テイマー姉妹のもふもふ配信   作:龍翠

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配信三十回目:白いふわもことしょんぼり九尾

 

 いつものようにログインして、れんちゃんのホームへ。私がここに入ると、真っ先にシロが出迎えてくれる。この子、私のテイムモンスのはずなのに、ずっとここにいるんだよね。解せぬ。

 

「ねえ、シロ。シロって私がテイムしてるよね?」

 

 私が聞くと、シロがすり寄ってきた。うんうん。だよね。かわいいやつめ。

 わしゃわしゃとシロを撫でていたら、れんちゃんがログインしてきた。キツネが楽しみなのか、わくわくしているのが見ているだけでも分かる。そんなれんちゃんは私とシロを見つけると、

 

「あ、おねえちゃん!」

 

 嬉しそうに手を振って、そしてシロがれんちゃんの方へと走っていった。

 うん。いや。えー……。

 

「わ! えへへ、シロもかわいいね」

 

 シロの首回りをもふもふするれんちゃんと、れんちゃんを舐めまくるシロ。

 ねえ、シロさん。れんちゃんが来た時の方が嬉しそうに見えるんだけど、どういうことかな……?

 いやいや、うん。気持ちは分かる。分かるとも。れんちゃんかわいいからね!

 勝手に一人で納得してたら、シロが戻ってきていた。何やってんだお前、とばかりの冷たい視線。やめてください、心にきます。

 

「おねえちゃんおねえちゃん」

「んー?」

 

 呼ばれて前を見てみたら、れんちゃんが白虎に押し潰されていた。嫌がってるわけではなさそうだけど、大丈夫なのかなあれ。白虎はぐるぐる鳴きながられんちゃんに頬ずりしてるけど。

 

「三十分だけ、遊んでも、いい?」

「ああ、うん。いいよ。もちろん。遊んでおいで」

 

 ぱっと顔を輝かせて、れんちゃんは嬉しそうに頷いて。

 そして集まってきたウルフや猫や雀にもみくちゃにされていた。

 うん。よし。いつもの光景だね!

 

 

 

「てすてす。マイクのテスト中。いろはにほへとちりぬるを。れんちゃんかわいいやったー!」

 

『お前はいきなり何を言ってるんだ』

『大丈夫? 大丈夫じゃない? 知ってる』

『おいしゃさん、このひとです』

『手遅れです』

『即答で草』

 

「いきなりの罵倒の嵐に私の心は折れそうだよ……」

 

 みんな知らないだろうけど、私はなんだかんだと打たれ弱いのだ。本当だよ?

 

「まあれんちゃんがいれば全回復するんだけどね!」

 

『ですよね』

『知ってた』

『何を今更』

 

 ふむ。いやでも。あれを見ても、同じことが言えるかな?

 てなわけで、私に向けていた光球をれんちゃんの森の前に向ける。そこには、ディアを背もたれにして子犬たちを抱えるれんちゃんがいる。れんちゃんの顔はとても幸せそうだ。

 他の子犬もれんちゃんのお腹の上に陣取っていて、頭の上はやはりラッキー。

 

『死ぬ。死んだ』

『しっかりしろ! 致命傷だ!』

『かわいいとかわいいが合体して最強に見える。いや最強になってる』

 

 うんうん。いやあ、いいよねえ。もう、見てるだけで幸せな気持ちになれるよ。楽園はここにあったのだ。なんて。

 

「れんちゃん、そろそろ行こっか」

「はーい」

 

 よいしょ、とれんちゃんが子犬たちをいつもの柵の中に連れて行く。連れて行く、というか、れんちゃんが歩くと子犬たちもとことこ歩いてついていった。いいなあ、私もやってみたい。

 れんちゃんが柵の中に入ると、子犬たちがそれぞれ遊び始める。れんちゃんは満足そうに頷いて、私の方へと戻ってきた。

 おお。なんか、子犬たちがれんちゃんの方を見て尻尾をふりふりしてる。さよならの挨拶かな。れんちゃんもすぐに気付いてにこにこしてる。れんちゃんが手を振ると、子犬たちの尻尾の動きが早くなった。

 

『かわいい』

『あああああああ!』

『いかん、こいつには刺激が強すぎた!』

 

 なんか、コメントが阿鼻叫喚なんだけど。うん。触らぬ神に何とやら。放置だ。

 私はコメントを全て見なかったことにして、れんちゃんと一緒にホームを後にした。

 

 

 

 というわけで、戻ってきました雪の山。村を出て、山頂を目指します。そこに討伐対象の九尾のキツネがいるわけだ。

 

『なにそれ強そう』

『強そうだろ? でもここ、最初の街のすぐ近くなんだ』

『つまり?』

『周囲のフィールドボスと大差なし』

『えー……』

 

 まあ、うん。そうなのだ。九尾のキツネはいろんな作品に出てくる妖怪で、どれもこれも最終ボスとか、そうでなくても強敵として描かれるけど、このゲームでは初期のボス扱いだ。

 

「つまりはある程度レベルが上がった私からすると……」

 

『ぶっちゃけザコ』

 

「はっきり言うな」

 

 事実だけどさあ! そこはこう、ちょっとはぼかそうよ!

 そして依頼を受けてから村から先に進むと、たくさんのモンスターが出現するようになる。本当に、たくさん。

 

「ただし全てノンアクティブです」

 

『ええ……』

『何も知らないで来たら緊張しそうだなw』

『気付いてしまうと拍子抜けだけどな』

 

 本当に。私も最初は知らないで来たんだけど、その時はやばいクエストを始めてしまったと後悔したものだ。あっという間にクリアしちゃったんだけど。

 まあ、でも違うのだ。私が言いたいのはそういうことじゃない。

 

「つまりさ。ノンアクティブとはいえ、キツネさんがたくさん出るわけですよ」

「キツネさん!」

「そう、キツネさん! ……あ、出てきてる」

 

 れんちゃんの視線の先を見てみると、茶色にも見えるキツネがこちらを見つめていた。睨んでいるわけでもなく、じっと見つめている。れんちゃんの反応はいつも通りだ。

 

「かわいい!」

 

 れんちゃんは早速そのキツネに近づいて行く。けれどそのキツネは、れんちゃんが近づいた分だけ離れてしまった。

 

「んー?」

 

 首を傾げて、れんちゃんが立ち止まる。キツネも止まった。

 

「おいで。おいで」

 

 れんちゃんが手招きする。けれど動かないキツネさん。あ、いや、ちょっと誘惑されてるみたい。耳をぴくぴくさせながら、れんちゃんをじっと見てる。

 

「別の意味で緊張してきた」

 

『おなじく』

『ここのキツネは警戒心が強いのかな……?』

 

 れんちゃんはなおも手招きしていて、しばらくそれが続いて……。

 突然、キツネの奥の茂みから何かが飛び出してきた。

 

「んん!?」

 

『なんだ、敵か!?』

『ミレイ体を張ってれんちゃんを守れお前はどうなってもいいから!』

『さりげなくひどいw』

 

 本当にね!? いやもちろんそれでいいんだけど!

 でも私が動くよりも前に、飛び出してきたものはれんちゃんの前で立ち止まった。尻尾をふりふりしているのは、真っ白なキツネ。れんちゃんは白い子に好かれる能力でもあるのかな?

 

「わあ……」

 

 白いキツネは、もふもふだった。ふわふわだった。いや違う。もっふもふでふっわふわ。なにこの毛玉。

 

『あれはまさか!』

『知っているのかまさかニキ!』

『多分モデルはホッキョクギツネだな! 寒いところに住むキツネだからか他の種類よりももふもふだ! あと白い!』

『本当に知ってた……』

 

 ほほう。ホッキョクギツネ。あとで調べてみようかな。

 白いキツネは尻尾をふりふりしながられんちゃんに近づいて行く。この子は警戒心のけの字もないらしい。迷いなくれんちゃんの腕の中に飛び込んだ。

 

「わわ……」

 

 慌てながらもれんちゃんは優しく受け止めて、何故か白いキツネと見つめ合った。じっと。じぃっと。そしてこれまた何故か、ぎゅっと抱きしめた。ぎゅーっと。

 

「かわいい……!」

 

 うんうん。やっぱり懐いてくれる子はかわいいよね。分かるよ。とても分かる。だからお姉ちゃんにも抱かせてほしいなあ。もふもふしたいなあ……。

 その白いキツネを皮切りに、茂みからたくさんのキツネが出てきた。おっかなびっくりといった様子で、たくさんのキツネが少しずつれんちゃんに近づいて行く。

 れんちゃんは気付いてるのかな? 白いキツネに夢中だけど。白いキツネはれんちゃんをぺろぺろ舐めて甘えてる。ちょっとどころかかなり羨ましいです。

 

 あ、れんちゃんが気付いた。すっごく顔が輝いてる。笑顔が眩しい。なんて嬉しそうな顔なの。

 おお!? キツネが一斉にれんちゃんに飛びかかった!

 

「私の妹がキツネさんに気に入られた件について」

 

『めっちゃ懐かれてるwww』

『もふもふ祭りや!』

『相変わらずれんちゃんはモンスたらしだなw』

 

「たらし。正しいかも……」

 

 あっちもぺろこっちもぺろぺろ、尻尾でもふもふ。なんだこれ。かわいい。

 

「問題があるとすれば、キツネに埋もれてれんちゃんが見えなくなったことだね!」

 

『問題しかねえw』

『助けてやれよw』

 

「いやあ、すごく楽しそうな笑い声が聞こえるから……」

 

『この人でなし!』

 

「なんで!?」

 

 キツネの山かられんちゃんの楽しそうな笑い声が聞こえるからきっと大丈夫。キツネの山……。キツネって、なんだっけ。

 私ももふもふしたいな。一匹こないかな?

 

 じっとキツネたちを見つめていたら、一匹だけこっちを振り向いた。とことことこっちに歩いてきて、私の目の前で立ち止まった。黒いキツネさんだ。これはこれでかわいい。

 私が手を差し出すと、ぴょんと飛び跳ねて私の首にまとわりついてきた。

 

「おおー……。尻尾もふもふ……」

 

『ミレイ! この裏切り者!』

『久しぶりにキレちまったよ……』

『ミレイちゃんのばかー!』

 

「ええ……。なんでこんなに怒られてるの私」

 

 真面目に意味が分からない。一匹ぐらいなら、誰でもテイムできるはずなんだけど。

 黒いキツネさんの尻尾をもふもふしていたら、ずしん、と地面がわずかに揺れた。その揺れは、少しずつ近くなってる。これは、やっぱり……。

 

 ぬっと、奥の方から出てきたのは、大きなキツネだった。九本の尾を持つ巨大キツネ。間違い無く、九尾のキツネだ。

 うん。いや待ってほしい。なんでボスが下りてきてるの!? 頂上から動かないはずでは!?

 

『九尾キター!』

『おいおいおい、なんでボスが下りてきてんだよ』

『この二人はほんっとうにイレギュラーばかり遭遇するなw』

 

 本当に。こっちは好きでやってるわけじゃないけど。

 九尾の様子を注意深く見つめていると、九尾はれんちゃんの方を見た。れんちゃんもじっと九尾を見つめている。いつの間にか、他のキツネたちはれんちゃんと九尾の様子を見守ってるみたいだ。

 じっと見つめる。見つめ合う。しばらく見つめ合って、ようやくれんちゃんが動いた。

 

「こんにちは」

 

 にっこりにこにこの挨拶。九尾はそれでも動かなかったけど、しばらくしてから九尾の周りに火の玉が浮かび上がった。確か、狐火、というスキルだったはず。

 正真正銘の、攻撃スキルだ。

 

『おい、さすがにまずいんじゃ……』

『どう見てもれんちゃんを攻撃しようとしてないか!?』

『ミレイやっちまえ!』

 

 私も思わず間に入りそうになったけど、もう少し様子を見たい。狐火は確かに攻撃スキルだけど、でもそれはあくまで、このフィールドのボスが使う攻撃スキル。つまり何が言いたいかと言えば、さほどダメージが入るわけじゃない。

 

「しかもれんちゃんはもこもこれんちゃんだ」

 

『いや何の関係が?』

『どうしたミレイ。大丈夫か? 頭』

 

「うるさいよ」

 

 失礼な人だね本当に。

 

「そうじゃなくて、れんちゃんはアリスの服を装備してるってこと」

 

『あー……』

『なるほど、服とはいえ、ある程度の性能もあるのか』

『もちろんあるよ。市販の鎧よりも防御力高いよ!』

 

「だよね。……物理的には納得できないけど」

 

『それは言わないお約束』

 

 いや、まあ、分かってるけどね。多分魔法的な理由だ。きっとそうだ。

 さて。九尾もそこまで本気で攻撃の意志はないみたいで、狐火はゆっくりとれんちゃんに近づいて行く。なんだろう、どんな意図があるのかな。

 そして、れんちゃんは近くまできた狐火を、不思議そうに見つめながら右手で触れた。

 

「いたっ」

 

 れんちゃんの、小さな悲鳴。

 このゲームは、ダメージを受けると少しだけその部分がしびれてしまう。痛いってほどじゃないけど、何も知らなかったらびっくりする程度だ。れんちゃんも、痛がってるわけじゃなくて、戸惑ってる方だった。

 でも。けれど。敵意は、向いた。

 

 思わず動きそうになった私じゃなくて。狐火を出した九尾でもなくて。もちろん不思議そうにしてるれんちゃんでもない。

 れんちゃんの周囲にいたキツネたちが、漏れなく自分よりも体の大きな九尾を睨み付けていた。

 

 うん。なにこれ。ちょっと怖い。キツネたちがれんちゃんを守るように前に立って、そして漏れなく全てのキツネが九尾を睨み付けてる。なんだこれ。

 

『れんちゃん、実は全部テイムしてたのか……?』

『いやいやさすがにそれは……。ええ……』

『数が多いからか圧がすげえw これは怖いw』

 

 本当に。殺気だったキツネの集団って、なかなか怖い。九尾もまさか仲間たちからそんな敵意を向けられるなんて思わなかったのか、見て分かるほどに狼狽してる。

 後退る九尾。ゆっくり近づくキツネたち。

 そして、小さな動物たちの頂上戦争が始まろうと……!

 

「喧嘩、だめだよ?」

 

 れんちゃんのその一言で敵意が霧散した。

 

「みんな仲良くしないと、だめ。ね? でないと、えっと……。おこっちゃうぞ!」

 

 がおー、のポーズで言うれんちゃん。かわいい。

 でもキツネたちには効果はあったみたいで、見て分かるほどに慌て始めた。キツネたちが我先にとれんちゃんに集まっていく。ごめんね、と謝ってるのかな。

 

「なんだろう。さっきまで剣呑だったのに、今はすごくほのぼのしてる」

 

『かわええのう』

『たくさんのキツネと戯れる幼女……』

『いい……』

『いやお前ら、あそこで立ち尽くしてる九尾にも反応してやれよw』

 

 九尾の方へと目をやれば、呆然と突っ立ってた。なんだかちょっぴり悲しそう。哀愁が漂ってる気がする。

 そんな九尾にれんちゃんは近づいて行って、にっこり笑って手を差し出した。

 

「なかなおり!」

 

 九尾は、逡巡してたみたいだったけど、そっとその手に顔を寄せた。

 

『イイハナシダナー』

『なんだろう、この……。なんだこれ』

『それでいいのか九尾のキツネw』

 

 うん。まあ、いいんじゃない、かな……?

 私はそれよりも、ボスを倒さずにクエストクリアしたことに驚きだよ。村で受けたクエストは討伐だったはずなのに、すでにクリア扱いだ。どういうことなのやら。

 

 

 

 れんちゃんと一緒に村に戻る。後ろにたくさんのキツネと、さらには九尾を引き連れて。

 うん。その。どうしてこうなった。

 

『これはまさか!』

『知っているのかコメント!』

『百鬼夜行ならぬ、もふも夜行!』

『三点』

『そんなー』

 

 仲いいなあ、この人たち。

 れんちゃんは比較的大きなキツネさんの背中にいる。れんちゃんの頭の上にはらっきーがいて、肩の上には白いキツネ。尻尾ふりふりがかわいらしい。

 れんちゃんもそれはもう楽しそうに鼻歌なんて歌っちゃって。とても機嫌がよさそうだ。すごく楽しそうな雰囲気。いいね、こういうの。

 そんな私たちを出迎えたのは、なんと村人全員だった。なにこれ。こんなイベント知らないんだけど。

 

 ざっくりと、簡単に説明しようと思う。

 私が知ってるイベントの流れは、ボスを倒して村に戻ると、村そのものがなくなってる、という終わり方だった。この理由はずっと不明のまま。報酬も当然もらえない、本当によく分からないクエストだったのだ。

 これでボスが強かったら苦情も多かっただろうけど、幸いと言うべきか、ボスが弱いから特に問題なくクリアできるクエストなので、そういうイベントなんだろうと一応は納得できた。

 ただ、人によっては、村は残ったままだったとか、そんな報告もあったみたいなんだけど……。

 で、今回、村人さんたちから話を聞いて、その理由も分かった。

 

 とても、とても、単純な理由。九尾と村がグルだった。九尾が倒されてしまったから村人たちは逃げ出した、というのが真相だったみたいだね。

 九尾がれんちゃんにテイムされちゃったので、村人さんたちはれんちゃんと共に来るらしい。いやいやさすがに人はと思ったけど、全員キツネだった。うん。なんか途中からそんな気がしてたよ。

 というわけで、れんちゃんのホームに九尾とキツネ百匹超が新たに増えました。魔境かな?

 

 

 

「雪山が増えてる」

「ゆきやま!」

 

 そんなクエストを終えてれんちゃんのホームに戻ってきた私たち。森の他に雪山が増えてた。キツネがたくさんいる雪山だ。なんか、ウルフの何匹かが遊びに行ってる。ウルフとキツネが遊んでる。かわいい。

 

「おねえちゃん! ゆき! ゆきがある! ゆきー!」

「あはは。だねえ。いつでも遊べるね」

 

 うん。これなら、みんなでいつでも雪遊びができるかも。

 

『雪山とか、初めて知ったぞ』

『テイマー板で聞いてきた。実はわりと知られてたらしい。検証勢役立たず説を提唱したい』

『やめてさしあげろw』

『まあ実のところ、検証勢に生粋のテイマーが少ないってのが理由だろうなあ』

 

 テイマーさん曰く、ここはテイムに慣れた人が、手軽にある程度強いモンス、つまり九尾をテイムできるところなんだって。雪山は、自動でホームが拡張されるサービスを購入していたら追加されるのだとか。

 

「んー……。リサーチ不足でした。悔しい」

 

『どんまい』

『まあこれは仕方ない』

『テイマーさんも知らない人多いみたいだったしな』

 

 もう少し、特にテイマーさんには話を聞かないといけないね。

 それはともかく、ですよ。

 

「アリスとエドガーさん!」

 

『はいはい! なにかなミレイちゃん!』

『どうかした?』

 

 おお、さすが! ちゃんと見てくれてる!

 

「れんちゃんが雪遊びをやりたがっています。というわけで明日の配信は雪遊びです。一緒にやらない?」

 

『よろこんでー!』

『俺でいいなら、是非』

『くっそ羨ましいんだけど』

『せめて配信を、ぜひに……!』

 

「はいはい、もちろんやりますよっと」

 

 れんちゃんを見る。いつの間にか雪山でごろごろしてた。真似して白いキツネもごろごろしてた。写真写真。

 

「キツネさんとも無事にお友達になったので、明日は雪遊びをするよー」

 

『楽しみ』

『ゆきともふもふのこらぼれいしょん』

『ゆきもふまつりじゃ!』

 

 うん。明日も楽しくなりそうだ。

 


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