1人と1匹   作:takoyaki

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社会人になりました!
そして、本編が少し区切りがついたので、お礼を兼ねた悪ふざけをぶち込みました(笑)


いや、部屋の片付けがてら、べる○バブを読んでいたら無性に書きたくなりました



もう一回言うけど、悪ふざけですよ( ´ ▽ ` )ノ
本編には、繋がりません
本編を楽しみにしてた皆さん、申し訳ありませんm(_ _)m


Gift!!
裁判!


「えーっと、なにこれ」

目を開いたホームズの一言はまずそれだった。

見回せど見回せど、辺りは真っ暗。

光なんてどこにもない。

そう呟いた瞬間、光が目の前を照らす。

そこに居たのは、

「ミラ?」

ミラだった。

なんだか、黒いマントのような様な服を着ている。

「なにその格好?」

「被告人黙れ」

「被告人?!つーか、黙れっつた?!」

ホームズは、驚いて辺りを見回す。

そして、明かりが照らされていることにようやく気づいた。

光に照らされたそこは、法廷だった。

「なにこれ?」

「被告人、黙れと言ったはずだ」

「すげー圧迫感あるんだけど……」

ミラの目力込みの言葉にホームズは、思わず頬が引きつる。

「静かになったな、それでは検察側、奴の罪状を」

「はい」

そう言って立ち上がったのは、レイアだった。

「いや、待って待って………」

「それでは、読み上げます!」

元気いっぱいにそう言うとレイアは、読み上げる。

「えーっと、罪状は………」

レイアは、読み上げようとする。

しかし、時間ばかり流れて行き、全くもって進みそうにない。

「ジュード、何書いてあるかよくわからないよ」

ついにジュードに助けを求めた。

「いや、分からなくてもいいから読めばいいんだよ」

「いい訳ないだろう!!

裁判長!検察の交代をお願いします!!」

「被告人、貴様の要求を却下する」

「貴様とか言ってるんだけどっ!!君、本当に裁判長?」

ホームズの言葉を無視してミラは、傍聴席にいるジュードを呼ぶ。

「ジュード、取り敢えず来い。

要約して読んでやるといい」

「分かった」

そう言って、ジュードは、傍聴席から出てくる。

「……つーか、傍聴席まであるんだ……なにこれ?」

ホームズは、げんなりしながら二人が罪状を要約している作業を眺める。

時間が過ぎること、二十分。

「読み上げます!」

「元気だなぁ………」

「被告人、ホームズ・ヴォルマーノは……」

そこで、言葉を切る。

 

 

 

 

 

 

 

 

「致命的にダメである」

 

 

 

 

 

 

 

 

「異議ありぃっ!!」

「被告人の異議を消去する」

「せめて却下にしてよ!

つーか、二十分かけて要約した文章がたったの一行って、どういう事?!」

「それぐらい、ホームズの性格は、完結なんだよ」

「字違う!!終わらせんな!!」

正しくは、簡潔である。

「なんか、ホームズのいいところが色々書いてあって邪魔だったから消していったんだけど」

「消さないでおくれよ!!

なんで消しちゃうの?!」

「いや、だってそれだと趣旨がづれるし……」

「趣旨て何?!」

 

 

 

 

 

「それでは、検察側説明を」

「はい!」

「元気だなぁ………」

 

 

 

 

 

こうしてホームズの罪状が読み上げられる。

「被告人、ホームズ・ヴォルマーノは、主人公にあってはならない……」

「レイア。ホームズは、主人公じゃないよ」

「……あ、そっか。えーっと、色々と行為が目につく、これでいい?」

「いいと思うよ」

「よくないよ、おれが何したって言うんだい?」

ホームズの言葉にミラ裁判長が、木槌を強く叩く。

「被告人、うるさい」

「はい……」

ホームズは、そう言って静かになる。

「まず、コーヒーが飲めない」

「は?」

「船酔いをする」

「ちょっと待って」

「それから、モテない」

「待って」

「子供」

「いや、あの」

「基本胡散臭い」

「………」

「それから……」

「ストーップ!!」

ホームズは、全力で叫ぶ。

張り上げた声にレイアとジュードは、驚いたような顔をする。

「タダの悪口じゃないか!!

どういうことだい!!

つーか、さっきから思ってたけど、何なんだこれは!!!どうしてこんな事をやってるんだい!?」

「何って、貴様を裁いているのだ、ホームズ」

「はぁ?!」

ミラはホームズの顔を見ると面倒臭そうにため息をつくと、レイアを見る。

「レイア、説明を」

「はい」

そう言って、レイアは、見覚えのあるメモ用紙を引っ張り出す。

「えぇーっと、ホームズの評価なんだけどね、感想から抜粋させてもらうんだけど……」

「感想ってなに?」

「えぇーっと、ホームズの事を色々と評価してくれる人もいるんだよ」

「それで?」

レイアは、言いづらそうに目をそらす。

「それがね、うん、ちょっと的を射ているていうか、裁いた方がいいかもっていうか……何ていうかね、まあ、読むね」

そう言ってレイアは、メモ用紙に書いてあることを読み上げる。

「ホームズは、個人的には好きだって」

「………」

「分かってるとは思うけど、これって、私は、好きだって事だよ。

他の人からは、嫌われる可能性が高い」

ジュードの丁寧な説明が入る。

「次は、エリーゼより子供」

「どういう事だい?」

ホームズは、不思議そうに首をひねる。

「まんまの意味だよ」

ジュードは、半眼で返す。

「後はね…………というか、これが決定的なんだけど、『オリキャラだけど、テイルズの中では、一位二位を争うダメキャラですね』だって」

レイアの憐れみの目線にホームズは、いたたまれなくなって指を突き合せる。

「いや、でもさ、ほら、ダメな子ほど愛らしいって………」

「因みにその人にとってのダメキャラって、長髪ルークと自分に自信がないルカだって」

そう言うと、レイアは、バンっと机を叩く。

「分かる!?これ相当だよ!長髪ルークなんて、基本的にネタとして使われてて、笑いを誘うけど、プレイしてみると、笑えないくらい最悪だからね!

ルカだって、自分に自信がない頃なんて見ててイライラするんだよ、殆どかまってちゃんに近いし!

というか、ヒロインと兄貴ポジの子にも言われるからね!」

「ちょ、ちょっと、レイアさん?だれか乗り移ってない?」

「そんなのと並べられるって……ホームズ相当だよ!! 分かってる??」

ホームズは、迫力と筋の通った説明にグゥの音も出ない。

「取り敢えず、以上です」

「ふむ、検察側の話だけでもいいんだが、それでは裁判ではないのでな」

そう言ってミラ裁判長は、木槌をカンカンと二回叩く。

「弁護人前に」

そう言って、ホームズの右隣に光が当てられる。

光に照らされた弁護人、それは……

 

 

 

 

「エリーゼ・ルタスです」

『ティポだよー』

 

 

 

 

 

「チェンジ!!チェンジお願いしまーす!!!」

ホームズは、直ぐに声を上げた。

そんなホームズにエリーゼは、頬を膨らませる。

「どういう意味……ですか?」

「こっちのセリフだよ!

つーか、よく引き受けたね」

基本的にホームズは、エリーゼに脅されたり、色々言われたりと碌な目にあっていない。

因みに言うなら、ホームズ自身も碌な目に合わせていない。

「じゃんけんで負けたんです」

「思ったより理由が酷い」

ホームズは、先ほどから頬が引きつったままだ。

「弁護人、弁護を」

ミラ裁判長に促され、エリーゼは罪状を読み上げる。

「えーっと、ホームズにもそれなりにいいところがあり……ます?」

早速疑問形だった。

そんな不安の中、エリーゼが紙を読み上げる。

「高い目標がある」

『モテたいんだよねー!』

「少年の心を忘れていない」

『精神年齢が低いぞー!!』

「甘いものが好き」

『コーヒーをブラックで飲めないー!!』

「嘘をつかない」

『本当のことも言わないぞー!!』

「自分の足で歩いていく」

『乗り物酔いー!!』

「二股をかけない」

『そもそも、そんな相手がいないー!だって、モテないもんねー』

エリーゼとティポは、そう言って紙をしまう。

 

 

 

静まり返る法廷で、エリーゼは、締めの言葉を告げる。

 

 

 

 

「以上です。ホームズには、こんなにいいところがあるんですよ」

 

 

 

エリーゼは、満面の笑み(棒読み)で言い切った。

 

 

 

「君、確信犯だろう!!最後にティポが要らない事を色々入れるもんで最悪な事になってるよ!」

ホームズのツッコミにエリーゼがしらっとした目を向ける。

「頑張って良いところを探しただけでも褒めて欲しいくらい……です」

エリーゼの言葉に、レイアがうんうんと頷いている。

そして、レイアの隣にいるジュードが口を開く。

「………というか、裏切ったよねホームズ」

ジュードの一言にホームズは、ぎしりと固まる。

こればかりは、言い訳のしようがない。

「私は、腹を蹴られたわ」

ローズがいつの間にか、ホームズの隣にいた。

「あぁ、そう言えばそうでしたね」

ローズと同じくいつの間にかホームズの隣に来たローエンも納得する。

そして、傍聴席から手が上がる。

手袋をした手、アルヴィンだ。

「出会い頭じゃ俺と、ミラと優等生とお姫様は、戦ってるぜ」

出てくる出てくる、ホームズの罪状。

流石にホームズも焦る。

しかもどれこれも言い訳のしようがない。

ホームズは、冷や汗を流す。

「べ、弁護人、弁護を……」

そう言って弁護席を見るが、そこにはエリーゼがいなかった。

代わりに「おやすみなさい」の立て札。

「裁判長!!おれの弁護人がいないのですが!!」

「あぁ。被告人の良いところを探そうと頑張って昨日寝ていないんだ。

大目に見てやってくれ」

「おれのいいところって、そこまでしないとないのかい!?」

「まあ、安心しろ。代わりを呼んである」

ミラ裁判長が言うと、弁護席に黒猫、ヨルがポンと現れた。

ホームズは、その姿を見た瞬間血の気が一気に引くのを感じた。

「チェンジ!チェンジお願いします!!

つーか、さっきから何でおれの弁護人マトモなやつが来ないんだい!?」

「被告人、うざい」

「そんな言い方ある?!」

心底鬱陶しそうにミラ裁判長をホームズに言うとヨルの方を見る。

「弁護人?弁護にゃん?異議はあるか?」

ミラ裁判長の言葉にヨルは尻尾を上げる。

異議があるようだ。

そう、ヨルに異議があるのだ。

ホームズは、少しヨルの事を見直す………

 

 

 

 

 

「にゃんでも人でもない」

「そこじゃないだろう?!」

 

 

筈だった。

 

 

 

「分かってはいたけど、弁護しておくれよ!!」

ヨルは、そんなホームズを一瞥すると、それはそれは、底意地の悪い笑みを浮かべ、口を開いた。

 

 

 

 

 

 

 

「異議はない。適当に罰を与えとけ」

 

 

 

 

 

 

「こんの、クソ猫ぉーーー!!」

命のかかっていない場面で、ヨルが助けてくれる訳がなかった。

「判決を言い渡す」

ホームズの叫びも虚しくミラ裁判長は、木槌を叩く。

「被告人ホームズ・ヴォルマーノは、色々ダメなので……」

「なに?!色々ダメって!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「よって、エスプレッソの刑に処す」

 

 

 

 

 

 

「なんだって?」

ホームズは、首を傾げる。

 

 

 

そんなホームズの前に、普通のコーヒーカップに並々と注がれたコーヒーが出された。

 

 

 

 

 

 

「これは?」

「エスプレッソだ」

「いや、それは知ってる。知ってるんだけど、おれの知ってるエスプレッソと大分量が違うんだけど……」

コーヒーの種類のエスプレッソ。

エスプレッソは、コース料理の最後に小さめなカップに入れられ、出されることがある。

勿論喫茶店でも飲める。

特徴としては、とても苦いこと。

調子に乗って飲むとかなりの苦さに驚く羽目になる。

正しい飲み方は、砂糖を大量に入れ、そのコーヒー風味の砂糖を食べるように飲むというものである。

「ミラ、一応聞いておくけど、砂糖は?」

「入れるわけがないだろ」

「……これどうやって作ったの?」

「幾つか、一般的な量のエスプレッソを作りそれをこのカップに入れた」

つまり濃度は、全く変わらない。

最高濃度の状態だ。

コーヒーのブラックが飲めないホームズにこれ以上の罰はない。

「…………」

冷や汗が止まらない。

無言で逃げようとするが、周りにいたローエン、ローズ、ジュード、レイア、アルヴィン、ヨルに捕まり、拘束される。

ミラ裁判長は、裁判長席から下りると、コーヒーカップを持つ。

「さあ、飲め」

「わあい、イケメンボイス」

ホームズは、げんなり言うがそんなこと関係なく、ひたすらミラは、エスプレッソを勧める、いや、進める。

無情に目の前に迫り来るエスプレッソにホームズは、涙が出そうになる。

「エ……エ……エ」

 

 

 

 

ホームズは、ゴクリと唾を飲む。

 

 

 

 

 

 

 

「エスプレッソォォォォオオオ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 

 

 

 

「エスプレッソォォォォオオオ!!」

 

 

 

 

 

ホームズは、叫びながら起きた。

「ゆ、ゆめ……か」

「いや、なんの夢みてたの?」

一緒の部屋にいたジュードは、パタンと読んでいた本当を閉じて尋ねる。

「ほっとけ、どうせ下らん夢だ」

ヨルは、寝ているところを起こされて不機嫌そうにジュードに言う。

「エスプレッソを飲まされる夢」

「……それだけ?なんか、チェンジとか言ってたけど」

「………色々だよ」

悲しそうに言うホームズにジュードは、何だかそれ以上は、言えなかった。

「悪夢でも見てたの?」

「悪夢というか、なんか色々疲れる夢だった」

「……そう。まあ、よくわかんないけど、夢のことだから、そんなに気にしなくていいんじゃない?」

ジュードの言葉にホームズは、思わず泣きそうになった。

そんな事を話していると、がちゃりとホームズ達の部屋の扉が開かれる。

入ってきたのは、レイアとエリーゼだ。

二人とも眠そうに目をこすりながら入ってきた。

「……なに?なんか、『エスプレッソォォォォオオオ!!!』とか聞こえたけど、なんかの刑でエスプレッソでも飲まされる夢でも見たの?」

「……凄いね、見てきたように」

ホームズは、頬の引きつりが止まらない。

よりにも寄って今は、会いたくない検察官(レイア)と、弁護士(エリーゼ)がやってきた。

ホームズは、少し考え込むと、エリーゼに質問する。

「あのさ、おれのいいところってどんなところかな?」

「えっ?」

エリーゼは、その難しい質問に眠気がすっかり冷めたようだった。

そして、目をそらして真剣に考え込む。

やや間があって一言漏らす。

「……一晩もらっていいですか? 寝ないで考えるので」

「あぁ、うん。やっぱ今のなしで。

ゆっくり寝て、お休み」

そう言って首を傾げているレイアとエリーゼを部屋から追い出した。

 

 

 

 

 

 

 

「正夢だった………」

 

 

 

 

 

 

ホームズは、そう言って枕を濡らしながらもう一度眠りについた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「エリーゼ、なんかあるでしょ、ホームズのいいところ」

『まあねー』

ティポがふよふよと浮いて答える。

「言ってあげなよ。きっとホームズも喜ぶよ」

レイアの優しい言葉にエリーゼは、心底嫌そうな顔をする。

「それがやなんです」

『絶対、調子乗るもんねー!』

「……だね」

レイアは、ハハハと苦笑いしてもう一度眠りについた。







いつも1人と1匹を読んでくれる皆さん、そして感想を書いてくれるみなさんへ、何かお礼をしたいな……と常々思っていまして、感想でのことをお話しに出来ないかとあれこれ考えていました。

そんな矢先に前書きに書いた漫画を読んで、「よし、これだ!」となった訳です。
結果はまあ、うん……何を間違えたらこんな事になるんでしょうね(笑)
感想、いつも楽しく読ませていただいてます!


では、次こそ本編で( ´ ▽ ` )ノ

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