バカ達と双子と学園生活   作:天星

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やあ皆さんお久しぶりです。
今回はせっかくだからクリスマス編を書いてみました。
そんなに長くないですが、どうぞお楽しみください。


クリスマス特別編
それぞれにとってのパーティーの趣旨


  某日、文月学園

 

 学園長室で醜悪な妖怪……もとい、学園長は悩んでいた。

 

「……足りないねぇ」

 

 そんな独り言に対して第二学年主任の高橋女史が反応する。

 

「何がですか? 一部の学生の知能がですか?」

「……とんでもない事を言ってるはずなのに合ってるっていうのがねぇ……」

「ふむ、冗談のつもりだったのですが……」

「冗談にならない冗談は勘弁してほしいさね」

 

 学園長はそれはもう深く溜息を吐く。

 

「それで、何が足りないのですか?」

「……Fクラスの生徒はちゃんと補習に参加しているかい?」

「一応参加はしていますね。

 ……ある意味参加していない生徒が複数名居ますが」

「ん? どういう事だい?」

「……空凪くんがその日にやる予定の範囲をかなりの精度で予測してしまい、それを聞いた一部の生徒が開始10分で大体の問題を解いて後は寝ているので」

「そういう事なら問題は無いねぇ。

 ちゃんと勉強はできているんだろう?」

「教室内にあからさまに休んでいる生徒が居ると他の生徒のモチベーションが微妙に下がるのでむしろ補習を免除したいくらいですね」

「……流石に授業日数が減りすぎるのはマズいさね。悪いけど何とか対処してもらうよ」

「了解しました。

 あと、もう一つ報告です」

「ん、何だい?」

「今はほぼ何とかなっていますが二週間後に間違いなく不満が爆発します」

「……何故だい?」

「クリスマスが近付いているので」

「……なるほど。良く理解したよ」

「はい、補習の有無など関係なく騒ぎが起こるでしょう。

 ……ある意味補習があるおかげで外で騒ぎが起こらないというのは喜ぶべき事かもしれませんが」

「ふむ……………………

 よし、何とかしようじゃないか」

「何かお考えがあるようですね」

「まぁ、任せな」

 

 

 

 

   ~~~~~~~~~~

 

 

 

  某日、Fクラス生徒の教室

 

 

 やあ久しぶり。空凪剣だ。何か4ヶ月くらい寝てた気がするが……まあ気のせいだろう。

 え? 戦争はどうなった? 教室の設備は今は何だって? ……あなたのセキリュティクリアランスには公開されていません!

 

 さて、話が脱線したな。今は平和な授業の時間だ。

 まぁ、8割くらい寝てるから実質休み時間みたいなもんだが。

 

「……空くん、それは休み時間とは言えないのでは?」

「瑞希、ナチュラルに心を読むな」

 

 そんな他愛もない話をしながら時間が過ぎていく。

 

 

「よし、今日はここまでだ。

 ああ、帰るのは少し待て。配布物がある」

 

 腰を上げようとしたクラスの連中を鉄人先生が制止する。

 そしてそのままプリントを配布していく。

 

 えっと、なになに……?

 

 

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  年末行事のお知らせ

 

 異文化体験を目的としたクリスマスパーティーを実施します。

 

 トップスターやベルはもとより、クーゲルやヤドリギを用いたクリスマスツリーを体育館に展示し、軽食を用意します。

 

 参加する生徒は国内と海外のクリスマス文化の違いを必ず体験し、見聞を広めて下さい。

 

 日時:12月24日 15:00~

 場所:文月学園 体育館

 参加資格:文月学園第二学年在籍生徒

  ※参加者の性別は問わない

 

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「……そうか、もうクリスマスの季節だったか」

「えっ、忘れてたんですか!?」

「僕は神など信じないからな」

「いや、そういう問題じゃないと思うんですが……」

 

 これを企画したのは……学園長か?

 『教師の誰かが真面目に企画した』よりは『学園長が何か企んでる』という可能性の方が数倍ありそうだ。

 大方、クリスマスには間違いなく騒ぎが起きるからその方向性を操作しようという事だろう。

 となると、単純なパーティーでは無さそうだな。元々何の問題も無いパーティーに無理矢理問題をぶち込むくらいの事はしそうだ。

 

 そういう前提で改めてプリントを見る。

 ……やはり気になる文がいくつかあるな。

 『海外のクリスマス文化』、『参加者の性別は問わない』

 ……キナ臭いな。

 

「……雄二、どう思う?」

「何か企んでるのは分かるんだが……内容は見当も付かん」

「……島田はどうだ? 何か心当たりはあるか?」

「え? 単純にパーティーするだけじゃないの?」

「……瑞希」

「クリスマス……海外の文化……何かあったような気はするんですが……」

 

 雄二と島田と瑞希が分からない時点でこのクラスで分かる奴はまず居ないだろう。他の奴に訊くだけ時間の無駄だ。

 となると……

 

ピッポッパッ

プルルルル…………ガチャ

 

『はいもしも~し』

「御空、訊きたいことがあるんだが」

『プリントの事? 何かあるのは私にも分かったけど内容までは分からなかったわ。

 だからちょうど今霧島さんに……え?』

「ん? どうした?」

『え……ええええええっっ!?

 え、まさかっ!? ……いや、どうなのコレ!?』

「お、おいどうした? ついに頭までおかしくなったか?」

『いや、キミにだけは言われたくないんですけど!?

 えっと……今からそっち行くから!!』

「ん? ああ。じゃあ切る」

 

プツッ ツーツーツー……

 

 そして、御空が勢いよく駆け込んでくる。

 

「ぜぇ、はぁ……と、とんでもない事が分かったわ」

「……聞こうか」

「…………外国での文化。クリスマスにヤドリギの下では女性は男性からのキスを拒めない……そうです」

「…………は?」

「だから、ヤドリギの下では強制的にキスする必要があるらしいわ」

「…………ちょっと待てや。プリントの末尾に『性別は問わない』という文があるんだが?」

「ええ。そうね。

 本来は男性→女性しか不可だけど女性→男性も可能……ってだけじゃないわよねコレ」

「男性→男性、女性→女性も可だろうな。多分。

 ……島田、気をつけろよ」

「え、ちょ、それホントなの!? ええええっっ!?」

「……あと明久、気をつけろよ」

「…………? どうして僕が?」

 

 気付いてないなら良いや、木下姉が何とかするだろうし。

 

 さて、そういう事になると、ヤドリギの下に入ると強制的にキスをさせられるのかな?

 …………よし。

 

((あ、ロクな事考えてないなこのヒト))

 

 瑞希と御空が何か微妙な視線でこちらを見ていたが、気にしないことにしよう。

 

 ……なお、御空の知らせが届けられた我がクラスの連中は何か凄く騒がしくなった後に一部の生徒が鉄人に鉄拳制裁されていたが……面倒なんでその辺はバッサリと省略する。

 

 

 

 

 

  ……そして、パーティー当日……

 

 この日までに我が第二学年の生徒はおおよそ3つほどのグループに別れた。

 

・常識の範囲内でパーティーを楽しむ派

・とにかく何でも良いから女子とキスしたい派

・他人の幸福(の可能性)をとにかくぶっ壊したい派

 

 なお、後ろ2つのグループは主にFクラス生で構成されていた気がするが……まぁ気のせいだろう。

 これらのグループにあえて名前を付けるのであれば……

 

・穏健派

・無差別派

・殺戮派

 

 とでも呼んでおこう。

 穏健派はそもそもパーティーの参加を辞退しようとしたらしいのだが……何か学園長から圧力がかかったとか何とか。

 まぁ、生徒の大半が欠席したら他の連中もすぐ帰る事になりそうだからな。

 ともかく、穏健派の行動方針は『決してヤドリギには近付かず、無難に終わる事を祈る』だそうだ。

 ……他の派閥の行動方針は……まぁ大体想像は付くと思うが念のため述べておこう。

 無差別派は隅っこの穏健派から何とか女子を引っ張り出してキスをする。

 殺戮派はキスしそうな連中をジェノサイドする。

 ……改めてまとめると酷い構図だな。

 あと、穏健派の中には少数ではあるが『普通に海外文化を体験してみたい』という人が居る可能性も述べておこう。

 ノコノコ出てきた所でジェノサイドされる運命しか見えないが。そういう意味では殺戮派は目的を達成できてるんだよな。

 

 長々とした状況説明が終わった所で現実に戻ろう。

 僕達は会場となる体育館の前に集まっている。

 もう間もなく会場が開かれるだろう。

 

「で、何をやらかす気なの?」

「さ~?」

 

 御空が問いかけてきたのでテキトーにあしらう。

 そんな大したことをやる気は無いんだがな。

 

「それより、貴様は文化体験はしないのか?」

「一緒にキスしたい相手が居るわけでもないしね~。

 あ~でも、強いて言うなら空凪くんとキスした時の反応を見るのが面白そ……」

「ミソラサン? ナニカイイマシタカ?」

「……面白そうだけどそれより横から眺めてる方が面白そうカナ~! あっはっはっはっ!!」

「……なら良いんです。安心しました」

 

 今の瑞希、尋常じゃないオーラを発してたな……御空がビビるなんて初めて見たぞ?

 

「それで、空くんは結局何をするんですか?」

「……良い言葉を教えてやろう。

 『臨機応変』だ」

「つまり、何も考えてないんですね」

「失礼な。一つくらいは考えてあるさ」

「その一つが凄く心配なんですが……」

「それは後のお楽しみだな♪」

 

 実際のパーティーの流れを見ないと何とも言えないというのが本音だったりする。

 僕が予想した通りの面白い流れであってくれると良いんだがな。

 

 

 そのまま適当に雑談を続け、時間が過ぎていく。

 しばらくして、アナウンスが響き渡った。

 

『それでは、ただいまより文月学園クリスマス交流会を開始いたします。

 皆さん、節度を守って楽しいイブをお過ごし下さ……』

 

『『『死ねやぁぁぁぁああああああ!!!!』』』

 

 アナウンスが言い終わる前に殺戮派の連中が動き出したようだ。主に無差別派の生徒に向かって。

 襲撃を受けた無差別派は極一部はダウンしたようだが、そうでない奴はヤドリギの近くへと走り出した。流石はFクラス生、伊達に鍛えてない。

 

「君は行かないの?」

「誰が好き好んであんな連中と一緒に行かにゃならん。

 それより、あんな近くで乱戦状態になったら……」

 

『2名の生徒がヤドリギの下に到達しました。両者はその場で文化体験を実行して下さい』

 

 まぁ、そうなるな。

 一応下に入らないように注意はしていたようだが……乱戦の中で完璧に気を遣うのは不可能だろう。

 

『ちょ、ちょっと待ってくれ!! 俺たちは男同士だぞ!?』

『何でこんな奴とキスしなきゃなんねぇんだ!! 冗談じゃねぇぞ!?』

『イベントの実施要項は事前に告知した通りです。両名は早急に文化体験を実施してください。

 なお、抵抗する場合は教師達の召喚獣による強制執行が執り行われます』

『や、止めろ! 離せぇぇぇぇ!!!!!』

『うわ、ちょ、来るな!! 寄るんじゃない!!!!! うわぁぁぁああああああ!!!!!!!』

 

 うん……まぁ、ご愁傷様。

 男同士が成立すると目の前で実証された以上は多少は大人しくなるだろう。

 

「よし、メシ食おう。無くなる前に」

「あんなデストラップが仕掛けられてる側でよく食べられるわね……」

「付いてきてる貴様も同じだろうに」

 

 流石は文月学園と言うべきか、ちゃんとパーティーらしく豪華なご馳走が用意してある。

 ヤドリギとか海外文化交流さえ無ければただの立食パーティーなんだよなコレ。

 

「空くん、向こうから美味しそうなの取ってきましたよ~。

 はい、あ~ん」

「お、サンキュ。はむっ。

 もぐもぐ……ん? どうした御空。そんな鳩がショットガンを喰らったような顔をして」

「あ、いや……箸で渡された物を凄い自然な流れで食べてたなって。

 って言うか間接キスだったよね今の?」

「かもな~」

「この程度では空くんは一切動揺してくれないですからね……何か慣れちゃいましたよ。アハハハハ……」

「な、慣れ……この話は止めておこう。うん」

 

 全く、この程度で怯えるなど情けない。

 本当の深淵に比べたら瑞希の行動など可愛いものだ。

 

「そう、本当の深淵……ハハハハハ……」

「そ、空くん? どうしました?」

「……少々異世界と混信していたようだ」

「……???」

「まあ気にするな。ところで、静かになったようだな」

「……そうでしょうか?」

 

 不用意にヤドリギに近づけないので派閥を問わずに体育館の隅の方に固まっている。

 その中から何とか女子を引っ張り出そうとしている無差別派の人間も居るようだが……ホイホイ付いていくわけもなく、強引に引っ張られてもある程度は抵抗できるので近くの親切な人達が助けてくれているようだ。そのまま恋に発展する可能性も……0ではない。

 

「さて、瑞希、一つだけ質問だ」

「はい、何でしょうか?」

「貴様は僕とキスをさせられたいか?」

「…………なるほど、そういう事ですか」

「私も今の一言で大体分かったわ。行ってらっしゃい」

 

 意志の疎通ができた所で出発だ。

 瑞希と2人、ヤドリギの下を目指す。

 

『お、おい、まさかあいつらやるのか!?』

『いや、良く考えたら真っ先に行きそうな連中だったよな……』

 

『ジェノサっ……いや、アレに手を出したらヤバいな』

『くぅぅぅぅ……俺たちには見ている事しかできないというのか!!』

『……普通に目を逸らせば良いんじゃないのか?』

『『『それだ!!』』』

 

 そんな感じで特に妨害も無くヤドリギの下へと辿り着いた。

 そして、アナウンスが流れる。

 

『2名の生徒がヤドリギの下に到達しました。両者はその場で文化体験を実行して下さい』

 

 それに対して僕達はどう返答するか。答えは簡単だ。

 

 

 

「「断る/断ります!!!」」

 

 

『…………え?』

 

 まさか自分から来た連中が断るとは思ってなかったのだろう。アナウンサーも唖然としている。

 もちろん隅っこの方からこちらを見ていた生徒たち(野次馬ども)も騒然としている。

 

「え、ちょっ、どどどどういう事!?」

「まぁ、あいつらしいと言えばあいつらしいんだが……」

「……そうじゃのぅ」

「…………海外文化の録画をするより面白い事になりそうだ」

 

「ああ、あいつが素直にパーティーを楽しむなんてする訳が無かったよなぁ……」

「ホント規格外よねあの連中」

「あいつといいうちの副代表といい、文月学園はいつから魔境になったんだろうなぁ……ハハハ……」

 

 割と耳に馴染んだ声も聞こえた気がしたが気にしないでおこう。

 

『で、では……拒否との事なので召喚獣による強制執行を行います』

「望む所だ。かかってくるがいい。試獣召喚(サモン)!!」

試獣召喚(サモン)です」

 

 教師が召喚獣を展開できる。

 それは逆に言えば僕達も展開できるという事だ。

 さぁ、始めようか。クリスマスパーティーを!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  ……そして数分後……

 

 

 

「ふ、ふふふ……この程度ですか。教師陣の実力は」

「……おい」

「予想していた程ではありませんでしたよ。全く、期待はずれですねぇ」

「…………お~い」

「さっきから何ですか鉄人先生」

「いや、それはこちらの台詞なんだが……」

 

[フィールド:総合科目]

Fクラス 空凪 剣 6352→Dead

Fクラス 姫路瑞希 4985→Dead

 

補習講師 西村宗一 7295→5842点

学年主任 高橋洋子 8967→7235点

その他教師数名 Dead

 

 ……うん、流石に教師陣とこの人外には勝てなかったよ。

 って言うかチートでも使ってんじゃないのこれ? 理論的に人間が取れるの? こんな点数。

 

「うーん……流石は教師ですね。私たちだけでは分が悪いですか」

「まぁ、仮にも僕達に指導をしようという連中だ。このくらいやってもらわねばな」

「だからお前は何でそんな偉そうなんだ」

「それはアレですよ。ほら、クリスマスパーティーなんで無礼講的な」

「そんなルールは無い」

「あ、さいですか」

「全く……どんな意図があったのかは知らんが、大人しく文化交流をしろ」

「……ふふっ、ふふふふふ……」

「? 何がおかしい」

「何か勘違いしていませんか……?

 一体いつから、パーティーの趣旨を勝手に変えてしまうような物好きが僕以外に居ないと錯覚していた?」

「なっ、ま、まさかっ!!」

 

 今日は楽しい楽しいクリスマスパーティー。

 そして遊び場(召喚フィールド)は学校が用意してくれた。

 そして、十分な時間も確保した。

 あいつは間違いなくこの騒ぎに便乗するだろう。

 

「さぁ、教師と遊べるチャンスよ! しかも負けても補習無し!

 精一杯楽しみましょう!!」

 

 これで騒ぎが好きな変人は動くだろう。

 あと、雄二が気を利かせてくれれば……

 

「FFF団の同士よ!! 今こそ邪知暴虐な鉄人に鉄槌を下す時だ!!

 行けぇぇぇ!!!!」

「ヒャッハァァア!!」

 

 このように、FFF団を焚きつけてくれる。なお、焚きつけたであろう雄二は後ろの方で静かに見守っている模様。

 ホイホイ参戦する理由として補習が無いってのも結構プラスに働いてる気がするな。

 ……戦死した僕達には『まだ』補習が無いってだけかもしれんが……気にしない気にしない。

 

「さぁ、鉄人先生。

 僕達が逃げないように牽制しながら、多数の生徒からの襲撃を処理できるのか、見せてもらおうじゃありませんか!!」

「我々教師を舐めてもらっては困る。何があろうともイベントを遂行する!!」

 

 

 生徒たちが、次々に召喚獣を呼び出して戦いを仕掛ける。

 空気の力というものは恐ろしいもので、最初は全生徒の1/4程度だった参戦者が徐々に増えていく。

 あの人外の召喚獣が相手だと生徒なんて綿毛のように蹴散らされそうなものだが、御空をはじめとする高得点者が上手く立ち回っているようだ。

 

「1班と3班は退却! 5班と6班で高橋先生を挟撃!!」

『『『了解!!』』』

 

 即興で班分けまでこなしたらしい。仕事早いな~。

 

「あの、空くん」

「ん? どした?」

「念のため訊いておきたいんですけど……誰かにキスをさせられるのが嫌なんですよね」

「ああ。そうだ」

「ふふっ、そうですか。では……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ……その後、一部のFクラス生徒が暴走して前線の一部が瓦解したらしい。

 後で御空から『あれさえなければAクラス本格参戦前に先生を倒せたかもしれないのに!!』と恨み言を言われたが……まあ気にしない。

 あの人外2名をAクラス無しで倒すというのは見てみたかった気もするが……まぁしょうがないな。

 

 

 

 

 

 

 

   ~~~~~~~~~~

 

 

  翌日、文月学園

 

「……という事で、結局海外文化体験をした生徒は数組に留まったようです」

「なるほどねぇ……

 さて、どうしてくれようかねぇ」

「加担した生徒への罰則ですか?」

「そうだね。加担者全員に冬休みの課題を追加。更に目に余る行動を取っていた者は停学……ではなく、冬休み返上で登校かねぇ」

「……要するに、Fクラスの出席日数が足りないから登校させろ……と」

「……なんの事だかさっぱり分からないねぇ」

「ではそういう事にしておきましょうか」





「……便乗した私が言えることじゃないけどさ……

 そういうパーティーじゃねぇからコレ!!」

「ああそうだな。ちなみに最初は僕が自分の愛刀を持参して物理的に無双する展開も考えたらしいが……」

「それやったら流石に危な過ぎね。下手したら、って言うか下手しなくても退学になりかねないわよ」


「本作では例の校則が無かったから必死になる女子は居なかったようだな。
 ……霧島なんかは普通に頑張ってはいそうだが」

「……坂本くんの冥福を祈りましょう」

「だな♪」


「それじゃ、また機会があればお会いしましょう!」

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