バカ達と双子と学園生活   作:天星

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「さぁいっくよ~。

 陽炎Lv.1さん、
 クロードさん、
 想星さん、
 泡沫´さん、
 RC314さん、
 光明さん、
 青空猫さん、
 蒼龍さん、
 枝垂桜.さん、

 感想ありがとうございました!

 では、スタート」


26 A.心の底からどうでもいいです。

「では、大人しく消えてください!」

 

 高城は召喚獣を走らせる。

 武器を大きく振りかぶっており、これがクリーンヒットしたら点数補正やら速度補正やらで僕の召喚獣は一撃で昇天するだろう。

 まぁ……

 

 

3-A 高城雅春 622→433点

 

2-F 空凪 剣 601点

 

 

 当たらなければどうという事は無いんだが。

 

「なっ!?」

「本当に失礼な事をした。

 アンタの事は雑魚だと思っていたが雑魚に失礼だった。

 どっかのウジ虫野郎の方が遥かに好感が持てる」

「ど、どういう意味ですか!?」

「あのなぁ……僕がいつ瑞希の話をしたよ?」

「……は?」

「瑞希、頼む」

 

 少し後ろでフィールドを展開している瑞希に声をかける。

 

「えっと……ああ、はい。

 空凪剣くん、『あなたは努力が報われるべきであると思いますか?』」

「『報われるように心の底から願っています』

 ……彼女に関する事ならこれが僕の答えだが、何か問題があるか?」

「どういう事ですか、おかしいでしょう!?」

「何もおかしい事なんて無いさ。

 いいか? 努力が報われたかを決められるのはその道を歩いてきた本人だけだ。

 だから、『()()()努力が報われるべきか』なんて心の底からどうでもいい。

 お前が『()()()努力が報われるべきか』なんて事を考えるのも筋違いだ。どうでもいい。

 ついでに、『報われ()か』なんて判定しようがない。『報われ()か』なら本人限定で判定できるがな。

 つまり、『報われるべきか』なんてなおさらどうでもいい」

「くっ、そんなのは屁理屈だ!」

「ついでに言うと、交換留学の件?

 それも一週間前から知ってたぞ」

「なんですって!?」

 

 とっくに終わったはずの話をドヤ顔で出してくるからちょっと間抜けな声を出してしまったよ。

 

「Cクラス戦が終わった後に相談されたんだよ。

 どうするべきかってね」

「それで貴方は何と答えたのですか?」

「えっと確か……『監視役が居なくなってせいせいする。海外でもどこにでも行ってしまえ』的な事を言った気がするぞ」

「それで私が『それじゃあこの話は断りますね』って答えましたね」

「どういう事ですか!? バカにしているんですか!?」

 

 事実しか言ってないんだがなぁ……

 あの時のやりとりを再生すると……

 

『……っていう話があったんですよ』

『なるほど。で?』

『空くんに『問います』。空くんはどう思いましたか?』

『…………『監視役が居なくなってせいせいする。海外でもどこにでも行ってしまえ』って言うんじゃないかな』

『う~ん……

 ……それじゃあこの話は断りますね』

 

 って感じだったな。

 え? 意味が分からない?

 僕としては残留希望にやや寄った中立のつもりなんだが。

 

「心理戦フェイズは終わりか? なら消えてくれ」

「お待ち下さい! 彼女の努力が報われるべきであると願うなら、何故彼女を送り出さないのですか!?」

「……僕の台詞が海外に送る台詞以外に聞こえたのか?」

「いえ、ですが……」

 

 まさかあの台詞が残留寄りの中立だとは夢にも思うまい。

 

「……本当に手札は尽きたのか?

 なら、貴様の器も知れたな」

「バカな、おかしい、こんな事は有り得ない!!」

 

 召喚獣に刃を振らせる。

 高城はとっさに受け止めるが、その動きに先ほどまでの精彩さは無い。

 

「くっ、私が、こんな奴にっ!」

「ククッ、雄二には偉そうに慢心がどうたら言ってたそうだが、貴様のそれも慢心じゃないのか?」

「このっ!」

「……そろそろ飽きた。終わらせてやる」

 

 ナイフを投げる。

 相手の逃げ道を塞ぐように、相手の武器を弾くように、相手の注意を逸らすように。

 そして魔剣を振るう。

 

 

 

「……態度の割にはこんなものか。

 点数を盲信したか、それとも自分の価値観を盲信したか……」

 

 

2-F 空凪 剣 601点

 

3-A 高城雅春 433点→Dead

 

 

「あ、有り得ない……」

「……まぁ、心の底からどうでもいい事だ」




「さて、企画の回答についてだが……」

「まさかの完全正解が居たわね」

「ああ。あまりに的確だったんでかなりビビった。
 クロードさん。完答だ!!」

「おめでと~!!」

「枝垂桜.さんも良い線行ってたかな」


「さてと。
 ところで君はちゃんと日本語使ってるよね?」

「? ああ。それがどうした?」

「いや、同じ日本語でも謎言語にできるんだな~って」

「……ああ、瑞希とのやりとりの事か」

「正しい解釈を示されたから何となく言いたい事は分かったけど、これを一発で当てる姫路さんって……」

「はははっ、そうだ、せっかくだからこれも企画にするか」

「また予想大会?」

「と言うより解釈大会か?
 『あのセリフからどうしてあの解釈に繋がるのか』を考察する企画だ。
 ただ……希望者が出たらで良いか。
 感想で言い当てる奴が居るかもしれんし」


「では、明日もお楽しみに!」

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