バカ達と双子と学園生活   作:天星

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「ではいってみよー。

 陽炎Lv.1さん、
 泡沫´さん、
 クロードさん、
 枝垂桜.さん、
 RC314さん、
 走り高跳びさん、
 青空猫さん、
 蒼龍さん、
 火水 総さん、

 感想ありがとうございました!

 では、スタート」


17 現れる影の存在

「おいおい空っち、うちの代表をあんましいじめないでくれ」

「っ!? 誰だ!?」

 

 突然聞こえた声の方向に慌てて振り向く。

 何者だこいつ!? 全く気付かなかったぞ!?

 

「オレっちかい? んじゃ自己紹介させてもらおう。

 名前は陽影(ひのかげ)(うつろ)だ。Cクラスの副代表……的な事をやってる。

 以後ヨロシク!」

「Cクラス……なるほどな。僕は……」

「いいっていいって。

 Fクラス副代表、いや、今は違うんだっけか?

 ただのFクラス生の空凪剣。一日に全力で活動できる時間が決まっており、万全の状態なら試験でほぼ400点を取る実力を持つ人物。

 なんて事は説明されるまでもない。もっと話そうか?」

 

 僕の情報をすらすらと出してきやがった。

 こいつは……侮って良い相手では無さそうだ。

 

「貴様、何者だ?」

「オイオイ、自己紹介はしただろ?

 ってか、一度顔を合わせてるはずなんだが、覚えてないんかい?」

「なんだと?」

 

 会った事があるのか?

 ……言われてみれば、どこかで見たことがある気がする。

 そう昔の話ではない。今年度だ。

 最初の試召戦争の時? 清涼祭? 合宿? それとも……

 

「……あ」

 

 そうだ。1学期末の勉強会。その時……

 

「ああああああ!! あの時のお前か!!」

「おうおう、やっと思い出してくれたか。言ってみてくれよ」

「霧島の家の前に居ただろ!? あの時の不審者か!!」

「まあ合ってるけど、不審者ってのはどうなんだい空っち?」

「不審者と呼ばずに何と呼ぶ。あと、空っちは止めろ」

「え~? んじゃあ凪っち」

「……まあいいか」

 

 目の前の男は僕が霧島の家に遅刻してきたとき、家の前に居た不審者だ。

 あの時はすぐに逃げられたからな。顔を思い出すのに時間がかかった。

 

「……って待てよ? その少し前のFクラスとBクラスの戦争の前日の尾行も貴様か?」

「おお~、気付いてたか。あの日はバレてたかな~って思ってたんだよ」

「……ちょっと待て、『あの日は』ってどういう事だ?」

「ああ、Cクラスが合宿所で敗戦してからはほぼ毎日尾行してたぜ~。アンタの情報を集めておきたかったからな。やっぱ気付いてなかったか」

「マジか!? 全然気付かなかったぞ!?」

「オレっちは影が薄い事が取り柄なもんでね。

 試召戦争の日に気付けただけでもじゅーぶん凄いと思うぜ?」

「ふむ……」

 

 あの日は無意識に緊張してたんだろうか? それで気付けたのかもしれない。

 

「……おっと、話が大きく逸れたな」

「そだな。オレっちの事よりCクラスの方が大事だ」

「で、僕はCクラスが情報を漏らしたと疑っているんだが、そこの所はどうなんだ?」

「あ~、その事なんだが……代表!」

「え? 何?」

「さっきまでの代表と凪っちのやりとりの後半部分は聞いてたんだけど、その『証拠』って実際に見せてもらった?」

「え? あ、そう言えば見せてもらってない」

「ってわけなんだが凪っち、見せてくんない?」

「………………

 ……流石にブラフだけで問い詰めるのは無理があったか」

「え!? って事はもしかして……」

「証拠なんぞ無い。捜す時間的余裕なんて無かったからな」

 

 裏切りの確信と、その方法についての確信があったから手ぶらでもワンチャンあるかなって。

 『手紙が3年生に確実に拾われた』って確証は持てないだろうからな。

 

「アンタっ! 私を騙してたの!?」

「騙すとは人聞きの悪い。ハッタリをかましたと言ってくれ」

「同じ事じゃないの!!」

「はいはい代表、どうどう」

「陽影っ! アンタバカにしてんの!?」

「そうやって怒って交渉すっとロクな事になんねーぞ?」

「うむぐっ!!」

「オレっちに任せて、その辺で少し休んでてくれよ」

「……頼むわ」

「おk」

「いちいちムカつくわね……」

 

 それでも任せるって事は結構有能なんだろうな。

 少なくとも小山よりは口が回りそうだしな。

 

「んで、凪っち。まず言っておこう。

 Cクラスの、って言うかうちの代表の裏切りは事実だ」

「ちょっ!? 陽影!?」

「代表は黙っててくれ。

 そもそも凪っちはそれを糾弾しに来たわけじゃないだろ?」

「え、そうなの?」

「ほぅ、よく分かってるじゃないか」

「糾弾する気なら一人で来ないっしょ」

「ははっ、確かにな」

「それに、代表からあの件も聞いてるしな」

「……なるほど。それなら納得だ」

 

 結構前から調査されてて、僕の性格をある程度理解しているならその結論に至るのは容易だろう。




「Cクラスの小山さんが裏切っていた……と。
 まぁ、前話の時点でほぼ確定だったけどさ」

「これも書きたかった展開の一つだな。
 ……ちなみに、これはうちの駄作者が原作を見て思いついた展開だ」

「ええっ!?」

「原作11巻をみて思いついた展開らしいぞ。
 駄作者はこう考えたらしい」


いくらなんでも2年の間の仲が悪すぎる。流石におかしくないか?
改めて読んでみると小山と根本が大体の元凶だ。中林も反発はしているが、2人ほどではない。
根本がおかしくなったのも小山の影響がかなりデカいかな?
深く読み返してみると小山が根本や霧島を煽っている気がする。
そう言えば小山は小暮先輩とも親交が深いよな。小暮先輩なら煽って対立させるくらいやりかねない。
Cクラスは現在F教室だ。仮に戦争後の教室分配が現在の教室のランク順位で決まるなら負けても結局F教室だ。勝てばC教室だが。なら負けてもデメリットは無い。
だったら何かしらの交換条件を与えられればあっさりと裏切るんじゃないのか?
そうだ! そうに違いない! 小山が内通者だ!!


「……だそうだ」

「な、なるほど」

「読者の皆さんも改めて11巻を読んでみると良い。
 間違いなく小山が内通者に見えるはずだ!!
 (効果には個人差があります)」

「何その通販の注意文みたいなの……」

「……とまぁ、そういう想像をしていたから、原作12巻で失望したわけだ。
 小山内通者説も完全に否定する内容では無かったが……まぁ、そんな壮大な裏話を何も触れずに埋めるような事はしないだろうから否定されたと見ていいだろう。
 となると小山の言動はただの子供じみた当てつけ、根本も何か裏で焚き付けられていたなんて事もなくただただ愚かだっただけという結論になった。
 ……何度でも言うぞ。根本よ、君はずる賢い奴ではあったが決してあそこまで愚かでは無かっただろう」

「しつこいくらいに言ってるわね。そのセリフ」

「そういう事もあって、前に活動報告に『キャラの言動が雑だ』って書いたわけだな」

「なるほどね」

「あと、本章のプロローグで教室分配に文句を言っているのもコレの影響がかなりある。結局原作ではうやむやだった所も納得いってないしな」

「そんな所まで繋がってたのね……」


「ぶっちゃけ駄作者が勝手に期待して勝手に失望しただけなんだが……小山と根本の言動が未だに納得できなくてかなり強烈なヘイトを溜め込んでいるわけだな」


「では、明日もお楽しみに!」

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