VTuberなんだが配信切り忘れたら伝説になってた 作:七斗七
今日も果物ゲームの続き。だが残念ながら還ちゃんは忙しい為、応援は無し。
なので趣向を変えて、今回は対戦相手の晴先輩とタイミングが一致したので、通話を繋ぎながらのコラボ配信とすることにした。
ストゼロをゆったりと楽しみながらゲームと会話をつまみにしていく。
「晴先輩、そっちはどんなもんですか?」
「ブドウ狩りしてる」
「ブドウ狩り? え、なんでそんなことしてるんです?」
「そんなのこっちが聞きたいわ! なんか意味分からんくらいブドウ降ってくるから画面がブドウ園なんだよ! もっと合成しやすい果物だったら別にいいのに!」
「あ~ブドウ厄介ですよね、形が特殊だから」
シンプルに丸い果物に比べるとブドウなどの変わった形の果物は扱いにくい。それをどううまく捌くかが結構重要なゲームだけど、いくら晴先輩でも物量で押されたら厳しいか。
うんうん、いい具合に運の悪さが作用しているな。このゲームを選んだのは間違いではなかったようだ!
「うーん……よし、ポン、ポンポンして、ポンってええぇ!? いやいやなんでー!?」
「どうしたんですか? またブドウ?」
「あれ~? いやね、果物毎の物理演算が頭の計算と一致しないんだよー……予想と違う崩れ方するんだよねー……」
「……え、まさか落下とか崩れ方を、細かく計算しながらやってるんですか?」
「うん、考えれば挙動が割り出せるからさ。でもうまくいかないんだよな……やっぱゲームだから現実の果物とは全然違う動きするんだよ。それを分かってても、果物の見た目なせいで変な計算しちゃうのが難しすぎる……」
「わ、私だってこのゲーム見てダーウィンの進化論想像したし!」
「え!? なんの話!?」
コメント
:ハレルンの画面もう別ゲーになってて草
:1人だけブドウゲームになってるのよ
:なのに欲しい時には絶対に来ないのマジ才能
:脳内で完璧に曲になってるのに知らない楽器しかないみたいな状態なのかな
:シュワちゃんの対抗心ちょっとかわいい
なんかよく分からないけど、予想外の点でも晴先輩にとってこのゲームは鬼門だったようだ。ラッキー。
これは運命の女神が私に勝てと言ってくれているに違いない!
「ご愁傷様ですねー先輩?」
「くぅぅ……シュワッチの方はどうなんだよ!」
「割と調子いいですよ。今日裏でプレイしている時に気づいたんですけど、私このゲーム得意みたいで。お、この微妙な隙間は……ブドウカモーン。ほい来た」
「はぁ!? なんでそっちが欲しい時には出るの!? こんなのおかしいだろ!」
「なにもおかしくないですよ。これは必然です」
「んなわけあるかい!」
「はぁ……晴先輩、貴方は大切なことを見落としている」
「なぬ!?」
「ふっ、いいですか晴先輩? 私は今、ブドウが
「ははは、なーにをバカなことを」
「バカなことじゃない、さっきも言った通りこれは必然。なぜなら――」
「…………ごくりっ」
「ブドウはかつてストゼロの味になったことがあるからです!」
「ははは、なーにをバカなことを」
「バカなことじゃない、さっきも言った通りこれは必然。なぜなら――」
「…………ごくりっ」
「ブドウはかつてストゼロの味になったことがあるからです!」
「ははは、なーにをバカなことを」
「バカなことじゃない、さっきも言った通りこれは必然。なぜなら――」
「…………ごくりっ」
「ブドウはかつてストゼロの味になったことがあるからです!」
「ははは、なーにをバカなことを」
「え、これループしてね? はっ!? もしかして私! 生命の書に名を連ねちゃった!?」
「誰だよ落書きしたやつ」
なんだループじゃないのか。
じゃあどうしてしまったんだろうこの先輩は?
「あの、会話が先に進まないんです。な、なんだってー!? みたいなリアクション早くしてくれません?」
「いやいや、無理に決まっておろう。ストゼロの味になってるからなんなんよ」
「ストゼロの味になったことがあるってことは、落下確率を操作できるってことですよ。大体成功します。現役の味だったらもっと成功率高いかも」
「自分で自分の言ってることおかしいって思わない?」
「?? 晴先輩の方こそ大丈夫ですか? まぁいいや、実際に見せた方が早いですね。ブドウカモン! ほらきた。ブドウカモン! また来た」
「???( ⁀ ◡ ⁀ )???」
「あっ、晴先輩のところにブドウが山盛りなのも、私の晴先輩のクリアを止めたい念から発生した妨害なのかもしれないですね」
「???(◉◞౪◟◉)???」
コメント
:ぇ? ぇ?
:これマ?
:普通にやば過ぎて驚くことすらできない
:ハレルン人生で一番の謎に直面してそう
:おもしれー女(震え声)
:VTuberってこんなことできんの?
:運だよな? 運が奇跡的なレベルでいいだけだよな?
:こっちはこっちでストゼロゲームになってるのなんなの?
「なんだこれ? もしかして私の方がおかしいのか? 実はそういうゲームで頑張れば私も出来るのか? ふん! カキカモン! ……チェリーだ」
「デコポンカモン! あーダメかー」
「お!! なーんだやっぱり出来ないんじゃん! さっきのも奇跡的に一致しただけか! いやぁ~びびったぁ~本気でビビった! 運の力とはいえ私をここまで驚かせるとは、流石だよシュワッチ」
「いや、ストゼロのデコポン味は出たことないんですよ。でもオレンジ味ならあるので、近縁種ってことで成功率は半々くらいなんです」
「あははー! なんだーそういうことかーってなるかあああぁぁー!!!! 絶対おかしいだろ! チート! こんなのチートだぁ! ズルしてるーー!」
「これがもしチートならブドウ山盛りのそっちもチートしてることになりますよ……。先輩なら駄々こねない! ストゼロを愛さない方が悪いんですよー」
「ムキー! 見下しやがってー! いくらそっちが超能力を使えようが絶対に負けないからなー! 計算、極限まで集中して計算しろ、もうこのゲームの挙動は覚えたはず、リアルに引っ張られるな、果物の形をした別物だと思え………………ここだ! よしよしよしよし! 計算通りの崩れ方! 完璧!」
「あの、私から見たらそれも立派なチートなんですが……」
コメント
:ライブオンは能力者バトルモノなのが証明されてしまった
:見ごたえあって草
:これがライブオンSランク帯の戦いか……
:JU〇Pの新連載決まったな
:ちゃおにDEATH N〇TEが連載されるようなもんだぞ
:友情努力勝利狂気混沌
:全部満たしてるからいけるな
:余計なもんまで満たすな
こうして熱い戦いを繰り広げた私達だったが、結局今日もお互いクリアは達成ならず。
だが、段々と決着の気配が漂ってきていることを、私達も感じ取っていた――
【マシュマロ募集】
近々、ダガー、有素、エーライのマシュマロ返答を閑話でやりたいと思っています。
もしよろしければ、活動報告の『マシュマロ募集』よりマシュマロ提供のご協力をお願いします!