1人と1匹   作:takoyaki

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百五十六話です。



ベルセリア載ってましたね!!


ライフィセットでしたっけ?


とりあえず、この子ヒロインってことにしとけばもう論争起きないんじゃね?(笑)


てなわけで、どうぞ


其の肆

「さあさあ!何かわからないことがあったらお姉ちゃんに聞きなさい!」

「帰るにはどうしたらいい?」

マープルは、無言でホームズにミミズを投げつけた。

「うぉ!顔を粘ついた紐が!!」

ホームズは、目を白黒させながら顔についたミミズを取り、釣り針につける。

「あら?手慣れてますわね」

「まあね」

そういってホームズは、釣り糸を池に垂らした。

ホームズとマープルはただいま釣りの真っ最中だ。

あの後ホームズは、マープルに連れられ、孤児院に釣竿を取りに行った後、この池まで来ていた。

「ここって釣れるのかい?」

「実力次第ですわ」

マープルは、そう答えながら蛙に釣り針を刺している。

まだ生きている蛙に平然と針を刺し、それを池に垂らすマープルを見てホームズの顔が引きつる。

「すごいね、君」

「珍しいですわね。あなたが、褒めるなんて。それと、君ではありません。姉さんですわ」

「はいはい」

ホームズは、そう言葉を濁しながら自分の浮きを眺める。

「にしても、釣りなんてえらいもんをチョイスしたねぇ………」

「あら?お人形遊びがよろしかったですの?」

悪戯っぽい笑みを浮かべながらそう返すマープルにホームズは、ため息を吐く。

「いや、まあ、君なりに考えてくれたんだろう?」

「君ではありませんわ。姉さんです」

「………姉さんなりに考えてくれたんだろう」

嫌そうな顔で姉さんというホームズに構わずマープルは、肩をすくめる。

「考えすぎですわ」

「……そっか」

ホームズが、そう返すと浮きがぷくりと沈んだ。

「うし!きた!」

一気に釣り上げた竿には魚が食らいついていた。

ホームズは、手慣れた手つきで針を取りバケツの中に放り込む。

「手慣れてますわね」

「当然」

ホームズは、そう言って餌を針につける。

「飢え死にしたくないからねぇ」

行商人は、街から街へと旅をする。

その間の食料は、蓄えがあればいいがない場合は、自力での調達となる。

「…………なんか、聞かなきゃよかったて、感じですわね」

マープルは、顔を引きつらせながらそう返した。

そんなことをしてる間にホームズは、再び釣り上げる。

マープルは、未だにピクリとも動かない竿を不機嫌そうに眺めている。

そんな中、マープルの竿が大きくしなる。

「お?」

「むん!来ましたわ!!私の勝利の瞬間が!!」

マープルは、歯を食いしばり勢いをつけて釣り上げる。

「あ」

筈だった。

勢いよく引っ張り上げた竿は、プチんと切れた糸だけを残してプランプランと空中を彷徨っていた。

「……………あ、僕の釣れた」

ホームズは、そう言って再び釣り上げた。自慢げに。

マープルは、そんなホームズを恨めしげに睨む。

「なんだい?実力の問題だろう?」

更に自慢げにホームズは、魚を見せびらかす。

マープルは、無言でホームズの魚の入ったバケツを池に向かって蹴り飛ばした。

「あぁー!!君!何するんだい!!」

「その嫌味ったらしい言葉遣いどうにかなさいませ!!それと君ではありません!姉さんです!」

「だったら、姉さんらしい言動見せたまえ!」

二人は竿置いて掴み合っていた。

とはいえ、ホームズの方が体格も年齢も上の為、圧倒的に有利だ。

ホームズは、マープルを担ぎ上げると池に向かって投擲の姿勢を取る。

マープルの抵抗をホームズは、高笑いして、相手にしない。

「フハハハハ!逃げた魚、せいぜい自分で捕まえたまえ!」

「………こんの!!」

マープルは、渾身の力を込めて先ほどまで握っていたミミズを大口開けているホームズに叩きつけた。

「──────!!」

口の中をのたうちまわるネバネバとした紐とそして、味わったこのない奇怪な味。

ホームズは、パニックに陥り、ドタバタとしているうちに足を滑らせ、

 

 

 

 

「「あ」」

 

 

 

マープルを抱えたまま池に落ちていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 

 

 

 

 

 

「何をしてるんだい、君たちは」

「「ちょっと水浴びを」」

仕事を終えて帰ってきてみればホームズとマープルは、びしょ濡れ。

ルイーズは、ため息を吐いて、ゴソゴソと鞄を漁る。

そして、引っ張り出したのは、子供ようの綺麗なロングワンピースだった。

「ほら、マープルちゃんこれに着替えたまえ」

「はい」

「母さん、何でそんなものを?」

「昔君に着せようと思って」

「え?」

「………冗談だよ」

「やべぇ……冗談に聞こえない………」

ルイーズからの不自然な間にホームズは、顔を引きつらせる。

ホームズは、それをどうにか頭の片隅にどけて自分の着替えを探す。

「それで?売り上げの方は?」

「まあ、上々だねぇ。後はこの金を元手に何かこの村の特産品でも買っていけばいい感じだよ」

ホームズは、なにか良い特産品は、ないかと頭を捻る。

「あれはどうだ?その辺に生えているアオイハナ」

ヨルがホームズの頭上で提案する。

アオイハナは、確かにこの村の一大特産品だ。

しかし、ホームズは首を振る。

「いや、生食品を持ち運ぶはめになるから無理だねぇ」

果物等なら熟す前に収穫したものを運ぶという手もある。

しかし、辺り一面に咲き誇っているアオイハナを見る限り、それが出来るとは思えない。

恐らく持ち運んでいるうちに枯れる、最悪の場合腐る。

しかし、ヨルは不服そうだ。

「んなこと言ってたら、このアオイハナがこの村を支える特産品なんぞにならんだろ。何か方法があるはずだ」

ヨルの最もな言い分にホームズは、肩をすくめる。

「勿論あるよ」

ホームズは、そう言って人差し指をピンと立てる。

「ただし、僕たち(精霊術の使えない奴)には、無理だ」

ヨルはホームズが何を言いたいかようやくわかった。

「なるほど……加工品でも探すしかないな」

「そゆこと」

ホームズは、そう言い終わると予備のポンチョを羽織った。

そんなホームズにルイーズは、じっとりとした目を向ける。

「それで?君たちは、いつまでそこにいるつもりだい?」

「は?」

ホームズが首を傾げた瞬間ルイーズから、鋭い蹴りが飛んできた。

「ふぐぉっ!!」

ホームズは、そのまま部屋の外へと蹴り飛ばされた。

「レディが着替えをするんだ。とっとと出て行きたまえ」

ルイーズは、そう言うとノータイムで鍵を閉めた。

扉が閉まる時に見えたマープルのゴミを見る目が嫌に記憶に残った。

 

 

 

 

 

 

 








この子書いてて楽しいなぁ…………


そう言えばみなさんクリスマスは、どう過ごしましたか?
私は、イブは仕事。
本番は、半休取りましたが、疲れて家帰って寝て起きたら夕飯でした。
そして、その後風呂入って普通に寝ました………
これだったら去年の方が楽しかったなぁ………殴られたけど。
そう言えば去年は、新年企画とかやってましたね………
やりたいけど、今彼らスゲェ仲わるいからな………



なんか思いついたらやりますね


では、また百五十七話で( ´ ▽ ` )ノ

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