バカ達と双子と学園生活   作:天星

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「さあ行こ~

 蒼龍さん、
 RC314さん、
 光明さん、
 桜花散華さん、
 枝垂桜.さん、
 榊遊矢さん、
 泡沫´さん、

 感想ありがとうございました!

 では、スタート!」


21 裏作戦

「そこまで!」

「ふぅ……」

 

 補充試験しゅーりょーっと。

 

「終わりましたか?」

「んぁ? どうした瑞希?」

「どうしたもこうしたも、霧島さんが呼んでいましたよ。

 集中してて気付いてないみたいでしたけど」

「そうか。分かった」

 

 霧島が? 何の用だろう?

 

「私も一緒に来るように言われているので、一緒に行きましょう」

「ああ」

「それにしても、今回の試験は随分と時間がかかってましたね?」

「あ~、まあな」

 

 

 ……本陣……

 

 

 目の前の扉を蹴破って中に入る。

 

「霧島! 来てやったぞ!」

「ちょっと!? 脅かさないでよ!!

 襲撃かと思ったじゃないのよ!!」

 

 木下姉が抗議の声を上げるが華麗にスルーされる。

 

「アハハ、いつもの剣くんだね~」

「空くんがすみません……」

「そう言えばAクラスの扉も外れやすくなってるんですよね。

 何のイミがあるのやら……」

「意味など無い。ノリだ」

「なお悪いわ!!」

「じゃあそうだな……そこに扉があるから?」

「ワケ分かんないわよ!!」

 

「……剣、あなたを呼んだのは今後の方針について相談したかったから」

「相談? 僕にか?」

 

 って言うか、扉を蹴破ったのも完全にスルーしてるな。流石は我らが総大将だ。

 

「……この戦いの当事者である剣と瑞希に聞いておきたかった。

 ……もし高城と直接戦いみたいな希望であればなるべく沿えるようにする」

「だそうだが、瑞希からは何かあるか?」

「特に何も。強いて言うなら絶対に勝ってほしいって事ですね」

「……それだけ?」

「僕達の個人的な事情で戦略が間違った方向に捻じ曲がる方がよっぽど問題だ。

 そもそも、あの高城(モブ)がどうしようと知ったこっちゃ無いんでな」

「……分かった。あともう一つ。空凪の腕輪のストックはどれだけある?」

「ストック? 光が相手じゃなければ一方的に虐殺できるくらいには揃ってるぞ。

 ……そう、封印系の能力が相手じゃなければな」

 

 今のストックは……8つくらいか。

 ドサクサに紛れて複写した物理反射(霧島の腕輪)吸収(光の腕輪)が揃ってる時点でお察しである。

 

「……それじゃあ、高城を仕留める役は剣と瑞希に任せる。

 ……行ける?」

「行ける行けないじゃないだろ? アンタはただ偉そうに命令してくれりゃあいい。

 後は僕達が何とかする」

「そうですね。空くんと一緒なら、絶対に勝ちます!」

「……期待してる。それじゃあ、もうしばらくしたら出撃だから、その時はお願い」

「了解した。

 ……ところで、手段は選ばなくて良いのか?」

「……どういう意味?」

「それは後のお楽しみだ」

「……任せる」

 

 僕が言うのもどうかと思うが……恐い物知らずだなぁ……

 

「しかし、なんでわざわざ個人的に訊いてきたんだ? 代表会議に呼びつけりゃあ良いのに」

「……情報が漏れている気がしたから」

「……なるほど。

 犯人を追求したりはしないのか?」

「……そんな事をしたら雰囲気が悪くなるから。

 ……だったら、情報にノイズを入れて撹乱する方が良い」

 

 なるほどな。

 この言い方だと他にも適当にズレた情報を発信してそうだ。

 

「それじゃあ僕は完全に独自の行動を取り、アンタ以外の指図には従わない。

 独自の作戦について誰かに話す場合も信用できる人物に限り、協力は必要最小限に留めてもらう。

 これで良いな?」

「……その通り。お願い」

「分かった。それじゃあ準備があるんで行ってくる。

 瑞希、行くぞ」

「はい」

 

 

 

 

「……ねえ代表、良かったの? 何か嫌な予感がするんだけど?」

「……剣なら、きっと大丈夫」

「大丈夫なのかなぁ……」

 

 

 

  ………………

 

 

 

「ってわけで御空、ちょっと協力しろ」

「今試験中!! 用ならそこの代表に言いなさい!!」

「チッ、それじゃあ大変不本意だが、根本、協力しろ」

「何でそんな偉そうなんだよ。

 で、今度は何をやらかす気だ?」

「実はだな……」

 

 ~作戦説明中~

 

「おま……またトチ狂った事考えてるな……

 分かった。必要なものは時間までに用意しておく」

「サンキュ」

 

「……あの、空くん、それって私もやるんですよね……?」

「ん? まぁ一番難しい所は僕がやるから問題ない」

「いやそういう問題ではなく、う~ん……」

 

 

 

  ………………

 

 

 

「ってわけで雄二、協力しろ」

「いつも通りで逆に安心したよ。

 しかしまた無茶振りを……」

「お前なら楽勝だろ」

「無責任な信頼が痛いな……

 分かった。何とかしよう。何とか……する」

「大丈夫か?」

「今考えてるんだが……何か高城の性格とか、そういう情報は無いのか?」

「取るに足らないモブだという事以外でか?」

「以外でだ!」

「そうだな……5分待っててくれ。

 瑞希もここで待っててくれ」

「? はい」

 

 あいつなら知ってるかもしれない。

 

 

 

  ………………

 

 

 

「で、私の所に来たと」

「そういう事だ」

 

 僕の目の前に居るのはCクラス代表の小山友香。

 彼女なら、高城の性格とか弱点とか、そういう事を小暮先輩から聞いているかもしれない。

 

「どうだ? 何かあるか?」

「そうね……あ、そうだ!

 前に先輩が愚痴ってたんだけど、高城先輩って凄く騙されやすいらしいわ」

「騙されやすい?」

「戦略の構築とかは普通に頭が良いらしいんだけど、ちょっとした嘘でもすぐに信じ込んでしまうとかなんとか。

 本人も自覚して悩んでるらしいけど」

「……それは、使えるかもしれないな」

「こんなんで良かったの?」

「十分だ」

 

「お、凪っち来てたんだ~。ちょーしどうだい?」

「えっと……陽影だったか。情報漏洩はまだ続いてるか?」

「モチ! Cクラスにとって一番の道を模索してるからな!」

「だろうな。んじゃあそうだな……Fクラスは何かを企んでるぞ」

「お、おう。これ伝えて良いんだよな? 伝えたらただの2重スパイじゃね……?」

「いや、むしろ2重スパイ以外の何者のつもりだったんだ?」

「いやぁ、ほぼ一方通行で情報を流しつつ、流す側からの勝利を願ってるから……

 ……ただの口が軽い人かな?」

「2重スパイより情けないんだが……?」

「……2重スパイで良いかな」

 

 

 

  ………………

 

 

 

「ってわけで雄二、弱点が判明したぞ」

「まともな弱点なんだろうな?」

「ああ。奴は非常に『騙されやすい』性格らしい。

 本人も悩んでいるとか」

「…………なるほどな。分かった。

 秀吉は居るか!」

「む? 何事かのぅ?」

「俺が今から言う物を用意してくれ」

 

 …………

 

「なるほど、時間までには用意しておくのじゃ」

「頼むぞ!」




「ある意味一番独断行動させちゃいけない人に権利を与えちゃったんじゃぁ……?」

「ははっ、そう褒めるな」

「褒めてないから!! 断じて!!」

「しかし霧島も内通には気づいてたか。犯人の当たりも付けててもおかしくはないな」

「そうねぇ」


「では、明日もお楽しみに!」

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