緋弾のアリア~理念の刃~   作:サカズキ

24 / 31
タイトルなんなの?
自分でつけといて、思いました。
当たり前ですけど何だかんだでキンジにもいますよね。
何で女?しかも忍者?
軽いAAへの不満はさておき本編をどうぞ


戦姉妹とはつまりはコーチと生徒である

朝にあった彼女は青川杏子。武偵校強襲科の一年生。その場は学校が遅れるので、おれは午後の履修の時間を使って話を聞くことに。いまは強襲科の専門棟にいる。

 

「で?朝の件は、どういうことだ?」

 

「はい!あた…………じゃなくて、私はここに来た時に、初めてあなたを見ました。なんでもこなすその姿を見て、すぐに私の憧れになりました!戦姉妹はいないと聞いていたので、いつか聞いてみようとしました。でも、私じゃ釣り合わない。そう思ってしまい、結局声がかけられず」

 

「それで朝のか?」

 

力説していた彼女が、さらに身をのりだし語る。

 

「そうです!これは、唯一無二の好機と思い言ってみれば」

 

そのまま杏子は、グッと拳を握り涙目になりながらも話す。

 

「まさか、まさかまさか!了承してくれるとは!」

 

「いや、まだ認めてないが…………」

 

「はっ!」

 

その瞬間の彼女の顔は、今でも忘れられないくらいに、驚きの顔をしていた。

 

「だってそうだろ?俺は君を知らない。君の実力も、志も、なにも」

 

「実力は見ていただければ言いかと。志は二時間いただければ話せます」

 

二時間は長いな。彼女には悪いが、俺だって暇じゃない。色々問題がある。色々と。それならば。

 

「実力を見ると言うのは、賛成だな。なら、強襲科恒例のあれでいいか?」

 

「はい。構いません。全力で取りに行きます」

 

 

ところ変わって、武偵校門前。

 

「ルールの確認だ。今日の日没。午後6時までに、俺の胸につけたこの『目印(ターゲット)』をいかなる手段を用いても、手中に納めれば青川のかち。無理なら戦姉妹は諦めろ」

 

これは少し前に、アリアの戦姉妹も体験したテストだ。どうやったかは知らないが、あのアリアから取ったのだから驚きだ。

 

「強襲科に二度目はない。最初で最後だ」

 

「はい!」

 

俺はおもむろに、なぜあった?と言う具合に、ゲームセンターのコインを青川に見せる。

 

「これをトスして、落ちた瞬間に開始だ」

 

彼女は首肯のみで答え、コインを凝視する。俺は親指でコインを弾き、宙を舞わせる。頂点に達して、今度は落ちてくる。その瞬間が、これでもかと言うくらいに、長く感じた。

そしてようやく、コインが落ちた。

瞬間。彼女はライフルを構えながら、こっちに突っ込んできた。

 

「てやぁぁぁぁぁ!」

 

考えなしか!とも思ったが、打ち出されるスタンゴム弾は、当たれば動きにダメージを負わせる、箇所を狙ってる。

 

(狙ってるのか?目線が銃口と少しずれてるが?)

 

別にかわせないわけではないので、ひとのいない場所に移り彼女の力を見極める。俺はもしも彼女が目印をとれなくても、ある程度の実力があれば戦姉妹にするつもりだ。だが、彼女からはこれといってなにかを感じるわけではない。だから一度自分からしかけた。

 

「な!?」

 

弾丸をかわしながら、彼女には近づき、銃を下から上に叩いてそらせる。そのまま彼女の首を右手で掴み、自分の方に引っ張り、体を倒そうとする。でもこれで転けるわけが。

 

「うわ!」

 

ズコーーーーーーー!!!

 

転けた。盛大に。転けた。

 

「なんで!?」

 

思わずそういってしまった。しばらくすると、彼女は直ぐに立ち上がり、笑いながらいった。

 

「あたし、突っ込むことがほとんどで。だから他の強襲科の友達に『突猪』とか言われてて、あはは」

 

笑っているが、その笑いは薄っぺらい。言われるのが嫌なのはわかる。だが、彼女の言う通りなら、最初の正確な射撃はなんだ?まぐれなわけない。一発ならいいが、撃ち出された全てが正確に、足の腱や関節を狙っていた。

 

(未知数だな。まだ何かあるか?)

 

俺のなかでは、ほとんど彼女を認めていた。と言うのも、友人を『突猪』なんて呼ぶのはどうかと思う。別に同情と言うわけではないが、それでも俺からすればそれが嫌だった。当然、それだけではないが。

 

「今度こそ!」

 

そういって彼女はまた発砲しながら一也に突っ込む。またも弾は動きを封じる箇所を狙っている。これは偶然じゃない。彼女は意識無意識を問わずに、こんな正確な射撃ができる。それで十分だった。だから、また彼女を転ばせたあとまだやるのなら、認めようとしよう。正直俺は実力より、やる気の方を重視する。そう思って先程と同じ様に、杏子を転ばせようと、しゃがんで彼女の銃を払おうとしたとき。

 

「っ………………!?」

 

バキッ!と軽く鈍い音と一緒に、弾こうとした左手に痛みが走る。一瞬あっけにとられると、俺の首の後ろに、杏子のブッシュマスターがあてがわれる。形的にグリップを右手。銃身を左手で持ち、できた輪の中に俺の首がある。つまりは。

 

「せいっ!!!」

 

「くっ!」

 

彼女は足まで掛けて、銃身を引く。そのまま俺の体は倒れかける。

 

「え?」

 

だが、俺は彼女の右脇下から首にかけて自分の右腕を通して、左手で彼女の右手をつかむ。倒れこむ勢い使い、掴んだ左手はそのまま。右腕はおもいっきり前に押し込む。

 

「せい!」

 

なんとか、カウンターを成功させて、杏子を倒せた。

 

「きゃっ!」

 

二度目の転倒。それでも彼女は諦めずに立ち上がる。

 

「まだでひゅ!」

 

噛んだな。まぁいい。それよりさっきのは、俺が彼女にしたのと同じだった。あれくらいならと思うが、彼女の戦闘スタイルを見ると考えてはできない。やっぱりまだ何かあるのか。

 

「まだです!!!私は絶対先輩の戦姉妹に………なるんです」

 

「………………………」

 

さて、ここで『よし分かった!認めよう!』と言っても、彼女は不完全燃焼だろう。

どうしようかと悩みながら彼女と戦っていると、いつの間にか日が暮れだし、そろそろ制限時間だ。

 

「まだ…………………です…時間はま……だ」

 

彼女は息も切れ切れで、今にも倒れそう。それでも、この戦闘中に俺が使った殆どの技をアレンジが入ってるが、ほぼコピーしている。これは才能の他にあるだろうか?いいやない!

 

「時間だ。体力的に、次の一撃がラストだろう。全力でこい」

 

「……………はい!」

 

彼女は銃のマガジンを入れ換え、ラストに備える。小さく深呼吸して、それを終えると俺を見据えて走り出す。

 

「てりゃぁぁぁぁぁぁ!」

 

「…………………!!」

 

撃ち出した弾丸は言うまでもなく正確。マガジンはMAX。そして彼女には技のコピーもある。できることと言えば弾をかわすこと。

かわして、彼女を寸でのところで避けて時間を稼ごう。そう思っていると。

 

「てりゃぁ!あっ!」

 

躓いた。なにか…………多分空缶に躓いた。そのままこっちに頭から突っ込んできた。

 

 

「え!?ちょ!ま!?グフっ!」

 

杏子の頭が俺の腹部に頭突きをかましてきた。

そのまま二人して五メートルほど転がって止まった。

 

「いつっ。おい、大丈夫か?」

 

「は、はい~……………あ」

 

彼女が声をあげたので、その視線をおうと。手があり、その手はなにかをつかんである。そのなにかとは。

 

「こ、これって『目印』?え?うそ、本当に?」

 

しばらく沈黙したあと

 

「や…………………ったぁぁぁぁぁ!」

 

俺から飛び退き、文字どおり飛んで喜んでいる。

 

「あ~あ。取られたか。まぁ『いかなる手段を用いても』だからな。でもまさか頭突きだなんて」

 

「え?あ!じ、じゃあやっぱり」

 

「手放すと時間もうなくなるが?」

 

彼女はあたふたしだしたが、直ぐに腕時計にセットしたアラームがなる。これで戦姉妹を決める戦いは終わり。これで、正式に天川悠と青川杏子は戦姉妹の契りを結ぶことになった。

 

「あぁ~でもやっぱり、あたしが天川先輩の戦姉妹なんて、他の人になんて言われるか~」

 

 

 

食堂

 

「そう言えばさ、何で悠は戦姉妹いないんだ?」

 

向かいのキンジの一言で、右側にいた武藤が食いついた。

 

「そういえばそうか。何でなんだ?お前なら候補が沢山いるだろ?」

 

今度は武藤の言葉に、左側の不知火が同意した。

 

「そうだよね?単位の取得と言う名目でも、有効だろうし。それに君が声をかけられてるのを見たことあるけど?」

 

「うっ、えぇとだな。それは、その」

 

飲んでいたコーヒーを置き、言うか迷う。

迷う必要などないが、迷った。けど、やっぱり言おう。

 

「俺は指導したりとか、そういうの苦手で。いつかはやらなきゃならないが、それでもできるだけは、あんまり」

 

「そんなこと言って。実は教えるのも上手かったりするんだよなぁ」

 

武藤は頭の後ろで手を組んで、背中をそらせる。

 

「そうだね。君ならいい先輩になれるだろうに」

 

にこやかに言ってくる不知火。

 

「そうだな。少なくとも悠は俺より教えるのうまいだろ?」

 

言ったあとにコーヒーをすするキンジ。

なんなんだこの面子。俺に戦姉妹をとれと言わんばかりに。

こう言われたら、意地でも戦姉妹なんているか。

そんなことを思っていた後日。俺に初めて戦姉妹ができました。




てなわけで、出しました。
オリキャラの戦姉妹。
一言言うなら、馬鹿です。
理子とは違う方面に馬鹿です。
プロフィールは目次最上の人物紹介の一番下にあります。
後書きには項目追加してません。

実はこのキャラ、これに出した時点でプロット。(簡単なプロフィール)すら無い状況だったのです。一、二時間で考え付いたのに、色々と肉付けしていったのです。
多分かわいい子です。『俺の嫁』化してくれたら嬉しいです。

それでは、また次回

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。