緋弾のアリア~理念の刃~   作:サカズキ

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武偵校入学試験

武偵校・廊下

 

始業式が終わり生徒達が扉から出ていく。その流れに悠も流されつつ自分のクラスがある場所まで来て探している

 

「俺のクラスは……と、ここか?」

 

開きっぱなしの一年A組の扉をくぐり後ろ手に戸を閉め教室を見回すと、何人かの生徒たちがすでに教室にいて個々に話をしていた。悠が試験の時にあった奴もいる。

 

「あ~~ゆーくんだ~!」

 

少々高めの、声がして悠が顔を向けるとそこには理子がいた。

 

「あぁ理子か。どうした?」

 

「どうした?じゃないよ~せっかく同じクラスなのに」

 

理子がほほを膨らませながら抗議してくる。なんか小動物みたいだなリスとか。でも理子はオタクなんだ。朝一緒にいるとき に悠でも知っているゲームだけでなくマイナーものまで推してきた。

 

「嫌じゃないが、理子少し声のトーン落とせ」

 

「え~やーだー!いた」

 

悠は相変わらずトーンを下げない理子にチョップを食らわした。全くと思っていると理子が悠に疑問を投げ掛けてくる。

 

「ねぇゆーくん?ゆーくんはなんで理子の事を理子って呼ぶの?はじめからそうだったよね」

 

「?、いや別に深い意味はないが……あえて言うなら俺が名前で呼ばれる方がいいから……かな」

 

悠は少し考えてたから答えた。いや間違ってない実際苗字より名前の方がいいし、家族に対する思いもある。

 

「………ゆーくん大丈夫?」

 

俯いてしまっていた悠に理子が心配そうに顔を覗かせる。悠ははっとして大丈夫だと言った。悠は話題を変えるために理子に対してこちらも質問した。

 

「それはそうと理子は何科なんだ?」

 

「理子?理子はね探偵科(インケスタ)だよ」

 

悠は少し頭が痛くなった。理子が探偵科?たった数十分話しただけで理子はアホだと分かったその理子に調べられるやつは不幸だろうな。

 

「ぶーぶー!なんか失礼なこと考えてるー。これでも理子はAランクなんだからね!」

 

理子が豊かな胸をそらしながら自慢げに言ってきた。しかしこういうやつだからこその技能の特出というものもある。

 

ガラガラー

 

先程閉めた戸が開いた。しかし悠がいたせいでなかには入れず後ずさる形となる。

 

「と、ごめん」

 

「いや俺こそ邪魔だな、すまん」

 

悠は謝りながら振り返った。するとそこにはどこかで見たような顔が………

 

「「あーー!」」

 

お互いに思い至ったようで同時に声をあげる。悠がふと教室にいる奴等のほとんどが悠ともう一人の男子を見ていた。頭を下げて謝り目の前にいる男と再度対峙する。それなりに整った顔立ちで耳までかかる黒髪で体格は悠と同じくらい。この男遠山キ ンジには嫌でも記憶にある。 それは試験の時に………

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

試験会場・控え室

 

そこには武偵校への入学を希望するもの達ばかりでただの入学試験ではない。悠もそのなかの一人で少々緊張している。

 

(もう何人か終わってるんだよな。もう少しで俺の番か?…………大丈夫だ、父さんに教わった事を全力でやれば)

 

武偵校の入試は対人戦でその結果で合格の有無が決まる。そんなときに悠が呼ばれたそのまま試験管に着いていき試験会場へ と。といきなり試験管が振り向き神妙な顔になった。

 

「すみませんが今回は特別な形になってしまいました」

 

「?何ですか特別って」

 

試験管は言いにくそうな顔をしたが結んだ口を開いた

 

「今回は同じ入学希望者の方と戦っていただきます。その方は試験管を五人も倒してしまい試験の続行が難しくなってしまいましたので、急遽このような形になってしまいました。相手は相当強いのである程度の結果を残せば合格ですので」

 

そうは言うが悠はもうすでにやる気だ。

 

「はい、分かりました」

 

「では、どうぞ」

 

試験管に諭され会場へと足を踏み入れた。そこには自分と同じくらいの体格の男がいた。

 

「お前が次の相手か?」

 

(?!少し嫌な感じだな。なら初めから全開でやるか)

 

試験管が悠ともう一人との間にたつ。

 

「では、遠山キンジと天川悠の試験を始めます。よーい」

 

(距離にして約五メートル。一気に攻める!!)

 

悠は目をつむり自分の中でスイッチを切り替える。悠の特殊スキル明鏡止水は、それは冷静になればなるほどに身体能力と思 考能力及び反射神経が飛躍的に上昇する。

 

(冷静に冷静になれそうすれば自ずと全てが見える!)

 

「はじめ!!」

 

目を見開き眼前の敵に一気に駆け寄る。いや跳躍したそのまま刃を殺した試験用模造ナイフを二歩を取り出して両手に持ち振 りかぶり相手・遠山キンジに斬りかかる。しかしキンジもただ者ではないその切りかかりを見切り横に飛びホルスターから銃 を取り出して悠に向かって撃つが同じように悠もそれを見切り後ろに飛ぶ。

 

(やはり常人じゃないな。本来なら最初の一太刀で終わるんだが)

 

お互い様子見のまま時間が経過する。冷や汗が悠の頬をつたうがそんなものはどうでもよくただいまは相手の出方が問題だ。 ただそれはキンジも同じだか悠は自分がどこまで出きるかを試してもいる。

 

(どうする?奴の動きは人のそれとは違う。ならそれも 計 ・ 算 ・ して)

 

悠は自分のなかのもうひとつのスイッチを入れた。すると何となく雰囲気が変わる。キンジもよりいっそう警戒している。

 

(が、だからこそ計りやすくなる)

 

悠は明鏡止水のほかにまだ特殊能力がある。それは超計算(トゥルーズ)と悠は呼んでいる。計算により未来予知と言っていいほどに自分の思った通りの状況が作れる。

 

(さてまずは準備を)

 

悠はナイフのとってにある輪にワイヤーを通しくくる。しかしそんな隙を相手も見逃さない発砲しながら迫ってくるが準備を 手短に終わらせてその場から飛び退きナイフをキンジの方に投げる。悠からはワイヤーが見えるがキンジからは光の加減で見 えないだろう。あとは……… そのあとも両者は一歩間も引かないが徐々に体力も消耗してきたそんなとき

 

(!!ここだ)

 

悠は残ったナイフをキンジの投げるそのあと拳銃を取り出してキンジの右肩を狙い撃つとそのままキンジは右側へと回避す る。悠はそのままキンジを追い接近戦を迫るキンジは蹴りを腕で受け流し悠も殴りかかるが同じように手で流されるが少しず つ押しているそして

 

「くっ!くそ!……っ!?」

 

キンジの後退が止まった。さっき仕掛けたワイヤーに引っ掛かったようだ。投げたナイフ同士をワイヤーで繋ぎ全く別の方へ投げてワイヤーを張らせて擬似的な壁を作ったのだ。

 

「なっ?!ワイヤー?ッ?!」

 

「チェックメイトだ」

 

悠が懐から楕円形の物体を取り出す。そうグレネード、スタングレネードだ。敵を気絶させる非殺傷武器だ。ピンを抜きキンジに渡すように投げる。

 

が、

 

「お前も道ずれだ」

 

「なっ?」

 

キンジは右手を伸ばし振り返ろうとしていた悠の腕を掴み引っ張った。

 

(そのあとは光と音に包まれてあとは何が合ったのかは分からない)

 

気がついたら悠は病院のベットの上だった。

 

 

 

後日武偵校への合格通知が来た。




長かったです
1500くらいにしようとしましたが3000文字近くなりました。

修正)最初の投稿のときにまだ一年生なのに二年A組の誤表記がありましたが一年A組に直しました。

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