ISの世界に来た名無しがペロちゃんと命名されてから頑張る話   作:いつのせキノン

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アニメの簪ちゃんのビジュアル可愛いよな。



あとさ、鈴って泣かせたいよね。絶対泣かせると可愛いんだよね(ドS)



※以上は本編と全く関係ありません。




 

 

 

 

 久々にドイツの土地を踏む。くーちゃん救出以来か、ドイツに来るのは。懐かしいような、そうでないような。

 

 束さんからの連絡を受けた俺は現在ドイツにいる。街の名前は忘れた。というか聞いてなかった。

 同盟を結ぶとか何とか、色々言ってたが契約なのかな。どの道向こうが利用するならこちらがとことん利用するまでというスタンスだ。俺が喋れる情報なんてたかが知れてるので俺はとことん無防備に突っ込めばそれで良い。向こうが俺の利用価値が無いと言えばそれまでだし、情報が引き出せないなら切り捨ててもオーケー。気が楽で助かるよ、ホント。

 

 待ち合わせの場所はどっかの路地裏。多分手始めに襲って来るだろう。ネットに堂々情報を晒すなら、そこに集まる奴は少なからずいる。俺が俺であると判断するためのテストは必然だろう。

 

 俺はポイントに行く前にまた人気のない路地裏に入ってISを展開し熱光学迷彩を纏った。勿論ハイパーセンサー等で周りに人がいないことは確認済みだ。

 後は人のいない場所や建物の上を通って指示通りの場所へ。所々に潜むような反応がある。しばらく観察してみても動いていないのを見るとやはり“試験監督共”か。ご苦労さん。

 

 驚かすような事をする気もないので素直に待ち合わせポイントへ移動し熱光学迷彩をカットする。多分、急にISを纏った人物が路地裏に姿を現したと思ったのだろう。数人の反応が慌ただしくなったのを俺は見逃さない。

 

「貴様が、例の襲撃犯か」

 

 ハイパーセンサーで捉えてはいたが、視界で見れば急に暗闇から影が浮かび上がったようにシルエットが現れた。あれお化け屋敷とかでやられたらヤだよね。暗いところってあんま好きじゃないし……。怖がるところに入り込む奴の精神が俺にはわかりません。あれ何が面白いんだろうとつくづく思うんだ。

 英語で話して来てるのは、こちらを気遣ってか? まぁ英語は世界共通語だしなぁ。しかし日本語訛りのカタカナ英語だ。

 

『まだジェットコースターの方がマシだろうに……、』

「はぁ?」

 

 いかん、つい口に出た。因みにちゃんと女性の機械音声(マシンボイス)に加工済みだ。

 

『いや済まないこちらの独り言だ。気にしないでもらいたい』

 

 いや何、お化け屋敷の話してもつまらんでしょ?

 

「あ、あぁ、そうか……」

 

 うわ、スゴい納得してない人の顔だよ。

 出迎えた女の人が怪訝な表情を崩さなかった。キリッとした眼と口元。黒髪だし、列記としたエイジアンか。あ、エイジアンってアジア人ね。俺が日本語の独り言を言った所為か向こうも日本語に変えた。その方が有難い。

 

『ネットの招待状、読ませてもらった』

「じゃなきゃこんな場所に来ないだろうな」

 

 そりゃそうだわな。

 

『そんで、君()は?』

「私、か?」

『いいや。君自身の名前も知りたいが、まずは組織を知りたい。こっちにはそれを知るだけの権利があるだろう? わざわざ交渉の場に応じようと来てあげたのだから』

 

 図々しくてごめんね。

 

「…………亡国機業(ファントム・タスク)。その構成員の(エム)だ」

『Mね。交渉は、どこか場所があるのかな?』

「あるにはある。貴様がISを解除すれば入れるが」

『ふむ』

 

 正体バラしちゃって大丈夫だろうか。まあ解除しないと使ってもらえないかー。

 

『因みに、どんな場所だ?』

「ホテルの一室を借りた。監視カメラの類は無い」

『そうか。じゃあ窓もあるね。そこからお邪魔するとしよう』

「……本気か?」

『無論、入るときにはISを解除する。車を教えてくれればそれについて行こう。ホテルのベランダに君が出てくれればすぐにわかるし』

 

 それでダメなら諦めようかな。ただ、色々と情報を集める上でどこか別の組織とお繋がっておきたいのは本心。束さんばかりに負担をかけるのもアレだし、それにここの組織は高い報酬で傭兵紛いのことを出来ると言ってくれた。非合法なのが多めだが、金が貰えるのなら有難い。無論仕事内容は選んでおくが。

 

『君がそれをよしとしないのであれば、帰らせてもらう。惜しいとは思うが、交渉が不可能ならそれまでだ』

「…………わかった、そうしよう。ナンバーは……これだ」

 

 メモ帳を取り出した彼女がさらさらとボールペンでアルファベットと数字を書いた。

 

『中々綺麗な字だ。尊敬するよ』

「……貴様、本当に裏の人間か?」

『普通の人間だよ、少々常識とはかけ離れてはいるが。これは素直に褒めただけだ』

「……そうか……、」

 

 ホントだよ? 俺ってば字下手だもん。綺麗な字書ける人っていいよねぇ、書類とか他人に見られても恥ずかしくないしさ。俺ってばクセが強い字書くもんだからちょっと、ね……。

 

 彼女が車に乗り込んだのを確認し俺も熱光学迷彩を纏う。さぁレッツカーチェイス!!

 

 上空から一つの車を追いかけるというのは中々面白い。よく映画で上空ヘリから見るアレ。ああいうシーンは結構好きだ。

 

 車が止まったのは何やら高級そうなホテルの一つ。ぶいあいぴぃっていう俗に言うVIPが泊まる様な場所だ。一回ぐらい泊まってみたいけど、結局俺にとって必要なのは部屋が適温に保たれているかどうかと枕が適度なかたちかどうかだ。枕が変わると全然寝れないんだよね。枕はやっぱり固めを所望するよ、低反発な奴!!

 下らないことを考えつつしばしホテル周辺をふらふら飛行してるとエムって人がベランダに出ているのを発見。俺は頭部以外の装甲を全て粒子化した後ベランダの手すりに足を着けて熱光学迷彩をカットした。

 俺を見たエムが唖然とした表情でこちらを見ていた。やっぱりそうなるよね。

 

『ハロー。案内ご苦労様。見てのとおり男だ。どうぞPと呼んでくれ』

 

 因みにPとは皆さんご存知ペロちゃんの頭文字Pだ。

 

「まさか、こんな隠し玉があるなんて……愉快な人ね」

 

 Mの後ろからベランダに出てくる人物。パツキン美女というやつ。死語かコレ。

 

『これまた西洋美人さんか』

「スコールよ、Pさん。もしかして私より年下だったりするのかしら」

『スコールさんもお若いが、俺はもっと若いかねぇ。まだ20も生きてないさ』

「だったらMと近いわね。仲良くしてあげて?」

『まだ契約の話は成立してないがね』

 

 よっ、と掛け声でベランダに降りる。結構高層だったから今のは見られてないだろう。それにちゃんと背中側には熱光学迷彩を施しといたから問題ない。

 

「でも助かったわ、貴方のようなイレギュラーがいて。中々良い手札が加わるし」

『いいのかい、本人の前でそんなこと言って。機嫌損ねて帰るかもよ?』

「そう言うなら帰るでしょう? 現に貴方は帰ろうとしない」

『わざわざ来たのにすぐ帰るってのも、時間を無駄にした気がするからねぇ』

 

 するとMが、

 

「……………………これが、ツンデレ?」

『おいMにこんな単語教えた奴誰だ』

 

 これ絶対常識を知らない人の反応だよ!!

 

『スコールさん。ダメだよあんな不謹慎な単語教えちゃ。Mって子絶対世間知らずでしょ』

「まぁまぁ。裏事情なら詳しいけど、表舞台に関して疎いのは確かよねぇ」

『まさかネットで調べろとか教えた?』

「教えたわね」

『アカン』

 

 そこは表の常識じゃないよ、ネットの常識しかないんだよ。

 

「まぁほら、そこは貴方が教えるってことで。ギブアンドテイクを」

『俺返すこと小せぇなぁ』

 

 まぁ存在自体異常だからそれで充分なのかもしれないけど。

 

『……で、契約は? 紙でも書くの?』

「それが書類上だけの無意味な契約だと知ってても?」

『雰囲気だよ、雰囲気』

 

 何かこう、あれじゃん、契約しましたよっ、みたいな。

 

「軽く用意したけど使うことになるとは思わなかったわ。エム、例の紙を」

「フン」

 

 エムが取り出したのは一枚の紙。あ、日本語だラッキー。

 

『やっぱり世界的に英語と日本語は使えるようになっておくと便利なんかねぇ。英語できねぇからさっぱりだ』

「英語は以前から世界共通語。日本語はISが出てから頻繁に使われるようになった。篠ノ之束の仕業よね」

『常識って怖いや』

 

 文面を見つつ見落としや人が気付かない場所に変な細工がないかをチェック。リアルタイムで束さんに映像が送られているので何かあれば合図がある。現状特に何もないので大丈夫かな。

 

 ……そう言えば……ふむ。

 

「なんだP、私の顔に何か付いているのか?」

 

 M。あれだよなぁ、やっぱり……。

 

『織斑千冬に似ているな、君は』

 

 ナイフが迫りハンドガンP8が突きつけられた。

 

『……失礼、ここまでだとは思わなかった。深い詮索は止める』

 

 てか自分で調べる。今度束さんにハッキング方法教えてもらおう。

 

「M、お客様に失礼よ。彼もこれ以上何も言わないと言ってるのだし、収めなさい」

「……チッ」

 

 相当憎いのか、渋々と言った様子のM。結構事情ありみたい。というか情報で見た織斑千冬をまんま少し若くしたような顔立ちなんだもの、疑いもする。

 

『ああ、そうだ。内容の方、承諾しよう。こちらからは傭兵業さえやらせてもらえばそれで良い』

「あら、私たちの情報を求めたりは?」

『どうせ喋らないだろうし自分で何とかする。俺は君達に見合うほどの情報を所持してないんだ。情報にはそれ相応の対価を、情報には情報しかない』

 

 話し合いはそれまで、席を立つ。

 

『連絡先は俺のISだが……誰かISの所持者は?』

「今は私だけよ」

 

 じゃあスコールさんにしよう。連絡先を渡しておく。

 

『ほんじゃあ、何かあったらそこに。基本的に寝てなきゃ反応するんでね』

 

 再びベランダへ。おぉ、結構狙われてる。人影が多いなこりゃ。ISのコア反応が、3つ。スコールさんのを除くと二つ。追跡かな。

 

『ではまた』

 

 手すりを飛び越え頭から落ちる。同時に熱光学迷彩を纏って更に装甲を展開、PIC制御だけで上昇して充分な高度になった後スラスターを噴かした。

 

 奴さんは……辛うじてついてきてる。ステルスモードか。それでもサーモグラフィは誤魔化せない。

 多分向こうは以前のドイツ軍と同じレーダーだけを頼りにしてる筈だ。それも、かなり高性能な奴。別にフルスロットで振り切っても良いが、方向を伝えるのは得策じゃない。だからこそ。

 

 

 

 

 

『――――ここで落ちてもらおうか』

 

 

 

 

 

 殺しはしない。IS程の戦力を削るようであれば先程の交渉も無意味だ。力を見せつければそれで良い。

 

『(束さん、オペレーター頼みますわ)』

『(了解だよペロちゃん。帰ったら色々聞かせてねっ)』

 

【システム、戦闘モードに以降します】

 

【オペレーション:白兵戦(Close Combat)モード】

 

【迷彩システム、解除します】

 

 右手に太刀、左手にフランベルジェを展開。アンバランス? 関係ない。邪魔なら捨てるまでだ。

 

『よっしゃっ、今回こそはきっちり戦闘させてもらいまっせッ!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




2016/7/2
あのね、今更だけどね、ふいんきの奴はネタだからね? もう誤字報告しなくていいから、感想で指摘しなくていいから……いちいち「それネタです」って言うのもう嫌になってきたわ

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