緋弾のアリア~理念の刃~   作:サカズキ

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今回はいくつかネタいれてます。

何てことの無いどっかで聞いたことのあるネタなので

では本編に


聖女(?)ジャンヌ・ダルク

俺は今『伊・U』の本拠地にて、コンクリート製の体育館のような場所で、ジャンヌと呼ばれた少女と向かい合っていた。 ちなみに理子は俺のとなり。

 

「ジャンヌねぇ…ふむ」

 

「あれ、あんまし驚かない?」

 

「当たり前だ。ここまで来れば天使やら悪魔が出てきても驚かん。驚くだけ無駄だろ」

 

今のは流石に過大だろうが、実際のところあの少女がジャンヌ・ダルクだろうが、王女だろうが、もっと言えばアーサー王だ ろうが関係ない。 手合わせしたいと言うなら、やらせていただこう。

 

俺とジャンヌは互いに距離をとり、対峙しあう。 理子は俺たちの中間くらいにいるが、一歩引いて、攻撃範囲外にいる。

 

「ジャンヌ、ホントにいいの。ゆーくん強いよ?」

 

「問題ない。こいつがどれ程のものか……見極めさせてもらう。さぁ剣をとれ天川悠!」

 

「わかったから。そんな、殺気立つな。理子」

 

「ハイハーイ」

 

「刀かなんかあるか」

 

「そう言うと思って」

 

そう言うと彼女は、後ろの壁に立て掛けていた刀袋を取って、そのまま俺に渡してくる。

 

「はいこれ」

 

「これって………これ俺のじゃないか。なんでお前が」

 

「……………てへ☆」

 

「おい!ったく。それじゃ始めようか」

 

なんでここにあるかはともかく 俺は刀を取りだし、直ぐに鞘から抜き構え、彼女もすぐさま携えた剣を構える。

 

(でも手合わせって、言ったってどこまでやれば)

 

そう考えていると、考えを読んだかのように、彼女の剣のように鋭く視線を向けて言う。

 

「本気で来い。でなければ意味がない」

 

(なら体も本調子じゃあないし、今できる本気でいくぞ!)

 

そうやって心で叫ぶと同時に駆け出し、彼女もあわせて駆け出す。 右から刀を振り抜き、そのまま互いに打ち付け、甲高い金属音が室内に響く。

 

「(ほぅ今の一撃。それなりに力をいれたが)貴様、なかなかやるな」

 

「それはどうも」

 

剣をはじき、後ろへと飛び距離をとる。 彼女はそのまま迫ってくるが、刀で後ろへと受け流す。少しでも体勢を崩せば終わらせようとしたが、そんなことはあるわけ もなく、すぐに構え直し再度対峙する。 俺は彼女の目を見て、あることを聞いてみたくなった。それは信念と言う名の覚悟

 

「……ジャンヌ。お前に命落とす覚悟はあるか?」

 

「なに?」

 

「俺にはある。仲間のためにこの命かける覚悟が!」

 

勢いよく地面を蹴り、彼女の横まで移動し、横っ腹を斬りつけようとしたが、間一髪で防がれる。それでも勢いを殺さずに俺 は刀を力の限り押し込み、肩と肩が触れ合うほどに近くなる。

 

「それは、私を殺すと言うことか?」

 

「いや。俺は、俺の目の前では敵だろうが、味方だろうが命を見捨てることはしない!」

 

「ふっ。そんなものはただの独善だろう?」

 

「独善だろうが、突き通せばそれは信念だ!ふっ!はぁぁぁぁ!」

 

互いに剣と刀を勢いよく離し、ジャンヌが上から斬りかかり、俺は逆に下から切り上げる。 刃と刃が激しくぶつかり合うが、幾分か俺の方が速く、ジャンヌは剣に力が乗りきらずに押し負ける。

 

「くっ。天川………悠!」

 

「戦うのなら命を惜しむな。刃が曇る」

 

ふっと身を引きつつ、勢いのせいで倒れる彼女に、抜き胴の要領で腹に斬りかかる。 だがそれを、彼女は腕と手首を捻り、剣の向きを変え何とか受け止める。

 

「甘いな」

 

「な?!」

 

俺は意表を突かれて、その間に彼女はその場で回り、水平に剣を振ってくる。 寸前のところでしゃがんでかわすが、そのまま縦からも切りつけてくる。 転がりながらもそれをかわす。

 

「どうした?偉そうなことを言うわりにその姿は?」

 

「うっ!そんな好き勝手、させるもんかぁぁ!」

 

低い姿勢のまま走り、彼女の振るう剣を切っ先で翻弄する。

 

「そんな小手先で!」

 

「うおぉぉぉぉ!」

 

「なに?!」

 

一瞬、剣を大振りする隙を突いて、懐に潜り込み刀を喉に突きつける。 これならこのまま彼女が剣を降り下ろそうと俺に当たることはない。彼女の詰みだ。

 

「くっ……………」

 

「勝負を焦りすぎたな。…………けど、いいセンスだ」

 

「………………私の敗けだ」

 

突きつけた剣を下ろして、鞘を拾い片付ける。

 

「ジャンヌ……一つ言っておく」

 

俺は振り返らないで彼女に声をかける。

 

「力とは守るためにある。己が信念を。己の大切なものを。ただ振るうだけの力は暴力だ」

 

「何を………」

 

「初代ジャンヌのように自分の祖国ためにと、そんな風に誰かのためと……考えて見ればいい」

 

横目で理子を見ていると、彼女が俺に微笑みかけてきたので慌てて視線を前に戻し、言葉を続ける。

 

「そ、その。と、ともかく!何か守りたいものを見つけろ。それで大分変わるぞ」

 

「守りたい…………もの?」

 

俺は言い終わると早足で部屋を出ていく。 後ろから理子が名前を呼んで追いかけてきたが、俺はしばらく止まることをしなかった。

 

 

 

それから数日の間 俺は伊・Uにいたんだが

 

「はぁ~。ジャンヌまだやるのか?」

 

「はぁはぁはぁ。ま、まだまだぁぁ」

 

ジャンヌとどんな経緯か、剣の稽古(場所は同じ)をすることになっている。 悠からすれば、優秀な彼女との稽古はかなり有意義なものだが。

 

「隙あり。はぁ!」

 

「うわ!ちょと待て!」

 

「隙を突いて相手を確実に倒す。貴方はそう言いましたが?」

 

「そんなこと俺言ったか?よっと。ほい」

 

体を捻りつつ、彼女の後頭部に稽古用の木剣で軽く叩く。

 

「うっ。っ~~~~。バカにしているのですか貴方は?!」

 

そんなつもりは毛頭無いのだが、彼女が女性であるから仕方なく……

 

「よもや、私が女だからですか?」

 

俺は無意識に目を泳がせてしまう。

 

「あ!まったく。あれほど手加減しないでくれ、と言ったのに」

 

「まてまて、俺は別に手加減してるわけじゃ………」

 

「大体貴方は……………………」

 

グチグチグチグチ

 

「と言うことです。いいですか?」

 

「はい。すみません」

 

なぜだろうか。今、悠は正座してジャンヌに説教みたいな否、ガチ説教されているのか。

 

「はぁ~まったく」

 

「もういいでしょうか?」

 

手を挙げて姿勢を崩していい聞く。

 

「えぇいいですよ」

 

了承が出たので、しびれかけた足を崩して胡座をかく。 ただの稽古のつもりが、そのほとんどの時間が俺への説教と化した。 だが悠はたった数日だか、ジャンヌは何だかんだと言いながら世話をやくいいやつだ。

 

「悪かったなジャンヌ。次は本気でやるからさ。な?」

 

「ま、まぁそれならいいですが………」

 

会話が一頻り終わった時、ドアが開いて理子が顔を出した。

 

「ゆーくん終わった?」

 

「おぉ!理子。ナイスタイミング」

 

「な?!悠、私との稽古は!」

 

「その話はまたあとで。今は昼だ。なら飯だ。日本には飯を食わねば戦はできぬ、と言う諺がある。と言うことで行くぞ理子」

 

「え?う、うん…………?」

 

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ジャンヌside

 

「………行ってしまった」

 

悠が顔を出した理子と共に、部屋を出ていってしまった。

 

(まったく。なんだと言うんだ)

 

(確かに私が彼に対して、説教じみたことをしたのはよくないと思うが)

 

(そもそも悠が手を抜くような真似をしたせいで……私は真剣だと言うのに)

 

数日前の手合わせした日から、彼のことを考えることが多くなった。 きっかけはあのときに言われた『守るものを見つけろ』と言う言葉を。それを何度も何度も考えた。そうしていると、いつし か『守りたいもの=悠』と言う方程式が自分の中にできていることに気がつき。

 

それからと言うもの、彼の姿を見つけては目でおったり、話しかけようとしたり。だがそのたびに理子が邪魔をしているように思う。

 

(大体なんなんだ理子のやつ?彼の監視役は私達『二人』でだろう)

 

(そもそも悠が理子ばかりにかまうから。…………本当は私だって)

 

それから先を考えかけてはっとなるが。すでに顔が暑くなっており、元が色白なので、今はゆでダコのようだろう

 

(わ、私はなにを。これではまるで乙女ではないか?)

 

だが、理子とだけ仲良くしている悠を見ていると、胸にもやつく何かができてしまう。 逆に話しかけられると、こう形容しがたい。 されど嫌ではない、むしろ幸せだと思えるようなそんな気持ちになる。

 

(やはり…………これは。いやだが)

 

そこで考えを打ちきり、顔を手のひらで叩いて気を引きしめる。

 

(えぇい、ここで悶々としてても埒が明かない。二人を追いかけるか)

 

私はそのまま二人の後を追い、部屋を出ていった。

 

その後、ジャンヌも悠たちと昼食をとったが、理子と少し口喧嘩になったのは別の話し。




こんな感じですが…………

考えているうちにジャンヌが悠の側に

このままではハーレム化が!
てことでハーレムタグ増やしました。

原作開始時にあと一人くらいふえますが、これがまぁ、なんと言うか私の趣味でして
気にしないでいただけると幸いです。

それと今後の理子と悠の考察をすると理子がヤンd…………ゲフンゲフン!
ともかく次回は多分ジャンヌ視点の伊・U日常編です。ではお楽しみに

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