……雄二side……
「伝令です!
敵の前線部隊、ほぼ制圧しました!
B教室まで攻め入るのも時間の問題です!」
「そうか。ご苦労」
なかなか順調に進んでいるようだ。
FクラスとBクラスに地力の差があっても、こちらには姫路が居るからな。
……だが、何か違和感を感じるな。
こちらが押せるのは想定していたが、若干早すぎるような……
康太の写真で士気を上げるという試みが想定以上の効果を発揮したのだろうか?
……いやいや、本当にそんな事なのか? 士気が少し上がったくらいでそこまでの差が出るものなのか?
単に俺の予測が辛すぎただけ? いや、向こうには想定外の戦力も居た。遅くなっても早くなる事は無さそうだ。
……まさか……
……攻めさせられていた……?
その考えに至った、正にその瞬間だった。
「Bクラス御空零が……」
そこに、窓の外に、そいつは、居た。
「Fクラス代表に召喚勝負を挑みます!!」
今は夏場。そこまで良い設備では無い、クーラーの無い教室で、当然ながら窓は開放されている。
そして御空の隣には鉄人。既にフィールドが展開されている!!
「
[フィールド:現代国語]
Bクラス 御空 零 582点
バカな!! 一体どうやってここまで!?
それに、その点数は!?
いや、そんな事より!
「近藤、頼む!!」
「か、代わりに近藤が受ける!
Fクラス 近藤 吉宗 62点
長くは保たないな。
どうすれば良い? どう行動するのが一番安全だ?
今一番人が集まっているのが前線……そこなら……
「横溝と福村は剣を運べ!! 俺についてこい!!」
二つある教室の扉の片方から脱出する。
扉に、手をかける。
「代表!! 向かって左の扉!!!!」
そして扉を開ける瞬間、御空が何かを叫んでいた。
そして……
「ハァ、ハァッ……Bクラス根本恭二が、Fクラス坂本に勝負を挑む!!」
扉を開けたそこに、根本が居た
……この時、俺に取れる行動の選択肢は結構あったと思う。
近くの他の味方に根本を押し付けて別の出口から出るとか、
白銀の腕輪でフィールド破壊してからその隙に別の出口から出るとか。
だが、この時の俺は驚いていたのか、油断していたのか……
反射的に、召喚獣を呼び出していた。
「「
Fクラス 坂本雄二 288点
Bクラス 根本恭二 403点
なんっ!?
「これで、勝ちだぁぁああああ!!!!!」
驚いて動けなくなっていた俺の召喚獣は、根本の渾身の一撃を受け……
Fクラス 坂本雄二 Dead
あっけなく、その身を散らせた。