VTuberなんだが配信切り忘れたら伝説になってた   作:七斗七

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ママのご乱心1

 先日のチュリリ先生の話を聞いたうえで、ライブオンらしい活動をブレずに続けることを選んだ私。

 というわけで、決意表明とばかりに気合を入れて選んだ今日の企画なのだが――

 

「ライブオン子作り企画、はっじまっるよーーーー!!!! いえええええぇぇぇーーーーい!!!!」

 

 うん。これは気合を入れ過ぎてしまったかもしれない……。

 

コメント

:声でっか!?

:企画ぶっ飛びすぎてて樹海

:せめて企画名もうちょっとどうにかならなかったの?

:これ企画は企画でも企画モノとかそういう類のやつなんじゃ?

:てかシオンママのテンションぶっ壊れてない? 大丈夫?

 

「はーい! ワールドオブマザーこと司会進行の神成シオンです! それじゃあまずは企画に協力してくれるライバーの紹介だー! 無理やり連れてきた同期からどうぞ!!」

「やぁ諸君! シオンに誘われたら抗うことを忘れる女、聖様の登場だよ!」

「クソ企画は好きでもこの企画は正直脱走したかった昼寝ネコマだぞー!」

「おっしゃああああぁぁぁ! じゃあシュワちゃんとアリスちゃんも挨拶よろしくぅぅぅーーーー!!」

「プシュ! 開幕から酒が無いとやってられない! シュワちゃんだどー!」

「企画名と淡雪殿の参加を聞いた時点で参加即決! 相馬有素であります!」

「皆参加ありがとうううううぅぅぅ! いいいいいいいいいやっはあああぁぁぁぁーーーーー!!」

 

コメント

:これまたいい面子だぁ……

:当たり前のように同期無理やり参加させてるの怖い……

:あ、あれ、シオンママこんな人だっけ?

:多分違うけど絶対違うとは言い切れない部分ある

:あ、あの、我々にも諸々の説明を……

 

「シオン、リスナーさんの諸君が企画に戸惑っているようだ。盛り上がるのもいいが、進行はしっかりこなさないとね」

「おっと失礼! その通りだね、ありがとう聖! えっと、今日の企画はね! 皆に子供を作ってもらおうと思います!」

「よしよし、えらいねシオン」

「ネコマ先輩、ヤツらに突っ込んでいいっすか?」

「いいぞ!」

「ロケットランチャーを」

「ライバー性まったく関係ない凶器持ち出したところにマジのイラつきを感じるぞ……」

「淡雪殿! 私に! 私に突っ込んでほしいのであります! 淡雪殿に突っ込んでもらえるならロケランもちんこと一緒なのであります!」

「子作り企画だけに? あはははは! なんだ皆もノリノリじゃーん!!」

「……………………」

 

 明らかに普段に比べて二回りはテンションが高いシオンママに言語を失ってしまう。

 まるで酔っているようだが……恐ろしいことにシオンママは素面である。 

 じゃあなぜこんなにもテンションが高いのか? リスナーさんの為に私が代わりに説明しようかと思ったその時、なぜか急にこのタイミングでシオンママ自身が語りだした。

 

「私ね、いつもライバーの皆のことをママという立場からかわいがっているわけなんだけど、なかなか甘えてくれない子も多くて……最近は欲求不満みたいな状況になってたの……もっと甘えてほしいのになーって」

 

 なんだかもう訳が分からないが、それが当然である。

 

「だからね? 皆にだって責任あるんだよ? だってね? そんな鬱憤が溜まっちゃったらね? 私ね? あのね――」 

 

 なぜなら――

 

「私……貴方達の赤ちゃんが欲しくなっちゃった……」

 

 シオンママは今! 完全にぶっ壊れているからである!

 

コメント

:!?!?

:今とんでもないこと言わなかったか!?

:エッ(恐怖)

:どうしてこうなった……

:シオンママのライブがかつてないほどオンしている!?

 

「てなわけで企画説明ー! 今から集まってくれた聖、ネコマー、シュワちゃん、有素ちゃんの4人の中から、ルーレットを使って二人一組のペアを作ってもらい、子供を産んでもらいます! 本当はペアを入れ替えて全パターンやりたいんだけど、尺と企画性のことを考えて入れ替えは無しにするよ……」

「聖様から少々補足を。子供を産むとは言っても、妄想の産物だからそこは安心してくれたまえ。シオンはペアの子供はどんな子になるかを妄想して遊びたいようだ」

「入れ替え無し、つまりネコマ達4人の中から2人の子供が生まれるわけだぞ!」

「淡雪殿と当たれば私との子供が! 淡雪殿と当たれば私との子供がぁ!」

「ゴクッゴクッゴクッゴク、プハアアアアァァァ!」

 

コメント

:よかった、ちゃんとした企画だ ¥8888

:言うほどちゃんとしてるか?

:感覚がマヒしてるがもうBANにならなければえらい!

:シュワちゃん初期並みのえげつないペースで飲んでて草

:あれ? シオンママはルーレットに参加しないの?

 

「あと1人が集まらなかったの……ッ! あと1人集まれば6人で3ペア作れて色々丁度良かったのに! 悔しい! 悔しい!」

「こんなネコマでも避けたい企画するからだにゃ~」

「まぁまぁ、シオンだってルーレット参加者が2期生に偏らないようにとか、企画の面白さとか、進行が崩壊しないようにとか、色々考えた末なんだ。褒めてあげてくれ」

「落とし穴に自分から落ちて自力で出てきても褒める要素はねぇんですよ(グビグビ)」

「私からすれば神企画なのであります! むしろ人が集まらなくてラッキーなのであります!」

 

コメント

:聖様がシオン全肯定botになってるの草

:あの聖様が恋人には尽くす女なの意外過ぎる

:シュワちゃんがいないと企画倒れの可能性すらあったのか……

:……え、じゃあさっきの『貴方達の』って、自分以外のライバー同士が作った子供が欲しいって言ってたってこと?

:うちの子は勘弁してください ¥50000

 

 ストゼロちゃん、今日はよろしくね……。

 いよいよ始まる確定しているカオスに向けて、私は縋るようにストゼロちゃんに口づけを交わすのだった。


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