聖櫻学園記   作:ササキ=サン

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昨日はもともとやってた小説を書いてたので更新できませんでした。

さーせん。


第八話 悪いな、俺の流派は一人用なんだ。

朝、そろそろ日がのぼりはじめるA.M4:30。俺はいつも通り鍛錬を行っていた。

 

脳のリミッターを外し、魔力や気などで身体強化を一切行わずにひたすらに体を動かし続ける。パンチパンチキックパンチキックパンチパンチパンチパンチ。

 

一心不乱に鍛錬を続ける俺だが、実は身体能力のスペックは前世の半分以下であり、基本ステータスは前世より遥かに劣っている。まあ、だからといって総合的な実力も前世より下かと言われると、そうでもない。

 

俺はこの世界で科学という名の“理”を知り、漫画の中にあった数多の必殺技の理論やイメージを知ることができた。このことによって、俺は前世よりも遥かに技のレパートリーが増え、なおかつ技の威力が激増した。だから、今の俺と前世の俺がガチで殺し合えば多分今の俺が高確率で勝利するだろう。

 

まあ、ぶっちゃけてそんなことは割とどうでもよく、俺は前世で身につけた技や今世で身につけた技を復習するように繰り出し、適度な運動をする。

 

それから数十分と経ち、そろそろ体がぎちぎちと怪しい音を立て始めたため鍛錬を終えようとすると、

 

「すっ、すごい.......すごすぎるっす!!」

 

なんかいた。

 

黒に若干茶色を足したような髪の色の、ショートカットの元気そうな子。頭の天辺にはゴムで結んだ髪の毛がネギの青い部分の如く揺れていて、その様子から雑草みたいな奴だなあと初見ながらも少し失礼な感想を抱いた。

 

「........ふう、まずお前誰だよ。」

 

可愛らしい女の子にそれはねーべ、と呟く自分の中のエンジェルを無視しながら、俺は鍛錬を終えて清々しい気分で話しかける。はい、清々しいなんて嘘でーす、そんな気持ちはこいつに話しかけられた時点で消えましたー。いや、だってこいつうざそうオーラ半端ないんだもん。多分超舎弟タイプだよ、これ。

 

「はっ、これは失礼しました!自分は大山真由里というっす!先ほど師匠のあまり洗練された無駄のない演舞を見て心を打たれました!弟子にしてくださいっす!」

 

「なるほどね.......弟子か.......。」

 

さて、どう誤魔化すか。

 

「悪いな、俺の流派は弟子を取らないスタイルなんだ。」

 

「そんな〜、それはないっす!弟子にしてもらいたいっす!」

 

「駄目だな。いいか?お前は俺の振るう技を見ただろ?」

 

「はい、見たっす!物凄くカッコ良かったっす!」

 

「あれが人に振るわれたら、どうなると思う?」

 

俺はどシリアスな顔を作って.......えーっと、おおなんちゃらにいかにもな雰囲気を出して諭す。

 

俺の言いたいこと(笑)が分かったのか、おおなんちゃらは顔を青ざめさせ、ガタガタと震え出す。

 

「木っ端微塵っす.......。」

 

「ふむ、理解ができてよろしい。」

 

なぜ俺がそんな速度で行動できるのかあまり気にしない辺り、非常にポイントが高いですよ。

 

「俺の流派は最強だ。それゆえに、教える者はしっかりと選ばなければならない。この理由、しっかりと分かってくれるな?」

 

キリッ。そんな効果音が付きそうなほど決まった表情で言い放ち、なけなしのカリスマをここで発揮する。馬鹿にはこんな感じのシリアスがよろし。みんなも見習うように。

 

「はい.....分かりましたっす。.......でも!」

 

おおなんちゃらの瞳がきらんと光る。むむ、嫌な予感。

 

「これから自分が教えてもらうに相応しい人だと、師匠に認めてもらうまで頑張るっす!まだ師匠じゃないけど師匠!これからよろしくお願いしますっす!」

 

あら前向き、きゃーすてき、だいてー、ってなるかボケ。要は俺の日常生活になんらかの方法で介入してくるわけだろ?面倒くせえじゃねえか馬鹿野郎、帰りやがれ。

 

とは口で言えるものではなく、師匠と呼ぶならその辺りの心境を以心伝心して貰いたいとおおなんちゃらを見つめるが、おおなんちゃらが首を傾げるだけでなんの意味もなく徒労に終わった。

 

「良いだろう、その心意気、言葉だけではなく行動で示してみろ。」

 

師匠と呼ばれているので威厳を保った口調を保つ。.......いつかメッキが剥がれないといいな。というか変な虫のようなものに付着された俺は、多分最近運値落ちていると思う。

 

ああー.......面倒くさいな........。




誤字があったら報告お願いします。眠いんです。やっぱり人間だから誤字とか増えちゃうんですよ。だから僕は悪くない!

うん、寝よう。疲れてるんだ、きっと。

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