聖櫻学園記   作:ササキ=サン

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閑話です。

楽しんでね。


第五.五話 櫻井との雑談

 

「つまりここを図に書くことによって直角三角形で3たい4たい5の割合になってることが分かり、ピタゴラスの定理を使ってbの辺を求めて、sin=」

 

「わー!ややこしくて良く分んないよ。もしかして綻君って実は物凄く頭良い?」

 

「偏差値は80越えるしだいたい期末テストは90点以上だぞ。」

 

「やばい人だった!」

 

テンション高いなー櫻井。授業中という点を除けば実に周りを明るくするムードメーカーとなり得るだろう。

 

「おいそこ、教え合うのはいいがもう少し声量を下げろ。周りに迷惑だろうがだいたいお前はいつも.........」くどくどくどくど

 

案の定、40代くらいの数学教師に怒られた。というか現在進行形で怒られ続けてる。ほら、いわんこっちゃない。いや、口に出してないから俺が言えることではないな。だがまあ、こいつが怒られてることの責任はほんのちょびっと、俺にもあるので、口出しするのも吝かではない。

 

「訂正してください、先生。」

 

「綻君.......!」

 

櫻井が救世主を見るような目で俺を見る。

 

「教え合っているのではありません。俺が一方的に教えているだけであって櫻井から俺は何も教えられていません。」

 

「綻君!?」

 

いや、事実だし。嘘とか冗談とか、全然いいことじゃないし(棒)。

 

教室がどっとした笑いに包まれるが、あまり嬉しくはない。なぜなら少し涙目で櫻井が俺を睨んでいるからだ。

 

「いやー、ほら、嘘とかよくないじゃん。嘘つきすぎると狼に食べられとかいう逸話もあるじゃん。ほんと嘘、良くナイ。」

 

「綻君が言う!?」

 

予想通りの反応を返してくれる櫻井。いやはや、本当に計画通り。なかなかのツッコミの才能の持ち主だ。

 

そんな感じで俺は櫻井の話の相手をしながら、数学の授業を終えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

現在、古典の時間である。本日最後の六時間目だ。

 

この学校の勉強のレベルはさほど高くない。良くて300点くらい取れば入れる公立高校と同じくらいの難しさだ。

 

まあ、ぶっちゃけ何が言いたいかというと勉強が簡単すぎる。今東大受験を受けてもかなりの確率で受かる自信がある俺からすると、授業を聞かずに櫻井をかまってやるくらいの余裕があるのだ。

 

「綻君綻君、ここどうやるの?」

 

「それか、そのなむは系助詞に見せて実は助動詞なんだ。なとむで区切って、なはぬの完了助動詞の未然形、むは強意の助動詞だから、つまり和訳はきっと〜だろうだ。」

 

「綻君凄い!」

 

「まあ、褒めるのは良いけど少しは周りに気を使ってやろうぜ?ほら、感じろよ。周りの人は思ってるぞ、うるせーなこのDQN!と。」

 

「思ってないよ!?皆良い人だよ!?」

 

「あぁ、あれか。あの〜君は良い人だけど、恋愛対象にはちょっと........って感じの良い人か。」

 

「あっ、少し分かるかも......って違うよ!周りの人に失礼だよ!?」

 

「冗談冗談。それにしても櫻井はひどい奴だな。ノリツッコミをする場面に悪意があるぞ。ほら、見ろよ。周りの男子が心の中で血涙を流しているぞ。」

 

「そんなこと無いはず.......だよね、えっ、ちょっ、中里君?少し目が潤んでるけど大丈夫?あぁ、大丈夫?うん分かった、よくわかんないけど頑張って!」

 

櫻井は斜め前の男子を慰めた。いや、どうでもいいけどノート取らなくて良いのか?

 

「なるほど、こういう些細な心遣いが男を何人も爆釣りするのか。」

 

「人聞き悪いな!」

 

べしっ、頭を叩かれた。やっぱりこういった気軽な接触がイケメンとはいえ男子を勘違いさせ、この女は何人も男子を死地へ送ったのだろう。いやー、怖いな。

 

何はともあれ、今日は平和だった、まる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





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内容は、出して欲しいガールフレンド(仮)のキャラです。

待ってますよ〜。

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