概要
自由惑星同盟は数百の星系政府からなる連邦国家である。立法府の同盟議会、行政府の最高評議会、司法府の最高裁判所による三権分立体制を採用している。同盟議会議長が国家元首を兼ね、最高評議会議長は同盟議会代議員から選出される。
A.自由惑星同盟議会
自由惑星同盟の立法府にして国政の最高機関。代議員は一期3年で全員が改選される。定数は約1600。小選挙区制で星系を単位として1000万人あたり1選挙区が設置されるが、人口が1000万に満たなくても必ず1選挙区は置かれる。最高評議会の議長以下の評議員人事は同盟議会の承認を得なければならない。全議席が小選挙区で選出されるため、戦争の勝敗や政治家の不祥事などが引き起こす”風”に左右されやすく、政権が不安定になりがちという制度的欠点を抱える。
①同盟議会議長
立法府の長で同盟代議員から選ばれる。任期は次の代議員選挙まで。自由惑星同盟の国家元首を兼ねるが、儀礼的な存在に留まっている。ルドルフに簒奪された銀河連邦の反省から、最高評議会議長との兼職は禁じられている。
B.自由惑星同盟最高評議会
自由惑星同盟の行政府。政令制定・予算案作成・官僚人事・外交などを担当する。議長以下の評議員は全員同盟議会代議員から選ばれる。評議会の下には国務、国防、財政、法秩序、天然資源、人的資源、経済開発、地域社会開発、情報交通の九委員会と書記局が置かれている。評議会のトップは議長。議長以外の評議員は各委員会の委員長と書記局の長を兼ねる。
①最高評議会議長
行政府の長で同盟代議員から選ばれる。任期は代議員と同じ3年。評議員の指名権、条約締結権、同盟軍の最高指揮権を始めとする強力な権限を持つが、すべて同盟議会の承認を得なければ行使できない。同盟議会の最大会派から選出される慣例になっているが、連立政権が常態化している近年は他会派から選出されることも多い。戦時体制下で元首権限を代行しているため、一般には(事実上の)元首と認識されている。
②最高評議会副議長
評議員の中から選ばれて議長不在時に代理を務める。国務・国防・財務の三委員長のうちの1人が指名されることが多い。
③国務委員長
自由惑星同盟を構成する各星系政府間の調整を担当する国務委員会の長。評議員の中では最も序列が高く、議長と副議長が同時に欠けた場合の議長権限継承順位筆頭にある。
④国防委員長
軍事行政を担当する国防委員会の長。最高指揮官たる議長の下で同盟軍全軍を統括する。5000万人の巨大組織の頂点に立ち、財政支出の過半を占める巨額の軍事予算の配分権を持つ国防委員長は絶大な権力を持つ。議長権限継承順位第二位。
⑤財政委員長
財政・金融を担当する財務委員会の長。他の委員会への予算配分権を握っており、国防委員長に次ぐ権力を持っている。戦時立法の「臨時資金調整法」に基づく金融統制の責任者。財政規律重視派の人物が就任すると、軍事予算を削減しようとして国防委員長と対立が生じる場合がある。議長権限継承順位第三位。
⑥法秩序委員長
司法行政を担当する法秩序委員会の長。全国レベルの警察組織である国家保安局、国家捜査局、麻薬取締局を統括するとともに各星系・各惑星の地方警察の間の調整も行う。議長権限継承順位第四位。
⑦天然資源委員長
天然資源行政を担当する天然資源委員会の長。戦時立法の「資源活用促進法」に基づく資源統制の責任者として経済界に影響力を持つ。議長権限継承順位第五位。
⑧人的資源委員長
教育行政や労働・福祉行政を担当する人的資源委員会の長。同盟の教育行政は星系ごとの独立性が高く、人的資源委員会は調整機関としての役割が大きい。議長権限継承順位第六位。
⑨経済開発委員長
産業行政を担当する経済開発委員会の長。戦時立法の「平和協力法」に基づく産業統制の責任者として経済界に影響力を持つ。議長権限継承順位第七位。
⑩地域社会開発委員長
開発行政を担当する地域開発委員会の長。惑星開発事業や社会基盤整備事業を統括しているため、利権にありつきやすい。議長権限継承順位第八位。
⑪情報交通委員長
情報行政や交通行政を担当する情報交通委員会の長。メディアの監督者だが、監督権が公視されることはほとんどない。メディア出身者が就任することが多い。議長権限継承順位第九位。
⑫最高評議会書記局長
最高評議会の事務を担当する書記局の長。評議員中では最下位だが、直接議長を補佐するポストであるために側近中の側近が指名される。議長権限継承順位第十位。
各委員会は評議員の委員長の他、代議員から選ばれる副委員長と委員、事務総長や各部部長以下の事務局の官僚で構成されている。委員長と副委員長と委員は委員会の意思決定及び事務局の監督にあたり、事務局は行政事務を担当する。
C.星系政府
自由惑星同盟を構成する星系共和国の政府。首長は星系首相。独自の議会・法律・政府を持つ。
D.惑星政府
星系国家を構成する惑星の政府。首長は知事。
原作の記述を基に作成しました。原作の解釈の1つにすぎないことを明記いたします。