境界線上の守り刀   作:陽紅

68 / 178
二章 刀、揺らがず  【中】

 

 

やらなくてもいいのに

 

やらされるときがある

 

 

 配点 《無茶振り》

 

 

 

 ***

 

 

 

 ──よーし、武蔵の良い子の皆ー! 今日は正純先生が皆のために頑張っちゃうぞーう!

 

 

 実は先生、朝からクラスの外ど……友達と一緒に体力づくりのランニングを──ん? なにかな裕君? え? なになに? 言い直さなくても外道でいい? みんなわかってる?

 

 ……だめだぞー? 世の中には建前とかいろいろ難しいのがあるし、あの連中の中には慰謝料とか言って法外な金額を容赦なく請求してくる悪ーい人たちがいるんだぞぅ? 弱みをみせちゃいけないんだっ!

 

 

 えーと、そう。ランニングをしていたら、まあ、その最後にいろいろあって──先生の、えっと、友達の一人が劇薬中毒で倒れてしまったんだ。うんうん、皆も知ってる止水って人だぞー?

 

 ……またかな裕君。なに? 『友達でいいの? 本当にそれでいいの?』うーん、裕君も武蔵っ子だねー……劇薬中毒よりもそっちに反応しちゃうかそっかー。 

 

 

 で! その友達が倒れ──こらそこー、ウエーブしちゃだめだぞー? ほらほら皆席に着いて着いて。

 で! た・お・れ・て・か・ら! なんか突然ほかの教導院が『むーさしさーん、バットリましょー』って感じにこっちの都合ガン無視で来ちゃったんだ!

 

 

 それで先生の友達の一人が指揮を取って、ちょつとあぶないかなー、ってなったけど大丈夫! 今から先生がビシッと決めて終わらせるからな!

 

 

 

「あの、正純様、現実逃避はおやめください。──戦わなきゃ、現実と」

 

 

 

 ──よ、よーし。武蔵の良い子の皆ー! 先生今から最後に、とっても、とっ──────ても! 大事なことを言うから! テストに出ないけど人として! 大切なことを言うから!!

 

 

 

「ほら、皆様お待ちです。せっかくホライゾンがいいタイミングで振ったのですから、さあ、面白い話を。

 

 ……さあ……っ!」

 

 

 

 身内に、本気で無茶な無茶振りはしちゃだめだぞぅ!? 正純先生との約束だっ!!

 

 特に、と・く・に! ビシッと決めようとした直前とか! 芸人でもないのに面白い話とか! 人生のテストに出るよ!? ホントだよっ!?

 

 

 

「うぅ……」

 

 

 ──と、つらつらと正純先生の脳内現実逃避ラヂヲをお送りしたわけだが……。そんな無駄な時間稼ぎをしても、面白い話の冒頭すら思い浮かぶわけもなく──。

 

 

 

 右側を見る。開いた通神にネシンバラが映り、『時間を稼げ』とのサイン。

 

 左側を見る。通神越しに、なんか当然のように教皇総長がふんぞり返って眺めていた。

 

 後ろを見る。ホライゾンが無表情なのに生き生きとしている、という矛盾顔でサムズアップ。

 

 

 そして前を見る。態々抗争の手を止めて、気まずそうにこちらを窺ってくる一同。

 

 

 

「Jud. ……で、では」

 

 

 ──おおっ?

 

(ま、待てぇー!? なんか変な期待してないか!? ハードルあがってないかぁ!?)

 

 

 自分を落ち着かせる為に咳払い一つ。──それでなにやら、余計に緊張感が高まった気がして更に墓穴を深くする。

 

 

 ……"なにをしても悪化するだけ"と判断し、正純は意を決した。

 

 

「わ、私自身に芸能の嗜みがないため、こ、ここは一つ、神代の時代の。笑いの神の力をお借りする」

 

 

 

 深呼吸。──覚悟、完了。

 

 

 ……いざ!

 

 

 

 

「16XX年……っ!」

 

 

 意識するのは低い声だ。幾度かの演説経験により、腹部の下のほうに力を込めれば、低く力強い──つまり、そういった声が出ることはわかっている。

 

 息を継ぎ、落とす。あとはそれを爆発させるように……!

 

 

 

 

 

 

 

「世界はっ!

 

 

 

 

 末世の炎にっ!

 

 

 

 

   ── キュクルルルゥー ──

 

 ……つっ、つまれてい、た……」

 

 

 

 ──場違いな、どこか、鳴き声のようにも聞こえる、その音は。

 

 今まさに、力を込めた正純の腹部より、いやに響いた。場が静まり返っていたことも影響し、やたらと余韻を残して。

 

 

 血が、熱をともなって上昇してくる。上昇してきてもなお……

 

 

「どう、どうもっ! うた、歌麿、です……っ!」

 

 

 ……正純は、真っ赤な顔で。それでも……見事、最後の最後まで言い切った。

 

 

 

 不幸なのは、相手が攻めてきたタイミング……その一言に尽きるだろう。

 

 朝ごはんを抜いたランニングの後なのだ。お腹が空いていて当然であり、これに正純に否は、まあ、あんまりない。完全に無いとも言い切れないが。

 

 

 

「Jud. それでは皆様、今の正純様の渾身のギャグに、判定をどうぞ」

 

 

 ……我等が姫のセメントぶりは、特定人物以外にも有効なようである。

 

 

 

 

担 任『 笑点:30点 コメント:最後まで言い切った気概は見事。でも、もう少し内容を考えましょう。これから末世解決しにいこうってのに……ねぇ?』

 

 

教 皇『 頑張りました度:80点 コメント:まあなんだ……失敗も経験だ。今後の糧としてだな……うむ。──強く、生きろよ?』

 

 

武 蔵『 可愛さ:120点 コメント:抱きしめさせてください。────以上』

 

 

ノブ誕『 萌え度:測定不能 コメント:ムラムラしま──うわーなにをするーっ!?』

 

 

 

 辛口のオリオトライ。サウンドオンリーのお偉いさん。仕事はどうした武蔵。そして紙袋を被った不審者──がそれぞれ点数とコメント。最後の、紙袋に目の穴を開けた不審者だけ周囲の商人・政治家連合に取り押さえられていたが気にしない方向で。

 

 ……ちなみに繋がったままの通神は小西が切っていた。きっと、有志で鎮圧に出張ってくれたのだろう。

 

 

 

 

 

「あ……おーい、正純。停戦宣言っての終わっ……て、る?」

 

「おいおい……なんだいこの空気。気まずい何かがあって、さあどうしようか、って感じさね。

 ……いや、マジで何があったんだい?」

 

 

 と、そこへ。正解を正確に言い当てた直政が、止水の首にロープを結んで引きながら現われる。

 止水はその状況になんの違和感も感じていないらしく、正純を中心に形成される微妙な雰囲気の空間に、首を傾げていた。

 

 

 ……その様子に、"そっちこそ何があった"と本来ならば聞くべきなのだろうが、残念ながら、いまの正純さんにそんな余裕はない。

 

 

 一秒でも早く、この気遣わしげで、優しげで、やたら温かい視線から隠れたい一心なのだ。

 

 

「……おい、正純?」

「~~~ッ!!!」

 

 

 そんな正純がロックオンしたのは、止水。

 

 正確には……彼が袖を通さず、はためいている緋の着流し。

 

 

 ああ──そういえば、以前にあの着流しを掛けて貰った事があったなぁ──さらにそういえば、もしかしたら下着を見られたかも知れないんだったなぁ……!!

 

 

 などなどと、いらんことを思い出してしまい、それで更に体温上昇。

 

 

 

 呆け顔で首をかしげて疑問符を浮かべる止水を八つ当たり気味に睨み、そして、バッと駆け寄り、さらにそして、バサッと腰当たりの着流しを捲り上げ──上げた緋衣が落ちる前に突撃進入する。

 

 すると──

 

 

 

 

「「「「「「……」」」」」」

 

「……え、っと……なに?」

 

 

 

 アラ不思議。正純の姿が消えたではありませんか。

 

 ……いや、まあ、それは正面からだけであって、止水の真横にいる直政からは、不自然に膨らんだ着流しやら、いろいろ丸見えなのだが……。

 

 

  ──コフッ……や、やべぇ、危うく宗派変えするところだったZE……!

 

  ──あっ、もしもし? すみません。アリアダスト教導院さんですか? そちらの正副会(正純副会長をただひたすら愛でる会)に入会したいんですけど?

 

 

  ──……。

 

  ──満面の笑顔浮かべたまま気絶するってすげぇなコイツ。……武士の情けだ。鼻血面は写真に収めておくだけにしてやるよ。

 

 

 

 敵味方入り乱れてのカオス模様は見なかったことにして、直政は"何かあったのだろう……"と、そっとしておいてあげることにした。視線を反らして煙管を吹かせるそれは、どこからどう見ても『他人のフリ』でしかないが。

 

 

「これはこれは……あざとい。流石正純様あざとい……!」

 

「おい……姫さん、アンタ正純に何したんだよ……?」

 

 

 この瞬間──周りから見れば、妹をいじめっ子から守るお兄ちゃんである。

 

 ……それでも萌える紳士淑女は多かろう。

 

 

 

「む、これは心外ですね。ホライゾンは何もしておりませんとも。……Pi──記憶完全隠蔽完了。ええ、疑いになるのであれば、記憶領域の精査をしていただいても構いません」

 

「「「「「堂々と証拠隠滅しやがった!?」」」」」

 

 

 

 敵味方入り混じってのツッコミだったが、ホライゾンは微動だにしなかった。

 

 

 

「……ともあれ、正純様。そろそろ本題に入られたほうが宜しいかと。少々話が逸れすぎました」

 

 

 逸らしたのは誰だ……! と、後ろ腰の上着を強く握り詰められて、止水はため息をつく。

 ……先ほどからゴスゴスと頭突きが腰の少し上当たりに繰り出されているのは、やり場の無い、いろいろな熱量をどうにかしようとしているのだろう。

 

 

 

「はぁ……正純。とりあえずほら、停戦の宣言? だっけ? それやったか? …………あ、やってない? やらないとまずいんだよ、な? うん。それやっちまおう、なんか皆それ待ちっぽいし」

 

 

 直政視点で、ふくらみの一番上が左右に揺れた。

 

 

「《まだちょっと無理……》って──え、俺? いやそれこそ無理だって! 何言えばい──あ、代弁? 正純が言ったことそのまま繰り返せばいいのか? ……なら出来る、か? Jud.」

 

 

 ──傍から見れば一人芝居をしているようにしか見えない止水が、ノソノソとホライゾンの隣まで移動する。──後ろのふくらみは、しばらく離れる気はないらしい。

 

 

「えー……《武蔵アリアダスト教導院、生徒会副会長、本多 正純が現在行われている抗争の全面停戦を提言する!》のを代弁する、番外特務、止水だ。で……《なぜならば、この抗争は三征西班牙(トレス・エスパニア)側の誤解によるものであり、私達武蔵は──》」

 

 

 

 ──その、言葉の途中。その言葉を途切れさせること無く。

 止水はホライゾンの襟首を掴み、自分の後ろへと運んだ。正純はもう後ろにいるから、そのままでいい。直政はもっと後ろだから()()()だろう。

 

 

「《英国と協力関係にはない》……らしいんだけど?」

 

 

 

 

 突きつけられる『刃』の前に立つのは、己の役目だ。

 

 

 

 

「……それこそ、関係がないのですよ。守り刀、止水」

 

 

 ──その小柄な体には、不釣り合いなほどに巨大な、紅の義腕。淡々とした無表情の中には、しかし、氷のような戦意が含まれている。

 

 連なる刃を前に携え……。

 

 

 立花 誾が、突撃した。

 

 

 

***

 

 

 

 投擲を終えた『道征き白虎』の残身。軌跡は直線。

 

 ──緩んだ場の空気も加算され、それは間違いなく不意の一撃だった。

 

 

 的は大きい。

 

 その上、後ろに非戦闘員を二人も隠している。回避行動は取れるはずもなく、防御しようにも、片腕はその一人を隠す為に使った直後だ。戻すには数瞬ほど遅い。

 

 

「(もらいます……!) ──シッ!!!」

 

 

 鋭い呼気とともに、繰り出されるのは"突き"だ。

 

 突きを避ける為には大きく動かねばならず、防ごうにも、範囲が狭い"点"の攻撃。──それが連なっているのだから、攻略難度は跳ね上がる。

 

 

 動けず、その上、片腕も戻せない止水を相手にした場合、これ以上ない攻め手と言えるだろう。

 

 狙うは急所……よりも、確実性を狙った中心線。

 

 

 

 しかし、その連刃は緋衣を貫くことは無く。他の誰も傷つけることなく……黒白の異形に阻まれた。

 

 

 ──硬質の刃同士がぶつかり合う独特の異音を鳴らすそれは、彼女の夫が与えられ、そして奪われたモノ。

 

 

 

「『悲嘆の怠惰』……! 当て付けですか……っ!?」

 

「ん? いや、そんなつもりは全然……」

 

 

 防ぎきった当人は、あっけらかんとした素の困り顔だった。

 

 止水にしてみれば、丁度『悲嘆の怠惰』が手の届く範囲にあり、それ以上に失ってはならないものだ、と判断したが故である。

 

 

 ……咄嗟に手を伸ばして掴んだため、剣と砲、どちらの持ち手のどちらも取れず、刃の部分を握力任せに挟むように掴んでいるほどだ。

 

 

(そのような握りの悪さで、これを防ぎますか……!)

 

 

 しかし当然、そんな持ち方で安定などするはずもない。

 

 『悲嘆の怠惰』は、決して切れ味が良いとは言えない武装だが、それでも肉を断てる刃だ。

 その刃をなんの躊躇いも無く掴み──誾という達人が、白虎の武神の力を得て、不意打ちの時まで待って放った必殺の一撃を、防ぎきったのである。

 

 

(何故……これほどの武人が、今の今まで知られていないのでありますか……?」

 

 

 ……強い。間違いなく、目の前の男は強い。

 

 誾はそう判断し、それでも、その男を下すために次手を刹那に思案しようとして──高襟に隠された向こうから、声を聞いた。

 

 

()()──……ッ!」

 

「っ!?」

 

 

 ……拮抗する刃が返された。磨き上げられた艶のある白に、自分の顔が写し出される。

 この行動の意味と、そして、先ほど紡がれた言葉の意味を理解した誾は、義腕を甲板へと叩きつけて無理矢理に離脱する。

 

 つい、大罪武装としての超過駆動にばかり目が行きがちだ。しかし、『剣』としての武装で見ても、十分に脅威となる(割断)を持っていることを忘れてはいけない。

 

 

 

 

 

 ──忘れてはいけない、のだが……。

 

 

 

 大きく回避して身構えた誾だが、いくら待っても割断の斬撃は愚か、発動を意味する銘の奏上もない。

 

 数瞬が経ち、数秒も経ち。流石におかしいと首を傾げそうになった一同が、止水を良く観察すれば……。

 

 

 

 

 

   「……オェップッ……!」

 

 

 

 

 

 その彼は──真っ青な顔で、気分悪そうに口元を押さえていた。

 

 

 

 

 ……思い出してほしい。

 彼が何故、不参加のちの途中出場となったのか。

 

 

 ……思い出してほしい。

 

 ……正純が頭突きしていたのは、どこだったのか。

 

 

 

 

「……ふぅ、まったく。あ、気にしないでください。体調管理が出来ていないだけですので。ええ」

 

「それどころじゃない! いや、っていうか殆どお前のせいだからな!? ──お、おい止水!? と、トイレか!? 洗面器か!?」

 

 

 どうしようと慌てる正純に対し、返事はない。

 

 その代わりに、着流しの中から出てきた正純と、ため息をついているホライゾンを押しやり、二人を再び自身の背に立たせて、誾と対峙する。

 

 

 

「お見事……なんという男気。《お前は俺が守るから傍にいろ》と。なるほど。昨今稀に見る肉食系快益荒男。宗茂様にもそれくらいの強引さがほしかったところであります。……ゆえに、容赦なく」

 

 

 一息で一気に言い切ったため、周囲はその言葉をよく聞き取れなかったという。

 

 しかし、最後の言葉だけは、しっかりと理解した。

 

 

 二度目の突撃が、迫る。

 

 

 

「止水!?」

 

「「っ!?」」

 

 

 ──それが"走った"のは、両者の中間だ。

 

 先ほど、誾が警戒したそのものであり、彼女の行く手を阻むように、割っていく。

 

 

「──ふふっ」

 

 

 ……ああ、良かった。

 実際聞こえたわけではないが、正純はその微笑から、そんな言葉が聞こえたような気がした。

 

 飛び上がってくるのは、幼馴染。

 

 割って入る様に降り立ったのは、槍の武人。武蔵アリアダスト教導院──本多 二代。

 

 

「──すまぬ! 遅れたで御座る!」

「待ちましたとも、貴女が私の相手……いえ。貴女が、私達の相手です!」

 

 

 それから、激闘が始まるのは早かった。

 誾は二代以外が眼中に無く、二代もそれに応じるために場所も考えず苛烈になっていく。──周囲の被害を考えず、だ。

 

 

「こらー! 二代! おまえ、もっと離れたところでやれッ!」

 

「──本当ですわ、ね!」

 

 

 ホライゾンがその声に疑問を持ち、止水が青い顔ながらどこか安堵したように苦笑し、正純が一切気付かないまま。

 

 遅れてきたネイトにより、三人まとめて銀鎖に掻っ攫われて戦線を離脱した。

 ……その時、もう止めてあげて、と言いたくなるほどに──銀鎖が不幸にも止水の腹を圧迫していた。

 

 

 

「し、しら()かんら(噛んだ)……っ」

 

「緊急事態ですのでご勘弁を。もっとも……貴方は勘弁いたしま──っ!? な、なんですのそのリード……?」

 

「ん? ああ、アタシが着けたんさね。……いっけね外すの忘れてた。おい止めの字、それ外すか──?」

 

「……悪いちょっと隅イッテクル」

 

 

 リード云々も、ネイトの勘弁云々も。とにかく全てを放置して──足早に、言葉少なに、海側の艦縁へと止水は駆けて行く。

 

 

 殆ど滑り込む形だがギリギリ間に合い、縁で見事な" orz "で──いや、もはや語るまい。

 

 彼はがんばった。ただ、それだけなのだ。

 

 

 

「……で、これからどうなさるのですか正純様。『悲嘆の怠惰』で一発かましますか?」

 

「──ホライゾンさん? 少しくらいアイツのこと心配してやっても……いや、まあ、こちらの停戦宣言に武力で来たわけだから、こちらが武力で返したところで批難はない。……葵も止水もいないが……撃てるか?」

 

「Jud.拝気は日頃から蓄積しております。しっかり構え、かつ浅間様のようにテンションMAXで撃たなければ、ホライゾン一人でも余裕で抑えられるはずですので」

 

『あの! 別に私テンション上げてませんからね! 巫女ですから! ねぇ聞いてますか!?』

 

 

 視線を送ることすらせず、ホライゾンは現われた画面を手刀で叩き割る。

 

 いろいろとツッコミどころ満載な現場に苦笑しか浮かばないが、いけるならば、と正純は頷いた。

 

 

 

 力で来たのだから、力で返すことも辞さない。そう決意を固めて。

 

 

 ──力で来た相手が、より大きな力を隠していると気付かないまま。

 

 

 

 そしてこの直後。正純たちは──それに、気付くことになるのだった。

 

 

 

 




読了ありがとう御座います!

……どなたか、梅組メンバーの身長が分かる方いらっしゃいませんか……?
圧倒的に資料が……ズドン巫女様が170cmってくらいしか見付かりません……

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。