バカ達と双子と学園生活   作:天星

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「本日2話目! 読んでない人は戻ってね~

 では、スタート!」


08 瞬きの代償

 長々とした台詞を紡ぎ終えた次の瞬間には、全てが終わっていた。

 少なくとも、周りの人にとってはそう見えただろう。

 

 [フィールド:化学]

Fクラス  空凪 剣 215→25点

 

Aクラス 三宮銀太郎 422点→Dead

Aクラス 工藤 愛子 318点→Dead

Aクラス 木下 優子 372点→Dead

 

『い、一体何が……』

 

 僕が使用した集中の一段階上、通称、閃光モードは簡単に言うと思考が極限まで加速される。

 これを使えば……例えば強い不良のパンチの軌道を完全に見切ってカウンターを決める事が可能になったりする。

 ……それだけだ。本来なら。見切る事はできるが、自分の体まで超高速になったりはしない。多少は上がるけど。

 だが、召喚獣を扱う場合は話が別だ。

 コレを操作するのに物理的なコントローラーは要らず、意志の力のみで操作を行う。

 故に、物理的制限に縛られず思考と同様の動きを可能とする。

 例えば、三年生2人を前に数フレームで抜刀、攻撃、攻撃、納刀といった動作を行ったり、

 あるいは、今しがた行ったように高速の攻撃を3連続でブチ当てて戦死させたり。

 

「戦死者は補習!」

 

 呆気に取られて殆ど何も言えないまま戦死した3人が補習室へと連行されていく。

 少々悪いことをした気分になるが、これも戦争だ。

 

 この非常に強力な閃光モードだが、当然ながら幾つかの制限やリスクがある。

 まず、その日に集中モードを使用していない、使用していたとしても短い時間だった場合にしか使用できない。

 閃光モードの最大継続時間は客観的に約5秒。体感時間ならもっともっと長いが。

 あと、使用後はもの凄く疲れる。

 基本的にはこんな感じだが、観察処分者仕様の召喚獣を使った場合はまた別のリスクがある。

 例えば……

 

「……ガハッ、ゲホッ!」

 

 肉体的な、甚大な負荷とか。

 何か口の中が妙な感じがすると思ったらどうやら血を吐いていたようだ。

 リアルに血を吐く人なんて初めて見たよ。自分の事だけど。

 話を戻そう。

 物理干渉能力を持つ召喚獣を無理やり動かしているので風圧や空気抵抗やらで体全体が圧迫され、慣性により内臓がシェイクされる。点数が減ってるのもこの為だったりする。

 とはいっても、ダメージを100%フィードバックするわけではないのでせいぜい体調がかなり悪くなるだけだったはずなのだが……どういう事だろうか?

 ……ああ、アレだ。FFF団の暴行のせいだ。まだダメージが残ってたんで血を吐く結果になったんだろう。

 まあいい。もう役目は果たした。後は頼んだぞ、雄二……




「ま~た無茶しちゃって、姫ちゃんにまた怒られるよ?」

「いや、血を吐くほどの無茶をする気は全く無かったんだが……」

「その言葉をすんなり信じてくれる人は極小数なんじゃないかなぁ……」

「まぁ、だろうな」


「では、明日もお楽しみに!」

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