武偵校・一年A組教室
あれからもうすでに二ヶ月半が過ぎ今は7月6日。 つまり辛気くさい期末試験が終わり、ようやく夏休 み前の終業式であるのだが悠の夏休みは少々短い事 となる
「さてキンジ飯に行くぞ」
「おう」
終業式が一通り終わり昼過ぎに学校が終わり各人が 足りない単位を補うため依頼を受けたり、早々に寮 に帰ったりと様々で、そのなか悠とキンジの二人は 昼食&密談のためにあれ以来よく行くラーメン屋に 向かう
「ん?そう言や理子は」
「あぁ、なんか新しいゲーム買うとかで終わった瞬 間直ぐに出てった」
悠はそう聞いて安堵する。もし理子がついてきたら 意味をなさないため、ついてくるならどうしたもの かと思ったが思い返せば今日は木曜日だった。その まま二人は横浜・中華街で昼食をとり計画を話す
「簡単に言えばキンジが囮の尾行で、俺が本当に理 子を追う。もしキンジが見つかる又は巻かれた場合 はこっちで何とかするてことでいいな」
「あぁ、だが報酬はそれなりに貰うぞ」
「分かってる。今度ここの料理を好きなだけ頼んで いいぞ」
「今月すでに金欠だしな。よし交渉成立だ」
二人は握手してデザートに頼んだ杏仁豆腐を食べつ つ依頼のことについて話していてキンジが疑問に 思って悠に聞く。
「なぁ悠?悠は理子のことどう思う?」
「どうってそれは信じたいが……」
「いやそうじゃなくてだな…その~なんだ………不 知火にある噂を聞いたんだが、お前ら付き合ってる とか何とか」
悠はすすっていた烏龍茶を吹き出してむせかえって しまった
「ゴホゴホ、な、なんだよその噂」
「知らん、俺も不知火に聞いただけだからな」
はじめて聞いた根も葉もない噂だが、聞いていると どこから生まれたも分からないが火の無いところに 煙はたたず、の通り理子と悠がよく一緒にいるのを 見ている生徒が多いためそんな噂が立ってそのうえ 武偵校は噂が広まるのが早い。
「ないからなそんな事実」
「いや、まぁそうなんだろうけどさ」
キンジも本来はその手の話題に興味はないのだが、 強襲科で互いに生き残ってきた戦友の話題には少な からず気にしてしまう。
(まぁすぐに聞かなくなるだろう)
とその場で悠は気にせずにそのまま放置することに した。
七月九日 午後一時三十分・羽田空港
理子がフリルのついたキャリーバックを預けて搭乗口へ向かうのをつけている男がいる。天川 悠はキンジと共に理子をつけていたが、キンジは途中で案の定巻かれて本命の悠が理子をつけている。 行先は数日前に一応聞いているのでもしも聞いた場 所ではなかった場合疑いがさらに深まるだけでなく、悠はできることなら理子が正体を隠している理 由を突き止める事にしている。
「できるならこんなことはしたくはないが……」
悠は購入済みの搭乗チケットを手に理子を追い飛行機に乗る。因みに悠はエンジンがついている乗り物は苦手であるが仕方ないので乗る。
あれから数時間後・那覇空港
悠は吐き気を抑えながら飛行機を降りそのまま理子 はバスに乗り悠はタクシーに乗る。悠は少し考えを巡らせていた。
(このまま尾行していいのか?俺の信条を貫くのなら引き返した方が良いんじゃないだろうか?)と。
しかし、悠は結局理子の後を追うことにする。疑う ままなら真相を明らかにするべきだと。 そのままさらに時間が過ぎ、夜になりある港についた。そこは暗く、暫く使われていないであろう廃れた倉庫やコンテナがある。その内のひとつに悠は身を隠す。
「理子はここで何をするつもりなんだ?」
そう思いながら数分待っていると波が波止場に当たる音が変わり、海面に何かが浮かんでくる。 それは次第に浮かび上がり全貌を現す物の正体は。
「せ、潜水艦……だと?」
悠は全体を現した潜水艦を凝視するが分かったのがかつて資料で知ったものと参照して、あれが原子力 潜水艦の可能性が高いことと、ボディに描かれている『伊U』の文字のみ。
(EUか?いや、違うなまた別の……)
そうしてる内に潜水艦は理子の前で止まり、ハッチ が開きそのまま中に理子が入っていく。悠は迷った が(と言っても1・2秒くらい)身を隠していたコンテナから駆け出し、ジャケットから高周波ナイフをとりだし潜水艦に飛び乗り、落ちないようにナイフ を突き立てる。
「危なかった……」
悠はナイフを使いながら潜水艦上部によじ登り、幸 いに外部にもあったハッチの開閉ハンドルを回して開き、中に潜入した。
「のは良いんだが………どうする?」
半ばやけくそで侵入したので目的はあまり定まって ない。しかし、行動せねば始まらないと考えて悠は見つからないように探索する。
一時間後 いろいろと最低限の行動で見て回ったが、思ったより広いせいで予定より少し長くなった。
「ふぅ、そろそろ終わりにするか。?、なんだ?」
脱出しようとしていた時、ハッチのある通路とは逆から音楽が聞こえてた。おかしいと悠は思った。先程まで静かだったのに帰ろうとした途端に聞こえてきた。
(気になるが、どうするか)
暫く考えたが、図ったように聴こえてきたことにまるで誘っているようだが、あえてここは乗ることにした。
注意しながら歩いていくと突き当たりに扉があり、そのなかから音楽が聴こえてくるようでそっとドアに耳を近づけて様子を探ろうとしたが、その瞬間ドアがひとりでに開いた。
「な?!」
悠は体重をかけていたのでそのまま扉の内へ入ってしまうが、何とか踏みとどまり顔をあげるとそこに はオルガンを引いている一人の男がいた。悠は咄嗟に銃とナイフを構えると男は続けていた演奏を止め て、悠に顔を向ける。
「やぁ、天川悠くん。君を待っていたよ」
「あんたは誰だ?何で俺の名前を?」
自分の名前を知らないやつが知っていたということと、あまりにも隙がないその男と対峙して悠はさらに警戒するが、男は笑顔で悠に対して接する。
「まずひとつ目の質問だが私の事は『教授』と読ん でくれ。そして二つ目、それについては詳しく話そう」
久々です
この頃、家に帰るとそのまま晩飯たべて風呂入って寝るてしてるせいでかけなかった、ではなく書かなかったが正解?
ジージェネ買って暫くやり込みますので、また数日の間更新止まるかもです。
こんなそつない作品を応援して下さる方々すみません。