バカ達と双子と学園生活   作:天星

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幕間 神滅少女

 時はほんの少し遡って……

 

  ……光side……

 

ガラガラッ

 

 うわ~、いかにもチンピラっぽい風貌の客がぞろぞろと入ってきたわ。

 明らかにマナーが悪そうな連中であってもお客様である事に変わりは無いので完璧なポーカーフェイスで挨拶を行う。

「お帰りなさいませご主人様」

「オウオウ、可愛いメイドさんだなぁ!!」

「……どうも。それでは席にご案内します」

「いーや、お前らは俺たちに着いてきてもらうぜ!!」

「……生憎と当店はそういったサービスは行っておりません」

「んな事ぁ関係ねぇ!! とにかく来てもらうぜ!!」

 う~ん……ただ態度がデカくてマナーの無い客……という訳では無いみたいね。

 こんな犯罪臭のする事に巻き込まれるような事をした記憶は無い。

 どうやらこの人たちをちょっと尋問する必要がありそうね……

「光よ、何かトラブルかのぅ?」

「ああ、秀吉君、兄さんは今……

「無視してんじゃねぇよこのガキ!!」

 チンピラから拳が繰り出される。

 普段ならまず間違いなく避けるんだけどねぇ……

 

ヒュンッ バキッ!!

 

「グハッ!!」

 先に殴り倒して強制的に止めるという手段を採用した。

「……良い度胸ね。

 もし私が避けてたら……秀吉君に当たってたじゃない……

 …………覚悟は出来てるでしょうね…………?」

さて……久しぶりに本気を出す事になりそうね……!!

 

 

  ……光side out……

 

  ……チンピラside……

 

 

 い、一体何が起こっているんだ!?

 まず、ノブオが受付のメイドに殴りかかった。

 こりゃ打ち所が悪ければ全治一ヶ月だなぁ~と思っていたらそのノブオがぶっ飛ばされた。

 慌ててそのメイドを取り囲もうとしたが、今度は数人まとめてぶっ飛ばされた。

 かめ○め波かよ!! と突っ込む余裕すら無かった。

 仲間の一人は近くに居た男装した執事を人質にしようと手を伸ばした。

 だが、その手を伸ばそうとした瞬間にはもう床に倒れていた。

 少し離れた所から見ていたはずなのに何が起こったか全く分からなかった。

 生き残った奴も半狂乱になりながら特攻を仕掛けたが、触れるどころか半径1mに入る事すら叶わずに散っていった。

 いや、(多分)殴り飛ばされたのだから1m以内には入っていたのだろう。だが横から見てる分には1mに入ろうとした瞬間にぶっ飛ばされてるようにしか見えなかった!

 女子高生を拉致してのんびりするだけでガッポリ貰えるだけの簡単な仕事だったはずなのに……

「さぁ、残りはあなただけね……」

 って、心の中で解説してたら俺以外全滅してるし!!

 目の前に居るメイドさんからはまるでライオンにでも相対してるかのような異様な威圧感が発せられている。

 いやまぁ、実際にライオンと遭遇した事なんて当然無いからただの想像だけどさ。

 もう逃げ出したいのだが、本能が背中を見せてはならないと警告を発している。

「くっ、お、俺も男だ!! 当たって砕けてやる!!!!」

「そう……なら逝きなさいっ!!」

 

 その後は……まぁ知っての通りだよ。

 一撃で教室の外まで吹っ飛ばされて、明らかに教師とは思えない生活指導の教師に連行されて……

 うん、思い知ったよ。この世に楽な仕事なんて無いんだって……

 

  ……チンピラside out……


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