VTuberなんだが配信切り忘れたら伝説になってた   作:七斗七

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昼寝ネコマのクソ映画紹介7

*――――――――*

 

『全世界の皆さん、今の光景をしっかりと目に焼き付けましたでしょうか? 人類は初めて一つとなり、母なる星に迫る危機を乗り越えました。二重の意味で生死(精子)を懸けた戦いで人類は生き(イキ)残ったのです。皆の意思をその身に背負ったゴクウ君に万歳、人類に万歳、地球に万歳! ゴールデンボールの力を通し、私たちは破滅の運命に打ち勝ちました。名づけるなら金玉革命、人類は決してこの日を忘れることはないでしょう』

「終わった……勝ったんだ……」

 

まるで糸が切れたかのようにばたりとその場に倒れこんでしまうゴクウ。

不思議なことにゴールデンボールは全てどこかに飛んで行ってしまい、今では何の力も感じることができない。ゴクウの体が持つ2つのゴールデンボールも今では通常の睾丸と変わらない反応しかしなかった。

 

「つっかれたなぁ……」

 

視線の端にバカ騒ぎしながら近づいてくる研究所の仲間たちの姿が見えた。

「これはまた疲れることに巻き込まれそうだなぁ、少しは休ませてくれよ」ゴクウはそう思いながらも、隕石と向かい合っていた時とは違い、その顔には穏やかな笑みを浮かべていたのであった――。

 

*――――――――*

 

とうとう映画が終わった。なのにどうしてだろう? 映画終わりの気分が高揚する感覚が一切湧かない。

むしろどうしてこれを見るために限りある時間を割いてしまったのだろうと喪失感すら感じる始末だ。

 

「にゃにゃ、やっぱり名作は色あせないねぇ。紹介したネコマは今一度見返したくてたまらないぞ! シュワちゃんはどうだい!?」

「時間の大切さを知れるいい映画だと思いました」

「うんうん、限られた七日間をどう過ごすか考えさせられる哲学的な映画だったわけだね!」

「鉄のように心を無にする学び、略して鉄学の間違いでは?」

「見るストゼロって感じだよね!」

「貴様は今ストゼロを侮辱した、万死に値する」

「貴様!?」

 

コメント

:どうしようもないのにストーリーとして成り立ってるのがまた酷い

:「な、なんだよこれ?」ほんとだよ

:湖のシーン以外にはしっかり脚本があると信じたくない(白目)

:コレ映画じゃなくてニッチなAV持ってきただろ

:どこの層向けだよ、ニッチにも程があるぞ……

:隕石に興奮する金玉が7個ある男に性的興奮を覚える人向けでしょ

:前世でなにをしたらそんな人になれるのだろうか

 

「さて、今日はこの辺にしておこうかにゃ! それじゃあシュワちゃんは明日までに原稿用紙5000枚分のレポートにまとめて感想を提出してね!」

「月〇並みの分量あるじゃねーか! しかも期限が明日!? こんな映画一枚でも埋めるの難しいわ!」

「お? それじゃあ今から二本目いっちゃう? シャークゾンビとシャークラーケンとダイナマイトシャーク、どれがいいか選んでいいぞ!」

「シニタクナーイ! シニタクナーイ!」

「対抗して即興で考えた面白いオリジナルパロディAVのタイトル3本言えたら許してあげよう」

「アヘンナーズ、インコウジョーウズ、ミッションチンポッシコル」

「言えるのか(畏怖)」

「イージーすぎます」

「下ネタに強すぎるのも困りものだにゃー、もっとネコマみたいにかわいい路線を目指すといいぞ!」

「さっき金玉連呼してた淫乱猫が何を言う、去勢するぞ」

「ネコマーはもとからついてないぞ!」

 

コメント

:あれ? シュワちゃんも似たようなものな気がしてきたぞ?

:やっぱライブオンってやべぇわ ¥10000

:ミッションチンポッシコルは多分ゴールデンボールレボリューションと大して内容変わらん

:クソサメ映画三点セットやめろ

:タイトルだけでZ級映画って分かるの草

 

「にゃにゃー、それじゃあそろそろ締めに入りますかー! どうだったシュワちゃん? 映画の魅力は伝わったかな?」

「まぁ確かにどんな映画だったのかは嫌と言うほど分かりましたね、ネコマ先輩がこの映画のこと好きなんだなーって言うのも伝わりました」

「やったね! というわけでこれからもゲストとして参加してくれる予定のシュワちゃんなのでしたー! 次回もよろしく!」

「勝手に出演の予定入れられてる!?」

 

ほんと、最後の最後までどうしようもなさ全開の配信なのだった。




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