聖櫻学園記   作:ササキ=サン

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はい、第四話です。今回は作者大好きふみちゃんに登場してもらおうと思います。

ふみちゃんは俺の嫁ぇぇぇぇええ!!

冗談ですヨ?


第四話 逆襲のキューピット

きーんーこーんーかーんーこーんと古風のチャイムが鳴る。昼休み、お弁当の時間でございます。

 

俺はさーっと気配を消して教室から立ち去る。理由は言わずもがな、櫻井がうざいから☆

 

いや、まあ冗談は置いとくとして、本当の目的はこの学園の図書室に行きたいからだ。櫻井がうざいからなんてのは理由の50%くらいにしかならない。

 

教室を出て、カロリーメイトを齧りながら歩く。いやー、図書室ってどこにあるんだろうか。

 

すれ違う数多の美少女達に目を癒されながら、直感を信じて俺は目的地を目指す。

 

困った時は直感を信じて動くのが俺のモットーだ。俺の勘は武術を極めたおかげで異常なまでに鋭くなっているので、物凄く頼りになる。

 

と、いうわけで適当に彷徨うこと5分。俺は見事に図書室に到着した。

 

「はい到着、昼休みイン図書館ですよ〜。」

 

ぼそりと客観的にみたらきもい独り言を話して、がらりと図書室のドアを開ける。

 

広い、一言でいうならそれに尽きる。図書室ではなく図書館といってもいいほどこの図書室は広い。

 

「いいね、いいねいいねいいよ、とてもいい。素晴らしい数の本だ。」

 

さっそく図書室内を散策し、見つけた物理の本を読む。

 

俺は直感を信じて動いたりするあたりから、一見脳筋っぽく見えるかもしれないが、そうではない。自分でいうのもあれだが、俺は頭が良い。知能的なものをゲームで鍛え、知識的なものは勉強が大好きだったから普通に勉強を頑張った。おかげでテストはだいたい90点以上だ。

 

というか、俺のスペックは基本非常に高い。まず根本的な集中力が常人とはかけ離れているため、技術の身につきの速度が圧倒的に違う。しかも自分でいうのもあれなんだが、俺は友達がいない。Friend/Zeroなのだ。保育園の時からずっと。よって、人と遊ぶというリソースを全て趣味特技の分野にまわしていた俺は、普通とお世辞にも言えないスーパースペック少年となっている。

 

ふわふわ、ふわふわ。

 

「おかしいな、お前は朝ぶっ飛ばしたはずだったのにな......。」

 

ふと変な音がするからという理由で横を見ると、思わずといった感じで口から言葉がこぼれ落ちる。

 

いや、なんでいるん?キューピット君。

 

まさかあれか、お前は朝ぶっ飛ばしたキューピットではなくて、新しく誕生したキューピット君Bなのか?

 

どうでも良い思考を迸らせながら、俺は隣で浮いているキューピット(笑)を見る。

 

相変わらずキューピットは弓矢を持って宙にふわふわと浮いている。持ってる矢は三本で、既に弓につがえ、いつでも撃てるようにしている。

 

「や、だから危険なんだよ、お前。」

 

ばちぃぃぃぃぃいいいいんっっっ!!!!

 

俺がキューピットに放ったデコピンが炸裂する音がする。図書室だからあまり大きくぶっ飛ばしてはいけないと思い、デコピンをかましてやったが音量の面から見るとこれは悪手だったかもしれない。

 

「あっ、あの…ここは図書室ですよ?周りの人に迷惑にならないよう。静かに利用してくださいね?」

 

俺の出した音に駆けつけたのか、図書委員らしき人に注意されてしまった。

 

「あっ、すいませんでした。」

 

いけねー、図書委員らしき人が美少女過ぎて、つい緊張して真面目に謝ってしまった。まあ冗談。別に美少女を見たころで今さら緊張なんてしやしない。俺が一体何人の美少女を堕としてきたと思っているんだ?ふふっ、千人は軽いんだぜ?二次元だけどな。

 

「気をつけてくださいね?では.......」

 

そういって図書委員らしき美少女はゆっくりと背を向けてこの場を去ろうと歩き出す。特にゆっくりと動こうとしている意思は本人ないんだと思うけど、こういった天然な動作がこの人の可愛い度数を上げているのかもしれない。

 

ぴくぴく

 

「ん?」

 

何か動いたな、と思って気配のした方向を見ると、引き絞られた矢がちょうどキューピットの手から放たれた瞬間を見た。

 

「っっ!?」

 

咄嗟のことに考える間もなく、俺は縮地を使って先ほどの女の子に向かって放たれた矢を女の子の前でギリギリ受け止めるが、

 

(あっ、ちょっと刺さってらじゃ。)

 

少し遅かったようで、鏃が女の子の胸に少し刺さってる。ふむ、眼福です。冗談だけど。

 

いや、気軽なことを考えてるけど俺は今現在物凄く混乱してる。今ちょっとした顔見知りになった女の子が怪我をしたんだ、その原因と自分の失態を考えただけで、自分の顔が青褪めるのを感じる。

 

「えっ.......」

 

図書委員らしき人は今さら自分の胸に刺さる矢の存在に気づく。いや、本当にごめんなさい。許してください救えませんでした。役立たずでした。

 

「えっ.......」

 

次に口から出た言葉は俺の言葉だった。

 

唐突に、少し図書委員らしき人に刺さってた矢が発光し、カードに変わった。

 

『R 村上 文緒』

 

「..........はっ?」

 

少し、俺の理解のキャパシティを越える出来事が起きたようだ。思考が少し停止する。

 

いや、ほんとどういうこと?これ。





なんだかこの主人公の個性がだんだん作者の中で確立されてきました。

いや、でもこいつ分かりづらいな。怠惰と思いきや真面目で、真面目と思いきや割とふざけてる。うん、よう分からん。

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