緋弾のアリア~理念の刃~   作:サカズキ

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守りたいもの

キンジside

 

目を覚ますと、白い天井が目に入る。

 

「ん……ん?…ここは?」

 

「目…覚ましたか?」

 

「うお?!悠いたのか」

 

目を横にむけると悠が、 腕に包帯を巻いてベッドに座っていた。

 

「なんで悠も、いってー!!」

 

「あんまり動くと痛むぞ」

 

「いっ。で、なんでいるんだよ。お前は確か勝って…」

 

「ああ。一応勝ったよ。一応は」

 

ん??????どう言うことだ?

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

comeback

 

「次の一撃………受けきればこの勝負。お前の勝ちだ」

 

俺はゆっくりと柄に手をかけてつつ、全速力でキンジへと近づきつつ抜刀。

 

右肩から斜めに一閃

 

左肩にも同様に一閃

 

さらに右側から腹にも一閃

 

そのまま通り過ぎ

 

カチャン

 

納刀

 

その間。わずか数秒の事

 

(天川流剣術・緋刀 門崩し)

 

「な?!………ぐふぁ!!」

 

「キンジ。今のが見えないならまだまだだ」

 

後ろでキンジが倒れる音がする。

 

星枷さんが駆け寄って声をかけているようだが

 

如何せん。からだが動かない。

 

(あぁ~~~~。素振りを500から減らしたのがいけなかったか?うぅぅ~腕も痛いし、頭も……くらくら……して………き……… た)

 

バタン

 

倒れたあとからはもう意識はなくなってしまい。

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

悠side

 

「気がついたら病院のベッドの上にいたというわけだ」

 

「あぁ。取り敢えず謝れ」

 

「ん?そうだな。すまなかった。つい本気を……」

 

「ついどころじゃねーよ!こっちは死ぬかと思っただろうが!!」

 

「うっ。面目ない」

 

俺はベッドの上で土下座で寝たままのキンジに謝る。

 

「もういいよ。それで、なんでお前は右腕にギプスなんかつけてんだ?」

 

キンジが腕に俺の腕についているギプスを見ながら聞いてきた。

 

「あぁこれか。お前を倒した技。『門崩し』って技だが、強力なんだが俺はまだ使いこなせないんだ。あの時はほぼフルの状態だったが、それでもこの有り様だ」

 

「未完成ってことか。でもお前ほどのやつが使えないって、どんな技だよ」

 

「『門崩し』を含めていくつかの技は、『緋刀』っていって、天川流剣術の中でも特別な技だ。間違えれば人を殺してしまうほどに……な」

 

「殺すってそこまで…「天川流剣術は元々は殺人剣だ。と言っても、三代目までは名前もなかったらしいけど。そこからは守る剣として『天川流剣術』。別名殺刃剣として生まれ変わった」……」

 

『殺刃剣』

刃を殺す剣と書くこの剣術は、その名の通りに刃のない剣で、人を斬らず殺さずの精神を掲げてきた。

 

「そうはいっても訓練は真剣だけどな」

 

「凄いんだな。天川流って」

 

「まぁ守れなきゃ意味ないけどな………」

 

「悠?」

 

言ってからハッとしたが、これではしんみりしてしまう。

なんか話題は

 

「そー言えばさっき誰か来てたぞ」(少し棒読み)

 

「ん?誰がだ」

 

「俺は知らないやつだが、キンジの見舞いだったらしい。俺は寝たふりしてけど」

 

「誰だ?」

 

「さぁ………………………」

 

その後数週間の間入院していたが、流石の武偵

見事に完治し、期末試験にも合格。晴れて冬休みに突入!!

 

と思ったらまさかの教務科(マスターズ)からの呼び出しが。 俺何かしたか?

 

「あの~、それで先生、何の用でしょうか?」

 

取り敢えず職員室にて、目の前に我らが強襲科担当の蘭豹先生がいる。

 

「これを渡しておく。あとはかかれた通りに。以上」

 

「えっ?ちょ!待って」

 

「あたしは忙しいんだよ。じゃあなー」

 

彼女は手をふりながら、職員室を出ていった。

 

「え~~~」

 

そのあとは仕方なく、寮へと戻り。 いざ手紙を開封。

 

「えーと?何々」

 

ざっくばらんに言うと クリスマスイブの日に、クルージング船・アンベリール号で警護しろとのこと。 できれば年末は……いや、渋々だが実家に帰りたかったが、報酬の額を見て。

 

(はぁ~金とは、人を天使にも悪魔にもしてしまうのか。だがこれで正月分の食費がなんとかなる)

 

などと考えて過ごしていると、あっという間に十二月も後半が過ぎ 街のあちこちにクリスマスの飾り付け。

 

「寒い!この寒さはあれか、地球温暖化のせいか」

 

一度は受けようかと思ったが、考え直して何度か先生に受けたくないと、いっているが決定事項の一点張りで

 

(はぁ~。船とは憂鬱だ)

 

話によるとパートナーは凄腕武偵らしいが。

優秀な武偵と言うと彼女を思い出す。

 

(そう言えばアリア、元気だろうか)

 

数ヵ月前の話だが、アリアとの明日のように思い出されるほど濃い数日だったな。 などと考えていると

 

「あっ、あれか?」

 

着いた港には、普通に生活していたら乗ることなどないような、豪華な船が。 近くにより、乗組員の人とはなして船に乗り込むが。

 

「大丈夫だろうか。船酔いか乗り物酔いか……………っこの場合一緒か」

 

ある程度見回り、めぼしい場所はよく見ておいたが、これといって異常はないな。

 

(にしても豪華な内装だな)

 

テレビのバラエティー番組などで見るアメリカのクルージング船よりかは少々劣るが、それでも平々凡々な自分からすれば十二分に豪華だ。

大体の見回りを終えて、ホールへ移動するとそこには見慣れた武偵校の制服がいる。顔は知らないが。

むこうもこちらに気づいたので、挨拶をするために近寄る。

 

「やぁ。君が一緒に警備する武偵?」

 

「はい。天川悠です」

 

「私は遠山カナ。よろしくね」

 

「よろしく。って遠山?もしかしてキンジの?」

 

「そう。キンジは私の弟だよ」

 

(ん?あれ?確かキンジは兄と。けどこの人は)

 

「?」

 

小首をかしげるこの人はどっからどう見ても女性だが……

 

「どうかしたの?」

 

「いや、なんでもない………です」(気にしたら敗けだ。そんな気がする)

 

それからクルージングが始まり、波も穏やかで事件など起こり得ないと思っていたが、そんな考えは虚しく。

 

突如として船内で爆発が起こり、今はこの船は火の手が上がっている。俺とカナさんは急いで乗客を避難させることに手一杯だ。

 

「クソッこのままじゃ。ボートはまだあります!慌てないで!」

 

傾きかけている船から最後であろう集団を避難させ終えて。

 

「これで最後ですか?」

 

最後尾にいた人に尋ねるが、わからないといったのでその人をボートへ乗せ、火の手が回っている船内へと急いで向かう。

 

「誰か!誰かいませんか!」

 

そこらじゅうに火が回り、天井も崩れて危ない状態だ。

 

(クッ!このままじゃ人がいても、もう……………………いやまだだ!まだ終わらない!)

 

そうやって探している間にホールへとたどり着き、人の姿を見つける。

 

「あ!カナさん!他に人は?」

 

「………………………………」

 

(?カナ…………さん?)

 

「天川君……………………ゴメンね」

 

「え?………………………ぐっ!…………なん…………だ」

 

突如、後頭部に痛みが走り、そのまま倒れ

あぁ最近気を失うことが多いなぁ、などと思いながらゆっくりと意識を手放した。

 

 

 

???・12月25日・夜

 

「ん…………ん?また白の天井。しかも手足がベッドに拘束されてる」

 

四肢が革のベルトをされており、それに鎖がついておりそのままベッドの四方に繋がれている状況。俺にはこんな趣味ないんだが。

 

ガチャ

 

(ん?誰だ?)

 

「やっほーゆーくん。久しぶりだね」

 

(この聞き覚えのある高い声は)

 

首だけ回して声の方を見るとそこには考え通りの人物。

 

「理子……………」

 

「そんな怖い顔しないでよ。折角ふたりっきりなんだからさ」

 

「なんでこんなことを?」

 

「ゆーくんに~大切なお話がありまーす」

 

「大切な…………話?」

 

理子はそう言って、ゆっくりと近づき寝ている俺に覆い被さるようにしてきた。

 

「ちょ!?理子!降りろ」

 

理子はそのまま意に介さず、理子の唇が俺の唇に当たるほど顔を近づけて、呟くように告げる。

 

「ねぇゆーくん。理子とえっちしよ」

 

「な?!わけがわからん!おーりーろー」

 

体が動かない分、叫んで抗議するが変わらずに理子はそのままの姿勢で。

 

「ダーメー。おりるんだったらさ、私たちの組織。『伊・U』に入って?」

 

(あぁこれからが本番なんだろう。それなら俺の答えは………………)




はい

というわけで、遠山カナ(金一)を出しました。

前にいっていた設定ですが、それがこの『カナ』ですが結局しませんでした。

考察の結果。後々面倒なことになるので。
後、この話の心配事が、武偵殺しの事件の日にちですが、小説からさがすのが面倒だったのでアニメの方を起用しました。

一応タグに『オリ展開』をつけているので、ご了承を┏◯
では次回はまた原作キャラ出そうかと思っています。お楽しみに

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