緋弾のアリア~理念の刃~   作:サカズキ

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どうも。こちらの方は久方ぶりです。

実はこの話はスマフォのメモで書いてたせいで、ルビふりが分からなくなっててんやわんやな事になり、何度も書き直しの連続でした。
ようやくきりの良いところで終われた。

注意ですが、この話は前の話から日にち飛んでますけど、原作スタートと思って読んでください。

では本編どうぞ


そして、ここから始まった
空から舞い降りた少女


赤い髪の少女が空から降ってきた。

落下系ヒロインなんて、現実には無いって思っていた。しかもその少女は見たことがあって、一時的にだけどパートナーになった人で、ここが現実なのか白昼夢なのか、分からなくなってしまうくらいに驚いた。

その少女の名は神崎・H・アリア。超優秀な武偵だ。そんな彼女は爆弾の仕掛けられた自転車に乗る、我が親友の遠山キンジを追いかけるUzのついたセグウェイを空中で二丁拳銃の水平撃ちで撃破し、さらにジャックされたキンジを自転車から助け出した。

のは良いんだけど、爆発の勢いでそのまま用具倉庫に突っ込んで行った。俺はそれを彼らの後から立ったまま唖然と見ていた。

悩んでいると、後からさらにセグウェイが増えて用具倉庫の入り口を塞いでしまい、下手に手が出せなくなった。こうなったらしばらく見守るしかないだろう。

 

(まぁあいつなら大丈夫だろうけど)

 

確かにその通りで、しばらくするとセグウェイが敷地内に入り発砲するが、キンジはそれをかわして逆にUzの銃口に銃弾を撃ち込み、すべてのセグウェイが爆発する。

なにやら終わったあとアリアが色々言っていたが、それを気にせずにキンジが出てきたので声をかける。

 

「よっ!キンジ」

 

「ん?あぁ悠か。どうした」

 

「どうしたじゃないだろ?なにやってんだよ新学期早々」

 

「いや、なんでも」

 

「はぁ~……とりあえず学校いくぞ。遅刻になる」

 

「ああ」

 

通りすぎるときにチラリと倉庫の方を横目で見たのだが、尻餅をついたアリアと目があった。彼女は目を見開き驚いているようだが、遅れるとまずいのでキンジの隣をそそくさと着いていった。

 

 

始業式が終わり人の波に流されつつ、自分の教室を探して向かう。

 

「ここか」

 

教室に入るとそこにはすでにキンジと理子、武藤、不知火の姿があった。俺は自分の席を確認して座る。場所は理子の前になる。これだと授業中にいたずらされそうだけど、席替えまでの辛抱だな。

 

「ゆーくんゆーくん」

 

(ほらきた。なにしでかすきだ?)

 

「こないだやりたがってたゲーム、理子もう全部終わったから貸してあげる~」

 

「あ、あぁ(なんだ普通か)」

 

このゲームのせいであとで色々と面倒くさいことになるが、それはまた別の話として。

理子で思い出したが、二年になってから理子と付き合っている噂が薄れたらしい(武藤情報)。ようやく変な噂が絶てたので歓喜すべき事だが、どうもそれ以来、理子からのアプローチが過剰になった気がする。やめろといっているのに、学校内で腕組んでくるし、後から抱き付いてくるし、全くなにやってんだよ。そんなことを考えていると、先生がきて朝のホームルームを始めた。

それでいつも通りに始まると思いきや、編入生を紹介するとのこと。大体の予想はつく。

扉を開いて入ってきたのは彼女、アリアだ。

彼女は挨拶もせずに、いきなりキンジを指差して。

 

「あたし、あいつの隣がいい」

 

それを聞いて武藤は席を譲り、キンジに近づくアリア。その手には何故かベルトが。

 

「これ、返すわ」

 

「理子わかった!わかっちゃった!キーくんベルトがない。それを転校生さんが持っていた。つまり二人はベルトを外すような事をする関係なんだよ!」

 

理子は立ち上がりすっとんきょうな推理を披露する。それを聞いてクラスがざわめく。内容は遠山くん女に興味ないふりしてとか、実はむっつりだったんだやら、キン×ユウがなど。最後のは聞かなかった事にしたいが。

そうしているといきなりアリアは銃を取りだし、発砲し出した。

 

「れ、恋愛なんてくっだらない!あたしはそんなもの興味ないわ」

 

このあとは先生が場を納めたが、それでも時々後方に座るキンジとアリアをチラチラみる生徒が何名かいた。

 

 

「ちょっと来なさい」

 

「えっ?うわっ!」

 

 

アリアが近づいてきて、話しかけたと思ったらいきなり右手で首根っこを捕まれ引きずられた。反対にはキンジがいる。

 

「大変だな、お前も」

 

「キンジ、後で、締める」

 

理不尽を感じたので、取り敢えずいうだけいっとく。それで連れてこられたのは、学校の屋上。

 

「なぁアリア。春とはいえ、地球温暖化でまだ寒いんだけど」

 

「………なに、朝は目があっといて無視?」

 

「いや、遅刻しそうだったし。学校でまた会うだろうと……」

 

「ふーん」

 

鼻を鳴らしながら、アリアは銃をホルスターから取り出して俺の足元を撃ってきた。

 

「挨拶くらいは筋なんじゃないの?あの時はあれだけうるさかったのに」

 

「はい!すみませんでしたぁぁ!」

 

すぐに土下座で謝る。て言うか、アリアと会うときって俺が謝ってばっかりのような。いや、俺が悪いんだけどな。

 

「で、なんでキンジと俺を連れてきたの?」

 

土下座から胡座に座り直してアリアに聞く。

 

「パートナーを探すためよ」

 

「パートナーってあのときみたいな?」

 

「そうじゃないわ。これからずっと組む本物の相棒」

 

「それなら俺はパスだ。俺は武偵を辞めるんだ」

 

キンジが手をひらひらさせながら、やる気のない仕草をしながら言う。

 

「俺も無理だ。アリアは優秀だけど、俺は共闘よりも後ろでサポートしてもらう方がやり易い」

 

「そうね。悠はそうだけど、あんたは違うでしょう?あれだけ強ければ私も納得いくわ」

 

「うおぉぉぉい!なんで悠はよくて、俺はダメなんだ!」

 

「悠とは一度組んで、互いに合ってないて分かってるの。だからあんたよ」

 

(それならやっぱり俺いなくてよくないか?)

 

とは怖くて声に出せずに、座って二人の成り行きを見守る。

アリアのこうだからこうでと言うのにキンジが、それはあれだから無理だとか言い訳してなんとか回避しようとするが、そんな簡単にはいかず。

 

「ふん!まぁ、いいわ。しばらく様子を見るから。悠もしっかり見張るのよ」

 

「こいつに見張られてら、生きてる気がしねーよ!」

 

「ひでぇぇ~」

 

ぐちぐち言っていたが、解放されて少し楽になったようなキンジを見て、これで終わるわけ無いと思っていると。

その日の夕方キンジが部屋に帰ると何故かアリアがいて、彼女に完全に見張られる生活を強いられることになったキンジであった。しかもそのときに、「この私のパートナーになれるんだから、光栄に思いなさい!」と人差し指を向けられ、胸を反らして言われたとか。

 

 

同日。陽も傾き、夜へと近づく街。

俺は料理をしようとして、お気に入りの調味料が無くなったのに気がつき、やむを得ず近くのスーパーまで買いにいった帰り道。それは表れた。

 

「酷いですね。まるで妖怪のように」

 

目の前の電気が消えかかり薄く光る街灯のポールに寄り添うようにした彼女。

黒のロングヘアに、薄く茶色がかった瞳。そしてその片方の目。右目にはどこにでもあるような黒の眼帯がしてある。だがそれが彼女の綺麗な容姿を少し陰らせているよな気がする。そんな彼女の名前は天川鈴音(あまかわすずね)。俺は彼女を(すず)と呼ぶ。

 

 

 

俺の妹だ。

 

 

「なんでここにいる?」

 

「なんで?とはまた不躾な。私は武偵高の生徒です」

 

そう言われて、視線を顔から下にずらすと確かに彼女は武偵校の女子生の制服を来ている。すぐに視線を戻して、眼帯を凝視する。

 

「相変わらず、か」

 

彼女の目は特別で、静止視力に始まり動体視力や中心視力も常人のそれを逸脱している。誰が読んだかそれを『千里眼』呼ぶものもいれば、『鷹の目』とも言われた。だが、それほどのものをノーリスクで扱えるものでもなく、その情報量から脳が整理しきれずに壊れてしまうため、日常生活では眼帯をしている。その分、戦闘中は狙撃手としてはかなり優秀だろう。

俺は彼女の瞳を見つめたまま、言葉を絞り出す。

 

「そんなに頼りないか俺は?」

 

「頼りないとか、頼りになるとかの問題ではありません。私がこうしたいから此処にいるのです」

 

淡々とした口調に俺はため息が漏れる。家を出たころ、いや母さんが死んでしまった頃から鈴の態度が変わった。それまではなかのいい兄妹だったのだが、あれ以降鈴はすっかり冷たくなった。仕方のないことなのかもしれないが、それでもたった一人の妹に許してもらえないのは辛い。

 

「………インターンだったか?」

 

「えぇ。狙撃科(スナイプ)です」

 

だろうな。鈴の近接戦闘能力は眼帯をしていては、それほど高くはない。むしろ低いくらいだ。外せば圧倒できるだろうが、せいぜい30分が限界だろう。だから彼女の真骨頂は狙撃で活かされる。実力で言えばあのレキに及ぶかもしれないが、技術面が足りない。

 

「…………」

 

「…………」

 

長い沈黙。気が付くと辺りは完全に日が落ち、夜となっていた。

 

「俺、晩飯作ろうと思うんだけど………」

 

「ッ!…………」

 

彼女の眉がピクリしたような気がする。いや気のせいだろう。多分気のせいだ。気のせいかな?気のせいであってくれ。

 

ぐぅぅぅ~~

 

そう思っていると、彼女のお腹がなったような。いや確実に鳴った。

 

「あぁ~………晩飯、食いに来るか?」

 

その問いに彼女は恥ずかしさで俯いてしまっい、首肯のみで答えて、歩き出す俺の後ろに付いてきた。その日は珍しく中華ではなく、丁度鈴の好きな和食にしようとしていたので良かった。

晩飯のあとはありがとうと、ご馳走さまだけ言って女子寮に帰っていった。食器を片付けているとき俺は少しだけ思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これからも、なんとか前みたいに仲良くやりたいと。




妹です。はい。

容姿的には作者の好きな黒髪ロング。さらにはこれまた作者の好きな眼帯。
眼帯良いですよね?共感してくれる方いらっしゃいますか!!

ご、ゴホン!
見た目で言うとデート・ア・ライブの狂三様。
普段着のあの人髪括ってますけど、イメージではそんな感じ。
もともと目が隠れている(左目だけど)ので分かりやすいかと。
あれ?何だかんだで違う気が………

と、ともかく!
文はかなり短かったですが、次はなんとか五千文字オーバー!!

それでは、また次回

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