プロローグ
本日の午後は自習らしい。
なんでも、プロモーションビデオだかなんだかの作成をするらしく、教師がそっちに行ってしまう為授業が出来ないとの事だ。
当然の如く自習課題が出るが……5分未満で終わった。
で、今何をしているかと言うと……
「剣、今日こそ勝たせてもらうよ」
「フッ、寝言は寝て言うんだな、明久」
互いの手に13枚ずつのカードが配られる。
……そして数分後……
「ふむ、ここまでの傾向から考えて、お前のその伏せカードは7だな」
「っ!!」
「その顔は正解のようだな。なら、消去法でお前の出したカードは8。これで止めだ」
「……ふっ、今日の所は僕の負けのようだね」
「そういう台詞は一度でも勝ってから言え」
まぁ、トランプで遊んでいた。
と言っても1対1で遊べるトランプゲームって意外と少ないけどね……
え、明久の課題?
終わってるわけ無いじゃん♪
……まぁ、サボるのは織り込み済みなのか、提出期限は一週間後なので多分大丈夫だろう。多分。
って言うか、もっと人数を増やして遊べるゲームのバリエーションを増やしたいんだが……
雄二は霧島と仲良くしていた罪でFFF団に追われている。あいつらも懲りないなぁ……
僕と同じように自習課題を速攻で終わらせた霧島もさっきまで来ていたんだが、雄二を追ってどこかに行ってしまった。
島田は真面目に頑張っているようだ。姫路はそれを教えている。邪魔したくはない。
康太は……
『
『…………屋上、いや、そこからグラウンドに降りる気のようだ』
『総員聞いたな!! グラウンドに人を送れ!!』
……須川に情報をリークしているようだ。まあ、死者が出ないなら問題は無い。
それにホラ、恋には障害があった方が燃えるって言うだろ♪
で、秀吉は……昼休み中にどこかに行ってしまった。まだ戻ってこないんだが、大丈夫だろうか……?
ガラガラガラ
「た、ただいま……なのじゃ」
「おお、おかえ……」
……り……?
「あ、秀吉、お帰り。随分遅かったね」
「う、む。少々用事があっての」
…………さて、どうしたもんかなぁ……?
「……あれ、う~ん……」
「ど、どうしたの、じゃ?」
「なんか……いつもと違うような……」
「き、気のせいではないかの!」
明久、無駄に鋭いなぁ……
木下も困ってるぞ。
「う~ん……最近の秀吉は何となく凛々しくなってきてる気がするけど……
……今はなんだか可愛らしい感じがするんだけどな……」
「か、可愛い!?」
何だろう、このコント。
……でもまぁ、とりあえず……
「木下、ちょっと来てくれ?」
「え? えっと……うむ」
…………聞かせてもらおうか。お前たちに何があったのか……