自分でつけといて、思いました。
当たり前ですけど何だかんだでキンジにもいますよね。
何で女?しかも忍者?
軽いAAへの不満はさておき本編をどうぞ
◇
朝にあった彼女は青川杏子。武偵校強襲科の一年生。その場は学校が遅れるので、おれは午後の履修の時間を使って話を聞くことに。いまは強襲科の専門棟にいる。
「で?朝の件は、どういうことだ?」
「はい!あた…………じゃなくて、私はここに来た時に、初めてあなたを見ました。なんでもこなすその姿を見て、すぐに私の憧れになりました!戦姉妹はいないと聞いていたので、いつか聞いてみようとしました。でも、私じゃ釣り合わない。そう思ってしまい、結局声がかけられず」
「それで朝のか?」
力説していた彼女が、さらに身をのりだし語る。
「そうです!これは、唯一無二の好機と思い言ってみれば」
そのまま杏子は、グッと拳を握り涙目になりながらも話す。
「まさか、まさかまさか!了承してくれるとは!」
「いや、まだ認めてないが…………」
「はっ!」
その瞬間の彼女の顔は、今でも忘れられないくらいに、驚きの顔をしていた。
「だってそうだろ?俺は君を知らない。君の実力も、志も、なにも」
「実力は見ていただければ言いかと。志は二時間いただければ話せます」
二時間は長いな。彼女には悪いが、俺だって暇じゃない。色々問題がある。色々と。それならば。
「実力を見ると言うのは、賛成だな。なら、強襲科恒例のあれでいいか?」
「はい。構いません。全力で取りに行きます」
◇
ところ変わって、武偵校門前。
「ルールの確認だ。今日の日没。午後6時までに、俺の胸につけたこの『
これは少し前に、アリアの戦姉妹も体験したテストだ。どうやったかは知らないが、あのアリアから取ったのだから驚きだ。
「強襲科に二度目はない。最初で最後だ」
「はい!」
俺はおもむろに、なぜあった?と言う具合に、ゲームセンターのコインを青川に見せる。
「これをトスして、落ちた瞬間に開始だ」
彼女は首肯のみで答え、コインを凝視する。俺は親指でコインを弾き、宙を舞わせる。頂点に達して、今度は落ちてくる。その瞬間が、これでもかと言うくらいに、長く感じた。
そしてようやく、コインが落ちた。
瞬間。彼女はライフルを構えながら、こっちに突っ込んできた。
「てやぁぁぁぁぁ!」
考えなしか!とも思ったが、打ち出されるスタンゴム弾は、当たれば動きにダメージを負わせる、箇所を狙ってる。
(狙ってるのか?目線が銃口と少しずれてるが?)
別にかわせないわけではないので、ひとのいない場所に移り彼女の力を見極める。俺はもしも彼女が目印をとれなくても、ある程度の実力があれば戦姉妹にするつもりだ。だが、彼女からはこれといってなにかを感じるわけではない。だから一度自分からしかけた。
「な!?」
弾丸をかわしながら、彼女には近づき、銃を下から上に叩いてそらせる。そのまま彼女の首を右手で掴み、自分の方に引っ張り、体を倒そうとする。でもこれで転けるわけが。
「うわ!」
ズコーーーーーーー!!!
転けた。盛大に。転けた。
「なんで!?」
思わずそういってしまった。しばらくすると、彼女は直ぐに立ち上がり、笑いながらいった。
「あたし、突っ込むことがほとんどで。だから他の強襲科の友達に『突猪』とか言われてて、あはは」
笑っているが、その笑いは薄っぺらい。言われるのが嫌なのはわかる。だが、彼女の言う通りなら、最初の正確な射撃はなんだ?まぐれなわけない。一発ならいいが、撃ち出された全てが正確に、足の腱や関節を狙っていた。
(未知数だな。まだ何かあるか?)
俺のなかでは、ほとんど彼女を認めていた。と言うのも、友人を『突猪』なんて呼ぶのはどうかと思う。別に同情と言うわけではないが、それでも俺からすればそれが嫌だった。当然、それだけではないが。
「今度こそ!」
そういって彼女はまた発砲しながら一也に突っ込む。またも弾は動きを封じる箇所を狙っている。これは偶然じゃない。彼女は意識無意識を問わずに、こんな正確な射撃ができる。それで十分だった。だから、また彼女を転ばせたあとまだやるのなら、認めようとしよう。正直俺は実力より、やる気の方を重視する。そう思って先程と同じ様に、杏子を転ばせようと、しゃがんで彼女の銃を払おうとしたとき。
「っ………………!?」
バキッ!と軽く鈍い音と一緒に、弾こうとした左手に痛みが走る。一瞬あっけにとられると、俺の首の後ろに、杏子のブッシュマスターがあてがわれる。形的にグリップを右手。銃身を左手で持ち、できた輪の中に俺の首がある。つまりは。
「せいっ!!!」
「くっ!」
彼女は足まで掛けて、銃身を引く。そのまま俺の体は倒れかける。
「え?」
だが、俺は彼女の右脇下から首にかけて自分の右腕を通して、左手で彼女の右手をつかむ。倒れこむ勢い使い、掴んだ左手はそのまま。右腕はおもいっきり前に押し込む。
「せい!」
なんとか、カウンターを成功させて、杏子を倒せた。
「きゃっ!」
二度目の転倒。それでも彼女は諦めずに立ち上がる。
「まだでひゅ!」
噛んだな。まぁいい。それよりさっきのは、俺が彼女にしたのと同じだった。あれくらいならと思うが、彼女の戦闘スタイルを見ると考えてはできない。やっぱりまだ何かあるのか。
「まだです!!!私は絶対先輩の戦姉妹に………なるんです」
「………………………」
さて、ここで『よし分かった!認めよう!』と言っても、彼女は不完全燃焼だろう。
どうしようかと悩みながら彼女と戦っていると、いつの間にか日が暮れだし、そろそろ制限時間だ。
「まだ…………………です…時間はま……だ」
彼女は息も切れ切れで、今にも倒れそう。それでも、この戦闘中に俺が使った殆どの技をアレンジが入ってるが、ほぼコピーしている。これは才能の他にあるだろうか?いいやない!
「時間だ。体力的に、次の一撃がラストだろう。全力でこい」
「……………はい!」
彼女は銃のマガジンを入れ換え、ラストに備える。小さく深呼吸して、それを終えると俺を見据えて走り出す。
「てりゃぁぁぁぁぁぁ!」
「…………………!!」
撃ち出した弾丸は言うまでもなく正確。マガジンはMAX。そして彼女には技のコピーもある。できることと言えば弾をかわすこと。
かわして、彼女を寸でのところで避けて時間を稼ごう。そう思っていると。
「てりゃぁ!あっ!」
躓いた。なにか…………多分空缶に躓いた。そのままこっちに頭から突っ込んできた。
「え!?ちょ!ま!?グフっ!」
杏子の頭が俺の腹部に頭突きをかましてきた。
そのまま二人して五メートルほど転がって止まった。
「いつっ。おい、大丈夫か?」
「は、はい~……………あ」
彼女が声をあげたので、その視線をおうと。手があり、その手はなにかをつかんである。そのなにかとは。
「こ、これって『目印』?え?うそ、本当に?」
しばらく沈黙したあと
「や…………………ったぁぁぁぁぁ!」
俺から飛び退き、文字どおり飛んで喜んでいる。
「あ~あ。取られたか。まぁ『いかなる手段を用いても』だからな。でもまさか頭突きだなんて」
「え?あ!じ、じゃあやっぱり」
「手放すと時間もうなくなるが?」
彼女はあたふたしだしたが、直ぐに腕時計にセットしたアラームがなる。これで戦姉妹を決める戦いは終わり。これで、正式に天川悠と青川杏子は戦姉妹の契りを結ぶことになった。
「あぁ~でもやっぱり、あたしが天川先輩の戦姉妹なんて、他の人になんて言われるか~」
◇
食堂
「そう言えばさ、何で悠は戦姉妹いないんだ?」
向かいのキンジの一言で、右側にいた武藤が食いついた。
「そういえばそうか。何でなんだ?お前なら候補が沢山いるだろ?」
今度は武藤の言葉に、左側の不知火が同意した。
「そうだよね?単位の取得と言う名目でも、有効だろうし。それに君が声をかけられてるのを見たことあるけど?」
「うっ、えぇとだな。それは、その」
飲んでいたコーヒーを置き、言うか迷う。
迷う必要などないが、迷った。けど、やっぱり言おう。
「俺は指導したりとか、そういうの苦手で。いつかはやらなきゃならないが、それでもできるだけは、あんまり」
「そんなこと言って。実は教えるのも上手かったりするんだよなぁ」
武藤は頭の後ろで手を組んで、背中をそらせる。
「そうだね。君ならいい先輩になれるだろうに」
にこやかに言ってくる不知火。
「そうだな。少なくとも悠は俺より教えるのうまいだろ?」
言ったあとにコーヒーをすするキンジ。
なんなんだこの面子。俺に戦姉妹をとれと言わんばかりに。
こう言われたら、意地でも戦姉妹なんているか。
そんなことを思っていた後日。俺に初めて戦姉妹ができました。
てなわけで、出しました。
オリキャラの戦姉妹。
一言言うなら、馬鹿です。
理子とは違う方面に馬鹿です。
プロフィールは目次最上の人物紹介の一番下にあります。
後書きには項目追加してません。
実はこのキャラ、これに出した時点でプロット。(簡単なプロフィール)すら無い状況だったのです。一、二時間で考え付いたのに、色々と肉付けしていったのです。
多分かわいい子です。『俺の嫁』化してくれたら嬉しいです。
それでは、また次回