ)――……はじめまして、の挨拶だよ」

 

 後ろを振り返り、己の配下を見回しながら。

 

「家族みんなで、引越してきたんだ」

 

 ――……家族。

 その言葉ひとつで、途端に広がる、喜悦の気配。

 

 その様子を見て、紫は悟った。

 

 

「私の名前は、レミリア・スカーレット。誇り高き吸血鬼で、紅魔館の『当主』だ」

 

 

 相対する存在は、紛れもなく『王』である、と――……。

 

 

 

 

 紅魔館の門前にて。

 敷地内に押し入ろうとする妖怪達を、片っ端から殴り飛ばす美鈴。

 

「申し訳ございませんが、本日は部外者の入館許可は出ておりません、お帰りください!」

 

 突き出される右拳。

 その手には、『ビニールパックされた蕎麦』。

 

「これは『手土産』です! 今後とも、よ ろ し く、お願いします!」

 

 それを顔面に叩きつけられた妖怪は、そのまま数十メートル吹っ飛び、湖に落ちた。

 水柱が上がり、一瞬、虹が煌めく。

 

「――……派手にやっているな」

 

 そんな言葉と共に、現れたのは。

 

「お前達こそ、誰の許可を得て、この郷で好き勝手しているんだ?」

 

 九尾の狐――……八雲藍。

 放たれる眼光は、まさに『獣』のソレだ。

 

 しかし。

 

 

「これはこれは。引越し早々瑞獣(ずいじゅう)様と遭遇するとは。縁起がいいですね!」 

 

 

 向けられた敵意に、一切、動じることなく。

 美鈴は、朗らかに笑った。

 

「……」

 

 その、あまりの毒気のなさに、気が抜けたのか。

 藍は、ひとつ大きく溜息を吐き。

 

「もう一度、聞くぞ。……どういうつもりだ?」

 

 多少、眼光を和らげて、問いを重ねた。

 

「此処は、素敵な場所ですね」

 

 美鈴は。

 微笑んだまま、言葉を紡ぐ。

 

「でも、ちょっとばかし、平和ボケしすぎちゃいませんか? こんなんじゃ、いずれ破綻しますよ。外の世界の二の舞です」

 

「ッ!」

 

 思いがけず鋭い指摘に、息を呑む藍。

 

 ――……確かに、それは幻想郷の妖怪達を悩ませる、大きな問題のひとつだった。

 

 大結界によってもたらされた『平穏』。

 その平穏を維持する為には、妖怪と人間の間に、数や勢力のバランスが必要だ。

 上記の理由により、妖怪は気儘に人間を襲うことが出来なくなってしまった。

 存在意義が消失すれば、弱体化は免れない。

 

 現に今、『外』からやって来た紅魔館の住人達に、良いようにされている。

 

 

「だからこそ、引越しの挨拶と共に、注意喚起でも、ってね? そんなふうに、私のお母さんと、ウチのお嬢様が考えたようでして」

 

 美鈴は、足元に置いてあったクーラーボックスから、蕎麦を5袋取り出し、藍に差し出した。

 

 

「おそばに引越してきました。細く長く、よろしくお願いいたします!」

 

 

 

 

 ---------------------------------------

 

 

 ――……吸血鬼異変。

 以前の時間軸では、敵味方共に、甚大な被害を出した『異変』。

 最終的に敗北したのは、私達『紅魔館』。

 

 しかし。

 それは、私達にとっても、幻想郷にとっても、絶対に必要な異変だった。

 

 私達の敗北後、管理者側といくつかの契約を結び、和解することで、異変自体は決着した。

 しかし、この出来事がきっかけで危機感を覚えた妖怪達が、大結界の管理人である博麗の巫女に相談を持ち掛けた。

 その結果として生まれたのが『スペルカードルール』。

 命の奪い合いではなく、美しさを重視する、平和的な決闘。

 

 

 そう、『弾幕ごっこ』だ。

 

 

 ――……だからこそ。

 今回も、異変は決行した。

 でも、作戦内容は大幅に変えた。

 

 

『決して、死ぬな。そして、殺すな』

 

 

 命は、大事に。

 コレが一番だ。

 

 

 

 

「レミィ……」

 

 以前の時間軸では、レミィは紫と戦って、負けた。

 だからこそ、ディスプレイの向こうのレミィが心配で、画面に釘付けになった。

 

 その、結果――……。

 

「ッ!?」

 

 気が付くのが、遅れた。

 

 

「うぉらあっ!」

 

 

 そんな掛け声と共に、いきなり頭上から降ってきた、『拳』。

 

「月符「サイレントセレナ」!」

 

 咄嗟に発動したスペル。

 足元から放つ、無数の青いレーザー。

 

「うぁいてててっ!」

 

 奇声とともに、ひっこめられた拳。

 その動きに合わせて、咲夜の腕を掴み、横に飛ぶ。

 距離をとり、襲撃者の顔を確認。

 

 ――――……ああ。

 

「なんで……」

 

 思わず、呻く。

 

「なんで、貴女が現れるのよ……」

 

 彼女と出会うのは、本来、後10年は先の筈だ。

 

 脳裏に去来するのは。

 緑の葉を茂らせた、桜の木と。

 延々と終らない、宴会。

 その狭間で、酒気を纏う――……『鬼』。

 

 

伊吹萃香(いぶきすいか)!」

 

 

 萃香は。

 腕にぶらさげた鎖を、じゃらりと鳴らしながら。

 瓢箪に入れた酒を、ぐびりとあおり。

 にやぁ、と笑って、口を開いた。

 

「ほう? あんた、私のことを知っているのかい?」

 

 ああ。

 知っているとも。

 嫌になるほど、その強さと。

 

「なんで現れたのか、って言われりゃあ、まあ……久々に活きの良いのを見つけたから、食っちまおうか、ってねぇ!」

 

 

 厄介さを、知っている!

 

 

「――……咲夜! 逃げなさい!」

 

 叫びながら、突き飛ばす。

 

「今すぐに!」

 

 咲夜は、戸惑ったように瞳を揺らした後。

 一瞬、萃香へと視線をやり。

 相手が、圧倒的な強者であることを、見て取ったのか。

 

「ッ!」

 

 息を詰まらせながら、肩をビクリと震わせた。

 そして、勢いよく瞼を下ろし――……次の瞬間。

 

 見開かれた目は、いつもの『青』ではなく、『赤』い光を放っていた。

 その赤は、磨き上げられたカーバンクルのようだった。

 

 そして。

 

「は? え、消えた?」

 

 萃香の戸惑いの声が、虚しく響く。

 

 

 咲夜は、刹那の内に姿を消した。

 

 

 ホッ、と息を吐く。

 これで、巻き込まずに済む。

 

「……さあ」

 

 目の前のいけ好かない鬼を指差し、告げる。

 

 

「鬼退治といきましょうか」

 

 

 

 

 ――……伊達に700年も、生きてきたわけではない。

 

「くっはあ、やるねぇ!」

 

 萃香の、楽しそうな声。

 この鬼と初めて戦った時。

 散々嫌味を言われた後、叩きのめされたのは、苦い思い出だ。

 その後、入念な事前準備を経て、無事リベンジを果たしたが、辛勝だった。

 

 だけれど、あれから私は数百年の時を生きたのだ。

 

「今の私なら、事前準備無しでも……!?」

 

 正面に対峙する萃香が、牙を覗かせながら、嗤う。

 ――……背後に、気配。

 

「しま……ッ!?」

 

 振り返る。

 そこには、拳を振り上げる、もう一人の『伊吹萃香』が居た。

 

 避けきれないッ!

 

 ――……その、次の瞬間。

 

 

「あいたっ!?」

 

 

 飛来した『銀のナイフ』が、萃香の後頭部にブチ当たった。

 それは、萃香の高い防御力により、刺さることはなく、硬質な音をたてながら、地面へと落ちた。

 

 萃香の後方。

 そこで、投擲体勢のまま、立ち尽くしているのは。

 

 

「さ、咲夜!?」

 

 

 私の想い人。

 十六夜咲夜、その人だった。

 

「へえ……やってくれるじゃん!」

 

 己の頭を摩りながら、笑みを深めた萃香。

 彼女は、勢いよく咲夜の方へ振り返った。

 

「ちょ、待ちなさ……ッ!?」

 

 風を切る、拳。

 

「お前の相手は、こっちの私だよ!」

 

 叩きつけられた拳と、咄嗟に張った障壁がぶつかり、ガキィンッ! と硬質な音が響いた。

 

「くッ!」

 

 マズい。

 今の咲夜は、まだ子供で。

 自分の能力を、ちっとも使いこなせていない。

 発動までタイムラグがある上に、連発すれば、すぐに霊力が尽きてしまう。

 だから、今日も私の隣で、大人しくしていたのだ。

 

 このままでは、咲夜が!

 

 

「どいてっ!」

「やーなこったぁ」

 

 

 その、返答に。

 

 ブチィッ! っと。

 

 己の血管が、盛大にブチ切れる音を聞いた。

 最近、血管が切れやすくなった気がする。

 

「……いいから」

 

 拳を握り締める。

 体中の魔力を、右拳に集めていく。

 骨と筋線維、それから血管まで。

 

 

 ベキッ、ギチギチ、ブチィッ! 

 

 

 ……出してはいけない音を、奏でていく。

 

 

「どけって、言っているのよーッ!!」

 

 

 ――……バキィッ!!!!

 

 

 己の腕の損壊を、気にも留めず。

 荒れ狂う魔力を込め、全力で振り抜いた、拳。

 それは、萃香の頬にクリーンヒットした。

 

 ボフンッ!!

 

 そんな音をたてて。

 殴り飛ばした萃香が、弾けて消えた。

 

「こっちが、分身だったか……っ」

 

 急いで咲夜の方に視線を向ける。

 本体の萃香が、驚いた顔をしてこちらを見ていた。

 

 ――……チャンス!

 

 

「吹っ飛べ! ドヨースピア!」

 

 

 床から射出される、土の槍。

 

「うわあぁぁああああ!?」

 

 見事命中。

 地面にバウンドしながら、吹き飛ぶ萃香。

 

「やった……って、えええ!?」

 

 萃香は、そのまま本棚に激突し。

 その勢いで倒れた本棚が、さらに隣の本棚にぶつかって。

 勢いよく、倒れ始めた。

 その、先には。

 

「さ、さくやぁっ!?」

 

「ッ!」

 

 咲夜の目が、赤く輝く。

 でも、ああ!

 

 間に合わない!

 

 

「きゅっとして――……ドカーン!」

 

 

 次の瞬間。

 咲夜にぶつかる寸前だった本棚が、爆発した。

 

「ええッ!?」

 

 降り注ぐ、本棚の欠片達。

 それから守るように、咲夜の頭上に差しかけられた『日傘』。

 

「ダメじゃない、パチェ」

 

 やわらかな声音。

 優し気な光を放つ、スペサタイトガーネットの瞳。

 背中で揺れる、虹色の宝石。

 

「貴女の大切なお姫様なんでしょう? ちゃんと、守ってあげないと」

 

 そう言って微笑む、彼女は。

 

 

「――……フラン!」

 

 

 今日も館の地下室で、一人で大人しく過ごしていたはずの、フランだった。

 

 

「おおっと、新手かぁ?」

 

 

「ッ!」

 

 ゆっくりと起き上がる萃香を見て、息を呑む。

 

「しぶとい……ッ!」

 

 かくなる上は、以前から研究を続けていた、『炒り大豆を百発撃ちだす魔法』を――……!

 

 

 

「両者、そこまでよ」

 

 

 

 そんな、台詞と共に。

 空中に走る『亀裂』。

 その『スキマ』から、姿を現したのは。

 

 

「うっわ、ボロボロね、パチェ」

「レミィ!?」

 

 私の『親友』だった。

 その後ろから。

 

「あら、萃香。こんなとこに居たの」

「よぉ、紫! ひさしぶりだねぇ」

 

 妖怪の賢者、八雲紫も顔を出す。

 Phボス様の御出座しだ。

 

「萃香、悪いけど、遊びは終わりにしてくれる?」

「えー?」

「ここのご当主様と私で、穏便に話し合いをすることになったの」

「……うーん」

「お願い。美味しいつまみを用意してあげるから」

 

 そんな紫の提案に、萃香は。

 

 

「まあ、結構楽しめたし、もういっかぁ」

 

 

 頭をポリポリかきながら、そう答えた。

 

 

 

 その会話を聞いた、私は。

 張り詰めていた緊張の糸が、一気に切れて。

 

 

 限界がやってきた。

 

 

「……げほっ!」

「パチェ!?」

「げほ、ごほっ! ッ!」

 

 苦しい。

 息が出来ない。

 発作だ。

 

 

 オマケに腕が、めっっっちゃ痛い!!

 

 

 立って居ることも、困難で。

 体が、ふらりと傾いた。

 

 

「――……チュリー様!」

 

 

 その時。

 誰よりも愛しい声に、名前を呼ばれた、気がした。

 

 暗転。

 意識は、闇に沈んだ。

 

 

 

 

「ぅ……んう?」

 

 瞼を上げる。

 目に入ったのは、見慣れた自室の天井だった。

 

「……やっと、起きましたか」

 

 掛けられた声に、視線を向ける。

 私の横たわっている、ベッドの隣。

 そこに置かれた、一人掛けの椅子に座っている、愛しい人(さくや)

 

「もう、目を覚まさないかと思いまし――……きゃあっ!?」

 

 勢いよく、起き上がった私は。

 その勢いのまま、彼女に跳びついた。

 

「な、なにを……ッ!?」

「怪我!」

「え?」

 

「怪我、してない!? 無事!?」

 

 そして。

 彼女の小さな左手に巻かれた包帯に、気が付いた。

 

「これ……」

「ああ、本棚の破片で、少し。掠り傷です」

 

 咲夜は、何でもないことのように、そう答えた。

 

「……」

 

 でも。

 そんな問題じゃ、なかった。

 

「……ごめん」

 

 情けなさで、視線を合わせることも出来ないまま。

 ただ、謝罪を重ねた。

 

「貴女は、私が守る、って。私、そう言ったのに……貴女を、危険な目にあわせたわ」

 

 あの時。

 もしも、フランが来てくれなかったら。

 

「……っ」

 

 考えただけで、怖かった。

 視界が、滲む。

 

 ――……次の瞬間。

 

 

 ごちんッ!

 

 

「あいたぁっ!?」

 

 

 目の前に、火花が舞い散る。

 咲夜に、『頭突き』を喰らったのだ。

 

 

「さ、さくや……?」

 

 至近距離。

 額を、あわせたまま。

 

「ほんと、貴女は……」

 

 掠れた声で、咲夜が囁く。

 

「なんで、私なんですか」

 

 その言葉に。

 私が、答える前に。

 

「……パチュリー様の、ばか」

 

 

 そう、言って。

 咲夜は、『笑った』。

 

 

 

「……」

 

 それは。

 

「…………」

 

 私にとっては。

 

「~~ッ!?」

 

 

 萃香の拳よりも、強烈な一撃だった。

 

 

「パチュリー様っ!?」

 

 

 ――……KO(ノックアウト)

 私は再び、ベッドへと沈んだ。

 

 

 

 

 ---------------------------------------

 

 

「――……じゃあ、今後ともよろしく」

 

 紅魔館、応接室にて。

 レミリアと紫は、円満に話し合いを終えた。

 

「そういえば」

 

 立ち去り際。

 紫が、思い出した、といったふうに、口を開いた。

 

「この館にも、人間が居るのね」

 

 紫は、探るように目を細めながら、レミリアに問いかける。

 

「どうやら、普通の人間ではないようだったけど――……貴女の従者? それとも、非常食かしら?」

 

 その問い掛けに。

 レミリアは、己の顎を摩りながら。

 

「ああ、アレは、私の従者だよ」

 

 そう、答えた後。

 

「でも、それ以上に」

 

 にぱぁっ、と笑って、言い放った。

 

 

「親友の『嫁』だな!」

 

 

 

 ――……紫は、思った。

 この館の住人は、変人ぞろいのようだ、と。




 戦闘シーンは、読むのも書くのも苦手なので、なるべく書かなくてもいいようにプロットを組んでいるのですが、まったく書かない、というのも難しく……(´・ω・`)

 精進せねば……っ(`・ω・´)

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。