いやー最近祈りながらキュピチケ引いたら良くSRが出ます。凄いですよー、俺の祈り。五回引いたらSR出て、またまた二回引いたらSR出てましたからね。
まあ、じゃあこの小説が人気でるように祈りましょう。
人気でーろ、と。
さて、学園生活二日目。今日は一時間目から科学による移動教室だ。
「綻君は科学室の場所分かる?」
「大丈夫だ、問題ない。」
聞かれたからには無駄にキメ顔で言い返す。こういった類の質問には条件反射でこのセリフが出てしまう。いやいや、櫻井、そんな怪しいものを見るような目で見るな。大丈夫、勘が俺を科学室まで導いてくれるさ。
「というわけだ、俺は一足先に科学室に向かわせて貰うぜ!」
「ちょっ、その方向が既に正反対だよ綻君〜!」
はははは、俺にも事情があるのさ、あまり気にしないでくれよ櫻井。
唐突に話すが、俺の直感は意外と色々な面でその恐ろしい力を発揮する。例えば、街を歩いてたらふとスクラッチを売ってる宝クジの販売店が目に止まり、直感に促されるままに買ったらなんと100万円が当たったことがあったり、何とな〜く嫌な予感がしたから少し散歩がてらにコンビニに行ったら、隣の家に住んでいたえーっと確か上条何ちゃららこと上条るいが暴漢に襲われていたりと、俺の直感はかなり良い仕事をしている。
で、今回働いている勘はあまり認めたくないが後者。何とな〜く嫌な予感がしているので、現在勘に導かれるままに軽く廊下を疾走中。それから5分ほど走ったところ、俺はついに今回の勘の原因を知る。
...........ふむ。
人が、倒れていた。
長い緑の髪が廊下に絨毯のように広がっており、うっかり踏むようならご本人に強烈な痛みを与えることが予想できるだろう。当然、えい、ぎゃー痛てぇぇぇーー!!というパターンで倒れている人物の蘇生を試みたかったが、流石に女子にそんなことをするのはあれなんで、少し自重しようと思う。ああ、ついでにあれな、あれっていうのはmnatな。つまり胸熱。
...............まあ、冗談は置いといてこれは一体どういうことだろうか。少し眺めの廊下、うつ伏せに倒れている少女。うーむ、ミステリーな予感が一切しない。ただの行き倒れか?
とりあえず触診。ふむぅ、すべすべで白い良い肌ですなぁ、げへへへへへへへへ。冗談、脈はあるようだ。体に流れる気が少し弱ってることから、多分風邪か病弱か何かだろう。気の気配から一刻を争うようなヤバイ状態ではないと判断、とりあえず保健室に運ぼう。
「よっこいしょっ、と。」
ここで問題。俺はこの女の子をどう持ち上げたでしょうか。まあ、答えは一択しかないよな、当然お姫様抱っこ。と、思うだろう?だが断る。こういう状況ではあえてセオリーをぶっ壊すのが俺のモットーなので、俺はこの女子を肩に担ぐ。
「うっ、うーん.....,.。枕.......。」
変な寝言言ってますがどないしましょか、こいつ。ってげげげげげっ!奥さん、よくよく見てくださいこの娘、滅茶苦茶美少女ですよ!ぐふ、なぁーんだ、こんな美少女なら是非ともお姫様抱っこをしてあげますよ、げへへへへへへへ、うえっへへへへへへ。とまあこれは冗談。さっさと保健室に行こう。勘に従えば........こっちかな。
うーむ、しかしこれは絵面的に良いのかな、これ。明らかに俺犯罪者じゃね?客観的に俺を見ると、
若干死んだ目をした超絶イケメンな少年が、色白かつ非常に可憐な儚げ美少女を粗雑に肩に担いで移動している。
.........一部願望が入ったが、そこを抜くと俺は完全な誘拐犯に見えるな。ワロタ、いや、笑えねー。こんなの誰かに見られたら通報ものだな、あははは、あはははははははははははは
パシャ
...............。
................?
俺「.............」
目撃者「..........((((;゚Д゚)))))))」
女の子がいる。カメラを持った、金髪の美少女だ。表情筋が綻ぶ。女の子においでおいでと手招きをした。
金髪少女はダッシュで逃げ出した。
............。
.............。
ふむ、中々の早さだな。まあ、保健室に行くか。
うむ、顔と気配は覚えた。だから慌てず今日中に後で......ね?
「たーのもー。」
出発から二分、俺は保健室に到着した。この早さから、現在俺が担いでいる少女は保健室を目指すも、途中で力尽きたんじゃないかと予測する。ふむ、謎は解けた。
「あら、綻君じゃない。どうし........。」
「無言で通報しようとするのは止めてください神崎先生、まずその携帯をしまいましょう。」
俺を見るやすぐに白衣から携帯を取り出す神崎先生にストップをかける。この人は神崎ミコト先生、この前俺の家に来訪した先生だ。
金髪のグラマラスな保健室の先生なんだが、やはり俺から言わせてもらえばテンプレ乙、あざといよ〜としか言いようがない存在だ。
「この人はあれっすよ、廊下に落ちてたから拾ってきた.......というのは冗談で、倒れてたから運んで来たんですよ。」
神崎先生の目がオウムでいう攻撃色になりそうな気がしたので、途中訂正。
「はぁ.......運び方が随分と雑だけど、まぁいいわ。そこのベットに寝かして頂戴。その娘、保健室の常連客なのよ。」
「まじすか、なんとなくそんな気がしたけど当たっているとは。」
保健室の常連で病弱......か、ありがちな設定だなーと思う。あのツンデレ(笑)な幼馴染の上条るいるいのこととかを思い出すと、テンプレな存在がこの学園には多すぎると思った。うーん、あざとい。
とりあえずベットにこの病弱ガールをそっと置いて、靴を脱がして布団をかける。他意はない、ないったらないんだ。うへへ、ニーソペロペロ。冗談でやんす。
「うー........ん、枕、70点.......。」
起きてんじゃない?こいつ。そんなことをふと思いながら、病弱ガールに俺の気を流す。これでまあ、一ヶ月は健康に過ごせるだろう。気を送るという行為によくイメージが湧かないという人は、ドラゴンボールのフリーザ編の最後当たりを見てもらいたい。あれだよあれ、あんな感じで俺の気を流して元気にしたんだよ。このことを行った理由に特に他意はないし、良心が働いた訳ではない。俺の良心は年中無休で働きたくないでごさる!と叫んでいるので、一切働いてないのだ。待て、年中無休って表現はダメだ、めっちゃ働き者じゃん!
とまあ、どうでもいいことは棚上げして、俺は別にこの病弱ガールを助けたことに善意なんてない。第一、俺は人が嫌いだ。嫌いな相手を善意で助けるような偽善者では俺はない。ただ、廊下にたまに人が転がってる可能性があるのは俺の心臓に悪いので、俺のために俺はあの女の子を助けたんだ。いや、助けたんではない、利用したんだ。俺がやったのは俺のための利用だから、全然良いことではない。むしろ俺好みの、とても悪いことだ。
「あら、優しいのね。正直意外だわ。」
「でしょ?俺の半分は優しさでできてるんで。」
冗談で〜す、この先生にさっき俺が考えてたことをコピーしてペーストしてやろうか?
「それじゃあ先生、俺は用が住んだのでここらでドロンさせてもらいますでござる。」
「そうね、それじゃああなたもここにくることが無いように気をつけてね。」
凄まじいスルースキルだ。これが大人なのか.......。とまあどうでもいい思考は置いとくとして、保健室にこないように気をつけてとは、単純に心配してくれてるのか、それとも高度にお前とは会いたくねぇんだよゴミ野郎とツンデレてるのか。うーむ、ゴミ野郎をツンデレてると解釈できる俺の思考が凄いと思うな。
「ひどい.......先生、俺と会いたくないんですか.......?」
「あら、そうでもないわよ。私は綻君のこと結構好きよ?」
あら、からかい十割でやったのに予想外の返し。少し驚いてると、神崎先生は大人な笑みでニヤリと笑った。
「ふふ、大人のからかうのはまだまだ早いわよ?」
「なるほど、一本取られましたね。」
やーらーれーたー、と心が叫ぶ。冗談冗談冗談。まぁ、これ以上ここに長居するのは嫌な予感がするのでさっさと俺は保健室を出ることにする。
が、
「でも、俺も先生のことは結構好きですよ。」
嘘だけど。
ぽかーん、と、少し間抜けな顔をしている先生を尻目に俺は保健室を出る。ふふん、俺に勝とうなんて百年早い。そもそも俺の方が精神年齢は年上なんだ、この程度の駆け引きで負けるわけがない。うーん、俺の精神年齢はあっちの十五歳とこっちの十六歳の足し算だから.......三十一か。ん?俺、先生より年上か?あの先生なら怪しいぞ、もしかしたらあっちの方が年上なのかもしれないな。
ゾクッ。
変な悪寒がした。うん、やっぱ多分俺の方が年上だな、あはっ、あははははは。
やっば女性の年齢を思考するのはタブーだな。
主人公が変態のようで変態ではない。
違うんです、主人公は冗談をこよなく愛するだけなんです。
しかし今回一番新登場のキャラが多かったですね。多分良いことです。