ユーノの子育て日記R   作:ZEROⅡ

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ここから2、3話は特にリメイクを加えていない話を投稿します。


いつも通りの翠屋

 

 

 

 

 

 

僕たちが旅行先のカルナージからミッドチルダに帰って来てから早三日。

 

DSAAに参加するヴィヴィオやアインハルトたちは、大会に向けてノーヴェの指導のもとで特訓をしているらしい。

 

まぁそんな事は関係なしに、喫茶店『翠屋・ミッドチルダ店』は変わらず通常運行なんだけどね。

 

 

 

「はぁ~久しぶりだけどやっぱうめぇな、ここのケーキは」

 

 

「モグモグ……(コクコク)」

 

 

「そう? ありがとうハリー、ジーク」

 

 

現在翠屋のカウンター席には、この店の常連客であるハリーとジークの二人が並んで座ってケーキを食べている。因みにハリーはショートケーキ、ジークはチーズケーキだ。

 

 

「にしても、ジークがこの店にいた時は驚いたぜ」

 

 

「うん、ウチも驚いた。番長もここの常連さんやったんやね」

 

 

「まぁな。この店のケーキはすげぇ美味いし、店長にも色々世話になってっからなぁ」

 

 

「あ、ウチもそうや。ウチもユーノさんには色々お世話になっとるんよ、ユーノさんは優しいし……」

 

 

「あーわかるわかる。オレもよく世話になってるし、店長はお人よしっつーか何つーか……いい人だよな~」

 

 

あのね2人共……恥ずかしいから本人がいる前でそう言う話はしないで欲しいんだけど……

 

 

「そういやジーク、今年のDSAAはちゃんと最後まで出れんだろーな?」

 

 

「うん、去年はヴィクターと戦う前に欠場してもうたから、今年はちゃんと出れるようにせな……」

 

 

「あー…あのヘンテコお嬢様の事は置いといて……それならいい、オレも今年はお前とやりてーからな!」

 

 

「うん、ウチも番長と戦いたい!」

 

 

そう言って笑い合うハリーとジーク。この二人は良いライバルであり、良い友達なんだね。

 

 

「DSAAか……そう言えば僕の知り合いの子供達も参加するんだよね」

 

 

「ん? そうなのか?」

 

 

「うん。初等科3人と中等科1人のチームなんだけどね、面白い子たちだよ。油断したら、君達にも勝っちゃうかもね」

 

 

「「!!」」

 

 

僕が冗談混じりにそう言うと、二人の目付きが変わった。

 

 

「……おもしれぇ、店長がそこまで言うってことは相当なんだろうな。そいつらと当たるのが楽しみだぜ」

 

 

「ユーノさんが推す人たち……うん、ウチも戦うのが楽しみになってきた」

 

 

 

あー…えっと…ごめんヴィヴィオにアインハルト達……インターミドルの優勝経験者(チャンピオン)上位選手(トップファイター)である2人のやる気を(あお)いじゃった。

 

 

 

「……あれ? そう言えばユーノさん。レヴィ達はおらへんの?」

 

 

「そういやさっきから見かけねぇな。いつもならアンタの周りをチョロチョロしてんのに」

 

 

「あぁ、三人はさっき言ってたインターミドルに参加する子供達の特訓の手伝いに行ってるよ」

 

 

と言っても手伝うのは午前の練習だけで、忙しくなるお昼時には帰ってくるように言ってあるから、もうすぐ帰ってくると思うけど。

 

 

「そっか。ならオレも負けてらんねぇな」

 

 

そう言うと、ハリーは席を立つ。

 

 

「オレも帰って練習でもするわ。店長、いつものケーキを持ち帰りで」

 

 

「はいはい」

 

 

「あ、ほんならウチも帰るわ。えっと、お金は……」

 

 

「あーいいよジーク、オレが出しといてやるよ」

 

 

「えっ!? そんなん悪いわ……」

 

 

「いいっていいって。それにここで金使って、メシ食えなくなってまた途中欠場されても困るしな♪」

 

 

「うぅ……」

 

 

ジークを言い負かしながら彼女の分の代金を支払うハリー。彼女のこういう姉御肌なところに、みんな惹かれていくんだろうなぁ。

 

 

「んじゃ店長、また来るぜ!」

 

 

「ごちそうさまでした!」

 

 

「またのお越しを~♪」

 

 

お店を出て行く二人を、僕は軽く手を振りながら見送った。

 

 

さてと……そろそろレヴィ達が帰ってくる頃だと思うし、早く準備しないと。

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

カランコローン!

 

 

「ただいまーー!!」

 

 

「ただいま帰りました」

 

 

「今帰ったぞ!」

 

 

「「「「お邪魔しまーーす!!」」」」

 

 

「お…お邪魔します……」

 

 

「こんちわー」

 

 

元気一杯のレヴィを筆頭に、シュテルとディアーチェ、ヴィヴィオとコロナとリオの仲良し3人組みに続いて遠慮気味のアインハルトと、みんなのコーチであるノーヴェがやってきた。

 

 

「おかえり三人共、いらっしゃいみんな! 好きな席に座っててよ。シュテルとレヴィとディアーチェはジュースを運ぶのを手伝って」

 

 

『はーーい!!』

 

 

子供たちの元気のいい返事共に、ヴィヴィオ達はテーブル席で円になるように座り、ノーヴェは一人カウンター席へ。そしてシュテル達は僕と一緒にヴィヴィオ達にジュースを配る。因みにノーヴェはコーヒー。

 

 

「みんな午前の練習お疲れ様。午後の練習に響かない程度に軽いお昼ご飯を作ったから、遠慮せずに食べてね」

 

 

そう言って僕は用意しておいたお昼ご飯を配る。と言っても、本当に軽いものばっかり何だけどね。おにぎりとか。一応栄養バランスとかも考えて作ってあるけど。

 

 

『いっただきまーす!!』

 

 

お決まりの号令と共にお昼ご飯を食べ始める子供達。当然シュテル、レヴィ、ディアーチェの三人も混ざっている。

 

 

「ああ! レヴィ貴様! それは我が狙っていたモノぞ!!」

 

 

「へっへ~ん! 早い者勝ちだもんね♪」

 

 

「うぬぅぅ~~!!」

 

 

「スキあり♪」

 

 

「ぬあっ!? 貴様まで我が狙っていたモノを!! おのれチンチクリンめ!!」

 

 

「チンチクリンじゃないもん! ヴィヴィオだもん!!」

 

 

「3人共、落ち着いて食べてください」

 

 

「シュテルの言うとおりだよ~」

 

 

「あの…シュテルさん、ニンジンは食べないのですか?」

 

 

「………ニンジン嫌いです」

 

 

「シュテルにも苦手なモノってあるんだね~」

 

 

ワイワイガヤガヤと楽しそうにご飯を食べる子供達。シュテル達3人は完全にヴィヴィオ達と馴染んだみたいだ。よかった、あの3人に良い友達ができて。

 

 

「悪ぃなユーノさん、騒がしくて」

 

 

「いいよ、子供は元気が一番だからね。はいこれ、ノーヴェの分ね。サンドイッチだけど」

 

 

「サンキュ」

 

 

「みんなの調子はどうかな?」

 

 

カウンター席に座るノーヴェにサンドイッチを渡した後、僕はみんなの事について尋ねる。

 

 

「うーん…今の所はまぁまぁかな? けどこれだけは言えるぜ、あいつ等は伸びる。確実にな」

 

 

「そう、それなら安心だ」

 

 

ノーヴェがそう言うのなら、ほぼ間違いないんだろうな。

 

 

「シュテル達はどう? 練習の邪魔になってたりしない?」

 

 

「いや、むしろ大助かりだ。あの三人の実力はインターミドル参加組よりも一つ頭飛び抜けてる位だから、魔法戦の練習相手としては最適だ。特にレヴィは格闘戦でもヴィヴィオとアインハルト相手に互角に戦えるから、スパーリングの相手としても助かってる」

 

 

まぁ…シュテルとディアーチェの運動神経はそこまで悪くないし、レヴィに至ってはもう天賦の才能としか言いようがないからね。

 

 

「ってかユーノさん、本当にあの三人をインターミドルに出さねーのか? 今の実力でも地区予選の真ん中らへん……鍛えれりゃ地区予選も勝ち抜けるかもしれねーぜ?」

 

 

「……うん、それはあの子達の親である僕が一番よくわかってるよ。それでも……やっぱりあの子達を参加させるわけにはいかないんだ」

 

 

「………何か理由があんのか?」

 

 

「聞きたい?」

 

 

「教えてくれんなら」

 

 

「じゃあ、今はまだ秘密ってことで♪」

 

 

万が一、子供達に聞かれたら大変だからね。

 

 

「何だそりゃ……」

 

 

僕の言葉に、ノーヴェは呆れたように笑いながらサンドイッチを口に運んだ。

 

 

 

 

 

その後も、僕とノーヴェは子供達が昼食を食べ終わって午後の練習に向かうまで他愛のない話をしていた。

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

うちの娘達を除いた子供達とノーヴェが午後の練習に向かってすぐに、この店にお昼のラッシュが訪れた。

 

因みにこの時間帯にやって来るお客さんは管理局の女性局員が圧倒的に多い。その中の大半は昼食やケーキ目当てなんだろうけど、中にはうちの3人娘を見る為にわざわざやって来る人もいる。

 

……中には色々とアブナイ男性局員も混ざってたけど、その人には丁重にお帰り頂いたよ。

 

 

で、今はようやくお昼のラッシュが終わって休憩しているところ。

 

 

「うー…疲れたよぅ……」

 

 

「そうですね。今日は特に多かったので、少々くたびれました」

 

 

「うむ……さすがの我も疲れを隠さずにはいられんな……」

 

 

「あはは、お疲れ様。ジュース飲む?」

 

 

「「「飲むー!」」」

 

 

テーブルの上でくたびれている娘達に僕はジュースを配る。すると……

 

 

カランコローン!

 

 

「あ、いらっしゃいませ……って、はやてじゃないか」

 

 

「来たで~ユーノ君♪」

 

 

僕の十年来の幼馴染の一人……八神はやてが来店してきた。

 

 

「いらっしゃい、好きな席に座ってよ」

 

 

僕がそう言うと、はやてはカウンター席に腰掛けた。

 

 

「ごめんなぁ、休憩中やったんやろ?」

 

 

はやては隣のテーブルでジュースを飲んでいる三人娘を見て、僕に申し訳なさそうに言う。

 

 

「あぁ、気にしないで。それより、今からお昼?」

 

 

僕ははやてが座った席に御冷を置きながら尋ねる。

 

今の時間はお昼の3時過ぎ……昼食を取るには少し遅い時間だ。

 

 

「せやねん、手掛けてた仕事が思いのほか伸びてもうてなぁ。もうお腹ペコペコなんよー」

 

 

「そうなんだ、じゃあ早く何か食べないとね。注文はどうする?」

 

 

「んーせやなぁ……」

 

 

お店のメニューを見ながら考え込むはやて。

 

 

「よっしゃ、ほんならこのオムライスにするわ」

 

 

「了解。それじゃあ──ディアーチェ」

 

 

「……ふう……仕方あるまい」

 

 

はやての注文を聞いたあと、僕がディアーチェに呼び掛けると、ディアーチェは残っていたジュースを一気に飲み干して溜息混じりにキッチンへと向かった。

 

 

「あれ? ディアーチェが作るんか?」

 

 

「うん。ディアーチェは料理が趣味でね、ここのキッチンはほとんど彼女に任せてあるんだ。実際、僕より料理が上手だからね」

 

 

「そうなんや……でもそれやと、ユーノ君の立つ瀬があらへんのちゃう?」

 

 

「大丈夫! お菓子作りならまだまだ負けてないから!!」

 

 

むしろ僕の本分はこっちだ!!

 

……と、力説をしてみたものの、ディアーチェに料理の腕を追い越されたと知った時は正直ショックだった。

 

 

「ねーねー! 王様のオリジナルー!」

 

 

すると、さっきまでくたびれていたレヴィがいつの間にかはやての隣に座っていた。

 

 

「私の事ははやてでええよ。その呼び方はなんや長いし……で、何やレヴィ?」

 

 

「じゃあハヤテ! アインハルトのデバイスってどんなのー?」

 

 

レヴィがはやてに問い掛けたのは、先日のオフトレツアー三日目に、アインハルトがルーテシア経由で彼女に依頼したデバイスの事だった。

 

って言うか…アインハルトのデバイスなのに、何でレヴィが興味津々なの?

 

 

「アインハルトのデバイス? うーん……本人の要望もあって、補助・制御型に組んどるから、ヴィヴィオのクリスと同じような感じやな」

 

 

「クリスと同じという事は……ぬいぐるみ型ですか?」

 

 

「わぁっ!? びっくりした!!?」

 

 

いつの間にかレヴィとは反対側のはやての隣に座っていたシュテルに、驚くはやて。

 

本当……いつの間にそこに座ったんだろう?

 

 

「まぁ…せやね、一応クリスの性能を参考(ベース)に組み上げとるから、外装も同じぬいぐるみにするつもりや」

 

 

「そうですか……楽しみです」

 

 

その話を聞いて、無表情ながら目を輝かせるシュテル。そんなシュテルを見て、はやてが僕に問い掛けてくる。

 

 

「なぁユーノ君、シュテルの目がメッチャキラキラしとるんやけど、どないしたん?」

 

 

「あはは……シュテルはぬいぐるみとか、小動物とかの可愛いもの系が大好きでね。だから、ぬいぐるみ外装のクリスをかなり気に入ってるんだよ」

 

 

それに影響されて、ルシフェリオンをぬいぐるみ外装にしたいと言い出した時は本当に焦った。

 

うちの3人娘のデバイス…ルシフェリオン、バルニフィカス、エルシニアクロイツ+紫天の書はAIの入っていないストレージデバイスと魔導書だから、仮にぬいぐるみ外装にしても、クリスみたいに動き回る事はできないんだよね。

 

 

「そうなんや~シュテルは意外と乙女なんやな~」

 

 

「そうなんだよ。そこがまた可愛いんだけどね~」

 

 

僕とはやてが他愛のない話で盛り上がっていると……

 

 

「出来たぞ父上、運んでくれ」

 

 

「はーい」

 

 

ちょうどディアーチェのオムライスも完成したので、僕はそれを受け取ってはやての前に置く。

 

 

「はい、お待たせ」

 

 

「おおー! おいしそうやん! ほんなら早速…いただきます」

 

 

はやては両手を合わせてからそう言うと、スプーンでオムライスを小さく切り分けてからすくい上げ、そのまま口に運んで租借する。

 

 

「うん! メッチャおいしいわ!!」

 

 

その瞬間、はやては笑顔を浮かべながらそう言った。

 

 

「ふふん、当然であろう。この我が作った料理ぞ」

 

 

「ディアーチェはホンマに料理上手やったんやね~私も料理には結構自信あるんやけど、このオムライスの味は中々出せへんわ~」

 

 

そう言いながらパクパクとオムライスを食べ進めるはやて。

 

まぁ…はやての家庭料理に対して、ディアーチェの料理はプロの技術を参考にした本格的な料理だからね。どちらかと言うと僕は家庭的な味の方が好きだけど。

 

 

「ふう~ごちそうさんや~」

 

 

「はやっ……」

 

 

よほどお腹が空いていたのか、はやてはあっという間にオムライスを完食した。

 

 

「あ…ユーノ君、デザートにイチゴタルト貰えるか?」

 

 

「うん、いいよ。セットでコーヒーか紅茶が付くけど、どっちにする?」

 

 

「紅茶でお願いするわ」

 

 

「了解」

 

 

はやての注文を聞いて、すぐに準備を始める僕。その間にシュテルが空いたお皿を片付けてくれたり、テーブルを拭いたりしている。

 

シュテルは何も言わなくても積極的にお手伝いをしてくれるから本当に助かるよ。

 

 

「おとーさん! ボクもケーキ食べたい!!」

 

 

……レヴィも見習ってくれると嬉しいんだけど。

 

 

「レヴィのオヤツはまた後でね」

 

 

「ぶぅー」

 

 

僕の言葉にレヴィがむくれているけど、流石にお客がいる前でオヤツの時間にするわけにはいかないしね。

 

 

「父上、キッチンの後片付け終わったぞ」

 

 

「うん、お疲れ様。ディアーチェも座って休んでていいよ」

 

 

「うむ、そうさせてもらおう」

 

 

そう言ってディアーチェは、さっきまでシュテルが座っていた席……つまり、はやての隣に腰掛けた。

 

 

「うーん…こうして見ると、ホンマにディアーチェは小さい頃の私にそっくりやね。髪の色とかは別にして」

 

 

「貴様の遺伝子データが基にいるのだから当然であろう。それにしても……」

 

 

「ん? なんや?」

 

 

ディアーチェ? どうしたんだろう? 急にはやての事をジッと見だして……?

 

 

「うぬが我のオリジナル……という事は、我の成長した姿というわけか」

 

 

あ、そっか。はやて達3人のデータを基に作られたディアーチェ達にとって、今のはやて達の姿はそのまま未来の自分を見ているような感じなんだ。

 

 

「そう言う事になるなぁ」

 

 

「……前々から思っていたのだが……」

 

 

「なんや? 予想以上の別嬪さんで驚いたんか?」

 

 

「いや…シュテルやレヴィのオリジナルに比べて、貴様は貧相な体付きだなと思っただけだ」

 

 

ドスッ!!

 

 

あぁ!! はやての胸に何かが深く突き刺さった!!

 

 

「これが我の未来の姿かと思うと、嘆かわしい」

 

 

ドスッドスッ!!

 

 

「しかしまぁ、我のこれからの成長=今のオリジナルとは限るまい。我はこれから貴様と同じ成長(あやまち)を繰り返さぬように心がけるとしよう」

 

 

ドスッドスッドスッ!!

 

 

「ごふっ」

 

 

ディアーチェの容赦のない言葉に、ついにはやてはテーブルに倒れた。

 

 

「ディアーチェ」

 

 

「うむ……我もここまで落ち込むとは思わなかった。すまぬ」

 

 

僕の咎めるような視線に、ディアーチェは気まずそうな顔をしながら謝った。

 

 

「えっと……ごめんね、はやて?」

 

 

「ええよ、気にしとらんから♪」

 

 

復活はやっ!?

 

 

「ならいいけど……はい、イチゴタルトと紅茶ね」

 

 

「おおきにな」

 

 

僕からイチゴタルトを受け取ったはやては、フォークで一口サイズに切り分けて、そのまま口に運ぶ。

 

 

「うん! おいしい!!」

 

 

「それはよかった♪」

 

 

お客さんの喜ぶ顔を見ると僕まで嬉しくなるから、この仕事はやり甲斐があるんだよね。

 

 

「んくっ……あ、もうこないな時間か。そろそろ仕事に戻らへんとな」

 

 

イチゴタルトを食べ終わると同時に、はやては自分の腕時計を確認してそう言うと、紅茶を一気に飲み干して席を立った。

 

 

「ごちそうさんや。ユーノ君、会計してもらえるか?」

 

 

「はーい。えっと…オムライスとイチゴタルトのセットで……800になります」

 

 

「ほんならこれで」

 

 

「はい、800ちょうどね。ありがとうございました♪」

 

 

「今度はシグナム達も連れて来るな~」

 

 

「うん、待ってるよ」

 

 

「シュテルとレヴィとディアーチェもまたな~」

 

 

「またのお越しを」

 

 

「バイバーイ! ハヤテ!」

 

 

「ふん……また来たければ来るがいい」

 

 

「ほんならな~」

 

 

僕達4人に見送られながら、はやてはお店を出て行った。

 

 

「さてと……それじゃあみんな、オヤツにしようか?」

 

 

「「「はーーい!」」」

 

 

娘たちの元気な声を聞いて、僕は思わず笑顔を浮かべる。

 

 

オフトレツアーも楽しかったけど、やっぱり僕はこうやって娘達と一緒にほのぼのと暮らしているのが一番楽しいかな。

 

 

 

 

 

 

つづく


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