既にどこかで会っている方はお久しぶり。
今回投稿させて頂いた天星です。
こんな作者の小説ですが、少しでもお楽しみ頂ければ幸いです。
それでは、ご覧下さい。
プロローグ
4月の定番の行事と言ったら、どんなイメージが浮かぶだろうか?
入園式、とか答える人は今年に入園するお子さんが居る家庭か、もしくは幼稚園のスタッフだろう。
入学式と答えるのであれば、卒園、卒業を終えてすぐの人かな?
進級と答える人は……それが印象に残った人なのだから、割と危なかった人かもしれない。
留年と答えた人は……ドンマイ♪
そして今の僕の場合は、『クラス分け』かな?
僕の通う文月学園では、2年以上になると学力毎にクラス分けされる。
AクラスからFクラスの6つのクラスだ。
一年間の成績を見て学力毎に分ける事で、生徒の技量に合った授業をする為……だけならまだ生易しい。
この学校は格差社会を絵に書いたような学校だ。
より具体的に言うなら、設備の格がクラス毎に違う。
一言で言うならAクラスは豪華ホテル、Fクラスは廃屋だ。
え? 言い過ぎ? いやいや、そんな事は無い。
まあとにかく、そんな訳もあってクラス分けが印象に残るのも無理は無いと言えるだろう。
そんな事を考えながら登校していたら、学校が見えてきた。
校門の前には筋骨隆々の教師が立っている。
「おはようございます、鉄人先生」
「おう
あとその呼び方は止めろ」
「良いじゃないですか。折角生徒が付けてくれた愛称なんですから」
『鉄人』という名は補習の鬼の代名詞であり、生徒からは恐怖の象徴として使われるものなので決して
ちなみに補足しておくと、鉄人の本名は『
「全く……まあいい。受け取れ」
「あ、やっぱり先生が通知係でしたか。
朝早くからお疲れ様です」
よく見ると鉄人の足元にダンボールが置いてあり、その中には沢山の封筒が入っている。
あの中に生徒それぞれのクラス分けが書いてある……のだろう。
「鉄人先生も大変ですね。わざわざ学校の方針でこんな事しなきゃならないなんて。
普通の学校だったら一斉に張り出せば済む話でしょうに」
「まぁ、ここは注目されている試験校だからな。
色々と変わった方法を取らなければならない」
その口ぶりから察するにまだ色々と面倒な事がありそうだな……まぁ関係無いケド。
んで? 僕のクラスは……と。
[
「……鉄人」
「どうした?」
「これ……妹のです」
「ん? ……済まない。間違えた」
300人分の封筒か……間違えるのも無理はない……のか?
「あったあった。これだ」
「ありがとうございます」
では改めて……
[
「ところで、一つ訊きたいんだが」
「何でしょうか?」
「お前の実力ならDかCまで行けたんじゃないのか?」
おお、鋭い。確かにその通りだ。でもね……
「鉄人先生、僕にとっては設備よりも、あいつらと一緒に楽しむ方が大切なんですよ」
「……まぁ、お前が後悔してないのならいいさ。
しっかり励めよ!」
「はい!!」
こうして、僕の高校二年生の生活は始まった。
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