ベルセリアのpv第5弾の時、5人が勢ぞろいしていてエレノアがいないシーンがあったので、これは大丈夫か?と凄く不安になったのも今はいい思い出ですね♪( ´▽`)
てなわけで、どうぞ!
「あれ?バランさん?」
マンションに戻ったホームズ達の前からバランが歩いてやってきた。
「やあ、君たちか」
バランは、立ち止まる。
「どうしたんです?」
「新しい
そう言うと部屋の方を指差す。
「机の上に食事があるから、食べて」
「やったー!!」
エリーゼが両手を握って喜ぶ。
それをアルヴィンがじっと見る。
しばらく喜んでいたエリーゼだったが、アルヴィンの視線に気付くと顔を両手で隠してしまった。
「おぉ!あのエリーゼが照れてる」
もの珍しそうに言うホームズにローズの頬が引きつる。
「貴方、普段エリーゼの事どう思ってたのよ」
「えぇー……正直に言っていいのかい?」
「迷うなら止めた方が身のためだと思うよ」
横からレイアが忠告をする。
ティポは、口をパクパクとして準備をしている。
ホームズは、スッと視線を逸らす。
そんなホームズ達に構わずジュードは、バランに尋ねる。
「バランさん。僕達がいた場所ってどこですか?」
「研究所の向こうの丘だよ。そこで君達を見つけたんだ」
「ありがとうございます」
バランは、手を振ってその場を後にした。
ホームズ達は、それを見送るとバランの部屋へと向かった。
◇◇◇◇
一行は、食事を終えると完全に手持ち無沙汰になってしまった。
「皆はこれからどうする?バランさんの言っていた場所に行けばリーゼ・マクシアに戻れると思うけど」
ジュードの言葉にレイアは、納得する。
「だから、バランさんに聞いたんだね。ジュードは、どうするの?」
レイアの言葉にジュードは、手を握る。
「エレンピオスとリーゼ・マクシア両方を救う方法を見つけるまで帰らない」
人に帰る方法を見せながら自分は、残ると言っている。
これは、つまり一行を巻き込みたくないということだと。
「ジュード、私たちじゃ役に立ちませんか?」
エリーゼが立ち上がって尋ねる。
するとジュードは、首を横に振る。
「もちろん。みんなのやりたい事が、僕と一緒なら残って欲しい。役に立つとか立たないとか、それ以前に心強いよ」
ジュードの言葉にローエンが腕を後ろで組む。
「しかし、
ミラが頷く。
「だからこそ、今一度これからの行動を自分で決めて欲しいのだな?」
ミラの言葉にレイアは、目を伏せる。
「本気……なんだね。今までみたいに一緒にいたいってだけじゃダメなんだね」
重苦しい沈黙の中、ジュードが言葉を続ける。
「僕、エレンピオスに来て改めて思った事があるんだ」
ジュードは、そう言ってホームズとアルヴィンを見る。
「エレンピオスから
ジュードの言葉にローズは、迷いながら頷く。
「あの女の子達から
その先は言うまでもない。
「うん。でも
ジュードの琥珀色の瞳に力が入る。
「僕は僕なりの答えを見つけなきゃいけない」
旅の理由、答え、それぞれを自分自身で見つけなくてはならない。
沈黙の中アルヴィンが口を開く。
「俺はエレンピオスの人間が困るような答えを出すつもりはねーぜ」
ホームズは、頷いている。
「せっかく来たのにお別れってのもおれはヤダなぁ」
ホームズとアルヴィンは、さっさと答えを出していた。
まあ、当然と言えば当然だ。
対照的にエリーゼ達、特にローズは決まっていなかった。
「こうして悩んでいる間にも精霊さん達は、消えているんですよね」
エリーゼの言葉が辺りに響く。
エレンピオス人には、
両方を助けるために
「みんな聞いてくれ」
そんな中、ミラが口を開く。
「もし、
「でも、それじゃあ……」
「精霊も世界を巡る一部、人間も精霊も私が支えてみせる」
「ミラ………」
ミラの凛とした言葉にジュードは、呆気に取られていた。
「ずっと考えていたことだ。ジュードが、
そう言うとミラは、立ち上がる。
「迷っている時間が惜しい。ヘリオボーグへ向かおう」
ミラの言葉にホームズは、目を輝かせる。
「
アルヴィンは、立ち上がって言うとミラは頷く。
「それもあるが、ホームズの両親の手がかりもどうやらあるみたいだしな」
ホームズは、ミラの言葉に目を輝かせていた。
「いいのかい!?後で、おれ一人で聞いてこいとか言わないよね?」
ホームズの言葉にミラ以外微妙な顔をする。
しかし、ミラは首を横に振る。
「そんなことはない。私もお前のような奴の親がどんな人間なのか知りたい」
「凄く引っかかる言い方だけど、この際気にしないよ!」
二人の微妙な会話に遂にジュードは、苦笑いだ。
「とりあえず、四人は着くまでに答えを出してくれないかな」
ジュードの言葉にレイア達は、頷くしかなかった。
ローエンは、それを見守りながら後ろで腕を組む。
「私の役目は見守り導くこと、か………」
先頭切って出て行くホームズとそれを慌てて追うレイア。
呆れたようにため息を吐くジュードとミラがその後に続き、アルヴィンとエリーゼは、微妙に視線を交わして後に続く。
そして、最後に残ったのは、
「ローズさん。行きますよ」
「………えぇ」
ローズは、折れた刀をどうしようか迷った後持っていくことに決めて立ち上がった。
「………迷っていますか?」
「…………まあね」
ローエンの言葉にローズは、素直に頷く。
「アルクノアなんて嫌いだし、そいつらが使ってる
ローズは、そう言いつつも柄の頭をを叩く。
「でも、それがなくちゃここの人は生きていけない………」
ローズは、ホームズの背中を見つめる。
「憎みきれたら……憎み続けられたら楽なのにね…………」
寂しそうにそして愛おしそうに呟くローズは、そう言ってため息を吐いた後寂しそうに笑う。
「人間って難しいね」
「………そういうものですよ、人間なんてものは」
ローエンの言葉にローズは、頷いて返した。
◇◇◇◇
「どうしたんだい?レイア?」
ホームズは、隣を歩く元気のないレイアを見て首を傾げる。
「……………霊山でさ、わたしアグリアの手を掴んだよ。でも振り払われちゃった。『頑張ってもこの世には、どうにもならないことがあるんだよ!』って」
ホームズは、歩くスピードを少し落としレイアの歩幅に合わせる。
「ずっと考えててさ、どうすれば良かったのかな……って」
「そっか………」
ホームズは腕を組んで歩く。
「腕を掴んだのが、わたしじゃなかったら結果は違ったのかな………」
「そもそも、そんな前提が存在しないよ」
レイアの言葉をホームズは、何てことなさそうに否定する。
その言葉にレイアは、目を丸くする。
「おれはローズを、アルヴィンはプレザを、それぞれ助けようとしていた。あの時、アグリアの手を掴めたのは、君だけだよ」
「ローエンやジュードやエリーゼじゃ間に合わなかったからな、位置的に」
ヨルがひょこりと顔を出して言う。
「……レイア、お前はよくやったと思うぞ。頑張った」
ヨルの言葉にレイアは、顔を伏せる。
「頑張ったってさ…………」
うつむくレイアの肩をポンと叩く。
彼らの言葉もレイアには届かない。
そんなレイアにホームズは、もう一つ言葉を続ける。
「少なくともおれは、あの雪の降る夜、君の頑張りに救われたよ」
そう言ってピンク色の指輪を見せる。
レイアは、ホームズが何を言おうとしているかわかった。
「結構あの時は、限界だったんだよね。だけど、君が頑張って踏み込んでくれて助かった」
ホームズは、そう言って優しく笑う。
ホームズの言葉を聞いた瞬間、レイアの瞳が揺らぐ。
ホームズは、レイアにハンカチを差し出す。
「あの時の事を考えるのはいいけれど、頑張ったことまで否定しないでおくれ」
「…………うん」
ゴシゴシとハンカチで拭く。
そんな二人を見ていたヨルは、尻尾を揺らして前に視線を向ける。
「さて、話すのもいいが、どうやら動きがあったようだ」
ヨルが尻尾で指し示すその先には、逃げ惑う人々の姿があった。
ジュード達は、逃げ惑う男の一人に慌てて駆け寄る。
「何があったんですか!?」
「ヘリオボーグが襲われた!」
ホームズが目を丸くする。
「信じられない!仮にも軍の研究施設だぞ!」
「軍の………」
ローズは、ポツリと呟く。
「しかも、奴ら
信じられないことを体験し口を荒げる男性の言葉にホームズは、首を傾げる。
「ジンテクス?」
「
アルヴィンが説明する。
ホームズは、途中まで頷いて顎に手を当てる。
「
そこまで言って言葉を失う。
このエレンピオスで、精霊術が使われた。
精霊術を使えるのは、リーゼ・マクシア人のみだ。
「まさか、ガイアスがもう!?」
ジュードの言葉にミラは、頷く。
「あり得るな」
「バランが心配だ、早く行くぞ」
アルヴィンが言うと頷く。
ホームズは、男性に尋ねる。
「馬車とかあります?」
「あるにはあるが、六人乗りだ」
一行は、全部で八人。
二人は、余ってしまう。
ホームズは、一つの可能性に気づくが黙り込む。
「ホームズ、お前何考えたか当ててやろう」
ヨルの言葉にホームズは、すぐ頷く。
「うん。六人が先行して、二人が追うのがいいと思うよ」
「違うだろ」
「………………」
「ホームズ、何を思いついた」
ミラの有無言わせぬ口調にホームズは、ため息をついて説明する。
「六人乗りだろう?だったら、ミラかレイアの膝にエリーゼを座らせれば七人乗れるだろう?」
「だが、もう一人は?」
「馬車の屋根に乗ればいいんだよ」
ホームズの言葉にミラは、頷く。
「現状その手しかないな。それでいこう」
ホームズの提案を二つ返事で了承するミラにホームズが慌てる。
「待って!誰か馬車の屋根に乗らないといけないんだよ!」
そんなホームズの言葉にミラは、きょとんとした顔をする。
「お前が乗るのではないのか?」
ミラの顔にあるのは、素直な疑問だけだ。
ホームズの顔から血の気が引いていく。
「絶対言うと思った!!だから、言いたくなかったんだよ!!どうしておれなんだい!?」
「お前がこのメンバーの中で、一番バランス感覚がいいからだ」
ミラは、そう言って指をさす。
「カン・バルクの闘技大会の時あんなところで、飛んだり跳ねたりしていたお前以上の奴はここにいない」
ホームズの頬をたらりと汗が落ちる。
理不尽ではあるが、ミラはホームズのことを信用しているのだ。
商人としては、信用には答えなくてはならない。
「〜〜〜〜〜〜っ!あぁ、もう分かった!それで行くよ」
ホームズは、そう言うと案内された馬車の屋根に飛び乗った。
ホームズが乗ったのを見届けるとミラ達が乗り込む。
全員乗り込むと、ミラは行者に声をかける。
「至急、ヘリオボーグの研究所まで行ってくれ」
「…………わかりました。飛ばしますのでしっかりつかまっていてください」
行者は、静かにそう言うと馬に鞭を入れて走らせた。
ガタガタと揺れる馬車にホームズは、必死に振り落とされないようつかまっていた。
「だから、言いたくなかったんだよ……」
馬車の上に乗るのにバランス感覚がいるかと聞かれたら、まあ、それ以前の問題ですよね。
そう言えば、もう二週間近く前ですが、今をときめく「君の名は。」を見ました。
文句なく面白かったです。とりあえず、空いた頃にもう一回見に行きます。
そう言えば、見終わったあと後ろで女の子達が、「神木くん意外に声の演技上手かった」とか言っていましたが、そりゃそうでしょう。
もう、十年近く前に「ピー」だけで、感情表現全部やったんですからね……
ではまた、百九十九話で( ´ ▽ ` )ノ