バカ達と双子と学園生活   作:天星

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「では行ってみましょ~。

 シャラットさん、
 蒼龍さん、
 想星さん、
 走り高跳びさん、
 久未美男さん、
 ルルの鈴さん、
 泡沫´さん、
 光明さん、
 枝垂桜.さん、

 感想ありがとうございました!

 では、スタート」


09 強行

  ……時は少し遡る……

 

 

『伝令っ! 2階が増援を要請してます!』

「2階? 剣は何て言ってたんだ?」

『はい、2対2だったらどうなるか試してみたいから増援を寄越せ……と』

「よし、間違いなくブラフだな。

 お前はここで待機だ。前線への伝令は必要ない」

『了解っ!』

 

 上手くやってるみたいだな。

 下に3人引きつけてくれれば……勝算はより高くなる!

 

「お前ら、聞け! もうしばらくしたら俺たちはこの教室を放棄して全員で打って出る!! 気合入れていけよ!!」

 

「「「「「「「「おおおおおぉぉぉぉぉおお!!!!!」」」」」」」」

 

「康太! 腹括ったか!?」

「…………愚問だ」

 

「秀吉! 行けるな!?」

「うむっ!」

 

「島田! 頼むぞ!」

「勿論! ウチに任せなさい!」

 

「明久! 白の腕輪の使い方を忘れてねぇだろうな!?」

「僕はそこまでバカじゃないよ!?」

 

「姫路! 奴等をブチのめすぞ!!」

「はい!」

 

「では、指示があるまで待機! いつでも出られるようにしておけ!!」

 

 クラスの連中に発破をかけた後、補充試験の為という名目で連れてきていた大島先生に向き直る。

 

「ここは空にするんで、先生も着いて来てください」

「俺は補充試験の為に呼ばれたのであって決して都合の良い時にフィールドを張る為によばれたわけでは無いんだが?」

 

 そういった行為は別に禁止されているわけではないが、良い顔をする教師はあまり居ない。

 だがしかし、

 

「いやいや、新しい拠点に移動する際にたまたま敵と遭遇して、フィールドを張ってもらう事がある可能性があるだけですよ」

「……教師をここまでこき使うクラスは後にも先にもこのクラスだけだろうな」

「褒め言葉として受け取っておきますよ」

 

 できれば他の科目の教師も確保しておきたかったんだが、こっから先の強行軍についてこれるのは大島先生だけだと思うんで断念した。

 保健体育が確保できただけでも上出来だから問題は無いが。

 

 

 

 ……そして、数分後、3階前線の伝令から木下優子が教室を出て2階に向かったという報告が成された。

 

「んじゃ、出撃だ!!

 ここが最後の正念場だ! 行くぞ!!」

 

「「「「「「「「おおおおおぉぉぉぉぉおお!!!!!」」」」」」」」

 

 雄叫びを上げながらFクラスの連中が突進する。

 

『なっ、何だ一体!!』

『まさか、全員特攻してきたのか!?』

 

 Aクラスの連中が慌てふためいているな。

 その隙を突いてほぼ全員が前線を強引に突破。

 

『あっ、Fクラスに勝負を!』

『させっかよ! 俺が受ける!!』

 

 ほんの少数だけ捕まったが問題は無い。新たな陣地を構築するまでの時間を稼いでくれるだろう。

 

「お前たちの犠牲は無駄にしない! このまま突き進むぞ!!」

 

 次のアクションは前線とAクラス教室のほぼ中間の地点……ここだ!

 

「先生! フィールドを!

 康太、頼んだぞ!」

「こんな場所でか……ほら、承認したぞ」

「…………後は、頼んだぞ」

 

 康太とその他数名のFクラスが止まる。

 正直、康太を使ってしまうのは少々惜しいのだが、保体フィールドを張らせてもらえそうな場所はこんな場所しか無い。 

 ここで敵を食い止めて、余裕ができたらそのままAクラス教室に進撃してもらう予定だ。

 

 次にぶつかるのはAクラス教室の入り口近くを守ってる連中だ。

 

『何っ、突破してきたのか!?』

『うそっ、こんなに!?』

『うろたえるな! 俺が勝負を挑む、試獣召……』

 

「アウェイクン!」

 

 勝負を挑まれる前に白銀の腕輪を使って干渉を起こす。

 教室の入り口は狭いので大人数が突破する事はできない。だが最低でも俺と姫路と明久だけは突っ込む!!

 

「どけぇぇええええええ!!!!」

『ヒィッ!!』

 

 教室入り口の生徒を怯ませて強行突破する。

 

「明久! 姫路! ついてきてるな!!」

「うん!」「はい!」

 

 必須目標に加えてその他数名も何とか突破したようだ。

 さて、次の行動はっ!

 

「やれやれ、まさか本当に強引に突っ込んでくるなんてね」

「一応、代表の予想した通りね」

「……雄二、来なさい」

 

 残った戦力が勢ぞろいだな。

 剣が3人ほど何とかしてくれなかったらどうなっていたのやら。

 

 事前の作戦会議で、翔子と空凪妹を引き離すのはほぼ不可能だろうという結論が出ている。

 理由は簡単で、2人の腕輪の能力が噛み合っているから。

 腕輪攻撃以外はほぼ絶対防御と腕輪封印。組み合わせないわけがない。

 だからそこは諦めてせめてあと1人、久保を引き離す。

 

 幸いと言うべきか、久保はついさっきまでフィールドが張られていた圏内に立っており、翔子と空凪妹は圏外のところに立っている。

 3人が固まってたらより勝率の低い作戦にシフトしなきゃならなかったんで正直助かった。

 

「白銀、解除!!」

 

 白銀の腕輪を腕から外す事で強制的に終了させる。

 そして、さっきまで干渉により消滅していたフィールドが復活する。

 

「明久! やれ!!」

「Fクラス吉井明久が、Aクラス久保利光に勝負を挑む! 試獣召喚(サモン)!!」

「全てをぶつけてきたまえ、吉井君! 試獣召喚(サモン)!」

 

 [フィールド:英語]

Fクラス 吉井明久 125点

 

Aクラス 久保利光 428点

 

 

 久保の処理を明久に託し、そのまま前進してフィールドを抜ける。

 そして補充試験の為に居る適当な先生に叫ぶ。

 

「そこの先生っ、召喚許可を!」

「取る必要は無いわ。先生、お願いします」

「承認します!」

 

 ちっ、流石に都合の良いフィールドを張るのは無理だったか。

 まぁここは仕方がない。行動は読まれていたみたいだし。

 

 ここまでが、戦略的な意味での正念場。

 そしてここからが……

 

「「「「試獣召喚(サモン)!!」」」」

 

 [フィールド:物理]

Fクラス 姫路瑞希 455点

Fクラス 坂本雄二 452点

 

Aクラス 空凪 光 423点

Aクラス 霧島翔子 698点

 

 ここからが、俺自身の正念場だ!!




「今回は戦況を一気に動かしたな」

「陣地とかも全部放棄して全員で突っ込むって、まぁFクラスらしいけど」

「ウチに余剰戦力など無い!!」

「自慢する事じゃないからね?」


「では、明日もお楽しみに」

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