RC314さん、
蒼龍さん、
枝垂桜.さん、
泡沫´さん、
青空猫さん、
感想ありがとうございました!
では、スタート」
以上が、あの日の裏で起こっていた出来事である。
その後僕は保健室に置いてあったジャージを拝借して着替え、Aクラス対Bクラスの戦いを見ていたわけだ。
それのおかげでBクラスのチート副代表の能力の詳細が分かったり、Aクラス代表のチート能力の弱点を知る事ができた。
「故にこの借りは割と大きい。
とりあえず、今回の件を隠蔽するくらいはな」
「え、そうだったの?」
「って言うか、そのつもりが無かったら開戦前に『小山に気をつけろ』って瑞希に注意してたはずだし」
「え、開戦前って、私はどんだけ疑われてたの!?」
「ん~、まぁ、条件次第ではサクッと裏切ってもおかしくは無いかなって。
小暮先輩とも交友があるみたいだし」
「それはそうだけど……」
「あと、今回の戦争でCクラスが得られるのは宣戦布告の権利だけだし、負けても失うものは無いからな。
裏切るリスク自体が少ないっていうか皆無だ。裏切らないリターンが得られないだけで」
「ああ、それっぽい事を小暮先輩にも言われたわね……」
ちなみに、2年全体の敗北でFクラスはF教室にグレードダウンするというデメリットになり得るものがあるわけだが……それはCクラスがFクラスに勝った場合と大して変わらないのでその辺の問題は無かったと思われる。
「あ、そうだ。
裏切ったときのリターンって何だったんだ?」
「……教室よ。
3年生の先輩たちが自由登校期間に入った後の」
「……なるほど」
例えば3-A教室を借りられるとなれば、充分なリターンになるだろう。
「ちなみに、詳細な条件は契約書にまとめてあるゼ。
オレっちが厳重に管理してる」
「ほぅ? で、その詳細な条件とは?」
「『小暮に協力した場合、3年生が持つ教室の中で1~3番目に良い教室を借りる事ができる』だ。
あ、もちろん自由登校期間の後な」
「幅が広いな」
「常に1つの教室を借りるってのは流石に無理があるからってさ。基本的に2番目になるらしいけど」
「しかしまぁ……なかなか小癪な契約を結んだな」
「お、分かっちゃう~?」
「ああ」
Cクラスへの要求は『協力』のみ。
つまり、2年が勝ってもコレは履行される。
その場合はA教室がFランクになるから借りられる教室のグレードが一つ下がるが……まぁ、大した問題ではないだろう。
「ちなみに、協力の内容は?」
「テキトーな情報を垂れ流す事と、あと新校舎突入の煽動だな。
それ以外は一切やってない。普通に戦ってたしな」
「なるほど」
そう言えば、Cクラスでも普通に戦死者が出ていた気がするな。
「んで、お前らはこれからどうするんだ?」
「どうって?」
「目標とする終着点を聞きたい。
どちらの陣営の勝利を目指すのか? 契約を最後まで遵守するのか?」
「オレっちたちの理想は2年勝利の契約遵守だな」
「なるほど。じゃ、情報漏洩は続けるべきだな」
「え、良いの!?」
「別に、漏洩してる前提で動けば問題ないだろう。
例えば、重要な作戦はお前たちには言わないとかな」
「茶番ね……」
「茶番ではあるが……まぁ、ある程度は流すよ。不自然にならない範囲で隠蔽させてもらうけど」
「茶番だけど凪っちが話が分かる奴で助かったぜ。
……あの教室からは絶対に抜け出したいからな……」
言われて思い出す。
落書きに壁紙を貼り付けたとでも言うべき壁、
闇市に売り出したら実は高値が付く可能性もあるキノコが生えそうな畳、
心の目を開いた者のみに見る事を許された窓。
……確かに。アレは酷かったな。
「凪っちが何か凄い想像してそうな気が……」
「陽影、関わらない方が良いわ」
酷い言われようだな。
あんな教室に住んでるからそうやって心が荒んでいくんだな。
「凪っち!? 何か凄く失礼な事考えてない!?」
「落ち着きなさい陽影! ヤツのペースに乗せられたらダメよ!!」
「ま、とにかくだ」
脱線していた話を元に戻す。
え? 脱線させたのは僕? そんなの知らんな。
「今回の事は僕は言わない。
勝利も、情報漏洩も、全力で頑張ってくれ」
「……貸しを作っておいて良かったわ。全然期待してなかったのに」
「凪っちが少々特殊なだけな気もするけどな~。
んじゃ、またな」
「
「濫用ってほど濫用してない気がするけど?」
「職権濫用って言葉の選択がおかしかったな。
『社会的立場に反した行動を取るとき』だな」
「あ~、なるほどね」
「極論を言えばこれを隠したせいで敗北しても僕は全く後悔はしないだろう。
まあ、敗北などあり得ない事だが」
「……この場でだけでもとっちめた方が良い気がしなくもない発言ね」
「では、明日もお楽しみに!」