バカ達と双子と学園生活   作:天星

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「はい、今日も元気良く行ってみましょ~

 光明さん、
 クロードさん、
 蒼龍さん、
 枝垂桜.さん、
 久未美男さん、
 泡沫´さん、
 想星さん、
 走り高跳びさん、

 感想ありがとうございました!

 では、スタート!」


11 奇策

「では、作戦を説明するぞ」

 

 姫路の腕輪で入り口前を一掃した後、数名の見張りを廊下に置き、それ以外の全員に作戦を説明する。

 

「まず、最初予定していた作戦を変更し、より強い奇策を用いるものとする!」

 

 周囲がざわめくが、手で制して話を続ける。

 

「人類史上稀に見る奇策、その名は……『正攻法』だ!」

「いや雄二? さっき奇策って言ってたよね?

 奇策っていうのは奇抜な策って事だよね?」

「おお、よく知ってるな明久」

「いや、普通に知ってるから! そこはかとなくバカにしてるよね!?」

「まあそれは置いておいてだ」

 

 なにやら文句を言うバカ(明久)を無視して話を続ける。

 

「俺たちFクラスは、いつも奇抜な策で勝ってきた。

 Aクラス生もどき(姫路)の奇襲、条約の強引な解釈による不意打ち、戦前協定の穴を突いた5分勝負、女装による暗殺。

 今回は何をしてくるんだと、相手は強く警戒している。間違いない」

「……自分たちの事ながら、酷い勝ち方してるよね……」

「卑怯汚いは敗者の戯言だ。

 で、だからこそ、『Fクラスがまともな攻め方をしてくるわけがない』と思っているはずだ。

 相手は絶対に想定していないはずだ」

 

 ここで秀吉がスッと手を挙げる。

 

「どうした秀吉?」

「言いたい事はよく分かるのじゃが……正攻法で勝てるのかのぅ?」

「そこは安心しろ。さっきの姫路の腕輪を含めて、Cクラスの戦死者数は23名だ。

 こちらに数の優位性があり、なおかつ召喚獣を動かし慣れている。

 ついでに、このクラスに鬼の補習を恐れる者は居ないからな!」

 

『いつもの事だもんな』

『アレを苦しいとか言ってるような連中に負けるわけが無いぜ!!』

 

「むぅ。分かったのじゃ」

「とは言え、相手の方が点数も高いのは確かだ。

 全員、気を引き締めて行け!」

 

「「「「「おうっ!!!」」」」」

 

「じゃ、他に質問は無いか?

 では、出撃っ!!」

 

 

 

 

 

 点数が減った仲間をBクラス教室まで送り届けた後、前線で指揮を執っているうちの代表と合流した。

 

「ふぅ~、追いついたよ代表」

「御空か。遅かったな」

「いや、木下さんが相手だったのよ? これでも早い方よ」

「それもそうか。ご苦労だった」

「で、戦況は?」

「五分五分、よりは押してはいるか」

「召喚フィールドは?」

「現国のままだ。まだ変わってない」

「じゃあまだ私は待機ね」

「ああ。ゆっくりと休んでいてくれ」

 

 Aクラスの方は今頑張って別の教師を探してるんでしょうね。

 せめて理系の教師を。

 だけど、見つけるのは大変だろう。

 事前の協定でFクラスはほどほどに理系教師を使うと約束しているし、

 Cクラスの方にもうちの代表が交渉して約束を取り付けてある。

 流石に独占はできないだろうから、いつかは連れてくるだろうけど……それも計画の内だ。

 さてどうなるかしらね。

 

 

 

 

 

 

「伝令っ! 物理教師を連れて来ました!」

 

 やっと理系教師が見つかったらしい。

 しかも物理っ、代表の得意科目っ!

 

「お手柄よ! 全員後退っ、点数の一番低い人は殿になって!」

 

 試召戦争において、敵前逃亡は失格だ。

 それでも撤退する場合は誰かにバトンタッチしなければならない。

 この『撤退』は厳密には『フィールドの外に出る行為』なので、隣接したフィールドに移動する場合も撤退とみなされる。

 だから全員がフィールドを移動するのは不可能だ。冷酷なようだが、一人を殿(捨て駒)にするのが一番効率が良い。

 

 一人を残して無事にフィールドから脱出し、陣形を整える。

 

「さぁ、行くわよ! 試獣召喚(サモン)!!」

 

 フィールド:物理

Aクラス 空凪光 435点

 

 ここからだ。ここから反撃を……

 

 

 

ゾクッ

 

 

 

「っっっ!?」

 

 何? この嫌な感じは?

 急いでBクラスの方の様子を確認する。

 片手で頭を抱えて困った様子のクラス代表(根本くん)

 顔を俯かせている副クラス代表(御空さん)

 ……いや、違うっ!!

 表情を手で隠して薄く笑ってるクラス代表(根本くん)と獰猛な笑みを隠しながら駆け出す副代表(御空さん)っ!!

 

試獣召喚(サモン)っ!」

 

 あっという間に物理フィールドに突入した御空さん、そして……

 

「切り裂けっ!!」

 

 

 

 フィールド:物理

 

Aクラス 空凪光 435点→Dead

 

 

Bクラス 御空零 712点

 

 

 

 たった一瞬、ほんの瞬き程度の時間で……

 私の召喚獣は真っ二つになっていた。




「『Fクラス=奇策』だもんね」

「まさか真っ正面から攻めてくるとは夢にも思うまい」

「いや、普通に警戒されてそうな気がするんだけど」

「それでもある程度の虚をつく効果は見込めるだろう」

「……ちなみに、変更前の作戦って?」

「原作丸パク」

「……な、なるほどね」

「駄作者に期待なんてするんじゃない! 自由度が高いようで割と低い試召戦争だとこんなもんだ!」

「堂々と言う事じゃないからね!?」


「では、明日もお楽しみに!」

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