VTuberなんだが配信切り忘れたら伝説になってた   作:七斗七

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ママのご乱心4

「あれー? どうしたの有素ちゃん?」

「なれてしまったって、淡雪君とまぐわうのを望んでいたのではなかったのかい?」

 

 シオンママと聖様は不思議そうに有素ちゃんに声をかける(ネコマ先輩はダウン中)。まぁそうだよね、有素ちゃんがこのような姿を配信で見せることは今までなかったはずだ。

 お泊りをさせてもらった時のことを思い出す。普段はエキセントリックな有素ちゃんだが、なぜかこの子には妙なところで恥ずかしがり屋な一面があるのだ。

 確かあの時は直接の顔合わせを恥ずかしがっていたはず。じゃあ今回はどうしたのだろう?

 

「だ、だってだって、淡雪殿とわ、わわわわ私の子供なんて! そんなのダメなのであります! そんなことが、そんなことが起こってはダメなのでありますぅ!!」

「だめって、そんなことないよ! 子供は多ければ多いほどいいんだから!」

「正論のはずなのに、シオンがそれを言うと子宮口がぎゅっと閉まるね」

「いやそんなっ、ああああああまりにも恐れ多いのであります! 私のようなただの人が神の子を授かるなどぉ!!!!」

 

 世界一きもい危機感の表現をした人はさておいて……あーそういうことね……。

 

「有素ちゃん、今更なんでそんなこと気にしてるの……てかさっきまで私と当たりたいって言ってたでしょうに……」

「そ、それは、まさか本当に当たってしまうとは思わず……企画に参加したのも、淡雪殿と誰かの子を産まれるのを悔しがって楽しもうと思っていたからでありまして……」

「ああそういえば君はそんな嗜好に目覚めつつありましたねぇ! 患者はシオンママだけじゃ無かったってことか……」

「だからこの展開は……起きてはいけないことなのでありますよぉ……」

 

コメント

:これは珍しい有素ちゃんだ

:こんな一面もあるんだな

:まぁ推しの子を授かれるってとんでもないことだからな

:有素ちゃん限界突破すると素が出ちゃうタイプか

:なんか普段があれなこともあってかめっちゃかわいいく見えるw

:押し(推し)に弱いって考えると有素ちゃんらしいな

 

「でもルーレットで決まっちゃったわけだし、企画として無しってには……それに、ママは2人の子供見てみたいなー」

「そ、そんなぁ……でもぉ……」

 

 最早弱弱しいを通り越して助けを求めるような声でまごまごしてしまっている有素ちゃん。

 そんな有素ちゃんの姿を見てしまっては――私も動かざるを得ない。

 ライブオンの先輩として――私は有素ちゃんを――

 

「有素ちゃん……私と子供作るの……そんなに嫌なの……?」

 

 徹底的にイジってあげないといけないよなぁ!!(プシュ!)

 

「そそそそそそんなわけないのであります!! でもそれとこれとは問題が違いまして……」

「じゃあ問題ないって! 子作りしちゃお?」

「ぉぅふ」

「今有素君すごい声出してたね」

「それどころかガシャガシャ物音鳴ってたって! 倒れちゃったんじゃないの!? 大丈夫!?」

「だ、大丈夫……であります……ちょっと体が孕む準備をしただけで……」

「そっか、よかった……」

 

 ……それはいいのか? まぁシオンママも日常茶飯事だろうけど無事だし大丈夫か……。

 そんなことより今は有素ちゃんだ。こんな機会なかなか無いからな、今までの仕返しをしてやらねばぐぇへへへ!

 

「淡雪殿、私も覚悟を決めたのであります! 不束者ではありますが、淡雪殿が望むなら、私は貴方様の子を孕む為にこの身の全てを奉ずるのであります! 」

「ふーん。ねぇ、孕むって話なら、私が孕む役もありなんじゃない?」

「それはダメえええええええぇぇぇぇぇーーーー!?!?!?!?」

 

 おほーーーーこれまたいい反応しますなぁ! 良いではないか良いではないか!

 

「えーなんでー? 私だって女だからいいじゃん」

「私の遺伝子が入っている子なら、淡雪殿に負担をかけるくらいなら自害を選ぶはずなのであります!!」

「割とガチでダメな理由出てきちゃったな……」

「推しに負担をかけるなどファンとして言語道断! その点私が孕む側なら、淡雪殿の子にへその緒から全ての栄養をスパチャすることが可能なのであります! 腹を突き破って産まれてきて即淡雪殿へプロポーズに向かうような元気な子を約束するのであります!」 

「もう何がなんだか。キメラア〇トの女王もびっくりだど」

 

コメント

:シュワちゃん遊んでるだろw

:栄養をスパチャで草w

:まぁこの子既に淡雪ちゃんの財布にへその緒繋いでるようなもんだから

:なんかまた企画の趣旨ずれてない?

:なんで誰かが孕む話になってるんですかねぇ……

 

「シュワちゃん! 有素ちゃんをイジるのもほどほどにしなさい!」

「まぁまぁシオン、混乱する有素君もかわいいじゃないか」

「だってシオンママは2人の子供が早く見たいんだもん!」

「こいつこそほどほどにした方がいいんじゃないか?」

「おかえりネコマ君」

「はいはいシオンママ、分かりましたよー」

 

 少し惜しいが、この先の有素ちゃんの反応も面白そうだし、そろそろ企画に戻りますかー。


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