「………………で、どうするんだ?」
「わ、私は……」
少し間を開けてから、姫路が話し出す。
「私は、吉井君が好きです」
「ああ。知ってる」
「だったら……ちゃんと、伝えないとダメです、よね?」
「それを決めるのはお前だ」
「だから……私は、告白、します」
「…………そうか」
なら、仕方あるまい。
正しく、終わらせないといけない。
「屋上にでも呼びつけるか?
一応告白スポットらしいが。」
それに、教室で告白なんてしたら鮮血が飛び散るし。
「そう、ですね。吉井君に屋上に来るように伝えてくれますか?」
「自分で伝えたらどうだ?」
「自分でやると、なんだかためらっちゃいそうで……」
「そんな不安定なら、無理に告白しなくても良いんだぞ?」
「いえ、やります」
「…………そういう事なら構わんが、決行時刻は?」
「……今日の、放課後に」
「……了解」
……そして、放課後……
「それじゃあ、お願いしますね?」
「ああ」
姫路が教室を出た事を確認してから明久に話しかける。
「おい明久(確定)」
「確定も何も最初から本物だよ!?」
「じゃあ明久。屋上で待ってる奴が居るから行ってやれ」
「え? 誰が?」
「行けば分かる」
「う~ん……それじゃあ行ってみるよ」
「
「え? 何か言った?」
「いや、何でもない。行ってこい」
「? うん」
明久は、不誠実な人間ではない。
だが、ちょっと優しすぎる人間だ。
心配だが……信じてるぞ。
……剣side out……
……明久side……
う~ん、さっきの剣、なんか様子がおかしかったような気がするけど……気のせいかなぁ?
えっと、屋上って言うと……新校舎の屋上で良いのかな?
まぁ、行ってみて誰も居なかったら旧校舎の方に行けば良いかな。
とりあえず、新校舎の屋上にっと。
ガチャッ
「あっ……来た、んですね」
「あれ? 姫路さん? どうしたの?」
おかしいなぁ。ここには僕を呼んだ人が居るはずなのに。
「あ、あのっ、わ、私が呼びました。
どうしても、吉井くんに伝えなければならない事があって……」
ああなるほど。姫路さんが呼んだのか。
一体何の用だろう? まるで告白しようとしてるみたいじゃないか。
……アレ?
「わ、私は……
吉井君の事が好きです!」
……おっかしいなぁ……まるで姫路さんが僕に告白したように聞こえたけど……
って、えええええっ!?
いやいやいやいや、あり得ないよ!
あり得ない? ああ、なるほど。
「姫路さんでも冗談を言うんだね~」
「冗談じゃありません!! 本当です!!」
「いやいや、でもこんなブサイクでバカの甲斐性無しが好きな人なんて……」
……あ。居たね。一人。
こんなのを好いてくれてる人が。少なくとも一人居た。
それじゃあ、姫路さんの言ってる事は、本当なの?
「あの、本当に冗談とかじゃないんだね?」
「……はい」
姫路さんは、僕が好き?
そっかぁ。
「……姫路さん」
「……はい」
「…………僕は……」