ISの世界に来た名無しがペロちゃんと命名されてから頑張る話   作:いつのせキノン

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やぁ(  ̄ー ̄)ノ
相も変わらすリアルの多忙という現実に殺されそうだよ。



あと最近周りの友人達がホモ臭いんだ、どうにかしてくれ。


ペロちゃん「だから↑の合図で突撃って言ったじゃん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 時刻は午前2時を回ろうとしている。皆がひっそりと寝静まるこの時間帯、ベルリン郊外に位置する町、シェーンアイヒェを5台のドイツ産高級車が駆け抜けた。BMW、フォルクスワーゲン等々、ドイツ車と言えばこれと言ったものばかりだ。昼間の往来であれば、車好きが羨むような光景であっただろうが今は深夜である。生憎その姿をよく拝むことはできなかった。

 

 5台の団体は湖に近いホテルに入った。こんな時間に、と思うかもしれないがこの者たち、つい先ほどホテルを買収したばかりである。金に困ることのない()()らは、何もかもを金で買い取り、遊び尽くし、そして捨てていた。

 

「さてさて、今日も定期集会始めましょー」

「あたしビールぅ」

「私もぉ」

 

 キャハハハと笑いながら5人はホテルのスイートルームへ。適当に高級ビールを漁って行く。

 

 彼女らはロシア出身でドイツ国籍を持つ女性権利団体。裏を返せばただ金に物を言わせる道楽組織である。そして、犯罪組織の者達でもある。彼女らが持つ2機のISも非公式施設から奪取した物なのだ。

 つまるところ、反社会的な者共でありながら、しかしISを盗めるだけの技量は()()()()()のだ。何故過去形なのか? 単純な話、既に彼女らに目的が無いからである。目的あってこその気概。目指すとこすらなければ、それは生殖機能を持った動く人形である。悲しきかな、彼女らはISを奪取したところで目的を見失い、社会の底へ無意識にその身を落としていた。

 

 

 

 

 

「見ていて滑稽だな」

 

 Mはその様子を軍隊が使うような双眼鏡で湖の対岸から見ていた。その横ではオータムがインカム越しに彼女らの対話を聞き顔をしかめている。

 

「クソ共が。なんつぅ会話だよ……」

「どれどれ……」

 

 オータムのしかめっ面に興味を惹かれたのか、Mもインカムをつけた。そしてそっと取り外す。

 

「ダメだ」

「~~~~ッ、クソッ、貧乏くじだ……」

 

 今回、2人は役割分担中である。本来ならば1人で全て行える偵察を2人で行っているのは、ただ単に片方が暇になるから。ジャンケンで負けたオータムが盗聴担当になったが故に現在苦しい思いをしている。いわゆるご愁傷様というやつだ。

 

「今飲み始めた。となると全員が沈むのはしばらく先だな。さっさと落ちれば楽だが」

『勝手に酔ってくれるなら万々歳だが、あまり時間もかけてられないだろ。モチベの低下もそうだが、コイツら下手したら朝まで飲みかねんぞ』

 

 インカムとは別にISを通して伝わってくる男の声。ペロちゃんことPのものだ。彼は現在ホテル上空、分厚い雲の真下で待機中である。

 

「仕方ない。あと1時間後には強制的に突入だ。それまで仮眠でもとってろ」

『はいよぉ。少し宇宙遊覧の旅してる』

「戻ってこいよ……?」

『だいじょぶだいじょぶ、約束は破らんよ』

 

 Mは一際大きく息を吐くと、また双眼鏡に手を伸ばした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 こんばんは、Pです。いえす、ペロちゃんです。

 現在成層圏上層部にてうだうだしてる。突入まで後10分と言ったところか

 眼下は分厚い雲に覆われて視界が悪いがどうということはない。が、色々と厄介になりかねないので今のうちから雲の真下に戻って待機しておく。

 

『P、準備は?』

「万端さね。いつでも来てくれ」

『承知。オータム、突撃するぞ』

『言われなくとも!!』

 

 はるか眼下で2つの光の筋が飛翔しホテルへ飛び込む。いよいよ開戦だ。

 爆発音、怒号、悲鳴……いわゆる大惨事だ。盗聴器と一緒に仕込んだナノマシンを通して伝わる音声がいやに生々しい。

 その音の中に違和感を発する甲高い音が4つ……いや、5つ目?

 

『チィッ、コイツら……!?』

「3機目か!?」

『ああそうだよ畜生がッ!! クソッタレェ、邪魔だ!!』

 

 拙いな。いつ盗み出してきたかは不明だがいきなり出鼻をくじかれた。2人がやられるとは思えんが……万が一、億が一も有り得ないこともない。スラスター、ブースターを全開(フルスロットル)で噴かしてホテル目掛けて一直線にダイヴ、屋根ごと突き破って部屋に突入すると同時にフリーの1機にタックルをかまして床も突き抜ける。

 

「M、オータム、2人寄越せ!! どうにかしてみる!!」

『ッ、頼んだ!!』

 

 個人間秘匿通信(プライベート・チャンネル)から少々窮屈そうなMの声がすると同時、階上からもう1つISが落ちてくる。足元に叩き落とした奴の首根っこを掴むと同時にその落ちてきたやつも纏めて掴みあげ建物を貫いて飛び出した。ある程度飛翔したところで暴れだそうとしたのでそのままポイする。

 

『な、なんだよアンタらはぁ!?』

「飲み仲間?」

『だぁれがアンタなんか誘いますかぁ!!』

 

 激昂して突っ込んでくるのは恐らくラファール・リヴァイヴ。少しカスタムされているが一般的な量産機となんら変わらない性能だ。

 

「はいはい、アンタの相手は終わり」

 

 残念ながらアンタよりその後ろの方に集中しないとねぇ。

 武装を呼び出す(コール)。粒子が集まって右手に構成されるのは、シルバーの龍の(アギト)。束さん命名、『エグゼ=ドラゴニア』。それはまるまる、人一倍以上の大きさを誇る武装であり、何よりも龍を模した頭部と大量の歯が並んだ大口が特徴的であり、一種の恐怖を抱かせる。

 俺はそれをショットガンを持って突っ込んできたラファールに向けて肉薄しながら向ける。と、エグゼ=ドラゴニアは1人でにガブリとそのラファールを足まで飲み込んでしまった。えげつねぇ。

 刹那に、アギトの中から電撃と炎が迸り、同時に悲鳴も聞こえてきた。確か束さんが物理的ダメージと同時にハッキングを仕掛けて地獄を見せるとか言ってたな。南無三南無三。恨むなら自分の過去を恨むことだ。自業自得ってやつ。

 たっぷり30秒かけてじっくりエグゼに噛ませた後、地上に向けてラファールを再び投棄。……やべっ、よく見てなかったからフォルクスワーゲンに当たっちゃった。弁償するとしたらいくらんすんだろ、あれ……。

 

 まぁいいや。俺関係ないし。取り敢えず次だ。ボイスチェンジャーも起動して、っと。

 

「で、律儀に待ったんだねぇ、アンタは」

『……戦闘において私以外に人員は不要。付け焼刃の者共など、足を引っ張る要因でしかないのだ』

 

 ははぁ、これまたプライドの高そうな人だ。その分自信がおありのようで。

 まぁ実際この人はさっきのラファールと実力が段違いだ。多分当組織がここまでやれたのもこの人の力あってこそなんだろう。たった今オータムからIS無力化の情報が入った。一瞬手こずったのはやはり今俺の目の前にいる人物の所為。他は取るに足らないとは……つまりこの人がかなりの実力者になる訳だ。

 取り敢えずラファールは落としたことだけ伝えて回収をするよう頼み、俺は目の前の人を落とすことに専念することにする。

 思えばようやく“らしい”1on1だ。これはこれで新鮮でいい。いや、別に油断してるとかそういうのじゃなくて、気分が高揚してる。パフォーマンスも、いつもより上々だ。

 

「オーライ、上等。その自信へし折ってやる」

『できるものなら、なッ!!』

 

【スパイクシステム、起動します】

 

 奴、ゴツイフォルムの灰色のISが肩部からミサイルポッドを出して左右合わせて12発、上下左右に分かれてミサイルが飛翔する。

 俺は一度前進、周囲を取り囲むミサイルを背中に背負って3対のスラスターへ莫大なエネルギーを注ぎ込む。ミサイルが機動を逸らして一斉に俺へと襲いかかろうとする、その瞬間めがけて溜めたエネルギーを大放出。聞いたこともない音がしてスラスターから光が飛び出し、ミサイルを巻き込んで爆ぜた。

 

「気ィ付けろ。少々スペックがオーバーしてて既存のISじゃ頑張らないと太刀打ちできねぇからな」

 

 怯むIS目掛けて両手に呼び出(コール)したレールガンを連射。ババババババッ、と弾丸が打ち出されISの装甲をじわじわと傷付けた。

 負けじと今度は灰色のISが両手にマシンガンを出して応戦。横にスライドしながら撃ってくる。俺も同方向に動きながらスパイクシステムの併用でレールガンを当てていく。

 両者の残弾が無くなったのはほぼ同時。共に武装を投げ捨てると一定距離で粒子と化して消えた。俺は片手ずつに2つと肩部、腰部に機関銃アヴェンジャーをコール。灰色のISは飛翔を続けて舞い上がりつつIS1機分はありそうな砲身を抱えた。

 見るにエネルギーを充填して放出する大出力レーザーか何か。多分装填にはそれなりの時間はかかるだろうし次弾発射までのインターバルは長いはず。狙いも手動で射出時には止まらなければ砲撃の影響で自身が吹き飛ばされるだろう。

 そうなると相手に隙を与えるのはいけない。正直なところ近接戦闘に持って行って追い立てれば良かったと思うがもたもたと武装を換える暇はない。それだったら弾幕で足止めの方が遥かにインターバルが短いからだ。

 すかさずスパイクシステムでロック、トリガー。ブォォォォォォォォォォォォ、と唸るような音が発され銃身から弾幕の嵐が放出される。銃身は合計で8基、毎分3900発の弾が単純計算8倍、毎分30000発を超える量だ。

 普通ならこれだけで反動により俺も大きく後退するところだが、今はスラスターとブースターへの姿勢制御に全エネルギーを回して対処している。お陰で空中に留まる固定砲台となった訳だ。

 ISは弾幕を辛うじてと言った感じでギリギリを躱していく。辛うじて、とは言ったものの、その動きは正確だし次の行動の為にある程度の余力を残しているのが伺える。本当に、上手い。

 

【銃身の熱量が規定をオーバーしています】

 

【直ちに使用を中止して下さい】

 

【銃身の熱量が規定をオーバーしています】

 

【直ちに使用を中止して下さい】

 

 脳内に響く警告宣言(レッドアラート)。そろそろ銃身にも限界が来ている。恐らく10秒ももたない。

 対し、灰色のISは避けながらも徐々にエネルギーを装填している。多分だが俺が武装をパージしている間にロックを完了させ撃ってくる事だろう。回避出来る可能性は……五分五分?

 

【アヴェンジャー、全てパージします】

 

 強制的に、弾幕を放っていたアヴェンジャーがパージ。途端にスラスターから噴射されていたエネルギーも絞み、消える。

 

【警告、ロックされています】

 

「わかるってーの!!」

 

 避けてぇよ全く。しかし残念なことにスラスターの過剰な使用により放熱処理がまだ終わっていない。流石は安全装置だ。今はただの枷でしかねぇけど。

 

「いや、」

 

 ハイパーセンサーがISの構える銃身を捉えた。エネルギー満タン、トリガーが引かれようとする。

 

「避けれる」

 

 俺は刹那にPIC制御も、全ての機能を停止。俺が重力の力を受けて湖へと真っ逆さまに落ちる。

 そんな俺の視界の目の前を光の本流が通過して背後の水と畔と丘を真っ二つに焼き飛ばした。

 

【排熱完了】

 

【スラスター、ブースターを再起動します】

 

 システムを全て再起動、同時に加速。湖に衝突する前に方向転換、未だに反動で硬直するISへ大太刀を向けて肉薄する。

 ここまでくれば、後は畳み掛けるだけ。まずは砲塔に一閃、火花を上げて半ばから斬れて刹那に爆ぜる。気にせず返しの刃で切り上げて灰色のISのシールドを大きく削った。だがまだ落ちない。表面上の傷だけじゃ意味が無い。

 灰色のISが再びミサイルポッドを開く。明らかに至近距離、巻き込まれること前提か……仕方ない。

 イメージコマンド。束さんの仕込んだこのネタ武装を発動することになるとはね……。

 

Assault(アサルト) Armor(アーマー)

 

 今は束さんに感謝せねば。

 

 エネルギーシールドが一瞬収縮、直後に爆発音と共に周囲へ爆散して灰色のISごとミサイルを消し飛ばす。衝撃波は全部外へ向かうので発射直前だったミサイルの爆風もISを巻き込んだようでシールドエネルギーも全部吹き飛んで装甲が3割もボロボロになっていた。俺はシールド張ってないから完全に無防備なんだがね!! ここまで原作再現ですか恐れ入るよ束さん。

 

【シールド再展開まで残り20秒】

 

 長い。超高速機動戦闘下における20秒なんて体感3分と同じだ。あくまで個人的な見解だが。

 ともかく全身にある紙といっても過言ではない装甲と絶対防御だけで被弾は凌ぐしかない状態。こっからはノーダメ必須、中々ハードモードだ。

 

【肩部、物理シールド展開】

 

 こっからは慎重に。文字通り両肩にシールドを展開して防御力を底上げする。少しでもマシになればいいけど……。

 向こうのISはと言えば半身が機能不全、浮いてはいるものの見るからにバランスが悪い。意地なのか、そうなれば素晴らしい執念かもしれない。

 俺がレーザーライフルを展開すると灰色のISは右手にIS用のハンドガンを出す。武装的にも片手で扱える最後の武器、かつ反動を制御するにも片手でしかできないからの武器なのだろう。つまりは最後の抵抗ってことか。

 

「悪い」

 

 逃げることを諦めた。この先にあるのは捕縛される未来だ。可哀想だが、これ以上俺にできることはない。

 レーザーライフルをチャージしながら上昇。先程まで留まっていた場所、そして移動してきた軌道に弾丸が撃ち込まれる。

 

【シールド再展開まで残り12秒】

 

 灰色のISと同じで相変わらず俺にシールドは付いていない。絶対防御があるとは言え当たるのは得策とは言えない。いつものゴリ押しも無理だ。

 

 と、不意に手元のレーザーライフルが発光する。チャージ完了だ。

 危険を感じたのか向こうも動き出す。サイトを外すための不規則な動きだ。当てづらい……。

 

『P、こっちは終わったぞ』

「マジか。こっちはもう少しかかりそうだ」

『援護は?』

「不要。まぁでも後詰め的な人員は欲しいかも」

 

 Mからの通信だと向こうは片付いたみたい。まぁ当然の結果か。

 

『わかった。……それと、先程のアレはなんだ? 今更だが悪目立ちが過ぎる』

「説明は、後でね」

 

 流石にAAはバレたか。やっぱりアレ近距離用とは言えだいぶ範囲が広いらしい。上空でも視認されるか。もしかしたら一瞬満月ができたと誤認させたかもしれない。

 

【シールド再展開まで残り5秒】

 

 弾丸が脇腹の装甲を掠った。僅かにじんわりと熱い。マズった、ちょっと血出てるんじゃね……?

 って言うか向こうも狙いが正確になってきてるし……。やむなし。

 

 サイト、ロック、トリガー。刹那に光の奔流が銃口から飛び出して灰色のISを襲う。

 咄嗟にISが身を捻って躱そうとするが半身を掠めて墜落。ISが具現化維持を迎えて量子と化して解除されて湖に沈んだ。

 

『――――回収完了したぞ』

「湖に落ちたのも?」

『ああ。上手い具合に気絶してる、扱いやすくて助かるぜ』

「そりゃ重畳だ」

 

 銃口から煙を上げるレーザーライフルをゆっくり量子化していると、サイレント・ゼルフィスをまとったMが2人程抱えて飛んできた。オータムも湖の中からアラクネをまとった状態で1人だけを抱えている。明らかに数が足りてないんですがそれは。

 

「ああ、あと2人は必要ないから身包み剥いで捨ててきた」

 

 ぐう畜。

 

「凄い不謹慎な質問かもだけど彼女らこの後どうなるん?」

「尋問、拷問、後は処分」

 

 その処分という言葉が不吉でならない。

 

「道具みたいな言い方で好きじゃないけど、再利用とかは考えないの?」

「使えると思うか? 私は思わない」

「そこだけはMと同意見だ。ISは使えるだけ、勝ち方も知らねぇクズなんざいくらいなくなろうが勝手だろ。そもそもコイツらは常軌を逸脱しすぎた」

 

 まぁだからこうして任務が出されたんでしょうけどねぇ。

 

「……正直言うと、そのずぶ濡れの人は使えると思うぞ」

「これが?」

 

 オータムが抱えている女を見て訝しげな顔をする。嫌がっているということは亡国機業(ファントム・タスク)に間接的か直接的かは置いておいて損害があったのか。

 

「1人目は相対するまでもなかった。そんで、2人が捕まえたのも大したことないんだろ? 聞こえたよ、これだったらこの前のアイツら2人の方が使えるって」

 

 言わずもがな、俺が北海で落とした彼女らである。

 

「そんな、酷い言い方だが、使えない2人がいつつもISを3機分も盗め出せるほどの実力と戦力。何も処分までする必要はないんじゃないか? それに、そのIS多分ワンオフ機だぞ」

 

 恐らく個人用にカスタマイズされた一品。専用機ということだ。

 

「武装の偏りがありながらそれを使いこなす上手さだ。俺は話を聞く意味で処分は保留にしてほしい」

 

 俺の意見にオータムが「むぅ……、」と納得しない表情で唸り、Mがしばし顎に手を当てて考える素振りを見せた。やっぱ拙いかな……優しさというか、他人事な可哀想という気分で言ってしまったが。

 と、不意にMが顔をあげて言った。

 

「……最終的な判断はスコールを交えて決定される。それとなく進言はしてみるが、期待はするなよ?」

「おう。サンキュー。話だけでも聞けるようになりゃ万々歳だ」

 

 束さんとこに情報持ってけるし。

 

「……まぁいい。取り敢えずまずは帰投する。見つかっては厄介だ」

 

 Mの一声で頷き合いその場を去る。人気のない所でISを解除して車に捕虜を乗せてそのままドイツ支部へ向かうことになった。

 帰投したらベッド借りて寝よう。ちと疲れた。……いや、シャワーも浴びなければ。

 

 

 

 

 待て、その前に脇腹の傷だ。

 

「わお」

 

 思った以上に血が出てる……。痛みが少ないのは保護機能がある程度緩和してくれてるからか。

 

「っ!? お前怪我してんのかよ……」

「いやぁ、被弾した。ちょっぴりネタ装備使ったから」

「バカかよ……シートの下にガーゼと消毒液がある。包帯もあるから巻いとけよ。車汚したら承知しねぇぞ」

 

 やだオータム優しい……。これがツンデレか。

 

「M、今のがツンデレだ」

「つまり、今デレた?」

「よしお前ら徒歩で帰れ」

 

 軽口を叩きつつ深夜の町を行く。取り敢えず、一件落着?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




少し前までの流行りはkbtit。くさい(確信)

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