ISの世界に来た名無しがペロちゃんと命名されてから頑張る話   作:いつのせキノン

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段々とシュールさと奇抜さだけを重視し始めて、面白さと言う概念が宇宙の彼方に飛んで行きそうになってるキノンです。取り敢えず地獄を1つ乗り越えて投下。短いけど許して、キリが良かったんだ……。


お世話になります

 田舎に泊まろうならぬ誰かんちに泊めてもらおうを実行中のペロちゃんです。旅のお供は束さんとくーちゃん。

 基地から逃げ出して他の候補基地にも行ったんだが全部ダメだった。主にGのせいだ。そして根底は掃除を怠った束さんにある。ちょっと説教したらGとのダブルパンチになったっぽくてここしばらくしゅんとして大人しいのでちと不気味。ウサミミも心なしか垂れてる。新境地ロップイヤーになる日は来るのだろうか……。

 

「そんな訳でお邪魔します」

「待って下さい」

 

 織斑って表札の家に入ろうとしたら拒否られた。束さん顔パス余裕とか言ってたやんけ。

 

「束さん交渉頼む」

「…………あ、やぁいっくん。旅行以来だね」

「何か元気ないっすね束さん……。って言うかなぜここに?」

「いやー、ちょっと隠れ家に問題が発生しちゃってね。しばらく泊めてもらえないかな? ホテルとかだと色々問題がね?」

 

 皆さんご存知、福音事件。公にはされてない例のアレだが、俺たちは主犯な訳でしばらくは行動を自粛する必要がある。よってしばらくは基地に籠ろうという話が出ていたのだが、都合よりメンタルの方が大事だったので今こうして織斑家に来てる訳だ。仕方ないね、俺とくーちゃん知り合いいないし。束さんも唯一の知り合い織斑家くらいだし。

 ちなみに今IS学園は夏休みに入ったとのことで織斑くんも帰宅してる訳だ。ちーちゃんさんとかいるのかな?

 

「えーっと、まぁ広いんで泊まるくらいなら問題はないですけど……」

 

 と、織斑くんが俺とくーちゃんを見た。そっか、知らないもんね。1回君の前には出てきたけど顔見せてなかったし。

 

「ペロちゃんって呼んでくれ。束さんとこで色々雑用してる人だ」

「クロエ・クロニクルと申します、織斑一夏様。以後お見知り置きを」

「あ、あぁ、どうも……織斑一夏です」

「噂はかねがね聞いてるぞ。男性操縦者なんだって?」

「一応はまぁ。全然ダメな感じですけど」

「女の子に囲まれて嬉しくはないのですか?」

「何と言うか、息苦しい方が勝ってるかなぁ、なんて」

 

 束さんから色々聞いたが本当に鈍感らしい。

 え、俺がその立場だったら? 全力で内心喜んで発散の場所考えるよ。理性が外れないようにね。

 

 取り敢えずあげてもらえることになったので中へ。うむ、一軒家に姉弟2人とは贅沢なもんだ。

 

「いやはや助かった。ここしばらくそこらじゅうを駆け回ってたからねぇ。ロクに休んでないんだ。ああ、これ、冷蔵庫に入れといてくれ。飲み物とか差し入れ」

「あっ、ありがとうございます。束さんの、助手さんでしたっけ?」

「そんなもんだな。研究の手伝いとか、他雑務とか。そうそう、何か手伝うこととかあったら遠慮なく言ってくれ。世話になる以上は何かせにゃならんし。料理とかも任せてな。基本調理係は俺だったから得意だぞ」

 

 家事全般得意だけど。誰かさんのおかげで。

 

「いっく~ん、シャワー借りていい?」

「あぁ、どうぞどうぞ。タオルは俺が用意しときますんで」

「ありがとねー。くーちゃんも入ろう!!」

「はい。ではお言葉に甘えて」

「いってらー」

 

 さて。

 

「どうすっかなぁ」

 

 大してやることないぞ。

 

「部屋なんですけど、束さんと……クロニクルさん、だったっけ。2人は同じ部屋で大丈夫っすかね。後はもう一室空き部屋作るんでそこで寝泊まりしてもらえれば」

「部屋割りかぁ。俺は寝れれば廊下でも充分なんだが、いいのかい?」

「ははっ、お客さんを廊下に寝かせる訳にはいかないですよ。取り敢えず俺は部屋とかタオル用意してきます。あっ、あと千冬姉にも連絡しないとか」

「ほんじゃあ俺はちと外出してくるわ。束さん達に聞かれたらすぐ戻るっつっといてくれ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぃ~スッキリ。いっくんタオルありがとー。夏はシャワーが一番っ。このジャージはちーちゃんの?」

「はい。千冬姉のだとそれくらいしかないもんで」

「ふーん。まぁちーちゃんって昔からオシャレには無頓着だったもんね」

「それなんすよ。千冬姉もちゃんとオシャレすればいいのに……」

「織斑千冬様は、そんな方のですか?」

「もーちーちゃんは仕事が恋人状態だからね。男の噂1つも聞きやしないっ。つまんないよねぇ、からかえないし」

「千冬姉をからかうのは束さんぐらいですよ……あ、そうだ。千冬姉に電話すんの忘れてた」

「ちーちゃんに?」

「はい。一応束さん達が来てることを教えないと……確か今日1回帰って来るとか言ってたし……あ、千冬姉に買い物頼めば良かったのか」

「今日のおゆーはん?」

「そうですね。手軽に多く食べれるのなら……野菜炒めかな。そう言えば青椒肉絲と回鍋肉の元があったから……よし、今日は中華にしよう。じゃあ早速、」

「……あれ、そう言えばペロちゃんは?」

「あぁ、助手さんなら少し出てくるとか……あ。もしもし千冬姉?」

『何だ一夏、珍しいな』

「ちょっと頼み事があってさ。今日帰ってくるんだよな?」

『ああ、今調度学園を出たところだ』

「それでなんだけど帰り際にスーパーによって肉と野菜買ってきてもらえないかな? 今日の夕飯は人数が多いから」

『? 誰か来ているのか?』

「そうそう。束さんとか」

『なるほど、束が……………………待て、今何と言った?』

「えっ? 束さんと他にその助手さんとかが2人……」

『それは嘘か? 冗談なのか?』

「ここで冗談言っても仕方ないんだけどなぁ……」

『束は今何をしてる? まさか変なことはしてないだろうな? してたら全力で止めろ』

「千冬姉落ち着けって。束さんならさっきかソファーで休んでるから」

『……わかった。とにかく束を絶対に外に出すなよ、監視しておけ。それとその取り巻きもだ』

「でも1人出掛けちゃったぞ。ペロちゃん? って人」

『……今すぐ束に変われ』

「お、おう……束さん、千冬姉が変わってくれって……」

「ほいほい。もしm」

『首は洗ってるか?』

「いきなり斬首宣言!?」

『下手なことをすればの話だ。で、何しに家に来た』

「ちーちゃん冷たいよぉ。ちょっと基地に帰れなかったからしばらく泊めさせてほしかったの」

『ホテルにでも行けばいい話だろうが』

「いやぁ、まぁそれは……ね? それともちーちゃん、束さんが泊まりに来るの嫌? ちっちゃい時は毎日一緒だったのに」

『……お前がいると五月蝿くなる』

「いーじゃん賑やかで」

『そういう問題ではない……が、今はいい。取り敢えず私が帰るまで絶対に家を出るなよ。それから、取り巻きもだ。1人出掛けてるそうだな?』

「みたいだね。束さんは何も把握してないんだけど」

『ソイツの格好を教えろ』

「格好? えっとね、サンダル履いててー、七分丈の黒いズボンにピンクのティーシャツとその上に紺色の半袖のカッターシャツかな」

『女か?』

「いやいや、ペロちゃんが女の子な訳ないじゃん」

『…………男、なのか?』

「そーだよー」

『……………………クソッ、後でみっちり質問がある。覚えておけよ』

「おぉ、こわいこわい。じゃ、おうちで待ってるよ~。あ、買い物忘れちゃダメだからね。通話終了っと。はい、いっくん」

「ども。千冬姉なんて言ってました?」

「お泊まり楽しみだねって言ってたよ?」

「正確には首を洗って待っていろ、ですよ」

「どういうことだよ……」


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