聖櫻学園記   作:ササキ=サン

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そういえば前回主人公がさらっと自分の過去を語ってくれましたが、実際の主人公の体験はもっと悲惨です。

ガールフレンド的に表すなら、攻援力100%UPボーナス中に50COMBして本気炭酸、または勇気炭酸を使った感じです。

普通にいうならだいたい2×3×12倍です。


第七話 戸村美知留、襲来

みんな、聞いてくれ。

 

実はこの寮、男女共用なんだって!

 

なん.......だと........。

 

「ってのわー、また負けたー!」

 

「うわ......あんなにゲーム得意な美知留ちゃんが負けるなんて、綻君ってすごいゲーマー?」

 

いや君達、男子の部屋で馴染みすぎじゃない?目の前にいる二人の女子を見ながら、俺は口から小さくため息をこぼす。

 

つい先ほど、コンビニに行こうとして扉を開いたら目の前にいたこの二名の女子。片方はみんな大好き、我らの櫻井(笑)だが、もう片方は戸村美知留とかいう女郎である。

 

櫻井は接点があるから百歩譲って来るのはよしとして、もう片方、お主何者じゃ?と思ったのだが、よくよく見たら俺が自己紹介した時に質問してきたDQNだった。DQNといってもドラクエナインではない、うざい奴の方だ。

 

唐突にだが、みんなは類は友を呼ぶという言葉を知っているだろうか?まあ、スライムはスライムを呼ぶでもいい。俺はどうやら類を呼んでしまったらしく、この戸村何ちゃらら、髪を茶髪に染めてなんかオサレなゴムで髪をなんかこうぴょんとさせてギャルのような格好をしてるくせに、俺と同じオタクであるというのだ。

 

オタク趣味を持つ戸村何ちゃららは、この学園にはあまり同士がいなくて嘆いていたところ、俺のような強烈なオタクオーラを持つ者が現れたことに歓喜。自己紹介の時は空気があれだったので話しかけることができなかったから、今、俺と仲が良さげだった櫻井を通してここに襲来したということらしい。うむ、長い説明ご苦労。で、どういうことだそれ。俺がこの部屋にいるってのは、強引に推理するならこの時期に編入したから寮の空いてる部屋の何処か、そういえばあの部屋に引っ越し業者が入ってたぜーといった噂網から分かったことだとして、なぜ直接部屋に乗り込んで来やがる。年頃の男の子をなめとんのか?俺が武術を極めて悟りを開いたおかげで煩悩こと性欲を一切持たない仙人的存在だったからこそまだしも、他の奴なら多分襲いかかってるぞ?

 

「その当たりをもっと注意してもらいたいんだかね.......」

 

「ん〜?なんかいふたぁ〜?」

 

「あははは〜、まあ、もっともだけど綻君なら大丈夫でしょ。」

 

快活に笑って大丈夫と答える櫻井。いや、その信頼は一体どこから湧いている。というか戸村何ちゃららにいたっては聞いてすらいない。口に持ち込んだ煎餅をくわえ、格ゲーキャラを操作して、必死に俺のキャラクターを攻撃し続ける。

 

「というか物凄いよそ見しながらゲームしてるけど大丈夫なの?綻君。」

 

「ふふん、あまり俺を舐めるなよ櫻井。俺は保育園の防人(さきもり)と呼ばれた男だぞ?この程度も出来なくて、一体どう幼女を........ごほん、子供を守れるって言うんだー!!」

 

「今すごいこと口走ったよね!?そしてそれを無理矢理テンションで誤魔化そうとしているよね!?」

 

「HAHAHAHA、そんな馬鹿ナこと、あるワケあ〜りまセン〜!」

 

「急に外国人っぽくなった!?」

 

「また負けた〜!」

 

櫻井のツッコミを誤魔化すためにも戸村何ちゃららを撃破する。画面上では黄金の色で彩られたPerfectの文字が浮かんでおり、俺の圧倒的勝利をより分かりやすく伝えてくれていた。

 

「綻強すぎだよ!どういうこと?攻撃全部避けられるか防御されるんだけど!」

 

「ふっ、反射神経の差だ。キャラクターの動きなんて止まって見えるぜ?」

 

普通の人には誇張して伝えているように聞こえるかもしれないが、あながち間違えでもない。俺はもともと光速で迫り来る魔法さえも拳で相殺していた過去を持つ男だ。音速にさえ入らないような速度で行うゲームなど、止まった木偶の坊を相手にするのも同然なのだ。

 

「目が冗談を言ってる時の目じゃない.........。」

 

いや、櫻井、冗談を言ってる時の目ってお前と会ってまだ一日も経ってないだろ、変な識別すんな。

 

というか何故戸村何ちゃららと格ゲーなんかすることになったんだろう。はい、俺がゲームソフトを出しっ放しにしていたからですね。次からはしっかり後片付けします。いや、だが床に転がってるゲームソフトを見つけるやいなや『あっ、これ私も持ってるやつだ!やろやろ!』とか言ってくる戸村何ちゃららもちょっとあれ過ぎると思う。うん、あれ、コミュ力高杉。

 

だいたい、この学園の奴らは何なんだろう。コミュ力迸ってるクラスメイト達や、優しさ溢れる図書委員の先輩とか、善い人達多過ぎじゃない?前の世界はもっと荒れてる奴が多かったぞ。犬も歩けば棒に当たるという言葉がこちらにはあるが、あっち風に直すと子供にも当たれば財布をすられるだぞ。意味が全然ちげえ........。

 

「さて、櫻井と戸村何ちゃららよ。盛り上がるのはいいが、俺はそろそろ外に食料を買いに行かなければならないんだ。一度部屋を出てもらえると助かるんだが。というか出てけこらー。」

 

棚からゲームソフトを引っ張り出そうとしている戸村何ちゃららを見て言う。へいお嬢ちゃん、止め時な。その棚からはゲロ以下の臭いがプンプンするぜ?ごめんなさいあまりいじらないでそのソフトの裏にはちょっと大人のゲームが入ってるんです止めて開けようとしないでソフトを見て首傾げないで。

 

「えっ、寮でご飯出るよ?それなのに必要なの?」

 

櫻井がこちらを見て首傾げる。それはもっとも疑問だが、

 

「俺は廃ネットゲーマーだからな、食事にかける時間さえも惜しい時があるんだ。」

 

そういって俺は部屋のダンボールを指差す。中身はカロリーメイト。各味で箱買いしている大量のカロリーメイトを見た櫻井の頬が引き攣ってる。

 

まあ待て、皆まで言うな。お前が言いたいことは分かってる。お前はこう言いたいんだろ?フルーツ味が無いぞ!と。分かってる分かってる、だからこそ今買いに行くんだよ。カロリーメイトをこよなく愛するカロリーメイトラヴァーとしてな。」

 

「あっ、」

 

「あっ?」

 

櫻井がプルプルと震えてる。何故かその姿から、俺はブルベリーアイのCMを思い出した。櫻井の後ろで戸村何ちゃららがはっと顔を青くする。その原因は櫻井であって決してその右手に持ってるゲームの中にしこんどいた大人なゲームが原因では無いと綻は強く信じています。

 

「アホーーーー!!」

 

その後、俺は学食に強制連行された。櫻井が怒った理由があまり分からない。うむぅ......解せぬ。というか俺は人が作った料理はあまり食べたくない。それで前世は、散々嫌な思いをしたからな。

 

まさかこの世界でも竜さえも毒殺する神話級の毒物を盛られる訳は無いが、生前で身についた癖は中々消えない。

 

あ〜あ、と。悲しいね〜。




皆さん、知ってましたか?この小説、実は徐々に一話が長くなってるんです。

よくねー!ただ書いてたら意外と長くなってたー。現在だいたい2500文字。うん、こっ、これ以上は多分のびないナ。

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