バカ達と双子と学園生活   作:天星

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※ 諸事情により、今回の前書きは全て後書きの後に移します。
※ 今回より後書き復活、次回より前書きも復活となります。


第二次試召戦争編 前編
プロローグ


 体育祭が終わって数日。

 早朝の教室で、僕達は向かい合っていた。

 

「……覚悟は良いんだな?」

「ええ。勿論です」

「……あまりの感覚に精神に異常をきたす者も居るという。

 またある時は人格が反転したかのように性格が変わってしまう者も居るという。

 それでも良いんだな?」

「大げさ過ぎませんか!?」

「……では、始めようか」

「お、お願いします」

 

 彼女の決意も固まったようだ。

 机の上に手を置き、一呼吸。

 そして、高らかに宣言する。

 

「「スタンドアップ! マイ(THE) ヴァンガード!」」

 

 ……うん、またなんだ。

 まぁ、天丼ネタだと思ってこの茶番に付き合ってほしい。

 ……いや、やっぱり面倒な人は飛ばしてしまって構わない。今回そこそこ長いし。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

※ 例に習ってダイジェストでお送りします

 

「これで決めます! 『覇道黒竜 オーラガイザー・ドラゴン』でヴァンガードにアタック!」

「完全ガードだ」

「っ!! トリプルドライブ!

 ゲット! クリティカルトリガー&ヒールトリガー!

 ダメージを一枚回復し、効果は全て『血戦の騎士 ドリン』に!!

 ブーストしてそのままアタック!」

「ガード、インターセプト。

 ……これで終わりか?」

「……ターン、エンド、です」

「では、こちらのターン。スタンド&ドロー!!

 今こそ運命を超克し、久遠なる世界へと導け!

 超越ッッ!!! 『天羅水将 ランブロス』!!」

「くっ!!」

「さぁ、覚悟は良いか?

 アタック、アタック、アタック!!」

「……ガードです」

「だろうな。では行くぞ。

 『ランブロス』でヴァンガードにアタック!」

「か、完全ガード!」

「別に構わんが……僕はアタックする際にスキルを発動する。

 Gゾーンから同名ユニットを表にし、リアガードを2体スタンド。そうだな……右列の2体だ。更にパワー+10000」

「そ、そんなっ!!」

「では、トリプルドライブ!!!

 ゲット、クリティカルトリガー! もう一つ、クリティカルトリガー! まだだっ! クリティカルトリガー!!」

「ちょ、ちょっとっ!? おかしくありませんか!?」

「何もおかしくは無い。

 あと、当然だが効果は全て右前列のリアガードに。

 ……言わなくても分かってるだろうが。こいつのクリティカルは4。お前のダメージは現在3。

 ヒットすればダメージ7に。

 ヒールトリガーが2枚出ればまだ分からないが、さっき1枚出たし、確かもう一枚ほどガードに使っていたな」

「…………」

「残りの2枚を全て引き当てなければならない。まあまず無理だろうがな。

 ……では、ブースト、そしてアタック」

「……ノーガード、です」

 

 瑞希が宣言し、トリガーが引かれる。

 1枚目、ドロートリガー

 2枚目、トリガー無し

 

「あと2枚だな。

 仮にデッキの残りが30枚とすると両方引ける確率は概算で0.2%。

 ……さ、早く引くと良い」

「……まだ、諦めません!!」

 

 3枚目、ヒールトリガー!

 

「っ!!」

「もう一つっ!!」

 

 4枚目、ヒールトリガー!!

 

「ば、バカな!!」

「ターン終了……ですよね?」

「くっ、ああ。

 だが、僕のダメージはまだ3っ! 次ターンで僕の勝ちだ!!」

「やってみなければ分かりません! スタンド&ドロー!!」

 

 瑞希が勢いよくカードを引く。

 その引いたカードを見た彼女は安心したような笑顔を浮かべていた。

 

「行きますよ? ジェネレーションゾーン解放!

 世界を漆黒に染める深き闇、その力を以って貴方に真の絶望を与えましょう。

 絶望の先にこそ、輝ける希望がある事を願って。

 ストライド・THE・ジェネレーション!!

 『暗黒竜 ファントム・ブラスター‘‘Diablo’’』!!」

「な、何だと!?」

「まずは『ブラスター・ダーク‘‘Diablo’’』のストライドボーナス。あなたのリアガードを一体退却です。 

 そしてメインフェイズ、『ファントム・ブラスター‘‘Diablo’’』のスキル発動。

 コストを払い、パワー+10000とクリティカル+1、更にスキルを得ます!」

「くっ!」

 

 後列のリアガードが一体退却させられた。

 だが、手札は十分にあるんだ。次のターンで……

 

「そしてリアガードをコール。ブーストし、リアガードにアタック!」

「っ、リアだと?」

 

 そのまま前列の2体のリアガードが退却させられる。

 だが、僕にダメージは無い。

 

「続けてブーストし、アタック。

 ここで、メインフェイズで与えられたスキルを発動します。

 自分のリアガードを3枚退却」

 

 アタックが済んでレストしたユニットがドロップゾーンに置かれる。

 

「あなたは自分のリアガードを2枚選び退却させてもよい。

 しなかった場合はガード不可です」

「……2枚か」

 

 ここで、自分の場を見る。

 3体ほど退却させられたが、あと2枚ならまだ残って……

 

「っっっっ!!」

「気づきましたか? 退却は不可能なんです」

 

 残っている2枚のリアガードのうち、片方は『戦場の歌姫 オルティア』というカード。

 こいつ自身の永続能力により、相手のカードの効果で選ぶ事ができないっ!!

 

「では行きます。チェック・THE・ドライブトリガー。

 ……ゲット。クリティカル2枚です。

 これで4ダメージですね」

「……なら。ヒールトリガーを2枚引くだけだ!

 チェック!!」

 

 1枚目、ヒールトリガー。

 だが、現在のダメージは3-5。こちらが優勢なので効果は発動しない。

 2枚目、トリガー無し。

 3枚目、ヒールトリガー。5-5の同点なので、ダメージを1枚回復。

 

「……最後のチェックだ」

 

 4枚目…………

 

 

 

「……僕の負けのようだ」

 

 クリティカルトリガー。だが、こんな時に出ても全く意味は無い。

 普通にダメージが入り、6-5で僕の負けだ。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「か、勝った……んですよね?」

「ああ。お前の勝ちだ」

「て、手加減とかしてないですよね?」

「そんな対戦相手に失礼な事をする訳無いだろ」

「じゃ、じゃあ本当に私が勝ったんですよね!?」

「さっきからそう言ってるだろうが」

「や、やった!! 空くんに勝てました!!!」

 

 もの凄い喜び様だな。

 しかし、何というか……別世界の人間が憑依したかのような強さだったな。

 僕の強運補正を貫通してダメージを与えてくるとは……

 

ガラガラッ

 

「うぃーっす。

 ん? 姫路も居るのか。早いな」

 

 そんな事を考えていたら雄二がいつものようにやってきた。

 

「さ、坂本くん! 私やりました! 空くんに勝ったんですよ!!」

「……胸の大きさでか?」

「違いますよ!! た、確かにそれでも勝ってますけど……」

「TCGで負けた。接戦だったがな」

「お前が負けた? 何か賭けてたのか?」

「いや、何にも」

「………………姫路、お前イカサマしたのか!?」

「やってませんよ!!!!」

「んな事やってたら即座に指摘してるよ」

「そ、それもそうだな。じゃあ普通に負けたのか?」

「そうじゃなかったらこんなに大騒ぎしてませんよ!」

「そういう事だ。分かったか雄二!」

「あ、ああ。そうだな。ああ」

 

 釈然としない様子ながらも、雄二は納得してくれたようだ。

 

「……ところで雄二、話は変わるが……今後の試召戦争の予定はどうなってる?」

「いきなり変わったな……

 俺も話そうと思ってたから丁度いいんだがな。

 とりあえず、今のメンテが終わったら仕掛けるぞ」

 

 実は、召喚大会が終わった後すぐに戦争を仕掛けようとしたのだが……召喚獣を通常の使用に戻すのに少々時間がかかるとの事だ。

 ついでにメンテナンスを行うとの事で、明日か明後日までは試召戦争は禁止だそうだ。

 

「なるほど。どこへだ?」

「それはまだ秘密……って言うより、決めあぐねてるってのが本音だな」

「Aクラスに直行、ではないんだな」

「他のクラスとキッチリと決着を付けてからでないと危なくってな。

 特にBクラス」

「……確かにな」

 

 最初にBクラスと戦った時は御空は出てなかったからな。

 仮に全科目があのレベルなのだとしたら、普通に霧島より点数が高いんじゃないのか?

 でも事実としてBクラスに居るって事は……まぁ、断定はしないでおこうか。

 

「あと、Cクラスもそろそろ復活する」

「……そう言えばそうだったな」

 

 合宿で決着を付けたのが6月頃の話だからな。

 泥沼防止の為の宣戦布告禁止期間は3ヶ月だから……あれ? もう復活してる?

 

「あの、DクラスとEクラスは大丈夫なんですか?」

「Eクラスくらいならどうとでもなる。Dクラスも多分何とかなるが……そもそも、代表の平賀の性格を考えて僕達にわざわざ挑んでくるとは思えないな」

 

 かつて一度負けている相手に再挑戦するような性格には思えない。

 と言うか、試召戦争を挑むような性格ではないだろう。あの教室で満足してる気がするし。

 

「と言う事は、CクラスかBクラスかで悩んでるって事ですか?」

「そうなる。どうしたもんか……」

「……少し様子を見たらどうだ?」

「様子を見るったってなぁ」

「僕は開幕と同時にCクラスが攻めてくる可能性を危惧しているんだが、どう思う?」

「それはあり得るが……」

 

 確定事項として、合宿の件でCクラス代表である小山の信用は失墜した。

 少なくとも男子からの信用は皆無だろう。

 まあ無理もない。勝手に戦争を起こしたと思ったら犬死にしてF教室にランクダウンしてるんだもんな。

 止めなかった男子連中にも責任の一端が無いわけではないと思うんだが……

 そしてそれから約3ヶ月。小山の指揮能力が回復しているか、はたまた別の誰かが指揮を取っているか、それは不明だ。

 だが、もし指揮が採れる状態にあるなら、奪われた教室を取り返したいと思うのが普通ではないだろうか?

 

「開幕から少しだけ様子を見て、Cクラスが来ないようであればまだ戦争できる状態ではない。

 ……と、断定する事は残念ながら不可能だが、それに近い推察ができる。

 その場合はCクラスは無視してBクラスを落とせば良いんじゃないか?」

「……とりあえずそれで行ってみるか」

 

 まぁ、まだ少し時間はある。僕も僕なりにのんびり考えてみようか。




「今回の茶番は心なしか長かったわね……」

「いつものように僕が勝つと見せかけて逆転させるという展開を書いたらどうしても長くなってしまったようだ。
 あと、説明で敗北フラグ立てたり。
 ……本作はTCGがメインでは無いはずなんだがなぁ……
 ちなみに、僕が使っていたデッキは『波紋デッキ』と呼ばれるものだ。
 本来はもっと恐ろしいはずなんだが……ダイジェストでかつうちの駄作者の実力ではこれが限界だ。提供して下さった蒼龍さん、申し訳ない」

「……ところで、何で姫路さんがシャドパラ? それだったらロイパラか、もっと別の女の子っぽいクランがあったんじゃないの?」

「とうらぶとか?」

「止めなさい。姫路さんにこれ以上妙な属性を付けるんじゃありません!
 あのコは決してイケメンを前にキャーキャー言う感じじゃないよ!?」

「その言い方は流石にあのゲームのファンに失礼だと思うが……まぁ、冗談だ。
 で、シャドパラの理由だが、ある作者の作品のリスペクトだな。
 アンチでも無いのに、やや悪役な感じで姫っちが出てくる結構珍しい作風の作品だ」

http://novel.syosetu.org/37504/

「結構面白いからお勧めできるぞ」

「……こんな所で勝手に宣伝して良いのかしら……?」

「作者さんから許可は取れている」

「それなら大丈夫ね」

「まぁ、もし気が変わったらすぐにメッセージを送ってくれ。すぐ削除するから」







「で?」


「前書きの件だな。
 実はある読者さんからご指摘を頂いてな。
 ザックリ言うと『前書きが長すぎるよバカヤロー。せめて後書きに移せや』という感じだ」

「いや、ザックリし過ぎてない!? もっと丁寧な口調だったよね!?」

「まあそうだが、前書きの長さは駄作者も自覚していたからあえて荒っぽく変換して自分への戒めとしたとかなんとか」

「何か理屈こねて適当に書いただけのような気も……
 まあいいわ。で、今後の前書きはどうするの?」

「ん~、前話のミスの報告とお礼コーナー(簡略Ver)、ついでにスタートの号令だけは残したい。
 それ以外の雑談はなるべくカットする」

「小説として割と普通……いや、普通はもっと短いか」

「まあな。あと、それだけの事務的な内容に人数を割く必要は無いんで御空一人でやってくれ」

「うぇっ!? まあ良いけど……」

「後書きはこれまで通りだ。まぁ、飛ばすのは簡単だから批判はあまり出ないだろう。多分」

「多分ね」

「じゃ、最後に飛ばしたお礼コーナーをやって終わりだ」

「おっけ~。

 光明さん、
 クロードさん、
 想星さん、
 蒼龍さん、
 千歳パセリさん、
 火水 総さん、
 泡沫´さん、
 白犬のトトさん、
 夢見る青年さん、
 機械の国の王様さん、
 凛@小毬さん、
 走り高跳びさん、
 低蓮さん、
 久未美男さん、
 ダークリベンジャーさん、
 マタやんさん、
 てーいさん、

 感想ありがとうございました!」

「じゃ、また明日!」

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