バカ達と双子と学園生活   作:天星

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08 増援

  ……雄二side……

 

 現在の戦況をまとめておこう。

 向こうの戦死が大体15人程に対して、こちらの戦死はなんと0人。

 間違いなく、剣の奮闘と階段戦法のおかげだ。

 って事は階段戦法と同じレベルの戦果を1人で出したのか……間違いなく暫定トップの功労者だな。(あいつなら報酬(写真)の受け取りは拒否しそうだが)

 おっと、話が逸れた。

 では、交戦状況の確認だ。

 階段では攻めてこなくなったので、適当な数の見張りだけを残して全員教室に戻らせた。今は須川が指揮をとっている。

 そして、そこの廊下では敵部隊と島田率いる部隊が正面衝突している。

 今までは戦死者は出てなかったが……こっからはガンガン出るだろうなぁ……

 

 御空は剣がかなり消耗させてくれたようだから、島田なら最低でも相打ちに持ち込めるだろう。

 Bクラスに他に特異な戦力が居るという話も特には聞いてない。

 ……よし。そろそろ大丈夫だろう。

「姫路! 敵を殲滅してこい!!

 明久は敵を撹乱しろ! 連携を取らせるな!!」

「は、はいっ!」

「分かった、行ってくるね」

「あと、敵の副代表、御空が居たら優先的に叩け。

 可能なら止めを刺してくれ但し無理はしないで良い」

「OK!」

 

 警戒されている戦力をセオリー通りに出しても対策されるだけだが、敵が精神的に消耗している今なら結構な戦果を挙げられるだろう。

 とりあえずできる事はやったか?

 戦況が動くのを待ちますか……

 

 

  ……雄二side out……

 

  ……明久side……

 

 

「空凪くん……大丈夫でしょうか……?」

「大丈夫だとは思うけど……」

 剣が倒れる時はいつもあんな感じではあるけど、ちょっと心配だ。

 時々、剣の事が何でもできる超人に見える事があるけど、やっぱり弱点もある。

「あいつの分まで、頑張らないとね」

「そうですね」

 

  …………

 

 現在の戦況は……やや劣勢かな?

 FクラスとBクラスじゃそもそも地力が違うから仕方ないと言えば仕方ないんだけど……

 とにかく、やりますか!

「Fクラス吉井明久、ここに居るBクラス生徒に召喚獣勝負を挑みます!」

「同じく姫路瑞希、参戦します!」

 

  「「試獣召喚(サモン)!!」」

 

[フィールド:数学]

Fクラス 吉井明久 87点

Fクラス 姫路瑞希 423点

 

 合宿での成果が出たのか結構点数が上がったんだよね。優子さんには感謝しないと。

 まあそれでも、姫路さんとかと比べると全然なんだけどね……

 

「瑞希! 吉井!!」

「うわっ、このタイミングで来るのぉ?」

 

 島田さんと、えっと確か……御空さん……だよね?

 

Fクラス 島田美波 172点

 

Bクラス 御空 零 174点

 

 ……よし。

「優先的に叩くよ!」

「はいっ!」

「ちょ、君たちに情けというものは無いの!?」

 ナサケ? 何それ美味しいの?

「数学フィールドで島田さんと姫路さんと吉井くんって、無理ゲーでしょうが!

 フィールドを変更するわ! 殿軍を残して全員撤退!!」

「くっ、逃すか!!」

 撤退しようとする御空さんの召喚獣に追撃を仕掛ける。

 御空さんの他の科目の点数は分からないけど、今の点数なら勝てるのは確実だ!

「A~C班の各班で点数消費率が低い人1名!

 宮下くんと水谷さんと弥生さん、殿軍をお願い!!」

 

  「「「了解!!」」」

 

 統率の取れた動きで僕達の妨害をしてくる。

「邪魔っ!!」

「退いてください!!」

 島田さんも姫路さんも攻撃を仕掛けるけど、流石はBクラスと言うべきか簡単には倒れてくれない。

 僕だけでも御空さんに突っ込んでいきたいけど……まだまだ点差がある僕が突っ込むと下手するとあっさりやられるからなぁ……

 雄二も無理はしないで良いって言ってたし、とりあえず目の前の敵を倒そう!

「行けっ!!」

 召喚獣を操って、敵を蹴散らす。

「戦死者は補習!!」

「お前たち……後は、頼んだ!!」

 何か無駄に格好いい台詞を吐いて連行されていった。

 Fクラス生徒だったら喚きながら抵抗して結局失敗するのに……

 この差は一体どこから来るのだろうか?

「まあいいや。皆、追うよ!!」

 「「「「「おう!!」」」」」

 

 遠くの方では新たなフィールドが展開されている。仕切り直して迎え撃つ作戦らしい。

 立会いの教師は……布施先生か。ってことは化学だね。

 まぁ、僕の中では悪くは無い点数だし、大丈夫だよね。

 

 

  ……明久side out……

 

  ……御空side……

 

 

 ふ~、死ぬかと思ったぁ……

 とりあえず前線は他の人に預けて、私は教室に帰っていた。

「お疲れ。大丈夫だったか?」

「ちょ~っとヤバかったけど、大丈夫だったよ」

「そうか。なら良いが……」

「それより、坂本くんってのは優秀だね。

 一番良いタイミングで切り札を切ってる気がする」

「やはり奇策だけの奴では無いか……」

「……現在確認できる特記戦力は島田さんに姫路さんに吉井くん。

 空凪くんが撤退してるのと、土屋くんの姿が見当たらないのが気になるけど……そろそろ仕掛ける?」

「……そうだな。やるか」

「おっけ~」


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